
10代の頃からバンドマンのみならず、レーベルのプロデューサーとしてヴィジュアルシーンを牽引。
いくつものバンドやレーベル活動を通してさまざまな伝説を作り続けてきた生きるカリスマKISAKI。
彼が半世紀歩み続けてきた記念日(50歳の誕生日)に当たる2026 3月10日に、MEMORIAL ALBUM『Voice in Sadness』を発売する。
新録した3曲と、リレコーディング/リミックス/リマスタリングした曲たちの計12曲を収録。今のKISAKI自身の心の声が伝わる内容に仕上がっている。
3月15日(日)には、大阪BIG CATでKISAKI 半世紀記念生誕祭「BEYOND THE KINGDOM -Fest of Excellence-」を開催する。
アルバム参加アーティストや、イベントの参加バンドについては、INFORMATIONをご覧になっていただきたい。
他にも、バンド活動30周年を記念し、2023年にリリースした4作品『Providence』『Afterglow』『Preuve d’etre』『Eternally』
全36曲が、2026年2月14日よりサブスク配信になる。
2026年、新たな動きを示すKISAKIに、今と、これからについて伺った。
──今年の3月10日で50歳を迎えるんですね。
「あっという間でしたね。本当なら、2023年に1年かけて行った「バンド活動30周年」の動きを持って区切りをつけるつもりでしたけど。逆に声をかけていただく機会が増え、止めるタイミングを失っていました。それでも、「どこかでケジメをつけなきゃ」と思っていた中、2026年3月10日で生まれてから半世紀を迎えることもあり、自分のやりたいことを1年間かけて突き詰めようと改めて決意をし、今、形にし始めているところです」
──3月15日には、「半世紀記念生誕祭」も決まりました。生誕祭をやるのは…。
「最後に行ったのが、凛-the end of corruption world-(以下、凛)が解散した年だから2016年。「もう祝ってもらう年齢でもないんで」という思いから、30周年の時期も含め、以降は一切生誕祭を行ってきませんでした。なので、10年ぶりの開催になります。今年は、人生の中でも大きな節目の年。だからこそ意味を持たせようと、誕生日に一番近い週末の日を選び、付き合いの深い仲間たちを誘ったところ、大勢の仲間たちが参加を表明してくれたことで、豪華な生誕祭になりそうです」
──そこに向けて、MEMORIAL ALBUM『Voice in Sadness』の制作も始めたわけだ。
「そうです。タイトルにだけ触れたら、けっして愛でたい感じではないですけど。僕が今まで音楽をやってきた中で感じ続けてきた別れ、葛藤、苦悩、悲しみを表現したいなと思って、今回の制作へ踏み切りました。中に、新曲を3曲収録。どの曲にも、表には出せない自分の感情を書いています。メッセージ性は相当高いです。」
──そこには、音楽活動に対する執着やあきらめなど、錯綜するいろんな感情を詰め込んでいません?
