結局、人間の才能は幼いうちに何をしてたかで決まるという事実

今回はれたすさんのブログ『現代版徒然草』からご寄稿いただきました。

■結局、人間の才能は幼いうちに何をしてたかで決まるという事実
これをしっかりとボンクラ親連中には認識してもらいたい。子供の才能を伸ばすためには大人の最大限のバックアップが必要なのだ。 とある出来事にとてつもない敗北感を味わったのでこれを書くにいたった。

以下、幼い内ころからに始めてたからこそ、大成したという事例を列挙していこう。

●イチロー
もはや野球に詳しくない人でも誰でも知っている存在だろう。 日本では8年連続3割超え、そのほとんどが3割後半のハイアベレージを記録し、大リーグ移籍後は10年連続200本安打という偉業を成し遂げ、昨年日米通算4000本安打という大記録も達成した日本を代表するスーパースターだ。

彼ははたして子供時代のらりくらりと野球と関係ない生活を送っていたか?答えはノーだ。
イチローについて書かれた本を読めばわかるが、イチローは野球選手になるため、毎日練習漬けの日々を過ごし、そしてなによりも大きいのが父親の存在だ。

彼の父親はほとんどニートみたいなもので仕事も行かずにイチローの野球の練習に付き合ったりしていて、「イチローのお父さんは一体何やってる人なの?」と同級生に疑問を持たれたほどだ。

イチローの父はイチローに対し、毎日バッティングセンターの代金を渡して通わせた。バッティングセンターで遊んだことのある人にはわかるが、バッティングセンターは決して安い値段ではない。10ゲームもすれば2000円も飛ぶし、それが毎日となればかなりの出費だ。

大人にですら出費なのだから子供に出せる金額ではない。これは親による支援がなければ絶対にできない練習プランなのだ。

子供をほっといてスーパー天才スポーツ選手になるということはない。イチローの才能は生まれつきのものではなく、育まれたものなのだ。

●囲碁の世界
囲碁や将棋の世界は、もっとも学習年齢による力の差が出るといっていいだろう。幼い内に始めている人間ほど有利で棋力も成長しやすい。それは同じプロの中にあっても例外ではない。囲碁の世界では5歳から碁をはじめ、11歳でプロになった天才のような人もいるが、同じプロ同士でも小学校高学年や中学生以降に学習してからプロになった人で大成している人は少ない。

同じ子供でも本当に幼い時期に始めた人ほど成功していて、前述のように高学年などから始めた人は八段止まりや、棋戦のリーグ入りでいなかったり、トーナメントプロとしては全く活躍できていない人ばかりだ。

●井山裕太
井山裕太は若干20歳で、史上最年少で名人位を獲得し、数々の最年少記録を塗り替えている若手天才棋士だ。現在24歳の彼はいまや七大タイトルのうち6つを保持する六冠で、六冠を同時に保持するのは長い囲碁史上で井山が初めての人物になる。

では彼も幼いころに囲碁とは無縁の生活をしていただろうか?これも無論ノーだ。

井山は5歳の時に父親が買ってきたテレビゲームによって囲碁を覚える。親がきっかけになった事例だ。幸運なことに、彼の祖父はアマ高段者の実力者だった。この祖父の薫陶を受けた井山はみるみると実力を身につけ、当時テレビの番組であった「ミニ碁一番勝負」という番組に出場し5人抜きをする。これが番組の解説者だった、石井邦生件の目にとまり弟子入りすることになり、幼い内からプロの手ほどきを受け成長することになる。

こうして実力が育まれた天才棋士井山は平成21年、20歳4か月で名人位を獲得する。その後の現在にいたるまでの活躍も言わずもがなで、もはや国内最強の棋士となっている。

