電力会社 充電完了の相違点
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電力会社 充電完了の相違点

2019-07-18 18:27
    平成26(2014)年12月、『電力会社デラックス版』(以下DX版)が発売され、その元となった2004年発売の『電力会社』(以下旧版)との相違点をブログの記事として投稿しました(記事)。あれから5年、元号も変わった令和元(2019)年7月、『電力会社 充電完了』(以下新版)として旧版がリメイクされ発売されました。

    この新版は旧版から色々と変更され、或いは手を加えられたもので、DX版とは一線を画するものであります。元に戻った感じですね。なので、今後はこの新版が電力会社として流通していき、DX版は絶版となっていくと思われます。そもそも拡張マップなども出ていなかったDX版はほんとの記念版という位置づけだったんでしょうね。

    それでは新版になってどう変わったか旧版からDX版への変更も踏まえて見ていきましょう。なお、2人プレイも色々と大きな変更点がありますが、私は2人ではプレイしないのでこの記事においては一切言及していません。

    ※特記無き限り画像の2枚並びは左が旧版、右が新版です。
    コンポーネント
     
    まずはボード。マップは旧版とほぼ同じ仕様で極彩色に区切られた6つのエリアを持つアメリカとドイツがボードの表裏に描かれています。遠目には全く同じに見えますが、しっかりみると都市が変更されていたり都市間の数字が調整されたりしています。詳しくは後ほど見ていくことにします。

    各面共通の変更としてはまず順番トラック。これはDX版から付け加えられたもので、上下2段にコマが置けるようになっています。発電所の競りで購入したり降りたりしたときに、わかりやすいようになっていますね。



    こちらもDX版から追加されたものですが、各ラウンドの燃料補充数がカードになってマップ上に配置されるようになりました。燃料補充数も戦略を練るのにかなり重要な要素となっているため、旧版では説明書を見るしかなかったものが、プレイヤー全員がすぐに確認できる仕様になっているのはありがたいというか必須なものだとも思います。拡張マップごとに資源の補充数も違いますので、今後はBGGなどに誰かがカードデータなど上げてくれると期待しています。

     
    さらに都市接続表の仕切りトークン(画像左)。2ステの入り、終了フラグの接続数がマップ上に表示されるようになっています。そして今どの発電所が競りにかけられてるかを示すハンマー型のトークン(画像右)も追加されています。どちらもDX版から取り入れられたものです。

    資源市場表に初期配置のマーキングがされていますね(画像星印の部分)。これはDX版にもなかったもので、新版から新たに取り入れられました。




    さらにアメリカマップに新たな資源(石炭)置き場が。これはアメリカマップ特有のルールで、石炭は枯渇することなくいつでも8エレクトロ(エレクトロはゲーム内でのお金の呼称)で(もちろんそれより安いものがあればそちらを購入)買うことができるようになりました。西海岸主体に伸ばしていき最後石炭発電所を抱えたまま死ぬ事がなくなったということですね。新版から取り入れられたルールですのでプレイするのが楽しみです。

    マップの変更点はこんなところですかね。では続いて小物やカード類を見ていきましょう。

     
    まずは燃料コマ。燃料は旧版と同じく石油、石炭、ゴミ、ウランとなっておりDX版の天然ガスは不採用となっています。発電所カード自体には変更なしです。発電所カードが旧版と新版で全く同じものである、というのは特筆すべき点ではないでしょうかね。旧版で様々な展開をもたらしてくれた発電所カードと同じもので新版が遊べるというのは、今回の新版で一番大きな要素と個人的に思っています。脱線しましたが、燃料コマ、旧版では立方体や円柱、角柱のコマだったものが、それっぽく変更されていますね。

    発電所カードが全く同じと書きましたが、実は裏面は旧版と異なっています。これはDX版から採用されたもので、03~15までとそれ以外(16以上)で裏面からわかるようになっています(旧版はすべて同じ模様)。こちらは後ほどルール編で解説していきましょう。(画像左側が03~15、右が16以上。なお、旧版の裏面はすべて右側の柄になっています)

    だいたいこんなところでしょうかね。秘匿要素であるお金ですが、DX版ではプラスチックのコインに変更されましたが、新版は旧版と同じお札に戻りました。衝立ほしいなあ。

    ルール変更点

    ルールは旧版を知っていれば問題なく遊べるレベル。ただ細かな変更がありますので、ここではルールの変更点をラウンド内のフェーズごとに見ていくことにします。

    準備
    大きな変更は発電所市場のセットアップ。これはDX版で取り入れられたもので、まず03~15(裏面でわかる)をシャッフルしてランダムで8枚取り出しこれが市場に並びます。旧版では03~10が必ず並んでいましたが、新版では何が出るかわからなくなりました。旧版ではオークションで最初に取りに行っていた03、04の発電所がない可能性もあります。そして人数に応じて発電所を抜いたあと発電所の山を作るんですが、03~15の発電所が何枚か残っていてこれも山札に入ります。山札の一番上にその発電所が来ると裏面が違うのでわかる仕様になっているので、これを加味して競りの参加不参加を考える必要がありますね。

    もう1点はゴミの初期値段。旧版が7エレクトロに対して新版は6エレクトロスタート。たった1の差ですがなかなかに大きい変更点。旧版では取るのを躊躇してしまう06の発電所がゴミの値段が1エレクトロ下がったことによって買いやすくなったのは確実。最初のオークション市場の配置によっては積極的に取りに行く、なんて選択肢も出てきましたね。

