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夜の魅力「徒然草気まま読み」#144
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夜の暗さはありがたい
今回扱うのは、第百九十一段。冒頭部分を紹介すると…夜に入りて物のはえ無しといふ人、いと口惜し。萬の物のきら、飾り、色ふしも、夜のみこそめでたけれ。晝は事そぎ、およすげたる姿にてもありなむ。夜はきらゝかに花やかなる裝束いとよし。兼好の独特の美意識、価値観が表れている一段。見るもの、聞くもの、匂うもの、その全てにおいて昼よりも夜の方がいいと兼好は絶賛。夜の魅力がわからない人は、残念な人だとまで言い切る。もちろん当時の夜といえば、灯りはごくわずかで暗闇に近い世界。それでも夜の方が断然いいと言い切るのはなぜか?もしかしたら、そこには現代人が忘れている感覚があるのかもしれない。