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machine HP

L→R HAKUEI(PENICILLIN)とKiyoshi(hide with Spread Beaver)

ボーカリストHAKUEI(PENICILLIN,The Brow Beat)とギタリストKiyoshi(hide with Spread Beaver,MADBEAVERS)により1999年に結成されたmachineが約10年ぶりに活動再開!​

――machineを約10年ぶりに再起動させることにした経緯などを、話していただけますか。

Kiyoshi:元々は、去年HAKUEIがライブの時に、僕の衣裳だった手袋をしていたらしいです(笑)。

HAKUEI:今回のライブはこういう衣裳なので、それに合うグローブとかを用意してくださいと頼んだら、その中に見たことのない手袋があって、自分の衣裳にピッタリだったので使うことにしたんですね。楽屋で、「これ、Kiyoshiさんのじゃないかな?」みたいな話をしていて、それをMCでも話したんです。

Kiyoshi:そうしたら、ファンの子がSNSで「HAKUEIさんがライブで、本間さんの手袋をしているという話をしていましたよ」と教えてくれた。なので、「返してと言っておいて。ついでに、“そろそろmachineどう?”と聞いておいて」と返信したんだ。そんなことがあって、しばらくHAKUEIと連絡取ってないなと思って連絡したら「僕も、そう思っていたところです」ということだった。それで、じゃあやろうという話になりました。

HAKUEI:僕は前々からずっとmachineをやりたいと思っていたんです。machineは僕の中で、本当に大きなものなので。ただ、スケジュールというものはどんどん決まっていくので、中々タイミングがなくて。そういう中で、いつやろうかな、いつやろうかな、やるとしたらどういうふうにやろうかな…ということは時折フツフツと沸きあがってくるわけですよ。それとは別に、去年The Brow Beatのアルバムを作るにあたって、Kiyoshiさんに曲を書いてもらいたいなと思ったんです。そのことで連絡しようと思っていた矢先に、Kiyoshiさんから連絡がきたんです。

Kiyoshi:そう。それで、The Brow Beat用の曲を書いた。


――『生き死に、死に生き』(2025年4月)に収録されている「蛹室」ですね。あの曲はヒップホップの匂いがあって、すごくカッコいいです。

HAKUEI:「蛹室」は、ドラマの主題歌に選ばれました。アルバムを渡して、この中から選んでくださいと言ったら、あの曲に決まったんです。普通はMVを撮っているリード曲とかを選ぶじゃないですか。だけど、「蛹室」を使わせてくださいという返事がきたんです。


――それくらいの力を持った曲だと思います。

HAKUEI:そうですね。Ryuji(vo)くんも「この曲は本当にカッコいい。なんか、ドラッグみたいなんだよな」と言っています。「ずっと聴いていると、頭がグルグルしてくるんですよ」と。

Kiyoshi:「蛹室」はCHIROLYN(b)にも褒められた。昨日会ったんだけど、開口1番「あの曲カッコいいよね」と言ってくれたよ。


――Kiyoshiさんのコンポーザーとしてのスキルの高さがうかがえますね。話をmachineに戻しますが、今回の再起動に合わせて『DEAD STOCK TOYS 2025』というベスト・アルバムがリリースされます。同作は全26曲というボリュームに加えて、全曲リ・レコーディングという内容に驚きました。

Kiyoshi:新録したのは権利問題とかで当時の音源が使えないというところから、リ・レコーディングという話になったんだよね?

HAKUEI:そう。めんどクサいんですよ。machineの場合は不運もあって。リリースの度にレコード会社が違っていて、その中で消滅してしまったレコード会社があったりするし、担当者の方が亡くなってしまったり、どこにいるのか分からないとか。そうなってしまうと、もう打つ手がないんです。それで、リ・レコーディングすることにしました。できるかなと思ったけど、やるしかなかった。だって、リ・レコーディングしない限り、昔の曲を聴かせられないので。


――全曲リ・レコーディングというのは作り手としては大変な作業ではありますが、その結果『DEAD STOCK TOYS 2025』は最新のmachineを味わえる一作になっています。

HAKUEI:そう。権利が使えなくなって、楽曲も使えなくなったことはすごく嫌だったけど、でも今はむしろ良かったと思っています。

Kiyoshi:そうだね。俺も本当に、そう思う。

HAKUEI:録り直したバージョンのほうが良いから。レベルアップしているんですよ。

Kiyoshi:熱感も高いしね。

HAKUEI:machineを始めた頃の僕は20代ですごく勢いがあったけど、今はもう54才じゃないですか。自分はああいう雰囲気を出せるのか、違うものになってしまうんじゃないか、そうなった時にファンの皆さんはどう思うのか…といったことは考えますよね。賛否両論あって仕方のないことなのかなと若干思いながら歌録りに臨んだら、全然大丈夫でした。気持ちよかったです(笑)。


