今回は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。
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■TPP03 二度の世界大戦も貿易がキッカケだった!(中部大学教授 武田邦彦)
ここまでTPPが話題なのに、モンゴルと植民地の話をした。全然違うように見えて、似ているところもあるし、そっくりな所もある。TPPで何が起こるかを予想するには、「モンゴル型」になるものと「インド型(植民地、現代の日本型でもある)」があるので、一応、それを復習してみたというところだ。
ところで、20世紀に入って、第一次世界大戦と第二次世界大戦があった。この二つの戦争も「貿易」で起こっている。最初の戦争、つまり第一次世界大戦は「白人同士の略奪争い」だった。
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当時、世界はほとんどが植民地で、多くの国を植民地にしていた国は全部で13カ国、そのうち、特に「イギリス、オランダ、フランス、アメリカ」が膨大な植民地をもち、同じ白人でも出遅れた「ドイツ、イタリア」の植民地は少なかった。
もともと「どちらが強盗する数が多いか」という話だからナンセンスなのだが、白人は自分が働かずに有色人種に働かせることが正しいと思っている。それは「労働は下等だ」という伝統的なヨーロッパの教えがあるからでもある。
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http://getnews.jp/img/archives/2013/11/tpp0302.jpg
ともかく植民地を持った国と持たざる国の間でいざこざが起こり、「第一次世界大戦」が始まった。この写真は白黒の方が第一次世界大戦で主たる戦いとなった「塹壕戦」で、カラーの方がそれまでの戦争(ナポレオン時代)の図だ。
ナポレオン時代の戦争といえば、まるでおもちゃのように着飾った兵隊がラッパと士官を先頭に立てて整然と敵に向かって歩く。戦争は「戦場で軍服を着た兵士が(形式的)に戦うことで決める」というゲームのようなところがあったことがわかる。
第一次世界大戦からはそれが「総力戦」、つまり兵士以外の人も巻き込んだ戦いとなり、戦場もどこになるのか皆目わからないということになった。
お互いに「植民地をもって働かなくても豊かに暮らしたい」という図々しい考えで戦争をしてみたら、大変なことになったということだ。モンゴル、植民地、そして第一次世界大戦と実にばからしいことばかりして人間は殺しあってきたのだった。
執筆: この記事は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年11月11日時点のものです。
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