凛-Lin-としてのソロ活動の顔、そしてFORBIDDENのギタリストとしての凛-Lin-
表現方法は違えど両方ともに見えた光がある!
■ソロでは久しぶりの登場になります。改めて凛-Lin-(以下、凛)さんのご紹介をお願いします。
凛:元々大阪で音楽活動を始めて、バンドが解散して引退みたいな形もあって中国に留学に行ったんですよ。そこで新しい出会いがあってLilith(リリス)というバンドを上海で結成しました。それが結果、5年ぐらい続く一番長くやるバンドになりました。元々のルーツが中国で、あっちで生まれて子供の頃に日本に引っ越して来て、思春期くらいからビジュアル系を好きになって、バンドをしたいという夢を持ち、この業界に飛び込んだ感じです。中国でライブをする事も夢の一つでしたね。
■中国での活動はどんな感じでしたか?
凛:初めて中国でライブをした時に言葉の壁を越える熱狂を体感して感動しましたね。ワンマンライブは勿論、レーベルも自分で立ち上げたり、イベントを開催して日本のバンドを呼んだり、先輩バンドが来た時はO.Aで出演したり、日本のアーティストさん達との交流も増えました。次第に日本でライブをするのが目標になりましたね。
■そんな中、2017年にLilithが解散してしまったんですよね?
凛:2016年に過去にやっていた「Affective Synergy」というバンドの曲が、中国でLilithの曲と一緒にアニソンには選ばれた事もあって、Lilithの後期と被る形で第二期として再始動していたんですが、それも1年で終わってしまったんです。Lilithの解散の精神的なダメージが大きかったのと、音楽活動以外の運営や業務なども増えていて疲れてしまったんです。ここから長い停滞期間がありました。
■その停滞期間をどのように乗り切ったのでしょうか?
凛:1人で何が出来るかと考えた時に、ギターを弾く事や作曲をする事しか選択肢がなくて、ゲーム挿入曲の制作を受けたりして、2019年に中国のアニメ「陰陽師・平安物語」の主題歌の制作を依頼されたんですよ。それとほぼ同時期に、ギターインスト曲「INNOCENCE」のレコーディングも行っていて、その曲が完成した事によって自分の中で、相当な変化と自信がついたというか、再起動の第一歩になりました。「INNOCENCE」には純真という意味もあって、素の自分と向き合ったそんな曲になりました。
■ここから凛さんのソロでの活動が本格的にはじまった訳ですね!
凛:本当はバンドもしたかったんですけどね!中国ってバラード曲や、遅いテンポの曲が多いんですよ。言語的に速いテンポで歌うのがあまり向いていなくて、現地のバンドとかオンライン上では日本の曲をカバーする人も結構いたし、自分はビジュアル系のボーカルスタイルが好きだったんですが、自分達の言語でちゃんと歌うのが大事だと思ったし、それがオリジナリティにも繋がると思っていたので、まずはそれをクリアする為に日本スタイルの曲のリズムにどうやって中国語の歌詞を乗せるのか、よりコンセプチュアルな事を研究していったんですよ。それで行き着いたのが中華系の曲だったんです。それがLilithの後期の曲にもあるのですが、その中で中華ロックとか、中華メタルとかそんなワードも自ずと出て来て、それを昇華させたくて突き詰めて作ったのが2021年にリリースしたギターインスト曲「九天攬樂-Ninth Heaven-(以下、九天攬樂)」です。この曲があって道筋が見えたというか3、4年続いていた停滞期間をやっと脱出出来ましたね!
■その時期ってちょうどコロナ禍でもありましたよね?
凛:自分の中で仮にライブをしてなくても、ずっとコンスタントに音源のリリースをすることは決めていたので、それをクリアする為に自分に鞭を打ってやり切った感じでした。その後に、拠点を東京に移したんですよね。そのタイミングで作ったのが去年3月にリリースした「森羅万象-Birth of Creation-(以下、森羅万象)」です。その制作期間中にFORBIDDENとの出会いもあったので、同時期に制作とリリースをした形になりました。
■そんな「森羅万象」ですが、インストではあるのですが起承転結もある激しい曲ですね。こちらの曲について凛-Lin-さんの方から解説をお願いします。
凛:「九天攬樂」の完成度が高かったので、似たような展開にどうしてもなってしまう中、この曲は元々ボーカルありきのバンド用に作った曲でもあったので、そこを再構築して改造しました。あえて明白なギターソロのセクションは他の曲と違って無いんですよね。曲自体のテーマも作っていくうちに、タイトルの意味合いから、宇宙的な要素や、大自然みたいなスケール感の大きいものがイメージとしてどんどん湧いてきて、最初のイントロから壮大な始まりにしたかったし、サビで落として空間を広げるイメージだったり、音選びも意図しているものではなく自然に弾いているものなんですよね。
■MVも拝見しました。その壮大感が伝わるMVになっていますよね?
