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  • 田中良紹:眠りこけたような国家で本格的テロ事件が起きた衝撃

    2022-07-09 15:04
    参議院選挙の投票日まであと2日となった8日昼前、奈良市で選挙の応援演説をしていた安倍晋三元総理が銃撃され暗殺された。銃撃したのは元海上自衛隊員で無職の山上徹也容疑者(41歳)である。手製の銃で至近距離から安倍元総理を射殺した。

    世界で最も治安が良いとされている日本で、しかも総理として最長在任記録を作り、いまもなお自民党最大派閥を率いて政治に強い影響力を持つ要人が白昼暗殺されたことは、世界に大きな衝撃を与えた。

    各国首脳から安倍元総理の功績に対する賛辞が次々に寄せられ、安倍元総理は歴史に残る偉大な政治リーダーとして記録されることになった。この衝撃が冷めやらぬうちに行われる選挙では、安倍元総理の所属する自民党が同情票を集めて大勝することになる。

    1980年の衆参同日選挙では、岸田総理と同じ「宏池会」の大平正芳総理が選挙中に病に倒れ急死したため、「香典票」と呼ばれる同情票が集まり、自民党は衆参両院で安定多数を上回る大勝を果たした。今回もそれと同じ現象が起こることが予想される。

    安倍元総理の政治は「安倍一強体制」という言葉に象徴される。勝てる時に解散を打ち、争点を明確にしないことで投票率を下げ、それによって与党が常勝し、野党の議席を減らして野党を無力化する。

    その選挙結果は、同時に自民党内でも安倍元総理の派閥を膨張させ、数の力で他派閥を従わせる。そして内閣人事局を使って人事権で官僚機構をコントロールし、官邸官僚が各省庁を超えて政策の実現を図る。

    こうして安倍元総理は、国会を支配し、自民党内を抑え、官僚機構も意のままに操ることができた。その「安倍一強体制」は、安倍政権が終わっても自民党最大派閥を擁することで残った。後継の菅総理にとっても、現在の岸田総理にとっても安倍元総理の意向には逆らえない「壁」があった。

    ところが安倍元総理が突然死亡したことで「安倍一強体制」の中心が消えた。これが選挙後の政治に与える影響は計り知れない。日本政治の権力の中心に穴が開いたのだから、中心がどこに移るのかを巡り、権力闘争が開始されるのは必至である。

    これと似たようなことは1985年にもあった。自民党最大派閥を率いるキングメーカーとして日本政治に君臨した田中角栄氏が、突然脳梗塞に倒れたのである。権力の中心が突然消えたことで、それまで田中の意のままに従うしかなかった中曽根総理は自らの権力を万全なものにしようと動いた。

    しかし中曽根派は弱小派閥であり、田中派は主が病に倒れたとはいえ最大派閥を維持していた。中曽根総理と対峙したのは、世代交代を訴え、竹下登氏を次の総理にしようとしていた金丸信幹事長である。

    解散を打って勝利し、任期延長を図りたい中曽根と、中曽根政権を終わらせ竹下政権を作りたい金丸との間の戦いが始まった。それはまず1票の格差を巡る定数是正法案の成立を巡り、成立させたい中曽根と成立を遅らせたい金丸の対立として現れた。

    2人の対立は翌年の衆参ダブル選挙を巡り、「死んだふり解散」によってダブル選挙を容認した金丸が、自民党が300議席を越す圧勝の見通しになると、自ら幹事長を辞任して中曽根の任期延長にブレーキをかけ、虚々実々の駆け引きが繰り広げられた。

    1985年と現在とが違うのは、最大派閥の安倍派の後継者が不明なことである。安倍元総理は自らが再び総理に返り咲こうと考えていたため、派閥に後継者を作らなかった。無派閥の高市早苗氏を総裁候補に担いだことがそれを示している。

    従って誰が安倍派の後継者になるかを巡りひと悶着起きる可能性がある。それは岸田総理にとって好都合だ。岸田派は安倍派の94人に対し、44人の第4派閥に過ぎない。そのため第2派閥の茂木派の54人、第3派閥の麻生派の50人との連携によって政権運営を図ってきた。

    従って岸田総理は自民党の麻生副総裁と茂木幹事長との関係を密にし、安倍元総理にはなるべく逆らわないようにしながらも、しかし防衛事務次官人事を巡って安倍元総理の意向を退けるなど対抗姿勢も見せてきた。そのため選挙後の人事は安倍元総理と岸田総理の綱引きがどうなるかに注目が集まっていた。

