6月25日(水)、トヨタ自動車は、セダンタイプの新型燃料電池自動車『FCV』を公開するとともに、発売時期および日本での車両本体価格の目処と販売チャンネルを公表した。日本では2014年度内に、価格は700万円程度でトヨタ店、トヨペット店で販売する予定。当面は、水素ステーションの整備が予定されている地域およびその周辺地域の販売店が中心となる見込みだ。
『FCV』の開発においては、トヨタは20年以上にわたり取り組んでおり、水素と酸素の化学反応により発電をする“FCスタック”や、燃料となる水素を貯蔵する高圧タンクを中心とした“FCシステム”を自社開発している。トヨタが開発を進めている『FCV』は、航続距離は約700kmを確保するとともに、燃料補給(水素の満充填)に要する時間はなんと3分程度と、ガソリンエンジン車と同レベルである。また、『FCV』が走行中に排出するのは、水素と酸素の化学反応で発生した“水”のみである。
●水素は「将来の有力なエネルギー」
今回『FCV』に導入された“水素燃料”だが、実は非常に身近な存在で、既に200年以上の利用の歴史がある。街のガス灯や家庭の都市ガスなどが代表的な例である。
水素の特徴・使用時、CO2排出ゼロ
低炭素社会実現の担い手。・多様な一次エネルギーから製造可能
天然ガスなどの化石燃料や、未利用の下水汚泥からも製造可能。
太陽光や風力などの自然エネルギーを活用し、水から製造可能。・電気に比べてエネルギー密度が高く、貯蔵・輸送が容易
エネルギーの地域的な偏在解消。
自然エネルギーの課題である変動に対応可能。・利用用途が多様
過程での利用から自動車用燃料、発電への活用も期待できる。
以上のことから、水素は将来の有力なエネルギーとしての期待は大きい。これは『FCV』の位置づけに大きく関連しており、「自動車燃料の多様化に対応」「走行中は、CO2や環境負荷物質を排出しない」「現状のガソリンエンジン車と同等の利便性」といった条件を兼ね備え、流動的な自動車社会の実現に貢献する、いわば“究極のエコカー”なのである。
今回の情報には、諸元などの詳細は含まれていなかったものの、外観から感じられる先進性を読者にお届けしたい。
“エコカー”のスマートなイメージを表現しつつ、トヨタ車の近年の特徴である“スピンドルグリル”を踏襲してるような……。
注目したいのはリア。よーく見ると、なんと排気口が存在しないのである! もちろん今後、変更が加えられる可能性もあるが、これは革命的ともいえる進化である。一目で分かる“エコカー”。
■FCV(燃料電池自動車)|トヨタ自動車
http://www.toyota.co.jp/jpn/tech/environment/fcv/
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