この他にも、囲碁界には幼い内に囲碁を始めているトップ棋士が多い。トップ棋士のほとんどは幼いうちに囲碁を始めた人だ。

高学年で囲碁を始めてプロになってもトーナメントプロとしては活躍できないと言っても過言ではない。

●能力が発達する年齢
ここまでで、スポーツの事例と頭脳の事例をひとつづつ挙げた。

実は能力によって、その能力が発達しやすい年齢というものがある。逆にそれ以後の年齢だと成長を期待できない時期がある。これを「臨界期」という。

●運動神経
諸説あるが、運動神経が発達するのは0~9歳といわれている。

乳幼児では、脳・神経系の発達が盛んで、この時期にすでに大人に近いレベルに達します。神経の発達というのは、大脳皮質-運動神経-筋肉の活動-動作の習得という関係で、(図1)のごとく7,8歳でピークに達します。 よく”三つ子のたましい百まで”などというようにこの時期に習得した動作は忘れないものです。スポーツにおける動きを見ると、走る、蹴る、投げる、打つ、跳ぶ、泳ぐなどの動作が基本となっています。この時期には、遊びや、運動を通じて、これらの動きをいかに多く体験をさせるかが大事です。

「いつ運動を始めたらよいか」 『芳村整形外科医院 ホームページ』

http://www.dodo2.net/orth/sprts/No7.htm

●知能


言語的知性」では0歳~9歳位、「身体運動的知性」では0歳~4歳位、「音楽的知性」では0歳~4歳位、「論理数学的知性」では1歳~4歳位が特に重要である。

「臨界期(りんかいき)」 『まいとプロジェクト』

http://www.might-project.com/child-care/dictionary/ra/002.html

いづれにせよ、鉄は熱いうちに打てということだ。

●臨界期を迎えるまでに学習することの重要性
臨界期を迎えるまでにいかに学習体験をさせることが重要かという事例を示そう。

かつて人間社会から断絶され狼に育てられた子供がいた。彼らは幼児期を狼とともに過ごしたために、後に成長してから人間に発見されても、知能が低く、言葉を覚えることさえも困難だった。人間といえども知育環境によってここまで変わってしまうのだ。

同じ環境(幼児教育)を与えても、脳が得る影響度は臨界期かそうでない時期かで大きく異なる。 臨海期を知っていると言うことは、とても大切なことです。臨界期を逃した教育は、リカバリーが難しいからです。 言語力や運動能力・音感・量感・巧緻性・・・など、幼児の時期に経験をしているからこそ、育っていく能力がたくさんあります。

「臨界期(りんかいき)」 『まいとプロジェクト』

http://www.might-project.com/child-care/dictionary/ra/002.html

●プログラムの世界
もちろん大人になってからプログラムを覚えてプロとして活躍している人も大勢いる。しかし、プログラムも多分に漏れず幼い頃に触れていた人が有利な世界に変わりはないようだ。

●まつもとゆきひろ
プログラムに触れたことがない人にとっては知らない人かもしれない。しかしプログラムの世界では言わずと知れた国産プログラム言語Rubyの産みの親だ。

私がプログラミングを始めたのは中学校3年生のときでした。父が買ってきたシャープのポケットコンピュータ(PC-1210)でBASICを使うようになったのです。わずか400ステップしか入力できない小さなコンピュータでしたが、それでも自分の命令したとおりに動作するポケコンを見ていると、自分にはなんでもできるようなそんな「万能感」を感じさせてくれました。

「まつもとゆきひろのコーディング天国 | プログラミングは人生だ」 2008年07月23日 『@IT』

http://www.atmarkit.co.jp/fcoding/articles/tengoku/01/matz.html

(上で挙げてきた事例よりは高齢だが、)彼は子供の頃にコンピュータを与えられたことでその後の人生を大きく変えている。

●やねうらお
やねうらおもとても有名なプログラマーの一人だ。やねうらおはかつてネット上で一大ブームとなった「BM98」の開発者だ。今彼は将棋プログラムの開発をしており、将棋電王トーナメントで4位入賞するまでのプログラムを作り上げている。それも驚くべきは電王トーナメントが発表されてから突貫工事で作り上げたものという。