    それが安倍元総理の死亡によって根底から覆るのである。そうなると状況は極めて流動的になる。岸田総理は最大派閥をも引き付けるように動くだろうが、最大派閥がどこまでまとまるのかが分からない。そしてこのところ沈黙してきた二階俊博、菅義偉、石破茂ら反主流派にとっても状況を動かすチャンスが訪れる。

    すべては選挙結果が出てからの話だが、この夏は権力闘争を巡る戦いの始まりになりそうだ。そして秋風が吹くころ、解散を打って権力基盤を固めようとする岸田総理と、それを抑えようとする勢力が対峙すれば、状況は1985年と似た構図になる。おりしも臨時国会では1票の格差を巡る「区割り法案」が審議されることになる。これが権力闘争の舞台になる。

    ところで安倍元総理を射殺した山上徹也容疑者とは何者なのであろうか。殺傷力のある手製の銃を数丁作っていた他、爆弾も作っていたというから本格的なテロリストである。射殺した後逃げる様子もなかったことから、逮捕されることを覚悟していた。他に仲間がいないのか。資金提供者はいないのか、不明なことがたくさんある。

    動機として警察が最初に発表したのは「安倍元総理に不満があった」ということと「安倍元総理の政治信条に対する恨みではない」ということだった。つまり安倍元総理の保守政治家としての思想や主張に反対ではないが、殺そうと思うほどの不満があったということになる。

    安倍元総理には「森友学園」「加計学園」「桜を見る会」など、政治の私物化と思えるスキャンダルがあり、民主主義政治を貶めた政治家であると私は思っている。森友問題では財務省が公文書改ざんを行い、真面目な官僚が自殺にまで追い込まれた。不満というのはこれらのことを指すのかと最初は思った。

    ところが警察の次の発表では「特定の宗教団体に対して恨みがあり、安倍元総理がそれとつながっていると思い込んで殺した」と変わった。ネット上では「統一教会」を指しているとの見方が出ているが、「宗教団体の幹部を殺害しようとしたが、つながりの深い安倍元総理を狙うようになった」と警察は発表した。

    つまり動機は私的な怨恨ということになった。社会生活を営む上で決してテロを許す訳にはいかないが、しかし私的な理由で人を殺すのと、命を懸けて社会を変えようとする心情には違いがある。

    そして私には宗教団体に対する恨みが、安倍元総理を殺そうとする決意に変わり、銃や爆弾を作って執拗に安倍元総理をつけ狙ったところがまだ腑に落ちない。警察が私的な動機に変えたのではないかとの疑念を持った。選挙の投票日を前にして、選挙への影響をなくそうとしたのではないかと疑ったのである。

    そう考えたのは、島田雅彦氏の小説『パンとサーカス』(講談社)を読み終えたばかりの時だったためかもしれない。『パンとサーカス』は2人の日本人テロリストの話である。1人は米国の大学に留学してCIAのエージェントに採用され、従属国日本を支配するために日本に派遣されてくる。もう1人は子供の頃からの友人でヤクザの息子である。

    日本を米国の従属国にすることに協力してきた右翼の大物フィクサーが、自分の死期を悟り、その前に米国を裏切って世直しを行うことを計画する。それに2人は協力し、CIAのエージェントだった主人公も米国を騙して要人テロに協力する。

    テロを実行した者は逮捕されることを覚悟していて、「世界の悪」になることを悪びれていない。小説のタイトルの「パンとサーカス」は古代ローマの愚民支配の方法で、愚民には食料と娯楽を与えておけば容易に支配できるという意味だ。つまり究極のポピュリズムである。

    小説に描かれている日本では、何から何まで米国の思い通りにされているのだが、大衆は次から次に仕掛けられる出来事に一喜一憂し、飢えることがなければ満足している。眠りこけたような国家なのだ。そこで主人公たちはテロを起こし「世界の敵」になった。

    私は終戦の年の生まれだが、冷戦が終わりソ連が崩壊するまでの日本は、善し悪しは別にして、ひたすら上を向いて経済成長に邁進した記憶がある。そして米国を追い抜くほどの経済力を身に着けた。

    その秘訣は、国内に自民党と社会・共産両党で冷戦体制を作り、国民に憲法9条を守ることを教え込み、社共には政権交代を狙わずひたすら護憲を主張させた。それを米国に見せ、軍事要求を強めれば国民の支持が野党に向かい、政権交代が起きると思わせ、軍事負担を軽減させて経済力を伸ばした。

    それが通用したのはソ連が存在した時代だけで、ソ連崩壊後はそのからくりが効かない。米国は日本の政権交代を恐れる必要がなくなり、9条を守らせる方が日本を従属させられることを知る。日本は自国の安全を米軍に頼るしかなく、しかも自衛隊の指揮権は米軍にあるので、自衛隊がある限り日本は自立できない。

