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ビンラディンって人がいましたね
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ビンラディンって人がいましたね

2013-09-19 14:30
    ビンラディンって人がいましたね

    今回はうさみのりやさんのブログ『うさみのりやのブログ ~現在全国浪人・放浪中~』からご寄稿いただきました。

    ■ビンラディンって人がいましたね
    9月の半ばというのは僕の人生の中で衝撃的なことが重なった時期で、色々考えさせられてやや鬱になります。今日は9月11日ということでやっぱり2001年を思い出します。当時大学生だった自分はテレビの前で事態を飲み込めず、興奮状態になって、2ちゃんねる見ながらこの後世界はどうなっちゃうんだろう、と考えてた気がします。

    「United Airlines Flight 175 Witness Reactions, Part III」『YouTube』

    http://youtu.be/VJig1wj7oLI

    その後ウサマ・ビンラディンなる人物とアルカイダというテロネットワークが浮上してくると、アメリカを中心に「対テロ」という合意があれよあれよと取れていくのを見て「やっぱりアメリカってすげーなー」と言うことを感じた。んでもってアフガニスタンで戦争が始まって、イラクで戦争が始まって、あっという間にアメリカが制圧して、「これで一段落するのかな」と思っていたけれど、今度は小規模テロが頻発するようになるのを見ているうちに、もう「テロ」という言葉に驚かなくなってきた。多くの人がそうだと思うのだけれど、これは凄い変化だと思う。2011年にはビンラディンが殺されたけれど、未だにテロは収拾していないようで、最近ではアラビア半島に戦線を移してテロ組織は活発に活動を続けている。今年に入ってからもイラクでは爆破テロが相次いでいる。

    普通戦争に限らず成果が見えない取り組みは終結するものなので、これだけテロ活動が続くということは、テロ組織は負け続けているように見えて成果を上げているということになる。節目の日でもあるし、ここでビンラディンの言葉からテロ組織側の動機・目的と狙いというものを整理しておこうと思う。

    ●”2004年10月:ビンラディン声明より”


    「私の魂を揺さぶり、悲しくさせた事件が1982年に始まりました。アメリカがイスラエルのレバノン侵攻を容認し、あまつさえアメリカ第六艦隊がイスラエルを援助したのです。爆撃がはじまると、多くの人が殺されたり傷を負いました。~あのような身の毛もよだつ光景を忘れることなんて私にはできませんでした。?そして全世界がそれを目撃し耳にしていたにもかかわらず、皆がそれを無視したのです。それらの困難な時に、筆舌に尽くしがたいほど多くの考えが私の魂の中で泡立ち、そしてついに、専制政治を打破する激しい感情が創造され、抑圧者を罰する強い決心が魂を得たのです。そして彼らがレバノンの高層ビルを破壊するのを私が目撃した時、我々は同じ方法で抑圧者を罰するべきだと、そして彼らが我々の女性や子供たちを殺すの思いとどまらせるために、我々はアメリカの高層ビルを破壊し、我々が味わった苦痛を彼らにも味わせなければならないのだという考えが、私の脳裏に飛来したのです。」

    「我々がしなければならないのは、アルカイダと書かれた旗を掲げるために二つのムジャヒディン(イスラムゲリラ)を東方へ最も遠い地点まで送り込むことだけでした。そして個人企業の利益をいくらか残すほかは少しも余すところなく、アメリカに人的、経済的、そして政治的損失を被らせるよう将軍たちをそこで競わせました。これは専制的超大国と戦うためにゲリラ闘争や消耗戦をしていた頃に培った我々の経験に加えて、我々がムジャヒディンと共闘して、ロシアを財政破綻させ敗戦と撤退に追い込むまでの10年間にわたってロシアに血を流させた経験によるものでした。~そして我々はこの戦略を継続し、アメリカが財政破綻に至るまで血を流させています。

    「アルカイダはその攻撃に50万ドルを費やした一方、アメリカはその事件とその余波において、――最低額の見積もりによると――5000億ドル以上を失い、それはすなわちアラーの御計らいによってアルカイダの1ドルは100万ドルに勝り、加えて莫大な数の職を奪ったということなのです。財政赤字の規模に関して言うと、それは総計1兆ドル以上と推定される記録に残るような天文学的数字に達しました。そしてアメリカにとってさらに危険で痛烈なことに、ムジャヒディンは最近、アフガニスタンとイラクでの戦闘を継続するための緊急支出をブッシュに申請させました。これはアラーの御計らいにより「財政破綻に至る出血」作戦が成功したことの証しであります。」

    ●”2006年1月:ビンラディン声明より”


    「ブッシュは言いました。「彼らが我々と我々の土地で戦うのに比べれば、彼らと彼らの土地で戦うほうがいい」~彼の主張とは異なり、アメリカとその同盟国に対する戦争がイラクの中に限られたものではないことは現実が証明しています。事実、イラクは(我々の)人的資源の広告塔となり、新兵募集の場所となりました」

    「あなた方の力や現代兵器を過信しないことです。それらは一部の戦闘では勝利するでしょうが、戦争には負けます。忍耐と不屈の闘志はそれらに勝ります。重要なのは最後の結果です。我々はわずかな武器だけでソビエト連邦との戦いを10年間も耐え抜き、彼らの経済を破綻させることに成功しました。

    こんなわけでアメリカに対するテロ組織の戦略と戦術は明確です。戦略は「テロによりアメリカを財政破綻させること」、戦術は「最小限の投資で最大限の出費を促すため、アクセスが悪い重要資源拠点にテロを仕掛けること」というところでしょうか。 そんなわけで大変憂鬱ですが、今のところアメリカとテロ組織は互角な勝負を続けているというところでしょうか。アメリカの財政赤字は2001年以降拡大を続けており、米国は国防費を2020年までにGDP比で半減(5%→2.5%)することを決めていますし、中東から徐々に手を引きつつあります。シリア情勢に対する及び腰な姿勢からもそれは見て取れます。他方でテロ組織もまだまだしぶといとはいっても相当なダメージは被っています。

    さて日本は中国という軍事的脅威を目前にして、必然的にアメリカの国防費の縮小の影響をもろに受ける立場なので、2020年までにこれにどう対応するか考えていく必要があります。相変わらずGDP比1%を基準にし続けるのか、防衛費を各国並みの2.5%までのばすのか、それともアメリカ以外との防衛協定の締結によってアメリカの軍備縮小の影響を最小限に抑えるのか。いずれにしろ、そろそろ戦略を決めないと行けない段階には来ています。12年のときを経てあの事件は日本に歴史的選択を迫っています。

    ではでは今回はこの辺で。

    執筆: この記事はうさみのりやさんのブログ『うさみのりやのブログ ~現在全国浪人・放浪中~』からご寄稿いただきました。

    寄稿いただいた記事は2013年09月11日時点のものです。

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