凛:竹林みたいなロケーションで緑をイメージしました。完璧には表現は出来ませんでしたが、もっと宇宙的な言葉に表せないものを作りたかったので、MVの編集の方も模索していたとは思います。
■リリース以外では、去年2024年はどんな活動をされていたんでしょうか?
凛: FORBIDDENが2023年の12月29日に始動したので、ライブをずっとやっていて、とりあえずシングルを3曲は出しましたが、音源が出てない状態でライブをしていたので、ノリも固まらないし、対バンイベントでも結構不利を感じていたんですよ。なんとしても音源を世に出したいと思って、去年夏ぐらいに「TWELVE-SIX」を出したんですが、予定よりも大分遅れたりした事もあって、年末までライブと制作の1年でした。今回の「THE REBELS」を出して、現状のFORBIDDENの曲は全部出し切りました。
■FORBIDDENも1周年を迎えましたが、この1年間どんな感触だったでしょうか?
凛:メンバーが2人しかいないので、毎回サポートメンバーを呼んでのライブでしたが、それに何か違うとかは感じてはいなくて、いつもの自分の立ち位置でアグレッシブにライブをしていた感じでした。
サポートメンバーが上手いので、音出しは楽しく出来たし、演奏面では負けた事がないです。記憶にないぐらい忙しかったですが、「TWELVE-SIX」をリリースして希望も見えましたし、ライブの回数を重ねる度にオーディエンスの反応が良くなったのを感じましたね。バンギャさんの思いに寄り添う事も出来た1年だったと思います。
■そんなFORBIDDENが、今年1月8日に新作EP「THE REBELS」をリリースしました。収録曲の中で何曲かPICK UPして聞きたいのですが、まずは4曲目に収録されている「OVERKILL」からお話を聞かせて下さい。
凛:この曲と、「滂沱の涙」は鋲さんのソロの時代からあった曲で、「OVERKILL」は、未音源曲でライブでしか聴けない曲でした。暗い感じの貴重なミドルテンポに属する楽曲で、ボーカルの良さが際立っていて、このテンポなのに狂気的な何かを秘めている作品ですね。元々あったデモを聴いてそれを一番良い音で作り直す作業をしました。
■5曲目の「滂沱の涙」についてもPICK UPさせて下さい。
凛:バラード曲で特別な曲です。鋲さんがアコギを持って歌うイメージが最初からあったみたいで、レコーディングでもアコギをうっすら入れています。一番ビジュアル系らしくて良い曲だと思います。彼と一緒にバンドをやって一番面白いと思う部分は結構、歌詞だったりするんですけど、この曲のワードセンスは凄いです!ギターソロ後の「燃え盛る闇 身を委ねてる」という歌詞があって、悲しさや、怒りとか、そんな燃えたぎる感情がこの曲には込められているんですが、それを「燃え盛る闇」というワードで選んで来る所に鳥肌が立ったんですよね。その後の「眠った少女の腕の中で痛みを血で洗う」とかも非常に彼らしい表現で、先に歌を録っていたので、それを聴いて目一杯、感情を込めてギターを録りました。
■ラスト曲「COLD VORTEX」についても聞かせて下さい。
凛:前作「TWELVE-SIX」の最後の曲が「DYSTOPIA」だったんですけど、この曲はキャッチーで、光に向かうような結構明るい曲だったんですが、そこにライブとかでも手応えを感じたので、この曲は自分がコンポーザーとして狙って作った曲ですね。鋲さんの今までやって来たバンドのサビのキャッチーさとか、ビジュアル系らしいメロディラインとか、その辺を意識して、その時代のビジュアル系を少しオマージュしました。前後はメタルです!
■収録曲の中ではこの曲が一番激しく感じました!