    米国は軍事でも経済でも何でも日本に要求できるようになった。そこから日本経済の凋落は始まり、軍事負担も日増しに増えていった。ところが日本人は今でも冷戦時代と同じ思考の中にいる。実質賃金は下がり続け、人口減少が止まらないのに危機感がない。

    それが私には眠りこけた国家に見える。米国の要求通りの外交をやった第一人者は安倍元総理だから、もしも山上容疑者が恨みに思う「特定の団体」が「米国」であったなら、「つながりが深い」ことになり、テロの目的は鮮明になる。

    しかしそうだとすれば従属国はそれを絶対に発表する訳にいかない。永遠に不明にされて終わる。私が『パンとサーカス』を読み終えた翌日、衝撃の暗殺事件に遭遇したため、こんな妄想が生まれてきてしまった。

    * * *

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    ■田中良紹『国会探検』 過去記事一覧


    <田中良紹(たなか・よしつぐ)プロフィール>
     1945 年宮城県仙台市生まれ。1969年慶應義塾大学経済学部卒業。同 年(株)東京放送(TBS)入社。ドキュメンタリー・デイレクターとして「テレビ・ルポルタージュ」や「報道特集」を制作。また放送記者として裁判所、 警察庁、警視庁、労働省、官邸、自民党、外務省、郵政省などを担当。ロッキード事件、各種公安事件、さらに田中角栄元総理の密着取材などを行う。1990 年にアメリカの議会チャンネルC-SPANの配給権を取得して(株)シー・ネットを設立。

     TBSを退社後、1998年からCS放送で国会審議を中継する「国会TV」を開局するが、2001年に電波を止められ、ブロードバンドでの放送を開始する。2007年7月、ブログを「国会探検」と改名し再スタート。主な著書に「メディア裏支配─語られざる巨大メディアの暗闘史」(2005/講談社)「裏支配─いま明かされる田中角栄の真実」(2005/講談社)など。

  • 田中良紹:理想主義は戦争を引き起こし現実主義が戦争を終わらせる

    2022-06-02 21:39
    ウクライナ戦争の影響で世界は軍拡の時代を迎えている。欧州各国は揃って軍備増強に走っているが、中でもドイツの変身ぶりには驚かされた。これまでNATOは「国防費GDP比2%」を目標にしていたが、ドイツのメルケル前首相はそれに慎重姿勢だった。

     ところが左派が主導するショルツ政権に代わり、そこにロシアのウクライナ侵攻が起こると、ショルツ首相はドイツが伝統としてきた「平和主義」を大胆に転換した。ショルツは連邦議会で「民主主義防衛のためには国防への投資が必要」と宣言し、「紛争地に殺傷兵器を送らない」という原則を撤廃した。

     ショルツ政権の新国防政策は、GDP比1.5%だった国防費を2%に増額するだけでなく、軍備増強のため13兆円規模の基金を創設し、また米国との核共有のため米国製のステルス戦闘機F35購入を発表した。F35購入はメルケル前政権が排除した計画である。

     そしてドイツは自走式対空砲50両をウクライナに供与する他、ウクライナ兵に軍事訓練を施すことも表明した。さらにショルツは4月19日に行われた西側諸国の会合で「ロシアが勝利することはあってはならない」と発言した。

    これは「ロシアが敗北するまで戦争を続ける」と言ったことになる。プーチンとの交渉や妥協を許さない発言だ。これまでEUとロシアとの共存を画策してきたメルケル前首相なら決して言わなかったであろう。保守政権がリベラル政権に代わると、これほど大胆に政策を転換できるものかと驚いた。

     佐藤優元外務省主任分析官は、その背後にショルツ社民党政権と連立を組む「緑の党」の存在があると分析する。佐藤氏によれば「緑の党」は環境重視政党だから「平和志向」のイメージがあるが、「緑の党」を率いてきたベアボック外相が慎重だった社民党に対し、ウクライナに戦車や重火器を送るべきだと強く迫ったというのである。

     民主主義という人類の理想を追求するためなら、何が何でも戦争に勝利しなければならないと考えたのだろう。しかしこれで戦争を終わらせることは難しくなった。戦争を終わらせるには様々な妥協と駆け引きが必要になるが、理想を追求するとそれが許されなくなる。

     ショルツの「ロシアが勝利することはあってはならない」という発言は、この戦争が「正義と悪との戦い」であることを物語る。つまり2月24日のロシア軍の軍事侵攻以来、西側メディアが伝える「狂気の侵略者プーチンvs領土を死守する英雄ゼレンスキー」の構図そのものだ。

