今回はsmall Gさんのブログ『small G』からご寄稿いただきました。
■エボラの件、今回はやばい気がします(small G)
西アフリカでかなり前から抑えが効かないと言われているエボラ出血熱。
今まで何回もローカルな出現の報告は有りましたが、ほぼ確実にその度にローカルでの火消しに成功していました。
しかしこれが上手く言っていないという今回の報告は実に恐ろしいことだと思います。
何が恐ろしいかというと、その致死率の高い出血熱の制御が「医師団の必死の努力にもかかわらず」効いていないということ。通常、こういったdisease controlは国連や国境なき医師団が主導していつもどうにかこうにか抑え込んでいるものなのですが、今回に限っては現地のドクター自身が「コントロール出来ていない」という宣言を出してしまっていることです。
以前私の居たNIHのラボで、私のベンチの真後ろに居たスペインから来た女の子がこの「エボラを材料としての研究」をしていて、私自身は実は暫くの間マジでビクビクしていました。w
医学部に行ったら誰もが習うのですが、出血熱というのは有名なものが何種類かあって、十種類以上のものが知られているのですがそのうち有名どころはほぼ四種類。エボラ、マールブルク、ラッサ、コンゴ出血熱などです。しかし、その中でも最強として有名なのがエボラ出血熱。
医学部のバカ学生の頃は(今も馬鹿ですが・・・。)友達と一緒に酒を飲んだ時に「エボラ焼肉のタレ?!」等と愚にもつかないダジャレを飛ばして酔っ払いながら笑っていましたが、実際に身近にその研究をしている人間がて背中にやって来るとシリアスさは三桁ほど上昇します。正に命がけ。w
自分の真後ろでヤバい物資を使って日夜・・・。あんまり洒落になってません。
基本的に何故出血熱の研究材料としてエボラが使われるかというと、このウイルスが持つある遺伝子が血管増生を促すことに関してカポジ肉腫やケモカインとの関連でいろいろと調べていたのでした。
この出血熱、致死率は高いながらも昔はローカルディジーズということで済んでいたものが、近年の飛行機や交通手段の発達、人口の密集の度合いの高度化で飛躍的に感染「拡大」のリスクを増やしているところが昔とは全く違うところ。
もう、「遠いアフリカで流行っているからといって日本に入ってこない」という時代ではありません。
アメリカだろうが日本だろうが、来るときには来る、しかも一日で。それをどう止めるのかということに関しては残念ながら通常のクリニックのレベルで、いや大学病院のレベルでさえも準備が出来ているとは思えないのですが・・・。
今我々にできることは正しく恐れしっかり準備することはないでしょうか。
なにはともあれ一刻も早くアフリカでの火消しがうまくいくことを日本より祈っております。
執筆:この記事はsmall Gさんのブログ『small G』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2014年07月31日時点のものです。
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