
数度の活動休止期間を経て2025年に再起動を果たしたmachineが、彼らにとって初となる主催イベント・ライブ「ULTRA BEAST HAMMER BATTLE」を2026年1月23日・24日に川崎CLUB CITTA’で開催する。
年代や音楽性といった枠を超えて豪華な顔ぶれが集う同公演は必見のイベントとして、大きな注目を集めている。
リスナーの期待の高まりを受けて、本誌は「ULTRA BEAST HAMMER BATTLE」で競演するmachineのHAKUEI(vo/PENICILLIN,The Brow Beat)と摩天楼オペラの苑(vo)による対談を実施した。
2人が醸し出すいい空気感や、ライブに向けてモチベーションが高まっていることなどを感じ取っていただければ嬉しく思う。
取材:村上孝之
――お二人はプライベートでも交流があるのでしょうか?
HAKUEI:いえ、昔なにかのイベントでご一緒した記憶がありますけど、話したりはしなかったんです。ちゃんと話をするのは、今日が初めてです。
苑:イベントでお会いした時に、勇気を出して話しかければよかったなと今ムチャクチャ後悔してます。僕は小学生の時にX JAPANと出会って音楽に興味を持つようになったのですが、ヴィジュアル系のCDでX JAPANに続いて2枚目に買ったのがPENICILLINだったんです。なので、もう20年以上聴いて聴いてます。
HAKUEI:それは、嬉しいですね。苑くんは元々ボーカルをやろうと思っていたんですか?
苑:僕はX JAPANから入ったので、最初はドラムをやりたかったんです。それで、中学校に上がって“さあ、バンド組むか!”と思った時に、友達が「Xのコピバンやろうよ」と誘ってきたんですけど、そいつが「俺はドラムをやる」と言っていて。それで、僕はカラオケとかも好きだったので、「じゃあ、俺は歌をやるよ」と言って、そこからは歌1本です。
――歌い始めた頃に影響を受けたシンガーなどは、いましたか?
苑:B’zの稲葉(浩志)さんです。姉がファンクラブに入っているくらい好きで、子供の頃から稲葉さんの声を聴いて育ちました。当時あった8センチ・シングルとかは3曲目がリード曲のカラオケということが多くて、それに合わせてB’zとか、WANDSとかを歌ったり、ハモリを覚えたりしていました。
――苑さんは稲葉さんの影響を感じるところもありますが、独自のスタイルを持たれています。それは、どんなふうに確立されていったのでしょう?
苑:ハイトーンを出すことに関しては、最初は稲葉さんを歌って、歌って、鍛錬していきました。その後洋楽に切り替わっていって、ヘヴィメタルをやるようになってから独自の歌い方ができようになったかなと思いますね。
HAKUEI:ハイトーンの鍛錬というのは、どういうことをしたんですか?
苑:最初は、高い声は全く出なかったんです。そこからがんばって高音を出して喉を潰して、高音を出して喉を潰して…ということを繰り返して、喉を鍛えていった感じです。潰れた喉が回復すると、ちゃんと高い声が出るようになるんです。
HAKUEI:それは、人によると思う。僕も高校生の時とかに、それに挑戦したことがあるんですよ。いろんな説があるじゃないですか。当時の僕は氷室(京介/BOOWY)さんみたいにちょっとハスキーで、パンチのある声に惹かれていて、氷室さんは喉を潰すことを繰り返して、ああいう声になったという話を聞いたんです。強い酒を飲んで、“ガァーッ!”と歌って喉を潰す…みたいな。そう聞くと、まあやりますよね。ウイスキー飲んで、枕に口をあてて、思い切り歌うという。そうしたら、全く声が出なくなった(笑)。しかも、喉が戻っても元の声のままだったんです。だから、これは良くないのかなと思ってしまったんですよね。僕の中では、苑くんみたいなタイプはレアだと思う。普通は、どんどん声帯がダメージを受けていくだけなので。
苑:どうなんでしょうね。僕は、ウイスキーは飲まなかったので(笑)。僕の場合は喉を潰すことを繰り返していく中で、喉に負担がかからないような歌い方を無意識のうちに覚えていったような気がします。HAKUEIさんはボーカリストとしてのスタイルは、どんなふうに作っていかれたんですか?