凛:これが一番得意なジャンルです。この曲は自然に出来ましたね。元々はメタルバンドをしたかったんですけど、ビジュアル系をやっている以上、ビジュアル系らしさを追求しようと思い、それをFORBIDDENで表現するとこの曲になった感じです。僕はライブをしていない時は、楽曲の世界観を重視して作曲をします。なので凛-Lin-ソロで出す曲は完全に別物で、先にも述べたような大自然をテーマにしたり、中華メタルというコンセプトに基づいて楽曲制作を行っています。「COLD VORTEX」に辿り着いたのはやっぱりライブをして来たからだと思いますね。オーディエンスと共有するライブという空間をいかに楽しめるようにするかという所で制作の過程でも心境の変化がありました。
■FORBIDDENで中国でライブする事も考えているんですか?
凛:機会があれば行きたいですね。去年台湾には行きましたが、今の形態なのか、もしかしたらメンバーが増えるのかは分かりませんが、自然の流れで出来たら良いですね。中国はコテ系だったり、見た目がダークでメイクが濃いのとか、激しい曲が好きなファンが結構いるので自信はありますよ!アメリカやヨーロッパも良いですよね!初期のコンセプトにゴシックというテーマもあって、それを修正しながら、よりスタイリッシュにブラッシュアップしているのが今のFORBIDDENなんですよ。その要素もキャッチしてくれたのか、最近実際に海外からのフォロワーも増えました。もちろん日本のフォロワーも欲しいです!国内でもっとしっかりやっていきたいですね!
■国内のこのシーンもみんなで盛り上げられる何かがあれば良いですよね!
凛:今、ビジュアル系をやっている人って、本当にこのジャンルが好きで、一生懸命で真面目な方が大半だと思います。「FORBIDDEN CITY」という主催イベントでは自分達がかっこいいと思うバンドや、交流のあるバンドを呼んでいます。バンド主体のイベントがあっても良いのでは!と思っているので積極的に声をかけたりしています!来ているファンの皆が楽しんで帰れるイベントになればいいなと思っています。
■FORBIDDENのライブも決まってきておりますが、凛-Lin-さん個人としての活動としては2025年はどんな動きになるのでしょうか?凛-Lin-さんのソロ音源とかも考えているのでしょうか?
凛:今年の1月12日の「FORBIDDEN CITY Vol.4」のオープニングで初めて凛-Lin-名義としてライブをしたんですよ。「九天攬樂」と「森羅万象」をやったんですが何か見えた気がしました。サポートを入れての3人体制でのライブだったんですが、結構意気投合して、またライブしたいねっていう話にもなったので、何かしたらのアクションがあるかもしれないし、そんな新しい一歩も踏み出せたので今年は何か創れると思います!それとライブをして嬉しかったのは、やっぱり人との出会いですね。音楽仲間が増えたことが特に嬉しいですね。孤独に一人でずっと音楽を作ってきて、憂鬱になることもあったし、FORBIDDENの鋲さんは知っていても自分の事は知らない人も多かったし、多分僕の事を認めるのも時間がかかったんじゃないかと思うので、やっと自分の事も受け入れられて来た感じがします。先の事は分からないですが、一瞬一瞬を大切にしながら悔いのないようにやって行きたいですね!
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2月20日(木)18:00 CHAOSS
2月21日(金)18:00 Vijuttoke pre.「レポっとけ!」LIVE report
2月24日(月)18:00 凛-Lin-(FORBIDDEN)
2月25日(火)18:00 The Brow Beat
Artist INFORMATION
凛-Lin-
「森羅万象-Birth of Creation-」
NOW ON STREAMING
[収録曲]
1.森羅万象
※デジタル音源
[発売元]
Grows Independent Music
FORBIDDEN NEW RELEASE
「THE REBELS」
NOW ON STREAMING
[MUSIC]
1.-403- / 2.FEARLESS
3.MAD RED DAWN / 4.OVERKILL
5.滂沱の涙 / 6.COLD VORTEX
※DIGITAL EP
[LIVE SCHEDULE]
2025/2/9 (Sun) EDGE Ikebukuro
「FORBIDDEN CITY Vol.5」※鋲生誕記念主催公演
2025/3/3 (Mon) Spotify O-WEST
2025/3/6 (Thu) Black Hole ※凛-Lin-サポートライブ
2025/4/6 (Sun) club SCIENCE ※凛-Lin-サポートライブ
2025/5/20 (Tue) SHIBUYA REX