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The Brow Beat HP​

L→R HAKUEI / Ryuji

俳優 佐藤流司がアーティスト「Ryuji」として結成したバンドプロジェクト”The Brow Beat”(ザ ブロー ビート) 
2025年4月9日に、ニューアルバム 略称「生き死に、死に生き」を発売し東名阪仙ツアーを敢行する!​

The Brow Beat 2025年4月9日(水) 発売! NEW ALBUM
「生きる為に死にゆくのか、死にゆく為に生きるのか、誰の為に、何の為に自分は生きているのか、人生について少しだけ、深く本気で考えてみたらあまりにも、耐え難いほど辛くて悲しくて、誰かと自分を比べてしまう自分も大嫌いだし、慰めてもらう事なんて出来ないし、劣等感や孤独感なんて拭えないし、どうせこの先も地獄だ。そんな事は百も承知の上で、「人生ある程度テキトーで良いんだよ」って救われもしない浅い言葉で自分を奮い立たせて、奮い立たないんだけど、でも少しだけ心が軽くなるような、無いよりはマシかな、そうなれば良いな、という歌。」

取材:村上孝之 / 写真:宮脇進


――ニュー・アルバムの制作は、どんなふうに始まったのでしょう?

Ryuji:最初は特に構想とかはない状態で、「アルバムを作りましょう」という話が出たんです。その後、わりとすぐに構想が浮かんできて、アルバムを作るのであれば、今回はひとつのストーリーを描いた感じのアルバムにしたいなと思ったんですよね。そういうザックリとしたところから入っていきました。

HAKUEI:Ryujiくんから、1人の人が生まれて死ぬまでの物語になるような感じにしたいというアイディアが出たんです。それで、人が生を受けた時からいなくなるまでの間にはいろんな場面があるので、そういうものをなんとなく想定して曲作りを進めようか…という感じでした。


――“人の一生”というコンセプトがありながらも架空の主人公の人生を描くのではなく、“どう生きるか”ということを問いかける作品になっていることが印象的です。では、『生き死に、死に生き』の収録曲で、特に印象の強いものをそれぞれあげるとしたら?

Ryuji:1曲というのは、難しいですね。強いてあげるなら「オシノコロン」かな。この曲はThe Brow Beatでずっとギターを弾いてくださっている鳴風さんが書いてくださったんですけど、デモを1回聴いただけで、もう歌詞のコンセプトが瞬間的に浮かび上がってきたんです。楽器だけで情景が浮かぶ感じで、人間の内面のおどろおどろしい恐ろしさみたいなものが出ている曲だなと思って感動しました。


――「オシノコロン」は少し昭和感を帯びた翳りが魅力的ですし、中間でヘヴィに変わる展開に衝撃を受けました。

HAKUEI:これは、1stデモは意外とシンプルだったんです。1コーラスだけで、そこから鳴風くんと話をしたところ僕がこうしてほしいというのと、彼がこうしたいというのが同じだった。妖しい感じで始まって、サビで聴かせるという成り立ちの曲だったけど、「もう、そこから戻らなくていいよ」みたいな(笑)。戻らずに、そこからドカドカ展開していこうという話をしたら「僕も、それがいいと思います」と言って「もう遠慮せずに行っちゃっていいですか?」という(笑)。


――激しくなるというアイディアに加えてレトロな激しさではなく、モダンなヘヴィネスに移行するのが最高です。そして、1曲の中で大きく世界が変わるにも拘わらず、同じ女性の内面を破綻させずに描いている歌詞も秀逸です。

Ryuji:エモいパートは女性でヘヴィなパートは男性とかだったら簡単だと思うけど、そうはしたくなかったんです。楽曲の展開に合わせて、主人公の女性の心が壊れていってしまう様子を表現したかった。自分としてはそれもうまくできたんじゃないかなと思って、この曲はめっちゃ気に入っています。

HAKUEI:僕の中で印象の強い曲は、僕も“強いてあげれば”ということになりますが、1曲目に入っている「輪廻の歌」ですね。この曲は僕の中にあるThe Brow Beatのイメージを、いい意味でアップデートしてくれました。僕はギタリストに楽曲制作をお願いすることが多いのですが、キーボーディストであればキーボーディストならではのコード感とか奥深さ、広さといったものを活かして命の神秘みたいなものを表現しやすいかなと思って、この曲は大島こうすけさんというキーボーディストの方にお願いしたんです。そうしたら、プログレっぽい曲があがってきた。この感じは今まで行っていなかったな…というものを放り込んでくれて、また新しいところにいくことができて良かったです。

Ryuji:「輪廻の歌」の歌詞はタイトルどおり“永遠につながっていく命”ということがテーマになっていますが、自分はこういう曲調は得意ではないんだなと思いました。明るい曲で、“未来”とか“希望”みたいなワードがポンポンと出てきて、“ああ、得意な分野じゃないな”という(笑)。これがアルバムの1曲目ということはもう決まっていたので、やっぱり人が生まれるところだよなと思って書いていくんですけど、薄っぺらい言葉しか出てこなくて。マズいなと思って、結局この曲は死んでから生まれるまでの間を書いているんです。輪廻転生していく中で、この世にいない間のことを書きました。


――「輪廻の歌」の歌詞は、どこか聖書や黙示録のような雰囲気から始まって光が射してくる流れが晴らしいですし、音楽がモチーフになっているところも魅力的です。そして、「オシノコロン」「輪廻の歌」を始めとして『生き死に、死に生き』は良質な楽曲が揃っていますね。たとえば、リード曲の「生き死に、死に生き(略称)」はラウドな歌中とキャッチーなサビを融合させた手腕が光っています。