     この構図で言えば、ロシアのプーチン大統領と欧州の平和的共存を画策したメルケルはとんでもない政治家だったことになる。事実、ウクライナのゼレンスキー大統領は国連の安保理でオンライン演説を行った際、フランスのサルコジ大統領とドイツのメルケルを名指しで非難した。

     2人が2008年のNATO首脳会議で、米国のブッシュ(子)大統領がウクライナとジョージアの加盟を強く推したのに反対したからだ。ゼレンスキーはその判断を誤りだと非難したが、もし2人が加盟を認めていたらどうなっていたか。

    歴史に「もし」はないことを承知で言えば、やはり戦争が起きていただろうと思う。2人はそう考えて欧州が戦火に包まれない選択をしたと私は思う。なぜならその頃からプーチンは欧米に対する怒りを募らせていたからだ。

     2000年5月に大統領に就任したプーチンは親米派だった。2001年に米国に「9・11同時多発テロ」が起こると「テロとの戦い」に協力してアフガン戦争を支援した。そしてNATOにも接近し、ロシアはNATOの意思決定機関に参加して「準加盟国」の扱いを受けるようになった。

     2002年にNATOの第二次東方拡大で、バルト3国、ルーマニア、ブルガリア、スロバキア、スロベニアの新規加入が決定されても反対しなかった。国内では軍部や議会が懸念を表明していたが、プーチンはNATOの軍事的色彩を弱め、ロシアに対する敵視政策を変更させようとしていた。

     ところがルーマニア、ブルガリア、ポーランド、チェコに米軍基地が作られ、ミサイル防衛網が設置されてロシアを狙っていることを知り、プーチンは自分の考えが甘かったことを悟る。2008年のNATO首脳会議はその後だったから、プーチンの心は平和的共存を諦め、すでに欧米と戦う覚悟をしていたのだろうと思う。

     だからメルケルは戦争の危険性を排除するため、プーチンと何十回も話し合い、平和的共存を模索してきたのだ。それが今となってはプーチンを増長させ、プーチンに軍事侵攻のインセンティブを与えたと批判されている。しかしそれは逆で、私はメルケルこそ政治家の最重要課題である戦争を起こさせない使命を全うしたと考えている。

     では今回の戦争を起こさせたのは何か。それは民主主義という人類普遍の理想を追求する政治家たちがいたからだ。第二次大戦後の世界は自由主義と共産主義のイデオロギー対立の時代だった。米国を中心とする自由主義陣営から見れば、共産主義は人民の自由を奪い国家が人民を統制する「悪の帝国」だ。

     一方のソ連を中心とする共産主義陣営からすれば、自由主義は人類を堕落させ、富の格差で少数の富裕層が多数の人民を苦しめる体制だ。多数の人民を解放するには自由主義体制を打倒しなければならない。従って両者間の戦争は必至だった。

     しかし米ソは大国同士で簡単には相手を倒せない。しかも究極の大量破壊兵器である核を保有しているから直接の戦争は地球全体の破滅を招く。そのため戦火を交えない「冷たい戦争」が続くことになった。

     もう一つ言えば、ソ連では「一国社会主義」のスターリンが権力を握り、「世界同時革命」を訴えたトロツキーが失脚した。トロツキーが権力を握っていれば自由主義陣営との衝突が世界規模で起きていたかもしれない。

     また米国でも、理想を追求せずソ連を力で抑えることに反対したジョージ・ケナンの「封じ込め戦略」が採用され、米ソが直接衝突する危機は避けられた。封じ込め戦略はソ連の影響力が膨張するのを防ぎ、じっとソ連の内部崩壊を待つ戦略だ。だから朝鮮半島やインドシナ半島で「代理戦争」はあったが、世界大戦は避けられた。

     そしてジョージ・ケナンの予言通り、ソ連はブレジネフ時代に共産党の腐敗が明らかとなり、それを改革するために登場したゴルバチョフ書記長が複数政党制や大統領制を取り入れたがすでに遅かった。政治的求心力を失ったゴルバチョフの大統領辞任と共にソ連は崩壊した。

     すると米国の政治に、ソ連崩壊を共産主義に対する民主主義の勝利と考える思想集団が影響力を持った。ネオコンと呼ばれ、民主・共和両党にまたがる一大勢力となる。ネオコンの源流は「世界同時革命」を主張したトロツキーの信奉者で、彼らは人類普遍の理想として米国の民主主義を世界に輸出しようと考えた。いわば「世界同時民主革命」である。

