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<第15回>

あー、ビックリした。

 
●×月×日

INORANのライブは、昨年は一度も見れてない。

しかも、会場の新木場COASTは以前に1度来ただけで、数年ぶりのような気がする。
少し道に迷って開演に10分ぐらい遅刻してしまったので、既にライブが始まっていた。

暗い会場内で、ステージ上のオブジェのローソクがすごく幻想的で綺麗だ。

暗闇に慣れない目で2階席に着いたら、二人挟んだ左横の人物が身を乗り出して俺のひざを叩く。
ん?暗くて誰だかよく分からない。

俺「ごめん。誰?よく見えないけど」

謎の人物「僕ですよ。シドの明希ですよ、明希!」

って笑顔は、まさしくグッドルッキン明希だった(笑)。
そうか、明希はLUNA SEAが大好きだったもんなぁ。

INORANNは洋楽っぽい大人のサウンドもいいけど、ポップな曲も独特のメロディーセンスが光ってる。
好きだなぁ。

終演後、会場打ち上げが始まるまでタバコでも吸って待ってようと思い、喫煙スペースに行った。
ん?薄暗い中に先客が二人いるぞ。

俺「あれっ、葵?そして、麗だよね」

二人ともニコッと笑いかけてきた。
そうか、ガゼットのこの二人もLUNA SEAファンだったんだ。

ガゼットといえば、3年ぐらい前に、ルキ、れいた、戒の3人と一緒に、横浜ブリッツにJのライブを見に行ったなぁ。
Jがステージ上から、人差し指と小指を立てて観客に挨拶を送ると、観客も一斉に両手を上げて同じサインで応える。
で、ガゼットの3人は、2階に席が用意されていたので、座ったまま両手を下にピッと伸ばして同じサインを送っていたっけ!(笑)
周りにお客さんがいっぱいいたので、見られるのが恥ずかしかったんだろうな(微笑)。

ここに明希が合流して、何やら談笑し始めた。
三人並ぶと、なんとも壮観な絵だ。

ヒマだったので俺も仲間に入れてもらおうと、ちょっかい出した。

俺「あれっ?麗のアゴのシャドーは何?」

麗「オフなので、ちょっとヒゲを生やしてみたんです」

明希「こんなとこにシャドーは付かないでしょ!(笑)」

うーん、そうかもね。

楽屋近くで関係者の方々と雑談しながら、INORANの登場を待つこと20分(ぐらいだったかな)。
まずバンドメンバーが出てきた。
ギターのYoshitsuguはEins:Vier時代から知ってるから、もう17~18年になる。

先日のtetsuyaのバンドでも弾いてて、引っ張りだこだな。

俺「最近よく会うね」

Yoshitsugu「ほんと、そうですね」(笑)

もの静かなカッコいいギタリストだ。

打ち上げ冒頭の挨拶を終えた、INORANと目が合った。

INORAN「あれっ、星子さんだよね」

って、マジに確認するような顔つきだ。

俺「えっ!分かんないの?」

心配になる......。
慌てて首に巻いてたマフラーをはずして、顔がよく見えるようにした(笑)。
ニコッと笑うINORAN。

なーんだ、ずっとご無沙汰だったから、からかわれてしまったな。
あー、ビックリした。