Ryuji:これは、マキシマムザホルモンがやりたかったんです(笑)。それに尽きる(笑)。

HAKUEI:Ryujiくんにそう言われて、「俺も、それやりたい!」という(笑)。

Ryuji:この曲、カッコいいですよね。この曲のテーマは、最近はルッキズムがどんどん広がってきていてSNSを見ると美男美女が多いけど、そんなもん嘘で塗り固められているじゃないですか。俺だって加工アプリ使えば、めちゃめっちゃイケメンになるわ…という(笑)。だから、“SNSというのはかりそめの世界なんだよ”という話を書きました。


――今の時代を生きることで感じるイラ立ちなどを書きつつ“人生は満点じゃなくて良い”と歌っているところに惹かれました。

Ryuji:きれいごとではなくて、俺は本当にそう思っています。俺はその時その時の本心しか書かないから。俺は使いたいワードとか、歌詞とかのメモを取ったりしないんですよ。その場でテーマを思いついてから書き始める。ただ、何年か前に1個だけメモを取っていたワードがあって、それが「生き死に、死に生き」の2サビの頭の“運命なんて諦めの免罪符だった”という文節なんです。それがこの曲にハマるなと思って入れ込みました。


――メモしておくとそういうことが起こりますので、普段からメモを取っておいて損にはならないと思います。続いて、ヒップホップ・テイストを活かした「蛹室」も、アルバムのいいアクセントになっていますね。

Ryuji:この曲も凄いですよね。ちょっと電子ドラッグ的な匂いがある曲で、歌詞もそういうものになっています。ドラッグとかの経験はないので、イメージですが。人はめちゃくちゃブチ切れることで、こういったものに頼りだすようになるのかな…ということを考えたりしながら書いていきました。

HAKUEI:「蛹室」は“ダウナーな曲”ということを作曲者のKiyoshiさんに伝えて書いてもらいました。生きていく中で、そういう時があるじゃないですか。とことん奈落の底にいる感じを表現したかった。で、精神世界が感じられるものじゃないといけないと思ったので、それこそナインインチネイルズとかみたいなテイスト……嫌な感じのいかがわしさというか、触っちゃいけないところを手で触れられているような感覚も表現しました。


――ダークかつアグレッシブでいながらスタイリッシュというところはThe Brow Beatならではです。そして、『生き死に、死に生き』を締め括る「レオという獣」はオーケストラと熱いラップを融合させていて、この曲も驚きました。

Ryuji:これは俺が書かせてもらったんですけど、最初にサビの歌メロを考えて、そこから膨らませていって、tatsuoさんと(渡辺)壮佑さんが仕上げてくれました。オーケストラだけというのは最初からイメージしていて、HAKUEIさんもそれでいこうと言ってくれたんです。

HAKUEI:オーケストラとモダンなバンド・サウンドみたいなことはtatsuoくんの曲でやっているから、これはこのままいくのがいいだろうと思いました。オーケストラとラップというのはある意味トリッキーだけど、Ryujiくんは変な曲は書かないので。変わったアプローチの曲を作るけど毎回クオリティーが高くて、そこは信頼している。だから、今回も1曲はRyujiくんが土台を作った曲があったほうがいいかなと思ったんです。彼にしかない雰囲気が出て、それはThe Brow Beatの重要な要素のひとつになっていますからね。

Ryuji:そう言っていただけると嬉しいです。「レオという獣」の歌詞は“心に猛獣を飼っておけ”という話です。心に猛獣を飼って、それに負けないように生きろと。そういうことを歌っています。


――“強く生きろ”というメッセージに胸が熱くなりますし、中間のRyujiさんの独唱も圧巻です。さて、『生き死に、死に生き』は意欲的な姿勢が奏功して、The Brow Beatのまた新たな魅力が詰め込まれた一作に仕上がりました。

HAKUEI:Ryujiくんとはもう7年も一緒に活動しているわけですが、The Brow Beatとしてのスタイルが固まってきたり、お約束ができたりといったことがなくて、どんどんやりたいことが出てくるんです。そういう感じなので、今回もまた作品の変化を楽しんでもらえると思います。聴き応えのある作品なのでより多くの人に届くといいなと思うし、それをしっかりライブで表現したい。どちらかと言うと、マテリアルとか演出の手法よりも全体的なエネルギーで感じさせるようなライブになると思う。今年のツアーでは、それを実現させることを目指していきます。

Ryuji:ライブに関しては4月にツアーをやることが決まっていて、今回はコンセプチャルなライブにしたいなというのはありますね。前々回の5周年の時に今まで作ってきた順番をなぞっていくというライブをして、前回やったツアーは“もうやりたい曲をやりたいようにやるんだ!”みたいな感じだった。今回はまた違うコンセプトで、ストーリー性のあるものにしたいなと思っています。あと、この前MVを撮ったんですけど、「オシノコロン」で女装をしたんです、女性の歌なので。YouTubeのサムネイルも女装のほうにしていただいて、たぶんTikTokとかにもアップすると思うけど、それも女装のところを多めにしていただこうと思っています。そういうふうに、今年は小癪な手も使って知名度を上げていくことが目標です(笑)。

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≪25年2月号 配信LINE UP≫
2月20日(木)18:00 CHAOSS
2月21日(金)18:00 Vijuttoke pre.「レポっとけ!」LIVE report
2月24日(月)18:00 凛-Lin-(FORBIDDEN)
2月25日(火)18:00 The Brow Beat