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傷みと痛みと悼みが連なる小説集『拳闘士の休息』(トム・ジョーンズ)【日刊ガケ書房】
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傷みと痛みと悼みが連なる小説集『拳闘士の休息』(トム・ジョーンズ)【日刊ガケ書房】

2014-04-11 08:30
    『拳闘士の休息』トム・ジョーンズ著、岸本佐和子訳

    編集部より)新連載『日刊ガケ書房』スタート。京都にある人気書店『ガケ書房』の店主である山下賢二さんに、おすすめ本、気になる雑貨、ガケ書房の日常、などを紹介してもらいます。

    ■「拳闘士の休息」トム・ジョーンズ著、岸本 佐知子訳(河出書房新社)

    傷みと痛みと悼みが連なる小説集

    著者は、ボクサーあがりの兵隊経験者で、

    このO・ヘンリー賞受賞の優れたデビュー短編集には

    私小説的な経験値の高い話がギチギチに詰まっている。

    戦争を通して描かれる人間という動物たちの話に

    人間の限界とその限界を超えてしまった状態について考えさせられてしまった。

    痛みをともなう死に様や、発狂との境目といった未知の領域に

    想像力が追いつけるように切実に描写されている。

    普通に暮らしていると絶対に思い描けないであろう、

    体験としての強烈な痛みが読書中に身体を襲うのだ。

    もしかしたら心の中にも傷がついてしまうかもしれない。

    でもそれは、一つの限界を知った者だけが得られる

    <他者への優しさ>が芽生える傷口なのでどうか安心してください。

    (『ガケ書房』店主 山下賢二)

    ●この本について

    書名:拳闘士の休息
    著者名:トム・ジョーンズ著、岸本 佐知子訳
    出版社:河出書房新社

    ●『ガケ書房』について
    店名:ガケ書房
    所在地:〒606-8286 京都市左京区北白川下別当町33
    電話:075-724-0071
    ウェブサイト:http://www.h7.dion.ne.jp/~gakegake/
    ここにはその目的の本はありません。
    しかし目的外の面白い本があります。
    内観2

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