HAKUEI:僕は高校生の時に4つくらいバンドを掛け持ちしていたんです。で、最初は真似するじゃないですか。セックス・ピストルズをやる時はピストルズっぽい感じで、そんなにハイトーンじゃないけど、ダミ声っぽく歌うとか、ハードコアだったら、もうずっとシャウトするとか。あと、BUCK-TICKとか、ビートロックみたいなものもやっていたし。それぞれになんとなく寄せていく中でPENICILLINを組む直前の頃はGASTUNKとか、THE WILLARDにドハマりしていて、その辺りの影響が強いと思いますね。いろんな声音を出したり、きれいに歌っていたのに、急に“ガァーッ”とシャウトしたりとか。THE WILLARDも結構ムードがあるじゃないですか、歌の感じが。その辺りが軸になりつつ、いろんなものが混ざり合って自分のスタイルが作り上げられてきたような気がしますね。
苑:HAKUEIさんは、本当に凄いですよね。歌い方の似ている方というのが想像つかないですから。ヴィジュアル系というのは、癖の強い人が正義じゃないですか。僕もPENICILLINさんや先輩方の歌を聴いて、絶対になにか自分のものを持ちたい、数秒聴けば自分の声だとわかるボーカリストになりたいと思って、ずっと歌ってきました。
――独自のスタイルを持つというところでもHAKUEIさんから大きな影響を受けているといえますね。では、続いて、摩天楼オペラについて話しましょう。摩天楼オペラは数回のメンバー・チェンジという危機を乗り越えて、よりパワーアップを果たした不屈のバンドとしてファンから篤い信頼を得ています。
苑:メンバー・チェンジを乗り越えられたのは……その時々で全部理由が違うのでなんとも言えませんが、「続けたい」と言ってくれるメンバーがいた時もあるし、自分が「絶対に、まだやるぞ」とメンバーに言った時もあって。要は、誰かしら“まだ続けよう”という強い意志を持った人がいたから、その都度その都度なんとか生きながらえてきたという感じです。
――さらに圧倒されるのが、メンバー・チェンジがあっても活動の空白期間がないんですよね。
苑:ないですね。たぶん不安だったんでしょうね。“止まったら、もう忘れられるんじゃないか”とか、“止まったら、また走り出すのにもっと力が必要になるんじゃないか”と思っていたんです。「いったん止めて準備しようよ」と言うメンバーがいた時もありまたけど、「いやいや、止まったらダメだ」と言って、1回も止まらずにここまで来ました。HAKUEIさんはもう30年以上に亘って同じメンバーでPENICILLINを続けてこられていて、凄いことだなと思います。
――同感ですし、その間1度も活動休止期間がないことも見逃せません。さらに、現在のHAKUEIさんはPENICILLINとThe Brow Beat、machineを同時進行されています。その意欲は、どこから出ているのでしょう?
HAKUEI:どうなんだろう?……今やっていることは、全部好きでやっているので。無理やりやっていることは1つもなくて、やりたいことをやっていたら、こういう状態になって、楽しいからやめられないという感じです。それぞれスタンスが違うというのもありますし。PENICILLINのヴォーカルとmachineのヴォーカルとThe Brow Beatのツイン・ヴォーカルは全然違うので、面白いんですよね。『スーパーマリオブラザーズ』と『ドラゴンクエスト』と『ゼルダの伝説』みたいな(笑)。
苑:分かりやすい(笑)。僕もたまにソロをやっていますが、バンドを掛け持ちしたことはないんです。HAKUEIさんはプロデューサーもされていますし、純粋に凄いですよね。そのパワーが凄い。僕は摩天楼オペラで、毎日がもうほぼ手一杯で終わっているので。しかも、プロデューサーというのは、また別の見方をしないといけないじゃないですか。僕はプロデュースは、できないと思います。
――HAKUEIさんはロックなイメージがありますが、実際はクレバーな方ですよね。
HAKUEI:どうなんでしょうね。クレバー……なのかな(笑)。でも、アイディアを考えるのは好きかもしれない。アイディアマンというか、全体を把握して、こういうふうにシフトしたら面白いんじゃないかなとか、こういう曲をこういう人がやったらカッコいいと思ってもらえるんじゃないかなとか。そういうパズルの組み合わせるみたいなことを考えるのは好きかもしれないです。
――クレバーな方が、いざステージに立つとデカダンスを体現する存在というのが、すごくカッコいいです。その辺りの話とも関連しますが、それぞれ音楽活動をされているうえで大事にしていることも教えていただけますか。
