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「小野小町の偽書」徒然草気まま読み#124
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時空がねじ曲がってる 文献批判 高森先生、髪がふさふ
今回扱うのは、第百七十三段。全文をご紹介すると…小野小町がこと、極めてさだかならず。衰へたるさまは、玉造といふ文に見えたり。この文清行(きよゆき)が書けりといふ説あれど、高野大師の御作(おんさく)の目録に入れり。大師は承和のはじめにかくれ給へり。小町が盛りなる事、その後のことにや、なほおぼつかなし。絶世の美女として名高い小野小町だが、その晩年は美貌も衰え、極めて不遇だったと伝えられている。その様子を書いたとされるのが『玉造小町壯衰書』という漢文の著作だが、現在ではこれは小野小町のことを書いたものではないとされている。そして、『玉造』が小野小町に関しては「偽書」であるとした、最初かも知れない指摘が徒然草のこの段。では、その根拠は?日本における、極めて古い文献検証の一例をご紹介。