「僕自身、今もバンド活動をやりたい気持ちがあれば、音楽としてのヴィジュアル系も大好きですけど。大人の事情も含めた人間関係には辟易しているのも事実。「こんな糞なシーンだけど、今も愛してる」、そういう思いをすべて歌詞に詰め込みました。
バンド活動についてですが、凛を解散した時点で、自分の理想となるメンバーが見つからなければ、ソロで活動しようと決めていました。僕自身ベーシストでありながら、作詞・作曲を行うコンポーザーでもある。だからこそ、「このキーなら、こういう人が相応しい」など、作りだす楽曲の理想が明確にある。30周年用に制作した3枚のアルバムのときは、それを1曲ごとに、理想とするミュージシャン方に声をかけて実践したわけです。それだけ、協力してくれる仲間たちが大勢いたのも嬉しかったんですけど、その形が自分の中で一番しっくりときた。だから今も、パーマネントなバンドではなく、その形を取っているわけです」
──「半世紀記念生誕祭」にKISAKIさんが率いて登場するTHE LOCUSも、その日限定のメンバーたちですからね。
「今回の生誕祭を計画し、誘いをかけたとき、一番最初に返事をくれたのが摩天楼オペラとPsycho le Cemuでした。中でも摩天楼オペラの苑くんは、30周年記念のアルバムで一緒になったときから、僕に新しい刺激の風を吹かせてくれた人であり、復活以降、昔からの盟友AKIRAと同じく、信頼のおける自分のパートナーとして欠かせない存在でいてくれた人。なので、イベントには摩天楼オペラが出るのをわかりながら、THE LOCUSのメンバーへと声をかけたし、彼も「やります」と即答してくれたことでメンバーに決まりました。ギターのHIZAKIも、同じくギタリストとして信頼のおけるパートナーだし、90年代からの付き合い。それは、ドラムのHIROKIもそう。同じ時代を生き、苦楽を共にしてきた同志だからこそ誘ったわけです。CEROは凛のメンバーとして一緒に活動をしてきた仲、偶然の再会からとはいえ、また一緒にステージに上がれるのは、僕にとっても嬉しいことなんですよ」
──盟友と口にしたAKIRAさんが、新作アルバムに収録した新曲の『死滅回遊魚』で。苑さんが、『Voice in Sadness』で歌っています。
「苑くんは、先にあげた理由から選びました。AKIRAは長く同じバンドで活動をしてきた仲だし、自分の理想とする歌を理解してくれているから、いつも理想以上の歌を届けてくれる。本当に頼もしい存在だから、新曲を録るならAKIRAに歌ってもらうのは、自分の中では当たり前でしたからね」
──アルバムに収録したもう1つの新曲『Brand New World』では、元Raphaelの櫻井有紀さんをメイン・ヴォーカルに据え、女性ヴォーカリストの蟹江敬子(Sheglapes)さんを迎え、ツイン・ヴォーカルで歌を録りました。
「有紀とは、彼が10代の頃からの付き合いだし、よく一緒に対バンしていたので、関係は長いですね。彼とは、最近ひょんなことから再会したのもあって、「アルバム用の新曲で歌ってくれないかな」と相談を持ちかけたら、すぐに「やります」と言ってくれたことで実現しました。内向的な感情を映し出した『死滅回遊魚』や『Voice in Sadness』とは違って、『Brand New World』は「新しい世界へ向けて」という前向きで、ポップな曲調の歌。それが有紀の歌声に合うなと思ったんですよね。本当なら有紀の歌声だけでも十分成り立っていたんですけど、あえて曲の奥行きや広がりを出すうえで女性の声を入れたくて、蟹江敬子さんにお願いをしました」
──民族音楽の要素も組み込んだ『死滅回遊魚』のサウンドが、とても刺激的です。
「一瞬「これはJAZZなのか?!」と思わせるようなギターのイントロをlyoda koheiくんに弾いてもらいました。始まりで意表をついたところで、(森谷)亮太のドラムが入るのを合図に、演奏は一気に爆発していく。『死滅回遊魚』と名付けたように、同期の音も含め、深海で鳴っているようなスピリチュアルさを感じてもらえる曲に仕上がったなと思います。表題曲の『Voice in Sadness』は、KISAKIの王道スタイル曲。一番好きなジャンルの曲だからこそ、今、一番理想としているメンバーに参加してもらいました。ちなみに、ギターのHIZAKIは『Brand New World』でも弾いています」
──『Voice in Sadness』に参加したメンバーは、仮にKISAKIさんがバンドを組むとしたら一番誘いたい人たちじゃないですか?