紛れもない天才的プログラマーの彼のプログラムとの出会いもやはり幼いころにまで遡る。5歳の時にTK-80というマシンと出会ったのがプログラミング歴の始まりだ。この年からプログラミング経験を積み、学生時代にはゲームの解析などをして過ごした。

えっと,いや……(笑)。「イース」はX1(※1)ってマシンで触れたんですけど,そのオープニングの曲がPSG音源で奏でられているんですね。で,それがですね,ソフトウェアによってまるでFM音源のような音色で鳴ってたんですよ。僕はもう,そこで「こんな音出るんや!」といきなり感動して。ゲーム開始して3秒でリセットボタンをポチッですよ! X1では,リセットボタンを押すとメモリにプログラムが残った状態になったんですが,それを利用して「イース」を速攻でダンプ(※2)したんです。「この音はどうなってるんだ?」というのが気になって,ひたすら音源ドライバを解析してました。だから,その解析が終わるまでゲーム自体のプレイ時間は3秒のままでしたねぇ。

「電王戦,なんで勝てたんですか?――「ゲーマーはもっと経営者を目指すべき!」第15回は,「BM98」を開発した伝説的なプログラマー・やねうらお氏がゲスト」 2013年12月24日 『4Gamer.net』

http://www.4gamer.net/games/001/G000183/20131222001/index_2.html

この他にも、チュンソフトの中村光一だったり、KTE、かべつべの開発者である人は小学生の時にベーマガでプログラミングを始めていたりと様々な「鉄は熱いうちに」事例がある。

加えて言うと、一番最後の例では親が学者だったので、コンピューターを買い与えたり、プログラムのバギーな部分を解決してくれたりと親からしてやっぱり重要なのだった。

これを配信サイトで聞いたときに、やはりそうか、やっぱ低レイヤー層に関したりすごいものを作ってる人は親が優秀で子供の内から研鑽詰んでるんだよな、と自分の幼児期が過ぎ絶対に抗えない運命への敗北感を味わったことがこの記事を書くきっかけとなった。

●頑張るのは子供より親、与えるのは遺伝子ではなく環境だ
さて、ここまででの事例でわかったであろうか。
大人はぼーっとすごしてはいけない。子供を成長させたいなら、子供以上に大人が勉強をしなくてはいけないのだ。

よく、医者の子は医者になったりする。頭がいいのは遺伝だろうか?それは違う、もちろん遺伝も多少はあるだろうが彼らの成長の過程を手助けしているのは環境だ。

頭のいい親がいれば子はそれに聞き、それに教わることで学び成長していく。

これがもしも親がぱっぱらぱーだったらどうだろう。子供は理知的に育ち、わからないことがあった時に正しい回答を得られるだろうか。バカな親からは馬鹿げた回答しか帰ってこない。子供がより「真実」に近づくためには親による「ヒント」が必要なのだ。

親が今までの人生で学習してきたことを子供に還元することが教育だ。還元できるものが少ない親ならば子供の成長も知れている。

「真実」から遠い遠い馬鹿な親の元へ生まれた子どもはつくづく不幸だなあーと思う今日このごろであった。

●おわりに
コンピューターやプログラムは論理的な思考を育むのにもっとも適した教材であると思います。それもWindowsなどの高レベルなOSではなく、昔ながらの自分で何から何まで実装しなくてはいけないような低レイヤー層を扱うコンピューターや電子回路を与えるのがもっとも重要だというのを様々なプログラマーや学者を見て感じました。
私も幼いころにプログラムと出会ってさえいれば、もっと数学にも関心をもって意慾的に取り組めたことでしょう。プログラムの世界に足を踏み入れなければ、なかなか机上の理論だけでは数学の実用性は実感できません。これは学習の機会を失い、これはひどく不幸なことです。

執筆: この記事はれたすさんのブログ『現代版徒然草』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2014年01月27日時点のものです。

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