「ネットオークションなどでは、写真の出来栄えで価格が変わります」そう語るのは、フォトグラファーの上田晃司先生。ニコンカレッジでも講師を務めるプロカメラマンに、「高く売れる」物(ブツ)撮りテクニックを聞いてみました。今回はニコンのカメラを使った解説を行います。
上田 晃司 プロフィールと開講講座 | ニコン カレッジ | ニコンイメージング
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モノは望遠で撮れ
ブツ撮りで重要なのは、物の形状を的確に表現することです。極端な話ですが、魚眼レンズで撮影された商品写真があったとしても、買うのはためらいますよね。
物が歪んで写らないよう、レンズの選択が必要となります。
形状がしっかりと写るのは35㎜換算で70㎜-90㎜前後。ズームレンズの場合は広角側ではなく、望遠にして離れて撮影しましょう。
商品の色を正しく表現する
オークション撮影では商品の色がしっかり表現できるか、が重要です。
PRE(プリセットマニュアル)を使い、白い色は白く表現できるようにしましょう。これをするだけで、印象が全く変わってきます。
また、オークション写真に雰囲気を表現する必要はありません。ですのでブツ撮りの場合は“ボケ味”も不要となります。商品すべてにピントが合っている必要があるので、絞りはしっかりと絞る必要があります。目安としてF8~F11くらいがよいでしょう。ただし絞る(=羽根が閉じて穴が小さくなる)と瞬間的に入ってくる光の量は減ります。
その場合、シャッタースピードを遅くする場合もあるので、絞った場合は三脚などを使って手ブレしないような工夫が必要です。
めっちゃ使える100円ショップのグッズ
ブツ撮りでも100円ショップのグッズは大活躍です。白いビニールでできた「まな板」はとても便利。
4枚買って、囲むような形でテープで止めれば、簡単なライティングボックスの出来上がりです。こうすることで“面光源”を作り出すことができるのです。※作例は上面に白いファイルを使用
また、卓上ライトやハンディなLEDライトも便利です。ただし、これらは正面から照らしてはいけません。
ブツ撮り、料理は逆光が基本
ライトは、撮る対象物の後ろから当ててあげましょう。ただし、正面からの光が足りなくなるので、レフ版で光を補いましょう。この場合には鏡を使ってもOKです。
いかがでしたでしょうか。
知っている人は知っているけれど、このわずかな違いが仕上がりに大きな差を生むことになります。
基本は光を柔らかく回すこと。これらのことを念頭に、良いブツ撮りに励んでみてください!