イギリスで『Twitter』を使用した殺害予告や個人攻撃が相次いだ事件を受け、運営法人のTwitter社は利用規約とガイドラインの改訂を3日付で発表しました。改訂された規約とガイドラインは即日実施され、日本語版を含む諸言語版でも追って条項が追加される予定です。
4日付の『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙によれば、今回の規約改訂の発端となったのはイングランド銀行が発行する紙幣のデザイン更新に際して10ポンド紙幣に女流作家のジェーン・オースティン(1775-1817)の肖像を採用すると発表したことを受け、紙幣に女性の肖像を増やすよう主張していた運動家の女性が『Twitter』で立て続けに脅迫を受けた事件であるとされています。また、この女性の活動を好意的に取り上げた複数の新聞記者や女性の主張を擁護した政治家も同様に攻撃対象とされ「自宅を爆破する」などの脅迫が殺到する“炎上”状態に見舞われました。
この“炎上”に対する『Twitter』運営側の対応が不十分であると言う批判が相次いでTwitter社の現地法人代表者を議会に参考人招致するよう求める動きが出るなど早急な対応を迫られた結果、4日付で現地法人代表者が被害者に対する謝罪声明を発表し規約改訂の実施を発表しました。
今回の規約改訂で禁止される行為は、主として以下の3点となります(仮訳のため、近く日本語版で追加される予定の文言とは異なる可能性があります)。
個人攻撃: 利用者は特定個人に対する攻撃的な投稿を行ってはならない。我々(運営)が、該当する行為が攻撃や嫌がらせを目的とするものであると判断する際に考慮する要因は以下の通りである。
1. 利用者が複数のアカウントから他の利用者にメッセージを送信している場合
2. 利用者のアカウントが特定個人を攻撃する内容のメッセージ投稿のみを目的としている場合
3. 通報された投稿の内容が一方的、もしくは特定個人に対する脅威が含まれてるものである場合
(出典:The Twitter Rules‥日本語版には8月4日時点で未反映)
1.は複数アカウントを使用した個人攻撃、2.は個人攻撃用の捨てアカウントを取得・使用する行為のことと考えて問題ないでしょう。3.は殺害や爆破予告などの生命や財産に危害を加える内容の投稿を行った事実について当事者または第三者から通報が行われた場合を指すと考えられます。
3.にある「通報」に関しては今後、ウェブ版と公式アプリ(iOS/Android)で新規に“通報ボタン”を設置する対応が発表されていますが「特定のアカウントを凍結に追い込むために通報ボタン連打を呼びかける悪用が多発するのではないか」と懸念する声も出ています。
画像:『Twitter』日本語版「攻撃的な行為を報告するには」
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