峠越え
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峠越え

2015-08-10 14:44
    私は車が好きで、よく友達のスポーツカーに乗せてもらっていました。
    その日は車2台、友達6人で遊んで、夜遅くなったので一人づつ送っていくことになり、最初の人の家の方へ車を走らせていました。

    先客がいたようで、峠の下にはいわゆるVIPカーがズラリと停まっていて道路脇に立っていた人が私達の車を誘導。
    「今レース中だから、もう少し待っててください!」と。
    こういうレースはよくあることなので車好きの私は窓からVIPカーを眺めながら待っていました。

    ほどなくしてクラウンとセルシオが唸りながら降りてきました。
    「お待たせしました!どうぞ、お通りください!」

    私達の車は峠入りしました。
    ドリフトしたり、アニソンを全員で熱唱したりしながらはしゃいでいると後方からバイクの音が。

    バイクが横にきたので見ると男女タンデム。
    「リア充死ねぇええええ!!」と車内で口々に叫び、ブーイングする私達をよそにバイクは車を抜き去ってカーブにさしかかりました。

    しかし、スピードを出し過ぎたのかカーブを曲がりきれず、ガードレールを超えて姿が消えました。

    「オイ!嘘だろ!!」
    車を停めて急いでガードレールに駆け寄る4人。

    「バイク…今、ここ…いっちゃったよね?」
    「通報した方がいいかな?」
    と言い合っているうちに後続車の友達も車を停めてる私達の横に停車。

    「お前ら何してんの?」
    「いや、後ろからバイクが…カーブで突っ込んで落ちた」
    「え?」
    「バイクとかいたっけ?」
    「いやーきてないと思う」
    「はぁ?!」

    どうやらバイクを見たのは前を走っていた私達だけ。
    落ち着いてよく見たらガードレールは無傷で、事故が起きたとも思えず。

    「ユーレイでも見たんじゃね?」という結論に至り、現場を離れることに。

    車内にさっきまでの楽しい空気はなく、お葬式の帰りのように、カーナビの声だけが響いていました。


    後日、友達が調べたところカップルが死亡事故を起こしていた所だったそうです。
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