「その通りです。もし、このメンバーがバンド活動をやっていないフリーの状態なら、間違いなく声をかけています。それは、3月15日に行うイベントの中、THE LOCUSとして演奏をするメンバーにも言えること。逆に捉えるなら、たった一夜のバンドだからこそ、その存在が美しく尊いというか、そこに自分なりの美学も感じています。あの日は、触れた人たちの心に残るものをTHE LOCUSを通して刻みたいので、その姿をぜひ目撃してください」
──他にもMEMORIAL ALBUM『Voice in Sadness』には、30周年のときに制作した3枚のアルバムの中から9曲を取り上げ、remixやre-recordingを行いました。
「収録した曲たちに今の自分の心情が映し出されているのはもちろん、全体のバランスを取って選びました。
た。30周年のときにも、アルバムを完璧に仕上げましたが、録音機材のアップデートもあって、以前とは異なる良質な音でmix出来たので、3枚のアルバムを手にしている方は、ぜひ聴き比べてほしいなと思います。手にしてない方も、2月に3枚のアルバムをサブスク解禁するので、先にここで音源に触れ、3月にCD発売するアルバムを手にし、ぜひ聴き比べてみてください」
──3枚のアルバムのサブスク解禁を喜ぶ人たちも多いんじゃないですか?
「以前から、「サブスク解禁をしてほしい」声は多くありました。僕としては、魂を込めた渾身の作品たちですから、しっかりと手に取って触れてほしい思いもあって、サブスク解禁は頑なに拒んでいましたけど。あれからもう2年以上も経ちましたし、解禁するならこのタイミングがベストと思い、配信を決めました」
──3枚の30周年アルバムのサブスク音源解禁、アルバムとマキシ盤のリリース、そして豪華な生誕祭の開催と、立て続けに華やかな展開が続きます。生誕祭は、ワンマンではなくイベントにしたかったのでしょうか?
「そうしたかったです。もちろん、THE LOCUSのワンマン公演として行う選択肢もありましたけど。昔からそうですが、僕は同じ環境で戦いあう仲間たちと、楽屋やステージでわいわい騒ぎながら盛り上がりたい性格。とくに生誕祭は、僕の誕生祝いをネタに、みんなが本当に楽しんでくれる。その空気が好きなんですよ。3月15日のイベントには、ジャンルの垣根を超えて、多くの気心知れた仲間たちが大勢集まってくれます。こういうイベントって、今のヴィジュアル系のシーンではほとんど見かけなくなったからこそ、その楽しい空気の中へお客さんたちも仲間として巻き込んでいきたい。なので、ワンマンではなくイベントにしたわけです。まして、会場となる大阪BIG CATは、僕が20歳の頃から節目節目でめちゃめちゃお世話になってきた会場。正直、大きな規模のライブハウスですから、音楽活動を始めてから33年経った今でもこの会場に立てるということは、自分の自信にも繋がっています」
──この日のラストで繰り広げる、出演者全員での『神歌』の大セッションも楽しみです。
「ステージの上はかなりカオスになると思いますけど、それを楽しみに見に来る人たちも多いですし、出演者みんなでの大セッションこそがイベントの醍醐味じゃないですか。出演の決まったバンドがライブをやってを繰り返すだけなら、イベントではなく対バンライブで十分なこと。なぜイベントをやるのかという、その趣旨を来てくれる人たちに感じてもらいたいし、そこを楽しんでほしいなと思っています。セックスマシンガンズのANCHANGの神歌は貴重すぎますね。」
──2月から3月にかけて、気になる展開が続きますが、一連の動きはここまでになるのでしょうか?さきほど、1年間かけてとも言っていましたよね。
「先に伝えておくと、まだ具体的な先の展開は決まっていません。ただ、自分の中では「半世紀記念」の動きを、2026年中作り続けていきたいなと思っているので、今、発表している動きが、その始まりになります。ただ、最初に示した動きが濃すぎるから、どうしようかという嬉しい悩みもあれば、今回の動きを通して心挫けそうな結果が見えたら、ここで終える可能性も無いとは言えないです。ライブは本当に限定的になるからこそ、東京でも1本はやりたいなと思っているから、これからどう物語を描こうか…。ただ、いいスタートを切れたのは確かだからこそ、それを自分のモチベーションにしながら、次の展開に上手く繋げていけたらなと思っています」
