今回はメカAGさんのブログ『疑似科学ニュース』からご寄稿いただきました。
■就活に思うこと
「増加する「就活自殺」と、企業人の責任」 2013年04月17日 『BLOGOS』
http://blogos.com/article/60405/
常々思うことなのだが、「就活で落ちまくって精神的にダメージを受ける」ってのは、そもそも落ちるような企業を受けるからダメなんじゃないの?
だって大学受験にたとえれば、みんなが東大から順に有名校を受けていけば、大半の人間は受かる大学(かなり低レベル)に辿り着く前に、落ちまくるわけだよね。
ただ受験の場合は最初から受かりそうにない大学は受験しないというだけ。
* * *
就活も、ネットで応募できるようになってダメ元で、自分の学齢からはとても受かりそうにない有名企業から順に受けてるから、落ちまくるんじゃ・・・
たとえばこの本のp.73にこんなことが書いてある。
「就職、絶望期―「若者はかわいそう」論の失敗 (扶桑社新書 99)」 海老原 嗣生(著) 『amazon』
http://www.amazon.co.jp/dp/4594064191
ほとんどの学生は、まずは人気企業を志望する。高校から大学を受験するときは、誰もが「東大・京大」を受験しはしないのだが、こと就職となると、本当にほとんどの学生が名うての人気企業から応募していくのだ。そうして、夏休みに入る頃、ようやく「大手は無理」と最終判断する。
いくら市場相場を様々な手法で伝えても、学生たちは自分が真剣に「落ちる」までは絶対に納得はしてくれない。
大学受験だとなまじ偏差値という冷徹な基準があるが、就職だと「もしかしたら人柄を見てもらえるんじゃないか」という甘い期待に翻弄されるわけだ。著者はリクルート社に務めていた人だ。いくら無理だと説明しても学生は納得してくれないという部分に無念さがにじみ出ている。
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イケダハヤトの記事の中にある「落とした理由を説明したらいい」というのも変な話だと俺は思う。説明してどうするのだろうか?その部分を改善したからといって、どうなるのだろう?
たとえば絶対評価であるレベル以上の人材は人数を問わず採用するというなら、欠点を改善すれば採用レベルに達する人が増えてみんなハッピーになれるだろう。
しかし実際には採用する人数が決まっていて、望ましい人材を上から順に採用していくわけだよね。みんなが欠点を改善しても、結局不採用の人数は変わらない。同じだけ不採用の人は出る。ある人が自分の欠点を改善して採用されたとしても、その分別の人が不採用になるわけだ。
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そもそも付け焼刃で欠点を改善できるとも思えない。逆に改善しようのない自分の欠点を有無をいわさずつきつけられたら辛いのではなかろうか。理由がわからなければ、「運が悪かったんだ」「採用者が人を見る目がなかったんだ」と自分をごまかすことができる。
だいたい採用試験は、現状を評価するためのものであって、向上させるためのものじゃないよね…。せっかく優れたところがあるのにアピール不足で不採用になってしまうというケースは改善すべきだとは思うけど、能力自体は短期間に改善できるものではないだろう。
この記事の人は「なぜ落とされたのかわからないとサポートのしようがない」といってるけど、どんなサポートをするつもりだったのだろうか。
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よくテレビとかで「何十社受けたのに不採用です」とか言ってるけれど、それは受かりそうにない企業を受けることが原因だろう。ダメ元で受けてみるのは止めないけれど、それで精神的に追い詰められたら元も子もない。結局こういうのは、就活産業の口車に踊らされてるだけだと思うのだよね・・・。
ダメ元で受かりそうにない有名企業を受けるのは精神的にきついから、最初から身分相応の企業から狙っていけとアドバイスし、社会的にも全体的にそういう風潮を作っていくしかないと思うのだが。
執筆: この記事はメカAGさんのブログ『疑似科学ニュース』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年04月22日時点のものです。
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