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お金持ちを優遇しろと言うけれど、じゃあ今、優遇されているのは誰なのか
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お金持ちを優遇しろと言うけれど、じゃあ今、優遇されているのは誰なのか

2013-08-27 20:00
    お金持ちを優遇しろと言うけれど、じゃあ今、優遇されているのは誰なのか

    今回は城繁幸さんのブログ『Joe’s Labo』からご寄稿いただきました。

    ※この記事は2013年08月21日に書かれたものです。

    ■お金持ちを優遇しろと言うけれど、じゃあ今、優遇されているのは誰なのか
    先日、エイベックス松浦社長のFaceBook上でのぼやき*1が話題となりました。
    要約すれば「日本はとにかく富裕層から絞りとるのが大好きな国だ、リスクとってリターンを得てもその多くを持っていかれるから割に合わない」ということです。

    *1:「エイベックス・松浦社長の税制不信 「この国は富裕層に良いことは何もない」」 2013年08月10日 『J-CASTニュース』
    http://www.j-cast.com/2013/08/10180904.html

    筆者も大筋では同意見です。「ダメだ!金持ちからもっと絞りとれ!」なんて人も多いとは思います。でも「若い間は税率の低いシンガポールや香港のフラット課税で稼ぐだけ稼いで引退してから医療費の安い日本に帰るから、それまで頑張って俺の両親の医療費払っといてくれよ、じゃあな!」といってぶらっと所得税の安い海外に働きに出るグローバルエリートを何人も知り合いに抱えている筆者としては、もう所得税の累進課税でことは解決しないと考えています。締め付ければ締め付けるほど、富裕層やエリートはウナギのごとくにぬるりと滑り出ていくだけでしょうから、自分で自分の首絞めるようなもんですね。

    ところで、金持ちがいじめられているのなら、逆に優遇されている人たちもいるはずです。

    税についてアレコレ言う前に、所得税と言うアングルに絞って、まずは彼らの正体を探ることにしましょう。新しいと税制について考えたいという人はもちろん、そこに潜り込みたいと言う人にとっても参考になるはずです。

    ●・先進国一税金の安い日本の中~低所得層
    いきなり結論から言いますが、それは中くらい~低所得な方々です。
    長いので、以後は彼らのことを「平均的日本人」と呼びます。
    国税庁のH23年分民間給与実態統計調査を見ても明らかなように、年収600万円以下
    の人たちは実際には控除後には2%程度の所得税しか払っておらず、所得税に関して
    言えば限りなく無税国家に近い状態と言っていいでしょう。

    「彼らは豊かではないのだから当然だろう」なんてことを言う人もいますが、先進国で

    これほど普通の人たちの負担が低い国はありません。左翼の皆さんの大好きな北欧なんて

    年収100万円の人もしっかり年収500万円の人と同じだけの税率(だいたい30%超)を

    適用されています。

    「普通の人がほとんど所得税払わずに世界第3位の経済大国が本当に維持できるのか」

    と疑問を持った人も多いでしょうが、実際は維持できてなくて、借金でまわしているわけ

    ですね。


    つい最近、国の債務残高が一千兆円突破したと話題になりましたが、要するに
    平均的日本人みんなでツケ払いのまま飲み食いしてきたという現実があるわけです。

    とはいえ、負担が少ない=自分たちが受け取る公共サービスも少ない、ということでも

    あります。特に日本の場合は現役世帯向けの社会保障がGDP比で他の先進国の半分程度

    の水準しかないので、平均的日本人はそれなりに生きづらい面もあるでしょう。

    ここで重要となってくるのは“雇用”というアングルです。筆者がいつも述べているように、

    日本の労働法制は終身雇用の名の下、現役世帯向けの社会保障を企業に丸投げ

    している現実があります。つまり、たとえ給料の額面がそれほど高くなくても、定年まで

    がっちり職が保証でき(しかも政府に65歳まで雇えと言われれば雇える体力があり)、

    福利厚生も充実している大企業に入りさえすれば、現役向け社会保障の少なさなんて

    気にする必要はありません。再就職に向けた職業訓練費、就職あっせん、失業中の

    生活費など、ぜんぶピカピカの社会保障給付が揃っているようなものですから。

    以上をまとめておきましょう。

    この国では、平均的日本人であれば税の負担は驚くほど少ない。中でも終身雇用が

    文字通り保証できる大企業に就職すれば、低負担のまま手厚い社会保障が享受でき、

    しかもそのコスト負担もゼロである。そして、何かの間違いでそういった大組織が

    潰れかけても、東電やJALのように税金で救済してもらえる……

    この国でもっとも優遇されているのは大企業の正社員だということです。いい大学に

    入って良い大企業に入れた人材にとっては笑いが止まらないはず。

    「税金安いし、社会保障はボクら限定のものが無料で利用できるし、わーい」

    といったところでしょう。

    よく学生の大企業志向を指して「最近の若いもんは草食化しとる」という人がいますが、

    筆者の見方は全く逆で、彼らはいい肉を腹いっぱい食べたいからこそ大企業を目指すわけです。

    以降、

    ・楽園の変調

    ・もっとも優遇されているのは誰か

    ※詳細はメルマガにて

    「『サラリーマン・キャリアナビ』★出世と喧嘩の正しい作法」 『ビジスパ』

    http://biz-spice.jp/public/detail/1007/1007/

    「『サラリーマン・キャリアナビ』★出世と喧嘩の正しい作法」 『夜間飛行』

    http://yakan-hiko.com/joe.html?PHPSESSID=2lh2i8id4bkas4012essktesm7

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    http://magazine.livedoor.com/magazine/75

    Q:「部下がいないけどマネジメントを磨きたいんです」
    →A:「公式のポストはなくても裁量を任される局面はあるはず」

    Q:「江戸っ子ですが、田舎の工場に配属されて色々と困惑しています」
    →A:「そういうところにこそ、売りになるキャリアは転がっているものですよ」

    お盆限定ショートショート特別編 「トイレ」

    筆者の行きつけの居酒屋のあるビルには、誰も使いたがらない共同トイレがある。

    くだらない噂だと鼻で笑っていた大将が見たものとは。

    Q&Aも受付中、登録は以下から。

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    ・BLOGOS(金曜配信予定)

    執筆: この記事は城繁幸さんのブログ『Joe’s Labo』からご寄稿いただきました。

    寄稿いただいた記事は2013年08月27日時点のものです。

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