     ソ連なきあと唯一の超大国となった米国は、世界最強の軍隊を「世界の警察官」として世界各地の紛争に武力介入させ、米国の民主主義を世界に広めようとした。そして世界最大の大陸ユーラシアを民主主義一色にしようと考えた。

     ロシアを民主化するためNATOの力を使い、中国を民主化するためには日本に役割を負わせる。そして中東は米国自身が民主化に乗り出した。ところが中東で米国は躓く。史上最長となったアフガン戦争で米国はタリバン政権の復活を許し、イラク戦争ではより過激なテロ組織を生み出して収拾がつかなくなる。民主化どころの話ではなくなった。

     その間に中国とロシアが存在感を増し、特に中国は経済力でまもなく米国を追い抜こうとしている。それも共産党一党独裁体制を維持したままだ。米国が人類普遍の理想と考える民主主義が揺らぎかねない。

    本来なら米国は中国への対応に全力を挙げなければならないが、それより前にネオコンが影響力を浸透させていたウクライナでロシアに対する戦闘の準備が整った。2014年に武力併合されたクリミア半島奪還の戦いである。ゼレンスキーは昨年3月に奪還の指令を発した。

     ウクライナとNATOの挑発にプーチンが乗れば、NATOの結束は強まり、プーチンを侵略者として非難攻撃ができる。そのための情報戦の用意も整った。そして2月24日、プーチンは補給の準備もないまま軍事演習のロシア軍にウクライナとの国境を越えさせた。

     ウクライナ軍を見くびっていたとの見方もあるが真相はまだ分からない。ただ領土的野心のためというのは違う。それなら周到な準備をしたはずだがそれが見えない。ともかくネオコンは計算通りにプーチン攻撃をはじめ、プーチンは世界中から「狂気の侵略者」の烙印を押された。

     そのプロパガンダを一手に引き受けているのが民主党系のシンクタンク「戦争研究所」である。これがネオコンの巣窟だ。ネオコンは共和党にもいるが民主党にもいる。民主党のネオコンは「リベラル・ホーク(リベラルなタカ)」と呼ばれ、理想のためなら戦争をやる。

     「戦争研究所」の所長ももちろんだが、その義理の姉がバイデン政権のヴィクトリア・ヌーランド国務次官で、「リベラル・ホーク」の代表格はヒラリー・クリントンだ。ヒラリーはずいぶん前からプーチンを「ロシア帝国再興の野望を持つ男」と批判して政治的抹殺の必要性を主張していた。

     米国政治を見ると戦争を引き起こすのは民主党政権が多い。太平洋戦争はフランクリン・ルーズベルト、ベトナム戦争はジョン・F・ケネディ、「テロとの戦い」は共和党のブッシュ(子)だが、これはネオコンに取り巻かれた政権だった。そして今回のウクライナ戦争はバイデンである。

     理想を追求するタイプの政権が戦争を引き起こし、ベトナム戦争を終わらせたのが共和党のニクソン政権であったように、戦争を終わらせるのはリアリズムの保守政権だ。ニクソン政権はキッシンジャーが外交を主導したこともあって、ソ連や中国と対立せず協調を選んだ。キッシンジャーは今回もロシアに領土を譲れと言ってゼレンスキーを怒らせた。

     政治に対する根本的な姿勢の違いがあるのだろう。現実にある力関係を見て、その中でどうすれば国民を安全で豊かにするかを考える政治と、現実を脇に置いて、自分が理想に思うことをとことん追求する政治の違いである。とことん追求すれば必ず戦争が起こる。

     それが現在の世界を覆っていると思う。だから軍拡が止まらない。メルケルの政治が批判されてしまうのだ。日本の岸田総理も軍事費の増額と反撃能力の保有を日米首脳会談でバイデン大統領に約束したという。なぜ記者会見を開いて国民に説明する前に米国大統領に言うのか理解できないが、それが日本という国なのだろう。

     岸田総理が所属する「宏池会」という派閥は、「軽武装・経済重視」の路線で日本の高度経済成長の基盤を作った。軍事に力を入れないことで経済に力を集中させ、しかも巧妙に米国を騙す政治だった。岸田政権はそれとは真逆のことをやろうとしているように見える。それもこれも西欧的な理想を追求する政治に絡めとられているからだ。

    先日のクワッドの会合で見せたインドのモディ首相の泰然とした様子がその対極に見える。かつての日本はアジアの王道政治を意識していたが、冷戦後には西欧覇道の政治に近づきすぎている。それが国民を幸せにするとは思えない。