――やりますね。さらに、『DEAD STOCK TOYS 2025』は26曲入りということで、machineの音楽性の幅広さも味わえます。

Kiyoshi:machineは“パンキッシュなデジロック”というところから始まって、アルバムを作るたびに音楽性を広げていった。たとえば「Genesis」という曲は俺がよく聴いていたブラーとか、ウィザーといった辺りからの影響が出ているし、「SAMURAI MAN」はヒップホップのテイストが活かされているし、「DEVIL WING」はEDMが香っていたりとか。こうしてみると、結構幅広いね。でも、特定のジャンルやアーティストを、そのまま模倣したような曲は一切ない。「DEVIL WING」とかももっとEDMに寄せようと思えば寄せられるけど、それだと面白くないから。俺が面白さを感じるのは、掛け合わせなんだろうなと思う。自分のギターと4分打ちだったり、テクノな部分、それにHAKUEIの歌を混ぜたら面白いものになるんじゃないかなとか。そういう掛け合わせを活かした曲が多いね。これが流行っているから、こういうものにしようと思って作ると借り物みたいになってしまう。俺はそういうところで音楽を作っていないから、たとえばラップ的なものに手を出しても、あまりそっちのほうにはいかないんだ。だから、デジロックといっても、あの頃いっぱいいたミクスチャー・バンドとは違っているよね。

HAKUEI:僕の中では、machineは子供がオモチャを買ってもらうような感覚というか。Kiyoshiさんに曲を作ってもらうのは仕事として曲を作って、それを歌うということではなくて、“これ、好き!こういうオモチャが欲しかったんだ!”みたいな(笑)。いろんな曲があるけど、どれもmachineらしさがあって、僕は全部好きです。


――お二人のコンビネーションの良さは抜群といえますね。楽曲の良質さに加えて、HAKUEIさんの歌詞も秀逸です。

HAKUEI:歌詞に関しては、純粋に楽曲に呼ばれるというのがあって。1枚目(『captain sonic tune』1999年4月)の頃は「Invader」とか「Gravity Attack」みたいにレトロ・フューチャー的なモチーフをフィクションっぽい中で表現していたけど、2枚目(『e,rect』1999年12月)で超ハードコア寄りになって、アナーキズム的な表現とかも増えてきて。で、3枚目(『salvation-D9』2002年1月)は、精神世界になっています。

Kiyoshi:HAKUEIが書く詩は、本当に良いよね。今回リ・レコーディングするにあたって歌詞を読み返して、あらためてそう思ったよ。


――全く同感です。さて、machineは本当に魅力的で、今後の活動が楽しみです。

Kiyoshi:machineを始めた頃は、あまり受け入れられなかったんだ。当時としては、ちょっと過激過ぎたのかもしれないね。だけど、最近の反応には凄いものがあって、やっと分かってもらえたんだなという気持ちはある。20数年前に2人せっせと作ったものがやっと最近になってみんなに分かってもらえて、それはやっぱり嬉しいことだよね。

HAKUEI:周りのミュージシャンの反応が凄いんですよ。僕はあまり自分から「聴いてください」というようなことはしませんが、machineはめちゃくちゃいろんな人に送ったんです。2年ぶりにLINEするような人とかにも送った(笑)。そうしたら、みんな社交辞令とかではなくて、すごくいいと言ってくれるんです。僕は、「Hero 2025」も「機械児 2025」も最強だと思っています。自分の音楽がPENICILLINから始まったとしたら今年で33年ですが、1番満足している。だから、カッコつけじゃなくて、それが売れようが、売れまいが、いいんです。“俺は、これをやっている”という自信があって、同業者とかに聴いてほしくなるものを作れたことが自分にとってなによりも大きな喜びなので。だから、machineは素直にやりたいなという気持ちがありますね。

Kiyoshi:俺が思うのは……俺はずっと音楽というものをやってきて、そろそろ纏めの時期だとは思うんだ。その纏めを真剣にやってみようという気持ちがあるし、纏めという部分ともっと攻めるという部分が一緒に来ている感じがすごくしている。だから、machineを知っている人はもちろん、知らない人にもぜひ聴いてほしいね。


――聴いてほしいです。では、7月に行う3本のライブは、どういうものになりますか?

HAKUEI:今回のmachineはメンバーが、獣みたいな人達なんですよ(笑)。ベースがseek(Psycho le Cému,ex.Mix_Speaker's,Inc. MIMIZUQ等)で、ドラムがCHARGEEEEEE...。写真でも、この2人が1番目立っていますよね(笑)。2人ともめちゃくちゃカッコいい。なので、期待していてください。

Kiyoshi:ライブは、すごく楽しみ。勝ちは見えているんだよね。

HAKUEI:見えている。どういう技で倒すかですよね。打撃でいくのか、武器でいくのか、呪い殺すのか(笑)。どうやって勝つかを考えるので、みんなも気合いを入れてかかってきてほしいです。

取材:村上孝之
写真:小松陽介(ODD JOB)
ヘアメイク:北瞳 / KAGARI & 市橋エミ(hair make salon QUEEVA)

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≪25年5月号 配信LINE UP≫
5月22日(木)18:00 Crack6
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5月26日(月)18:00 DEXCORE / DIFFERENT:ACCOUNT
5月27日(火)18:00 machine

Artist INFORMATION

machine BEST 発表決定!!」


machine Live 2025

「ULTRA BEAST」


2025年7月17日(木)

神奈川・横浜ReNY β 

開場18:30/開演19:00


2025年7月18日(金) 

神奈川・横浜ReNY β

開場18:30/開演19:00


2025年7月21日(月祝)

東京・新宿ReNY 

開場17:15/開演18:00


【machine member】

Vo. HAKUEI

Gu. Kiyoshi

Ba. seek

Dr. CHARGEEEEEE…

Mp. COLA