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神になった業平 『徒然草 気まま読み』#56
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本居宣長の定義ですな 荷田春満とかも? 北野天満宮はそうです 平安のイケメンは…下 ナルキッソス?
今回扱うのは、第六十七段。一部を紹介すると…賀茂の岩本、橋本は、業平・實方(藤原實方)なり。人の常にいひ紛(まが)へ侍れば、一年(ひととせ)參りたりしに、老いたる宮司の過ぎしを呼び止(とゞ)めて、尋ね侍りしに、「實方は、御手洗に影の映りける所と侍れば、『橋本や、なほ水の近ければ』と覺え侍(はべ)る。吉水和尚の、月をめで花をながめし古(いにしえ)の やさしき人は こゝにあり原と詠みたまひけるは、岩本の社とこそ承りおき侍れど、己(おのれ)らよりは、なかなか御存じなどもこそさぶらはめ」と、いと忝(うやうや)しく言ひたりしこそ、いみじく覺えしか。上賀茂神社の岩本社には、在原業平が祀られている。実在の人間を神として祀っているわけである。人をご祭神とする神社といえば、まず思い浮かぶのが靖国神社。他には楠正成を祀る楠公神社などがあるが、これは明治以降の政治目的によってつくられた、新しい信仰だなどと非難する者がいる。しかし、人を神とするのは決して「新しい伝統」ではないのだ。