第46回衆議院選挙の結果、2012年12月26日に誕生した安倍晋三内閣。2009年に政権を失って以来、自民・公明両党にとっては返り咲き。行政刷新会議や国家戦略室が廃止されるなど、民主党政権で体制が次々に変わり、霞ヶ関の職員の皆さんも忙しそうです。
個人的に政権が交代して心配だったのは、各大臣の会見が記者クラブ所属社会員のみで開かれ、ネットメディア各社やフリーランスの参加ができなくなること。実際、内閣府大臣の会見はこれまでメールで開催日時のお知らせが前日に届いていたのですが、2012年12月28日の定例会見では未送信。内閣府政策評価広報課に問い合わせたところ「今後の対応を含めて検討中」と繰り返されてしまいました。
一方で経済産業省の場合は、これまで通り記者クラブ幹事の了解を得て出席できるということだったので、茂木敏充大臣の会見に行ってきました。
経産省の大臣会見は、前もって広報課の職員の方から事前に進行や注意事項が伝達されます。この日はその後のスケジュールもあって10時15分までとのこと。約10分程度しか時間がないので、さぞや記者の皆さんから文句が出るかと思いきや……。開始が伸び伸びになっても「あと10分しかないですよ(笑)」という冗談交じりの声が上がって、担当職員が苦笑する場面も。テレビカメラを構えるクルーに対しても、「入室される時にまた合図しますから(笑)」と、超フレンドリーな対応に!!
入室した茂木大臣は、冒頭に緊急時対応の閣僚懇談会に出席した旨の言及と副大臣・政務官の紹介が短くなされ、すぐに質問へと移りました。各社からは原子力発電所の再稼働について集中。それに対して、茂木大臣は「原子力規制委員会が安全と判断した場合、国会で決定して、国が責任を持つ」という法律論を何度も繰り返しました。
民主党政権時代に同じような答えを繰り返すと、さらに畳み掛けて質問する人が多かったのですが……この日は時間がないこともあり誰も突っ込まず。しかし、フリーの環境ジャーナリストから「長期的な原子力の依存からの脱却と地球温暖化対策は矛盾するのでは」という趣旨の質問を受けると、「火力の占める割合が9割という状況。当面LLG石炭に依存は避けられないのが現実」と指摘した上で、「エネルギーの安定供給の確保、安全性の確保、電力の安定供給を図っていきたい。そのために(2020年の温室効果ガス排出量を1990年比)25%削減という国際公約は現実的な問題として見直す必要がある」と述べるなど、メディアが取り上げやすいネタをちゃんと提供していました。
立ち去り際に記者団に冗談を言いつつ去った茂木大臣。会見場の雰囲気は終始なごやかでした。民主党政権時代、私の出席した時の経産大臣の会見はどことなく白々しい空気が漂っていて、こちらまで肩をすぼめたくなるようなピリピリした感じだったのですが……。政権が代わると雰囲気までガラリと変わるものなんだなぁ、と実感しました。
とはいえ、メディアの質問が原子力・エネルギー関連のものばかりで他の重要政策に誰も触れられていないということにも気付かされました。そういった意味でも、引き続き茂木大臣の会見をチェックしていく必要がありそうです。
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