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花は盛りのみか 『徒然草 気まま読み』#97
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無常といえば無常だけ 凄いね せんせー 鳥辺野・化野・蓮台野 ここで死生観か 最も意義深い段です
今回扱うのは、第百三十七段。冒頭部分のみ紹介すると…花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは。雨にむかひて月を戀ひ、たれこめて春のゆくへ知らぬも、なほあはれに情ふかし。咲きぬべきほどの梢、散りしをれたる庭などこそ見どころおほけれ。徒然草の中でも最も長文の一段。その内容も、徒然草全体のエッセンスともいうべきものとなっている。花は盛りのときだけを、月は曇りなく輝いているときだけを見るものだろうか?いや、決してそうではないという、兼好法師の美意識が存分に語られる。そして終盤ではややいきなりテーマが変わり、兼好法師の死生観が語られる。誰も死から逃れられるものはない。いま生きているのは偶然であり、若くても強くても、死は不意にやってくる。ひたすら死から目を背ける生命至上主義の現代人は、これをどう読むのだろうか?