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    <田中良紹(たなか・よしつぐ)プロフィール>
     1945 年宮城県仙台市生まれ。1969年慶應義塾大学経済学部卒業。同 年(株)東京放送(TBS)入社。ドキュメンタリー・デイレクターとして「テレビ・ルポルタージュ」や「報道特集」を制作。また放送記者として裁判所、 警察庁、警視庁、労働省、官邸、自民党、外務省、郵政省などを担当。ロッキード事件、各種公安事件、さらに田中角栄元総理の密着取材などを行う。1990 年にアメリカの議会チャンネルC-SPANの配給権を取得して(株)シー・ネットを設立。

     TBSを退社後、1998年からCS放送で国会審議を中継する「国会TV」を開局するが、2001年に電波を止められ、ブロードバンドでの放送を開始する。2007年7月、ブログを「国会探検」と改名し再スタート。主な著書に「メディア裏支配─語られざる巨大メディアの暗闘史」(2005/講談社)「裏支配─いま明かされる田中角栄の真実」(2005/講談社)など。

  • 田中良紹:ネオコンの手によって日本が「戦争をする国」に仕立て上げられることはないのか

    2022-05-04 06:579
    映画監督のオリバー・ストーンが2019年に作った長編ドキュメンタリー『乗っ取られたウクライナ』を見た。原題は『Revealing Ukraine』だから直訳すれば『ウクライナの素顔を暴く』だが、邦題は「ウクライナが米国、特にネオコンに乗っ取られた」という内容を表現している。

    オリバー・ストーンは、自身が従軍したベトナム戦争を題材にした映画『プラトーン』と『7月4日に生まれて』でアカデミー監督賞を2度受賞した。他に『JFK』や『ニクソン』など政治家を主題にした映画や、米国の秘密工作の実態を暴露した元CIAのエドワード・スノーデンを主人公にした映画『スノーデン』などで知られる。

    最近では歴史学者と組んで米国の現代史を見直すドキュメンタリー『誰も語らないもう一つのアメリカ史』を作り、日本でもNHKが50分番組を10回にわたり放送した。またロシアのプーチン大統領に長時間インタビューを行うなど精力的にドキュメンタリー制作に取り組んでいる。

    彼がウクライナに関心を抱いたのは、プーチン大統領の話を聞いたからで、それからウクライナの歴史を調べ始め『乗っ取られたウクライナ』の前に『ウクライナ・オン・ファイアー』を作っている。だからこれはウクライナをテーマにした2本の作品の後編に当たる。

     『乗っ取られたウクライナ』は、ウクライナで最もプーチンに近いとされる野党政治家ヴィクトル・メドヴェドチュクへのインタビューを軸に進行する。彼はロシアによるクリミア併合で米国から制裁を受け、妻は出国を勧めているが撮影当時は母国にとどまる選択をした。しかし今回の軍事侵攻で自宅軟禁を破り出国しようとしたところを当局に逮捕されている。

    映画はメドヴェドチュクの他に、プーチン大統領、「マイダン革命」の虐殺を調査したオタワ大学教授、米国のジャーナリストなどの証言で構成されるが、ウクライナと因縁の深い副大統領時代のジョー・バイデン、国務次官補時代のヴィクトリア・ヌーランド、共和党上院議員時代のジョン・マケインら米国のネオコンも頻繁に登場する。

    メドヴェドチュクによれば、1991年に旧ソ連から独立したウクライナは、経済でも技術でも農業でも可能性のある国だった。民族的にも2014年に親露派政権が打倒された「マイダン革命」までは統一が保たれていた。

    しかし「マイダン革命」後のウクライナは、徹底してロシアを排除する勢力と、ロシアと友好関係を維持する勢力に二分され、親露派が多い東部地域では内戦が起こる。ロシアを排除したい勢力は2019年に公用語としてのロシア語を禁止し、半数の国民が使用言語を失った。

    メドヴェドチュクは一方に統一するのではなく、ウクライナを2つの国家に分け、ロシアからの独立も維持すると主張するが、その点ではプーチンと意見が異なる。プーチンはロシアとウクライナを一体と考えている。

    映画は問題の2014年「マイダン革命」の真相に迫る。親露派政権に対しEUとの接近を要求する反政府デモが起こるが、2月18日までは平穏だった。しかし18日にデモ隊と警察が衝突すると、正体不明の狙撃手によって20日から22日にかけてデモ隊が襲われ、警察官と合わせおよそ100人が殺害された。

    すぐ犯人と疑われたのはウクライナ警察とロシアの特殊部隊である。世界のメディアはその疑惑を事実であるかのように報道したが、事実は未解明のままだった。だがオタワ大学のイワン・カチャノフスキー教授が5年がかりで証拠を積み上げ、狙撃手はデモ隊が占拠したビルの中にいて、特定の場所に誘導されたデモ参加者が狙われたことを突き止める。しかし当初流された情報は今でも根強く残り、事件は不明のままとなっている。

