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気を回しすぎるな 『徒然草 気まま読み』#79
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今回扱うのは、第二百三十一段。園の別当入道という、類ない料理の名人がいた。ある時、立派な鯉が手に入ったので、みな別当入道の包丁さばきを見たいと思ったのだが、それを言い出せなくて躊躇していたところ、別当入道はその空気を察して、自ら理由を作って料理を買って出た。皆、その心遣いにさすがだとうなったのだが、その話を聞いた北山太政入道は、全く違う評価を下した。いかにも日本人らしい、人に対する気遣い、心遣い。決してそれ自体がいけないというわけではないのだが、それをするにもセンスというものが要る。そこがスベると、かえって鼻につくものになってしまう。なかなか微妙で、機微に触れるエピソード。