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【プリミティブアートなパワースポット】高知の唐人駄場遺跡でキャンプをしてみた
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【プリミティブアートなパワースポット】高知の唐人駄場遺跡でキャンプをしてみた

2013-05-21 01:05
    【プリミティブアートなパワースポット】高知の唐人駄場遺跡でキャンプをしてみた

    今回は高市憲さんからご寄稿頂きました。

    ※すべての画像が表示されない場合はhttp://getnews.jp/archives/342700をごらんください。

    凄い縄文時代の遺跡が、高知県足摺岬(あしずりみさき)の近くにあるというのを知ったのは3年前。四国でキャンプをするのに適当な所がないか探していた時、この唐人駄場のことを偶然知った。

    角のように伸びた高知の二つの長い半島の内の西寄り、足摺岬の先端に唐人駄場(とうじんだば)はある。高知市内から約4時間。愛媛県松山からでも4時間半ほど。つまり愛媛と高知の県境に近い所に駄馬は存在する。

    土佐清水市内から足摺スカイラインを通って、車で約30分。海側の断崖絶壁絶景を幾つか通過する。亜熱帯系とさえ思える深い森の合間に芝の更地が見えてくると、唐人駄場に近づいている証拠だ。

    この唐人駄場遺跡からは、黒曜石の矢じりなどが発掘されていて縄文時代の名残が幾つか見られているが、ここにある巨石群が何時、何のために作られたかは全く分かっていないらしい。

    巨石群は、切り立った山の天辺近くにある。誰がどう見ても不自然に固まって積まれているし、見た限りでは自然に出来たとは到底信じがたい存在理由も不可解そのものだ。しかし、これを海側から見ると「そこに石がある意味」が少し見えてくる。

    駄馬を海側から見上げよう。すると、巨石の一つが丁度西日の当たる方向に向いて、木々の間からキレイに見えてくるのだ。現地の人曰く「石は、もともと白い石で陽が当たると森の中で巨石だけが光って見えた」とのこと。残念ながら、現在は酸性雨で石が黒くなってしまっていて、美白石効果は落ちているらしい。

    古来、船乗りが陸に上がるための目印として唐人駄場の巨石を利用していたというのは、海から見れば一目瞭然、即納得である。縄文人が驚くような高度文明を持っていたとかいう話は、本やテレビで取り上げられる話題だ。私はそれを熱烈に信じている訳でもないし、全否定するつもりもない。日本の古代文明に、さほど多くの知識を持ち合わせていないから、ある種のフラットさをもって「縄文人高度文明説」を適当に受け止めては、いる。

    とはいえ、縄文人が農耕技術を持った弥生人に攻め込まれて、北海道や沖縄など各地の海際に逃げ込み、土蜘蛛などと呼ばれていたとか、埋め立て地になってしまっているため分かりにくいが、海際に聖地を作り、海に沿って光や狼煙で遠距離の通信を行なっていたという縄文話は、興味を持ち続けているし、全無視するにはもったいない、ある種のリアリティを感じる。そんなエピソードを唐人駄場の遺跡に立って思い返してみると、俄然、魅力的な場所に思えてくる。

    【プリミティブアートなパワースポット】高知の唐人駄場遺跡でキャンプをしてみた

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    http://getnews.jp/img/archives/2013/05/daba002.jpg

    巨石群の一つに登り、唐人駄場のキャンプ場を見下ろす。テントが幾つか張ってあるのが見える。と同時に、キャンプ場全体がキレイに円形を描いた芝生スペースであるのが分かる。何故円形か?実にもったいない話だが、現在キャンプ場となっている場所は、かつてはストーンサークルだったのだ。昭和61年、公園整備工事の一環で、サークル中心にあった貴重な巨石を撤去してしまったらしい。で、キャンプ場ができた。

    もったいないどころか、今となっては、そんなことが許されるのかと思う次第で、この貴重な遺跡を撤去した大いなる愚行を縄文マニアは、大いに批判している。一方、そんな聖なる地で普通にキャンプが出来るという現実を、うれしく思う不謹慎な自分が、いまここにいる。巨石群を下り、キャンプ場に足を向けると、そこはそれで実に魅力的な場所なのだ。

    【プリミティブアートなパワースポット】高知の唐人駄場遺跡でキャンプをしてみた

    (画像が見られない方は下記URLからご覧ください)

    http://getnews.jp/img/archives/2013/05/daba003.jpg

    トイレと水道があるだけで、設備はシンプル。あとは一面芝生の広々としたサークル広場があるのみ。どこにテントを設営するか、悩んでしまうほど広い。これだけ贅沢にスペースを使ったキャンプ場は、いまどきの日本では珍しいのではないか。しかも「無料」。

    足摺岬の先端。夜になれば、半径数キロにわたって、まともな光が何もない。当然、星空は尋常じゃなくキレイ。秋口11月は最もキレイに見えるらしいが、滞在中でも、夜空を眺めていて、数回流れ星が見えるくらいにキレイに見えた。

    【プリミティブアートなパワースポット】高知の唐人駄場遺跡でキャンプをしてみた

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    http://getnews.jp/img/archives/2013/05/daba004.jpg

    巨石群も含め、眼に見える限り全てがパワースポットであり、縄文人たちの聖地だったことを考えると、ここは日本でも類稀なるアートで聖なるキャンプ場ではないだろうか?なにせストーンサークルのど真ん中でキャンプを張れるのだ。

    言ってみれば、ストーンヘンジの真ん中でテントを張って一夜が過ごせるのに近いと考えれば、翌朝には尋常じゃないパワーをいただけるのでは?

    早朝、キャンプ場周りを歩いてみた。木々が生えてしまい、遠目からは分かりづらいものの、幾つもの石が積まれていて石垣状に円形を描いているのがハッキリ分かるし、これが人工的、アーティフィシャルなのな構築物であることは、間違いない。

    半島のど真ん中にひょっこり存在する聖なるキャンプ場。満天の星空を眺められる絶好のロケーション。ガイドブックでは、「ちょろっとしか」扱われていないが、わざわざ来るに値する絶好のアートなパワースポット。それが唐人駄場遺跡だ。

    執筆:この記事は高市憲さんからご寄稿頂きました。
    ※寄稿いただいた記事は2013年05月18日時点のものです。

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