    「マイダン革命」以降のウクライナには米国の介入が強まった。旧ソ連時代には宇宙産業や海運業などで先端を走っていたウクライナは、ロシアとの経済関係が破たんしてから生産国ではなく輸入国に代わったとメドヴェドチュクは言う。

    世界一のディーゼル機関車の生産国だったウクライナが今や米国からディーゼル機関車を輸入し、造船業も航空機産業も自動車産業もなくなった。ウクライナ東部で石炭が採れるのに内戦が起きたため、政府は海外から、しかも遠い米国から高い石炭を輸入するようになった。

    そしてバイデンの息子がウクライナの石油天然ガス会社の重役に就任すると、バイデンは副大統領時代にウクライナを頻繁に訪れ、植民地を支配する管理者のようにウクライナ政治に口出しするようになったという。

    また米国人ジャーナリストのリー・ストラナハンは、「マイダン革命」の背後に民主党支持の投資家ジョージ・ソロスと当時国務長官だったヒラリー・クリントンの存在があると証言する。

    ソロスは世界各地の民主化運動に資金を提供し、「マイダン革命」もその一つであった。そのソロスとバイデンとヌーランドは、2016年大統領選挙でヒラリー・クリントンを大統領にするため中心的役割を果たす。

    ドナルド・トランプを落選させるため、彼らはプーチンとトランプの関係を「ロシア疑惑」として浮上させ、トランプの選挙責任者ポール・マナフォートを有罪に追い込むが、マナフォートを訴追させた資料はウクライナの弁護士が公開した資料だった。

    ウクライナを分断した2014年の「マイダン革命」は、実は2016年米大統領選挙と連動し、トランプとヒラリーが戦ったあの選挙にはウクライナが深々と関与していたのである。しかし2016年大統領選挙にトランプが勝利したことで米ロ衝突の危機は回避された。

    オリバー・ストーンの『乗っ取られたウクライナ』を見ると、ウクライナの政治状況と米国内の政治対立とが見事に重なっていることを知る。最後のナレーションは、「ウクライナとロシアの国境付近でウクライナの挑発があり、それがロシア軍の侵攻を招き、世界は『ロシアの侵略だ』と騒いでNATOとロシアが戦争になる」。そして核爆発の映像に「人類最後の戦争」というナレーションがかぶる。

    いま世界が目にしているのは『乗っ取られたウクライナ』が予想した悪夢の現実化だ。ロシアの侵略に西側世界は怒り、大悪人のプーチンを潰すことのみに目を奪われているが、私は以前からブログに「戦争は現象面を感情的に見てはならず、本質が何かを冷静に読み解く必要がある」と書いてきた。

    戦争の真相など何年か経たないと分からないものだ。ただなぜ2月24日にロシア軍が補給も十分でないままウクライナに侵攻したのかは私も疑問である。西側メディアは「狂気のプーチンによる帝国主義的侵略」と言うが、私にはプーチンが狂っているように思えない。手掛かりを探していたら、こんな情報を見つけた。

    「フランス・インテリジェンス研究センター」の研究誌3月号に、ジャック・ボーという元軍人が書いた記事で、事の起こりは去年の3月24日、ウクライナのゼレンスキー大統領が「クリミア奪還」の指令を発し、並行してNATOが黒海で軍事演習を行ったことから始まる。これでプーチンも国境周辺にロシア軍を配備し軍事演習を始めることになった。

    演習は11月までで終了するが、するとゼレンスキーはドローンで東部親露派勢力の燃料庫を爆破し、「ミンスク合意」に違反する。2月7日、フランスのマクロン大統領がモスクワを訪れ「ミンスク合意」順守を約束するが、ウクライナはこれを拒否、プーチンは西側に約束履行の気がないことを確信した。

    そして2月16日以降、ウクライナのドンバス住民への攻撃が激化し、それを西側が見て見ぬ振りしたため、プーチンは軍事侵攻に踏み切ったというのである。付け加えれば、1月18日に西側工作員が東部地域で化学兵器を使った事故を引き起こそうとし、親露派戦闘員に逮捕されたことも引き金になったという。

    この情報の真偽を確かめることはできないが、何か突発のことがなければ補給の準備なしに軍事侵攻することは考えられない。それとも侵攻すればすぐにウクライナが降参するとでも思ったのか。しかしウクライナの背後に西側がついていることを熟知するプーチンがそう考えるはずもない。だから戦争の真相は時間が経たなければ分からないと考えるしかない。

