決済システムに見つかったバグが引き金となった『ビットコイン』の信用不安。現在“取り付け騒ぎ”が起きている世界最大の取引所・Mt.Gox社の口座に預けられているビットコインの価格は、その他の取引所における価格の5分の1以下にまで暴落している。ついにはMt.Goxで捕まっているビットコインを『GoxBTC』、それ以外を『リアルBTC』として扱う取引所まで完成した。
Mt.Gox社は2月7日付で「システムエラー対応のため一時的にビットコインの引き出しを停止する」と発表。再告知すると予告した10日を過ぎても何の音沙汰もなく、利用者の間では不安が広がっており、「実は同社の口座にはほとんどビットコインは残っていないのでは?」ともウワサされている。
幸い、現金の引き出しには対応しているので、大損覚悟でビットコインを投げ売りして引き出す利用者が後を絶たない。そのため、他の取引所との間で約5倍もの価格差ができてしまっている。
そんな中登場したのが、『Bitcoin Builder』なる取引所だ。ここではMt.Goxで捕まっている『GoxBTC』と、自由な『リアルBTC』との交換ができる。Mt.Gox社の口座間では未だビットコインの移動が可能なことを利用したいわば“先物取引”の一種で、Mt.Goxが復活すれば大金持ち、倒産したら無一文というハイリスク・ハイリターンな魅力につられて、博打打ちが集まってきているようだ。
この取引所を開設したのは、アメリカでクラウドコンピューティングサービスを提供するDreamhost社の創設に携わったJosh Jones氏。実は彼自身も、保有する大量のビットコインがMt.Gox社の口座に捕まっているのだという。それでもMt.Goxの復活を信じている彼は『GoxBTC』を買い集め、同時に2%もの高額な手数料収入も得ている。
海のものとも山のものともつかぬ新たなネットビジネスを始めるには、転んでもただでは起きない、この図太さが必要なのだろう。
画像:Bitcoin Builder および bitcoinwisdom
※この記事はガジェ通ウェブライターの「ろくす」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
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