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心惑わす色欲 『徒然草 気まま読み』#55会員無料6:36
心惑わす色欲 『徒然草 気まま読み』#55
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兼好も惑いそうだ… 人間だもの…

今回扱うのは、第八段。全文を紹介すると…世の人の心を惑はすこと、色欲には如かず。人の心は愚かなるものかな。匂ひなどは假のものなるに、しばらく衣裳に薫物(たきもの)すと知りながら、えならぬ匂ひには、必ず心ときめきするものなり。久米の仙人の、物洗ふ女の脛(はぎ)の白きを見て、通を失ひけんは、まことに手足・膚(はだえ)などのきよらに、肥え膏(あぶら)づきたらんは、外の色ならねば、さもあらんかし。時代を超えた古典には、現代にもそのまま通用する普遍性がある。そしてその作者について、何世紀も前の人とは思えないような親しみを感じるところがある。今回紹介する段は、まさにその二つの特徴が良く表れている。とにかく、人間というものは「色欲」には逆らえない。これはまさしく兼好の人間観察からも、そしておそらく兼好自身の体験からも導かれた、どんなに時代が移っても変わらない真理!そして、このような体の人であれば、もう一層逆らえない…と言っているあたり、それは兼好の好みでは?と、隠しきれない人間性が滲んでいるところが、なんとも微笑ましい!

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