【ツバル】ツバルは沈んでいるか?(中部大学教授 武田邦彦)

今回は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。

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■【ツバル】ツバルは沈んでいるか?(中部大学教授 武田邦彦)

数年前まで、NHKも朝日新聞もまるで狂ったように、「ツバルが沈んでいる。ベネチアが水浸しだ」と報道をくり返した。当時、日経新聞も小学生に温暖化の教育と称して、「南極が温暖化し、南極の氷が融け、太平洋の海水面が上がり、ツバルが沈んでいる」と子どもたちに教えたら、子どもたちが青ざめたと得意げな記事を書いていた。

このブログで示したように、「南極の気温の変化はなく、氷の量も変わっていない」のだから、ウソをついて子どもたちを青ざめさせて楽しんでいるのだから本当にたちが悪い。

ところで、今、ツバルの海水面は変化しているのだろうか。データを示したい。

【ツバル】ツバルは沈んでいるか?(中部大学教授 武田邦彦)

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http://getnews.jp/img/archives/2013/09/Tuvalu_data.jpg

これがツバル付近の海水面の変化で、1978年のツバルの独立前後からほとんど変化がないことが判る。海水面の変化について専門家は、「海水面というのは30㎝から40㎝ぐらいは変化する」ということを知っている。

なにしろ潮の満ち引きだけで1メートル以上も変わるところがおおいのだから、グラフをじっくり見て数㎝の変化に注意する必要もないのだから、このグラフを見れば「ツバル付近の海水面は変化していない」と言うことが判る。

だいたい、太平洋の海水面が上昇するはずはない。というのは、地球上の海はすべてつながっていて、その面積は地球全体の面積の3分の2を占める。

これに対して南極大陸というのは大きいけれど、面積は1400万平方キロメートルに過ぎないから、太平洋の面積の24分の1だ。だから、仮に南極大陸の氷の表面が1メートル溶けたとしても、海水面は4センチしか上がらない。

多くの人が同じように思っているが、私も、あれほど、「ツバルやベネチアが沈んでいる」と報道したのだから、「後日談」、つまり、今、どうなっているか、当時の報道が間違っていたのか、あるいは、あのときから数年で太平洋の海水面が下がったのか、誠実な報道が期待される。

日本人は忘れっぽいから、しばらく報道しなければ忘れるだろうというNHKの報道姿勢にはとても違和感を感じる。ところで私がNHKに説明を求めているのは2006年4月のツバル報道で、次の映像が流れた。

【ツバル】ツバルは沈んでいるか?(中部大学教授 武田邦彦)

(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)

http://getnews.jp/img/archives/2013/09/Tuvalu_bandicam.jpg

この番組を作ったプロデューサーかディレクターは日野という人だったと記憶しているが、この映像は「ヤラセ」と思う。というのは、映像からは海水面が50㎝ぐらい上がっていることを示しているが、こんな状態が海水面の上昇で起こるはずもない。

おそらく地盤沈下しているところを大潮の時に撮影したものと思うが、これほどのヤラセ番組もないだろう。これが環境税の創設につながったことを思うと、NHKは環境省からの要請があったのでは無く、間違った報道をしたことを説明した方がよい。

執筆: この記事は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2013年09月11日時点のものです。

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