    それよりもこの戦争で世界がどう動くことになるか。それを考えることの方が重要だ。まず世界的に軍拡が始まると思う。軍需産業は大喜びだ。欧州では各国が相次いで防衛費をGDPの2%以上にする動きに出た。抑制的だったドイツもショルツ首相が防衛費を倍額する方針を示し、緑の党も賛成に回った。

    日本でも自民党の安全保障調査会が、敵のミサイル攻撃に対し反撃する能力を保有することと、5年以内に防衛費のGDP比2%以上を目指すよう政府に申し入れた。プーチン憎しの現状では、軍拡は世界の流れとして多くの国民が受け入れる可能性がある。

    次に出てくるのは核武装の議論だ。日本でも安倍元総理がいち早く米国との「核共有」に言及したが、現実的でないとして見送られた。しかし周囲に中国とロシア、それに北朝鮮という核保有国がある以上、核武装の議論が消えることはないと思う。

    これから日本国民は真剣に安全保障問題の議論に取り組まなければならない。これまでは平和憲法を護れば世界は平和になるという幼稚な議論と、憲法に自衛隊を明記する必要があるという幼稚な議論が盛んに言われた。しかし現実の戦争を見ればいずれも浮世離れした議論であることに気付く必要がある。

    一方で防衛費の増大も核武装もウクライナ戦争に触発された反射的というか、感情的な議論に過ぎないように私には思える。防衛費の増大も核武装も何のためかと言えば、それによって相手が攻撃するのをやめる「抑止力」にするためだ。

    戦争になってしまったら勝とうが負けようが国民は悲惨が待ち受ける。だから問題は戦争にならないよう「抑止力」をどうやって確保するかの問題である。しかしミサイル攻撃で反撃すると日本が言えば、相手はそのミサイル基地を標的に次々攻撃を仕掛けてきて、「抑止力」にならないという議論もある。

    また防衛費の増額も良いが、武器に金をかけるより、戦争をさせないための外交力を磨くことに金をかける方が「抑止力」になり、国家にプラスになるという考え方もある。とにかく現実の戦争を見ながら、そのあたりを真剣に議論する必要が出てきたのだ。

    そして『乗っ取られたウクライナ』を見た私は、それよりもウクライナがネオコンに引きずられて戦争に至ったように、日本もネオコンに引きずられて戦争に至ることのないように、よく目を見開いて対処していかなければならないと思う。

    その兆候が現れ始めているからだ。例えば4月28日にネオコンの一人であるブリンケン国務長官は米上院外交委員会で、6月下旬にスペインで開かれるNATO首脳会議に岸田総理が出席することを明らかにした。

    NATOは軍事同盟であるから政治や外交の話をするところではない。ロシアとの戦争を話し合う場である。平和憲法を持つ日本の総理が出席したことのない場に岸田総理は出席することになった。これも国民と与野党が揃ってプーチン憎しで一致しているからだ。

    また5月下旬にはバイデン大統領が来日するが、その目的は日本をAUKUSに加盟させるためである。AUKUSは米英豪の3カ国で作る中国敵視の軍事同盟だ。これまで日本は日米豪印4か国で作る「クアッド」の一員だったが、こちらは政治的に中国を包囲する組織で戦争を念頭に置いたものではなかった。

    それが変わるのである。日本は中国とロシアを敵とする軍事同盟の一員として存在感を示さなければならなくなった。そのように誘導しているのは米国のネオコンである。くれぐれもウクライナのように戦争の前線に押し出されることのないよう、冷静な目で戦争を見るように心掛けなければならないと思う。

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    ■田中良紹『国会探検』 過去記事一覧


    <田中良紹(たなか・よしつぐ)プロフィール>
     1945 年宮城県仙台市生まれ。1969年慶應義塾大学経済学部卒業。同 年(株)東京放送(TBS)入社。ドキュメンタリー・デイレクターとして「テレビ・ルポルタージュ」や「報道特集」を制作。また放送記者として裁判所、 警察庁、警視庁、労働省、官邸、自民党、外務省、郵政省などを担当。ロッキード事件、各種公安事件、さらに田中角栄元総理の密着取材などを行う。1990 年にアメリカの議会チャンネルC-SPANの配給権を取得して(株)シー・ネットを設立。

     TBSを退社後、1998年からCS放送で国会審議を中継する「国会TV」を開局するが、2001年に電波を止められ、ブロードバンドでの放送を開始する。2007年7月、ブログを「国会探検」と改名し再スタート。主な著書に「メディア裏支配─語られざる巨大メディアの暗闘史」(2005/講談社)「裏支配─いま明かされる田中角栄の真実」(2005/講談社)など。