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『ミス・ペレグリンと奇妙な子供たち』ティム・バートンに「Sexy!」と賞賛された日本人アーティスト・田島光ニさんインタビュー
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『ミス・ペレグリンと奇妙な子供たち』ティム・バートンに「Sexy!」と賞賛された日本人アーティスト・田島光ニさんインタビュー

2017-03-01 17:00
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    「チャーリーとチョコレート工場」「アリス・イン・ワンダーランド」のティム・バートン監督最新作『ミス・ペレグリンと奇妙な子供たち』が大ヒット上映中です。

    人とは異なる奇妙な能力を持った子どもたちが織りなす物語を描いたミステリアスファンタジーである本作は、ティム・バートンらしい“不思議でおかしな”世界観炸裂。それでいて、最後にはじんわり心が温まり家族愛に涙する、ティム・バートンの新境地とも言える魅力を持ち合わせています。

    筆者が個人的に一番お気に入りなのが、とあるガイコツのシーン! 発想と表現力、演出、全てが最高のシーンとなっているのですが、実はこのガイコツのコンセプトアートを手掛けたのは田島光ニさんという日本人クリエイターなのです。1990年生まれの弱冠26歳にして、これまで『GODZILLA(ゴジラ)』、『進撃の巨人』、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』など、数々の話題作のコンセプトアートを手掛けている田島さん。『ミス・ペレグリンと奇妙な子供たち』での作品作りのポイントについて、色々とお話を伺いました。

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    ―映画大変楽しく拝見させていただきました! まず、本作に携わるきっかけはどんな事だったのでしょうか?

    田島:最初はあまり長期で関わるというよりは、短期で関わる感じだったのですが、最初に頼まれていたキャラクターのデザインを見せたら気に入ってくれて、全体的に携わる事になりました。
    編集部注:そのキャラクターが何かはネタバレになるので裂けますが、ティム・バートン監督自ら「sexy!」と賞賛したとのこと。

    ―ティム・バートン作品は以前からご覧になっていましたか?

    田島:元々すごく好きで、実写もアニメーションも何度も観ていますね。この作品に携わる事が決まってから、ティム・バートン監督作品や、監督がデザインを手掛けた作品を改めて繰り返し観ました。監督の作品は「恐いだけじゃなくて面白い所もある」というのが特徴ですよね。どれも好きですが、選ぶとしたら『フランケン・ウィニー』と『コープス・ブライド』が特にお気に入りです。

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    ―田島さんが手掛けられたというガイコツのシーン、最高でした! 映画の中で一番の盛り上がりですよね。

    田島:僕も完成した作品を3回観ましたが、一番好きなシーンです。最初はティム・バートンっぽいというか、アニメーションっぽいデフォルメされたイメージで。「ハリー・ハウゼン作品の様なストップ・アニメーションにしたい」と監督にも言われていて、自分でも懐かしさを醸し出しながら、新しい技術をどう出していこうとは考えました。

    ―田島さんがこのコンセプト・アートという世界を目指したきっかけはどんな事ですか?

    田島:映画の世界を目指したのは高校卒業間近くらいです。専門学校を選んでいる時にこの分野の専門学校の説明を聞いたのがきっかけですね。それまでは自分が出来る世界だとは思っていなかったんですが、「CG科」の説明を聞いていて、これは面白そうと思いチャレンジしました。

    ―卒業後、すぐに海外で活躍されているわけですが「少し日本で実績を作ってから…」と言った事は考えませんでしたか?

    田島:兄の影響で元々アメコミや洋楽が好きで、海外の文化に触れる事が多くて、やるなら海外でやってみたいというのは最初から思っていました。これは色々なクリエイターさんがおっしゃってる事ですが、若い、行動を起こしやすい立場のうちに色々なチャレンジをした方が良いと思います。長く会社にいて、地位を築いていたり、部下や後輩がたくさんいるとなかなか出づらいと思うので。

    ―日本だとどうしても田島さんの様な映画作りをしているスタッフって夜帰れなかったり、徹夜が当り前だったり、そんなイメージが強いと思います。日本と海外の差は感じますか?

    田島:僕の働いているバンクーバーの会社では基本的には無いですね。朝は9時に来て、夕方18時には帰るというスケジュールで。作品の締め切りが差し迫っている時は深夜までやる時もありますが、朝までかかったり徹夜するという事はありません。日本はどうしても残業ありきというか、残業するのが当り前という文化になっている部分があると思うので、それはあまり良くないと思います。

    日本のCG技術や、コンセプト・アートの世界が遅れているとか劣っているとかという事は全く思わないのですが、なかなか日本の映画でそこまでの時間と予算をかけられる作品って無いんですよね、なので納期が短縮されてハードなスケジュールになってしまう。難しい問題だと思います。

    ―なるほど、なかなか根深い問題ですよね……。今後田島さんも日本で学生に教えたり、とそんな計画もあったりしますか?

    田島:そうですね、僕がこちらで学んだ技術を教えたり、今のハリウッドではこうしたテクノロジーが使われている、と言ったことはぜひ日本の若者に伝えていきたいと思っています。アメリカやイギリスだと、オンラインでPC上で授業が受けられたりと場所を選ばない学び方が充実しているのですが、日本の学生にとってはまず語学の壁がありますから。それを僕が噛み砕く役というか、伝えて行きたいなと思っています。

    ―ぜひ、楽しみにしております! そんな田島さんの今後手掛けてみたい作品や目標とはズバリ何でしょうか?

    田島:この仕事をはじめてからずっと『ハリー・ポッター』に携わる事を目標としてきましたが、有り難い事に『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』で叶える事が出来たので、次は、クリストファー・ノーラン監督の作品に関わってみたいですね。

    ―ノーラン監督のCGへの要望、すごく高度そうですね(笑)。

    田島:そう思います(笑)。でもそのこだわりあっての素晴らしい作品達だと思うので、いつかそこまで行ける様に頑張ります。

    ―今日は素敵なお話をどうもありがとうございました!

    【田島光ニさんプロフィール】
    コンセプトアーティスト。1990年生まれ。2011年に日本電子専門学校コンピューターグラフィックス科を卒業後、フリーランスのCGモデラー としてキャリアをスタート。2012年4月に数々のハリウッド映画を手がけるイギリスのVFX制作会社『Double Negative Visual Effects』の バンクーバー支社で勤務。『GODZILLA(ゴジラ)』、『進撃の巨人』、『寄生獣』などの作品を手がけ、学生時代には『3DCG AWARDS 2010』で最優秀賞も受賞した。『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』のアートも手掛ける。

    映画『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』オフィシャルサイト
    http://www.foxmovies-jp.com/staypeculiar/

    (C)2016 Twentieth Century Fox Film Corporation.

    RSSブログ情報:http://getnews.jp/archives/1643230
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