──いい年の始まりと言えば、Vijuttokeの表紙をKISAKIさんは和装姿で飾るんですよね。
「先日、表紙用の撮影を終えましたが、今回は"着物っぽくもあり、衣装っぽくもある"服を着こなしています。これもヴィジュアル系だからこそ出来る装いだと思うし、この姿はVijuttokeでしか見られないからこそ、ぜひ手にして、大切に保存してくれたら嬉しいです」
──今年の展開を楽しみにしています。最後に、2026年の豊富をお願いします。
「半世紀=50歳になるまで音楽活動が出来ているのはファンのみなさんの応援があってのおかげだから、本当に感謝しています。一つの大きな節目の年に、こうやってサブスク配信や、新作のリリース、主催イベントの開催という、音楽活動冥利に尽きる展開を発表できたのは本当に嬉しいこと。今は、そこに向かって燃えているので、自分でも発表している展開を楽しみにしつつ。その後も動きを作っていくので、KISAKIの2026年の活動をずっと追いかけてもらえたら嬉しいです。ライブ本数は正直そんな多くはないからこそ、みんなと再会したときは、一緒にバカ騒ぎして楽しみましょう」
TEXT : 長澤 智典
PHOTO : 尾藤 能暢
HAIR MAKE : A・DO
HAIR MAINTENANCE : hiko(UNDIVIDE)
STYLIST : 峰岸 祐介
Powered by Vijuttoke
Vijuttoke INFORMATION
*Vijuttoke掲載インタビューを配信中!
・WEB【club Zy. 】https://www.club-zy.com/contents/free_paper
・ブロマガ【club Zy.チャンネル 】https://ch.nicovideo.jp/club-Zy/blomaga
1月22日(木)18:00 PARAGUAS inc.対談 「巽(XANVALA) / 柳(ミスイ) / AKIRA(Z CLEAR)」 / DOG inThePWO
1月23日(金)18:00 HAKUEI(PENICILLIN / machine) x 苑(摩天楼オペラ)対談 / 未散(MASK / LOOP ASH)
1月26日(月)18:00 MAMA. / まみれた / JACK+MW
1月27日(火)18:00 KISAKI
Artist INFORMATION
KISAKI -生誕半世紀記念CD&イベント決定!!-
■MEMORIAL ALBUM 2026.3.10Release
残響も消え、過去と諦めに彩られた未来に新たな息吹…「Voice in Sadness」
一般店頭発売は2026.3.11になります。LCD-014 価格5,500円(税込み)
24P写真数ブックレット付特殊仕様 / 新曲3曲+リミックス、リマスタリング等計12曲入り
【GUEST PLAYER】
苑(摩天楼オペラ)/櫻井有紀(Raphael)/AKIRA(MIRAGE・RENAME)・蟹江敬子(Sheglapes)/HIZAKI(Versailles)/Iyoda Kohei(NoGoD)/SHIORI(Little Lilith)他多数
※通販購入の方には未発表CD「forgotton」プレゼント!!https://lorelei-entertainment.com/
■KISAKI 半世紀記念生誕祭 「BEYOND THE KINGDOM -Fest of Excellence-」
2026.3.15(日) 大阪BIG CAT
[出演バンド]●THE LOCUS -当日限定バンド-
B.KISAKI / Vo.苑(摩天楼オペラ) / G.HIZAKI(Versailles / Jupiter) / G.CERO(凛 / Jupiter) / Dr.HIROKI(D)
●Psycho le Cému / ●SEX MACHINEGUNS / ●摩天楼オペラ / ●GOTCHAROCKA
●NoGoD / ●FEST VAINQUEUR / ●椎名ひかり / ●Little Lilith
※ラストに出演者による「神歌」大セッション有り!! ※MC : 浅井博章 (順不同)
■2023年(バンド活動30周年)にリリースしたアルバム
「Providence」「Afterglow」「Preuve d’etre」「Eternally」全36曲