今回はedoedo2さんのブログ『部屋でひとりPCに向かっているなう。』からご寄稿いただきました。
■保育園入所不承諾への異議申立ては事を荒立てているわけではない
こんにちは。普段、それほど読まれていないこのブログが訪問者で賑わっており戸惑っている筆者です。
比較的軽い気持ちで、でも少しでも大田区民のこの動きが広まればと思い書いた記事でしたが、Twitterで書いたと自己主張したところ、多くの方にRTされ、さらにはガジェット通信さんに転載していただきました。
ありがとうございます。
さて引き続き、保育園入所不承諾に対する異議申立てについて。
そもそも、異議申立てってなんぞや?と思いませんか。
人によっては、事を荒立てている風にも見えるようです。
私自身は異議申立てはしたことがないので、基本的にどういった法律に基づいた行動で、どういう効果があるのかを整理しておきたいと思います。
「異議申立て」は行政不服審査法という、国民の権利義務の救済を図るとともに行政の適正な運営を確保することを目的とする法律に基づいた行動です(行政不服審査法1条)。
決してごり押しであったり、騒ぎ立てたり、事を荒立てるような行動ではないのです。
役所関係から送られてくる、何らかの決定通知には必ず、次のような文言が書かれているはずです。不承諾通知を何通も受け取ってる私は見慣れてますが、児童手当の決定通知書などは多くの家庭の元に届いているはず。そこにも記載されています。
この決定に不服があるときは、この通知書を受けた日の翌日から起算して60日以内に(当該決定の責任者)に対して審査請求をすることができます。
※()の中には、東京都知事ですとか、区長といった行政庁の長が該当します。
詳しくはこちらのページがわかりやすく書いてあります。
「行政不服審査法Q&A」 『総務省』
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/gyoukan/kanri/q_and_a.html
で、杉並区や足立区、そして大田区でも行われようとしている「集団による保育園入園不承諾に対する行政への異議申立て」は確かに異例ですが、これまでも個人で異議申立てを行ったことがある人もいないわけではないのです。
そして、異議申立てをした後はどういうお返事がくるかというと、却下・棄却・容認のいずれか。
どのような基準、判断で不承諾という決定を下したのかが書面で説明されるようです。
つまり、すぐに自分の子が入園できるようになるとか、待機児童が解消するといった神器ではありません。
ただし、その自治体にとっては、保育園(もしくはその定員)が不足しており、困っている市区民がいるということが客観的にわかる記録となります。
後の保育園希望者のための布石とも言える行動なのです。
杉並区の場合、異議申立てをきっかけに次のような動きがありました。
受け取った杉並区の担当者は、「保護者の方の切実な思いが届けられたと思うのできちっと重く受け止めたい」と述べ、急きょこの春の定員を100人分増やし東京都や国にも待機児童対策の強化を求めるとしています。
※NHK生活情報ブログ*1より引用
*1:「保育園入れず集団で異議申し立て」 2013年03月05日 『NHK生活情報ブログ』
http://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/200/147724.html
そして、3月5日にはこうした文書が発表されたようです。
深水英一郎/ふかみん@getnewsjp杉並区が発表した保育所待機児童への対策「認可保育所のみでこれらの保育ニーズに対応することは現実的ではない」「国に対し重点的な支援を働きかける」 RT @HORIBE_Yasushi: 「杉並区待機児童対策緊急推進プラン」 http://bit.ly/12qEAQK (pdf)
2013年03月05日
https://twitter.com/getnewsjp/statuses/308893879959175169
さて、大田区でも実は「大田区保育サービス基盤拡充のための3カ年プラン(PDF)」*2が平成23年に発表されています。
*2:「大田区保育サービス基盤拡充のための3カ年プラン(PDF)」 平成23年8月 『大田区こども家庭部』
http://www.city.ota.tokyo.jp/kuseijoho/ota_plan/kobetsu_plan/kodomo/hoiku_jyujitsu/3yplan.files/3yplan.pdf
ここで書かれている目標はどれだけ達成されたのか、いつか公表されるでしょう。
また、平成25年度予算案として、待機児童対策に11億6248万円の予算が組まれることとなっています。
杉並区の担当者はその日のうちに上記のようなコメントを出しましたが、大田区ではどうなるか、注目しています。
私個人的には、いろいろ準備・知識不足だった点もあるのですが(保育園は1歳からじゃないと入園できないと勘違いしてた)、保育園の入所を待っていた3年間、保育園のことばかり考えていて頭がおかしくなってるんじゃないかというくらいムキになっていました。
「この子が受け入れられるところはどこにもないのか」と、今思えばちょっと大げさすぎるかもしれませんが、そんなことを考えていた時期が続いていたのです。
大雑把で適当な私ですらこうなので、多くの親は本当に思い詰めているのだと思ってます。
あんな思いをする人は、いなくなって欲しいのです。
執筆:この記事はedoedo2さんのブログ『部屋でひとりPCに向かっているなう。』からご寄稿いただきました。
転載いただいた記事は2013年03月08日時点のものです。
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