夏目前。この記事を執筆している5月22日時点で、外気温が35度を超える都市も出てきた。
日本の夏にはビールが欠かせない。冷蔵庫でキンキンに冷やしたビールを喉に流し込む快感は、言葉では言い表せないほどだ。「日本の風物詩」とも表現できるかもしれない。
だが、今年6月から大型小売店での酒類に対して規制がかかる。原価割れするほどの安売りができなくなるのだ。平たく言えば、缶ビールの値段が全体的に上がる。
給料はなかなか増えないのに、ビール価格が上昇する。これは苦痛以外の何物でもない。
こうなったら、いっそ自宅でビールをこしらえてしまおう。
世界中のビールを自宅で製造
国際的クラウドファンディングサービス『Kickstarter』の食品関連部門が、大いに盛り上がった。それはあるひとつの製品によるものだ。
その製品の名は『Pico C』。世界中の有名醸造所と提携し、あらゆる銘柄のクラフトビールを自宅で再現できるマシンである。
その工程は完全パッケージ化されていて、使用者は水と醸造パックをPico Cにセットするだけ。あとはビールができるまで待てばいい。上面発酵のビールなら、せいぜい1週間というところだろう。
醸造パックは既製品のみならず、自分でカスタマイズすることも可能。モルトやホップ、麦芽などの量を調整し、それに応じたパックをオンライン注文する。これはまさに「ビール醸造のクラウド化」に他ならない。
機能はそれだけではない。『PicoStill』という外装品がオプションにあるのだが、これは蒸留装置である。Pico Cはビールだけでなく、エッセンシャルオイルや蒸留酒を製造することもできるのだ。
Kickstarterで調達した資金は、190万ドルを超える。日本円に換算すると、約2億1,000万円である。念のために書くが、これは決して誤植ではない。Kickstarterにおいても、記録的な額だ。
市場化の際の予定価格は、Pico CとPicoStillのセットで898ドル(約10万円)だという。
動画URL:https://youtu.be/SvsC8cxwhn8(Youtube)
瓶ビールを作ろう!
次に、このPico Cに勝るとも劣らない製品をご紹介しよう。
去年、やはりクラウドファンディング界隈を騒がせた『VESSI』というものだ。
これは発酵・醸造はもちろん、ビールサーバーとしての機能も兼ね備えた逸品。8ガロン容量の醸造タンクは完全密閉式で、圧力や温度の調節ができる。これにより、ビール製造の期間が大幅に短縮されるとのこと。「本格的」という単語を通り越して、本物の醸造機が自宅にやって来たようなものである。
しかもこのVESSI、ビールの瓶詰め機も用意している。これ1台あれば、自家醸造のビールを商品として生産することができるのだ。
クラウドファンディング『Indiegogo』で巨額の資金を集めたVESSIは、すでに市場投入されている。自社サイトにて2,000ドル(約22万円)という値段で販売中だ。
動画URL:https://youtu.be/7f46ym0yev4(Youtube)
目指せアル・カポネ
この2製品が自宅にあれば、わざわざビールを買いに行く必要がなくなる。ついでに、余ったビールを売りに出すこともできるだろう。
ただしもちろん、日本でそれをやるならば酒税法に則った免許を取得するか、アル・カポネよろしく裏に潜むかのどちらかを選ばなければならない。人一倍の勇気があれば、後者の選択も可能である。
だが、その場合に生じるリスクは必ず自分自身で負っていただきたい。
【画像・動画】
Pico C – Craft Brewing For All-Kickstarter
https://www.kickstarter.com/projects/1708005089/pico-c-craft-brewing-for-all[リンク]
VESSI
http://www.getvessi.com/[リンク]
The Pico Model C-YouTube
https://youtu.be/SvsC8cxwhn8[リンク]
Introducing Vessi™ Fermentor and Dispenser-YouTube
https://youtu.be/7f46ym0yev4[リンク]
―― 見たことのないものを見に行こう 『ガジェット通信』
(執筆者: 澤田 真一) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
- 会員限定の新着記事が読み放題!※1
- 動画や生放送などの追加コンテンツが見放題!※2
-
- ※1、入会月以降の記事が対象になります。
- ※2、チャンネルによって、見放題になるコンテンツは異なります。