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言葉の魔術(1) 「防護服」(中部大学教授 武田邦彦)
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言葉の魔術(1) 「防護服」(中部大学教授 武田邦彦)

2014-06-12 16:00
    言葉の魔術(1) 「防護服」(中部大学教授 武田邦彦)

    今回は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。

    ■言葉の魔術(1) 「防護服」(中部大学教授 武田邦彦)
    (このシリーズは民主主義は、1) 国民にもっとも正確で価値のある情報を提供し、2) 国民の判断で社会を動かすシステム、なのでマスコミが間違った使い方をしているものを、正しい意味と正確な情報を提供するためのものである)

    福島原発事故が起こったあと、原発の作業や福島県の高濃度汚染地域で仕事をする人が、「防護服」を着ていて、それをマスコミが「防護服」として伝えている。

    時々、読者の方から「あんなもので放射線が防御できるのか」というご質問があるので、「防御できません」と答えている。放射線の防護ができない服を「防護服」と読んでいる理由は、汚染の犯人である東電が防護服と呼んでいるからで、先日、あるマスコミの人に聞いたら、マスコミの用語の委員会では検討していないということだった。

    放射線の防護、特に主として外部被曝を受けるガンマ線の防護は「重たいほど放射線が透過しない」ということから、通常は鉛を使い、厚ければ鉄やコンクリートを使うことができる。鉛の比重は11.3だから、1センチの鉛で防護できる場合は、鉄なら1.5センチ、コンクリートなら5センチ、そして防護服の材料であるプラスチックなら11センチになる。

    防護服といっても仕事をするところの空間線量率によるけれど、鉛の服と同じ重さの作業服が必要となることがわかる。

    ただ、普通の粉を扱う工場などに背広で入ろうとすると、粉が背広につくので「うわっぱり」を着ることが多いが、それと同じように、放射線の粉が待っているときにはそれが衣服につくと、作業が終わったら服を脱がなければならないので、それを避けるために着ることになる。だから、防護服というより、「作業服」とか「うわっぱり」というべきものである。

    「言葉の魔術」というほどのことはないが、原発事故から3年たっても用語に厳格であるべきマスコミが使っている理由として推定されるものは、

    1) 殺人犯が「殺人」を「癒やし行為」と言っても、マスコミは本人の言ったままを使わないのに、東電という巨

    大会社なので、「犯人の発表」をそのまま使う。

    2) 放射線がぺらぺらのプラスチックフィルムで防御できると思っている(??)。

    3)「防護服」というと放射線が防護できるような錯覚に陥ることを利用して原発事故を小さく見せたいという策謀がある。

    などが考えられる。いずれにしても、「防護服」では放射線は防護できない。

    執筆:この記事は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。

    寄稿いただいた記事は2014年06月12日時点のものです。

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