ウォルター・ホワイトの物語は、まだまだ終わっていないのかもしれない。
人気テレビシリーズ『ブレイキング・バッド』のクリエイター であるヴィンス・ギリガンが、米ソニー・インタラクティブエンタテインメントのプレイステーション部門とチームを組み、同ドラマのゲームではないVR(ヴァ―チャルリアリティ)体験ができるプロジェクトを進行中だ。
同プロジェクトの詳細は現時点では明らかにされていない。米ソニーは、誰がクリエイターとして関わっているか、また、複数のエピソード企画なのか1回限りのものなのか、期間が決まっているのか(今年中にリリースされないことだけは分かっている)を明かしていない。同プロジェクトは初期段階だが、ギリガンはVRでストーリーを語ることを強く望んでいるようだ。
米ソニー・インタラクティブエンタテインメントのビデオゲーム部門グローバル・チーフ・エグゼクティブを務めるアンドリュー・ハウスは、「私たちはスタジオ内のキャンパスで、これから仕事を共にする米ソニー・ピクチャーズ・テレビジョンが誇るデイヴィッド・ショアのドラマシリーズ『ブラック・リスト』や、ロナルド・D・ムーアによるドラマシリーズ『バトルスター・ギャラクティカ』を生み出した7名の最高のショーランナー(番組総責任者)との時間を持った」と語り、「彼らはVRコンテンツをプレイした。彼らのうち何人かが興味を持ち、ヴィンス(ギリガン)が『ぜひVRを使って何かしてみたい。これで新しい試みをしたい』と言った」と、続けた。
実写360度映像を生成するツールはまだ初期段階であるため、体験映像はコンピューター・グラフィックスを使用して組み立てることになり、ギリガンの構想を実現するために、米ソニーのゲームチームはギリガンと連携してプロジェクトを進めることになる。
米ソニー・インタラクティブエンタテインメントは、近年急速にビデオゲームの分野を超えた領域を開拓している。2015年、同部門と米ソニー・ピクチャーズ・テレビジョンは、人気コミックを原作にしたプレイステーションで視聴できるオリジナル番組『パワーズ』を作り上げた。同番組は2シーズン構成で製作された(その後米ソニーは2016年8月3日に同プロジェクトをキャンセルした)。
米ソニー・インタラクティブエンタテインメントは、ハウスによると、あらゆるネットワークサービス(プレイステーション・プラスやプレイステーション・ミュージックを含む)の中で最も定着率の高いクラウドベースのライブテレビサービス『プレイステーションヴュー(PlayStation Vue 』も監修している。ハウスはその定額会員数を明らかにしなかったが、プレイステーションヴューは、ゲームコンソールよりもプレイステーション以外の端末に多くのユーザーがいるということだ。また、18歳から34歳のユーザーの月間視聴時間は140時間で、この数字は同年齢層の米国内平均の約2倍だとハウスは語った。
同社は、ギリガンのような人物とのコラボレーションにより、VRを米国民の間で人気のサービスに推し進めたいと考えている。
ハウスは、「この試みは、VRが主流に向かってどのように動くのかを見ることのできるさらなる興味深い方法になると考えている」と、語った。
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