    1ラウンド目開始前

    新版で初めて上級者ルールが追加されました。最初の発電所の競りの前に、競りの順番で家コマの初期配置位置を決めるためにウランコマ(ウランに意味はありません。位置さえわかればなに置いてもいいです)を都市に各プレイヤーひとつずつ置いていきます。これは自分がそこに(フェーズ4で)家コマを置くということではなく、1ラウンド目のフェーズ4で新たに決まった順番で、ウランコマが置かれた都市(自分か他プレイヤーか誰が置いたものかは問わず)のどれか一つを選んで家コマを配置しなければならないというものでして、非常にバランスが要求されますね。難しそう。『初期配置とかどこでもいいだろ』とか言うプレイヤーがひとり混じってるだけで、この配置でゲームがぶっ壊れる可能性すらありますので、ここは無理に採用することはないでしょう。

    フェーズ2(オークション)
    競りの方法などは旧版と同じです。変更点は『1』トークンの追加。フェーズのはじめに一番安い発電所に『1』トークンを置きます。この発電所の競り開始最低価格は1エレクトロとなります。これ、旧版ではゲーム中盤になかなかいい発電所が降りて来ず、市場が停滞することがあったりしました。発電所市場の将来最安値に25の発電所とか見えてて、みんな競りに参加せず、なんてこともありましたが、最後の一人になって1エレクトロなら発電量ひとつしか増えないけど買っといてもいいかな、なんてこともでてくるわけでこの辺のプレイ感が楽しみ。1エレクトロオークションが採用されているDX版のアメリカマップ未プレイだったので早くプレイしたいもんです。

    フェーズ3(燃料購入)
    燃料の購入も特に大きな変更はありませんが、各マップで独自ルールが採用されています。

    まずはアメリカ。前述しましたが石炭は枯渇することなく必ず8金出せば買えるようになりました。旧版では石炭発電所のプレイヤーを殺す目的で買い占め戦法なんてのがあり、これはこれでなかなかに楽しかったんですがそれはなくなりました。(石炭は使用されたあとストックに行かず、全てこの石炭置き場に置かれます。)

    つづいてドイツ。こちらは『39の発電所が購入された後、燃料補充時ウランは補充されない』というルールが追加されました。旧版では序盤ウランの発電所が使われないと、後半39無双の展開があったりしましたがこれもなくなりました。ドイツマップだけ採用ってのはなにか理由があると思いますが、なぜだかはちょいとわかりません。因みに、BSWではおなじみの拡張のイタリアマップを遊ぶ際にもこのルールが追加されます。

    フェーズ4(家コマ配置)
    家コマ配置のルールには大きな変更はありません。旧版では接続トラック(都市接続表)の数字以下の発電所が発電所市場にある場合、即座にその発電所を取り除くというルールが有りましたが、これがなくなりました。1円オークションの追加ルールで発電所の周りがよくなったためでしょうかね。なので、旧版ではこのフェーズ4で3ステップへのトリガーが引かれる可能性がありましたが、新版ではそれはなくなりました。

    ルールの変更は以上です。大きな変更は1エレクトロオークションの追加くらいですが、これだけわかっていれば旧版をそれなりにプレイしたことがあればほぼ同じと言ってもいいんではないかと思います。ただプレイ感は結構違うんだろうなあと思ったり。

    マップの変更点

    最後に細かい話ですがマップの変更点を。

    ドイツマップ
    都市名変更
    TORGELOW(トルゲロウ)→STRALSUND(シュトラールズント)
    WIESBADEN(ヴィースバーデン)→MAINZ(マインツ)

    接続料金変更
    ESSEN(エッセン)←→DORTMUND(ドルトムント)4から5に変更
    SAARBRUCKEN(ザールブリュッケン)←→MANNHEIM(マンネハイム)11から16に変更
     

    アメリカマップ
    接続料金等変更
    BOISE(ボイジー)←→CHEYENNE(シャイアン)24から接続なしに変更
    KNOXVILLE(ノックスビル)←→RALEIGH(ローリー)接続なしから11に変更
    SANTA FE(サンタフェ)←→HOUSTON(ヒューストン)21から20に変更
    OMAHA(オマハ)←→CHICAGO(シカゴ)13から12に変更
    CINCINATI(シンシナティ)←→RALEIGH(ローリー)15から接続なしに変更
    ※RALEIGHは旧版のラレーから新版ではローリーと日本語カタカナが変わってます。
     

    拡張マップ

    旧版ではたくさんの拡張マップが出されました。マップごとにルールも色々と追加されていますが、この新版でもさらに新版用のルールを追加することで問題なく遊べます。日本語版販売元のアークライトが、拡張マップの追加ルールを日本語化してすでに公開していますので、そちらも是非ダウンロードしてみてください。



    以上、変更点をザザッと羅列していきました。

    つい6~7年前まではBGGランキングTOP10に入るゲームでした。現在は新作の波に押され順位は後退していますが、それでも名作なのは変わりありません。発売してから1ヶ月ほどはゲーム会などでも遊んでくれる人が結構いらっしゃると思うので、積極的に出してみましょう。この期を逃すとまたなかなか出す機会がないという自体になりますので。

    5人戦USAマップ。1Rオークション市場、競り1番手。どの発電所を競りにかけますか?



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