ジャーナリスト・池上彰氏が朝日新聞で月一回連載しているコラム『新聞ななめ読み』が、慰安婦報道検証について「訂正だけでなく謝罪すべき」という内容だったために掲載拒否され、池上氏から連載中止を申し入れたことを『週刊文春』が報じて、社内外で大問題に発展。9月3日夕方になって一転、掲載される方針が示されました。
池上氏のコラムは、9月4日付の朝日新聞朝刊に無事掲載。1面には「池上さんのコラム、掲載します」と写真入りの告知があり、「本社はいったん、このコラムの掲載を見合わせましたが、適切ではありませんでした。池上さんと読者の皆様におわびして、掲載します」と謝罪コメントが添えられています。
コラムは、下記のように慰安婦報道についての訂正だけでなく謝罪が必要なのでは、という感想からはじまっています。
過ちがあったなら、訂正するのは当然。でも、遅きに失したのではないか。過ちがあれば、率直に認めること。でも、潔くないのではないか。過ちを訂正するなら、謝罪もするべきではないか。
以降、朝日新聞が訂正を出した「勇気」を認めつつ、「お詫びがなければ、試みは台無し」と断じ、一貫して朝日新聞の姿勢についての批判する内容になっています。
朝刊(14版)の紙面では、19面に掲載。ちなみに、同じページの「耕論」にはマンガ家の小林よしのり氏が安倍晋三政権とネット右翼について批判する内容のコラムも載せられています。
コラムは『朝日新聞デジタル』にも、この一件に関する朝日新聞社と池上氏のコメントも含めて全文掲載されています。
池上氏は「このコラムで私が主張したことを、今回に関しては朝日新聞が実行されたと考え、掲載を認めることにしました」と述べており、朝日側が過ちを認めたことについて一定の評価はしているようですが、「今回」としているあたり、今後も連載が継続されるのかに注目が集まりそうです。
(池上彰の新聞ななめ読み)慰安婦報道検証 訂正、遅きに失したのでは:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/DA3S11332230.html [リンク]
一方、同日朝刊の9面に載った『週刊新潮』の広告には、一部に「●●」と黒塗りでつぶされた箇所が。朝日を批判する特集を組んでおり、「売国ご注進」という箇所と、ノンフィクション作家・門田隆将氏のコラム「吉田調書”誤報”で朝日はもはや生き残れない」が問題視されたようです。
また、11面の『週刊文春』の広告でも「美人秘書と中国●●出張していた若宮啓文前主筆」と黒塗りにされたと見られる箇所があります。
今後、週刊誌と朝日新聞との間でのバトルがますます激しく交わされることになるのではないでしょうか。
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