苑:僕はオリジナリティーですね。自分の歌い方にしても、摩天楼オペラの楽曲にしても独自の魅力を持ったものでありたい。どのメンバーが作ってきた曲でも、ちゃんと自分達の音で、なおかつ新しい音楽を作るんだということを大事にしています。
――それを実践されていることは間違いないです。そして、それもファンの方の摩天楼オペラに対する信頼になっていると思います。
苑:僕らもファンを信頼しています。摩天楼オペラは合唱が起きるタイプのライヴをしているのですが、バンドの演奏を止めてお客さんに歌ってもらう曲があるんです。だから、お客さんが少なかったり、お客さんが自信がなかったりすると成立しないんですね。だから、そこに対する信頼があります。
HAKUEI:いいですね。一緒にライブをするのが一層楽しみになりました。僕が大事にしているのは、結局僕が音楽をやっていて、やりたいことのゴールはライブなんですよね。最初にPENICILLINを結成した時もライブでステージに立ちたくて、そのためには曲が必要だから作ろう…みたいな感じだったんです(笑)。今はそこから30年以上経って、もちろん楽曲を作る意味とか、楽しささ、そこにメッセージを込めて、それが伝わる喜び、自分達の曲が誰かの思い出として寄り添っていたりといった素晴らしいことが沢山あることは承知している。でも、やっぱり僕がボーカリストとしてレコーディングしたり、アーティスト写真を撮ったり、MVを撮ったりするのは、総てゴールのライブのためにやっているんです。だから、もうライブ直前とかはやらないといけないこととかがあってもほったらかして、ライブに全振りする。で、ライブが終わってから、どうしよう?…ってなるという(笑)。
――ライブをしたいという思いが原動力になっているミュージシャンは多いですよね。ライブの話が出ましたので、続いて2026年1月23日・24日に川崎CLUB CITTA’で開催される<machine主催「ULTRA BEAST HAMMER BATTLE」>について話しましょう。
HAKUEI:machineは1999年から活動をしているんですけど、本当にアルバムを1枚作ったらその後は何年か“もう、いいや”となって。で、そろそろまたやるか…という(笑)。そういう感じだったので、自分達が主催するイベントをして、みんなで盛り上がるという活動はしたことがないんです。でも、2025年からのmachineはちょこっとやって、休んで…というのはもうやめて、継続的に活動したいと思っているんです。今回machineをまたやろうかという話になった時にKiyoshi(g/hide with Spread Beaver, Madbeavers等)さんと話し合って、今回はやりきりましょうということになりました。だったら今までやったことのない主催イベントとかもやりたいねということになり。machineをもっといろんな人に知ってもらいたいし、いろんなバンドと絡んで新らしい刺激をもらいたいし、出演するバンドさんにも自ら刺激を与えられるといいなとか、いろいろな思いがあって「ULTRA BEAST HAMMER BATTLE」をやろうと決めました。
苑:「ULTRA BEAST HAMMER BATTLE」に誘っていただいた時は、本当に嬉しかったです。なにしろ聴いて育っている方からのお誘いですから。出演者もいろんな年代の方がいて、すごく楽しみですね。
――強者揃いの中で、摩天楼オペラはどんなライブをしようと思っていますか?
苑:それはもういつもと変わらず、摩天楼オペラというものを見せていきたいです。イヴェント・ライヴとかは、主催の方がこういうバンドだから自分達の曲の中で合いそうな曲をやるという場合があると思いますけど、僕らは“これが摩天楼オペラだぞ!”というものを貫こうと思っています。摩天楼オペラの曲の中で、これはちょっとmachineさんに近いかなというものを選んだ時点で、もう負けているので。そうではなくて、摩天楼オペラらしさ全開でいきます。
HAKUEI:そのほうが絶対いいですよ。出演バンドの方が本当に自分達らしさを出してくれたほうが観ている側も楽しいと思う。コントラストの幅を感じたほうが、絶対にイベントとして楽しめますよね。まだあまり言えないけど、セッション的なこともできたらいいなと思っていますし。machineに関しては、もう両日共に4コマ漫画の4コマ目にちゃんとなるように、がんばります(笑)。観応えのあるイベントになると思うので、皆さんぜひ遊びにきてください。
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1月22日(木)18:00 PARAGUAS inc.対談 「巽(XANVALA) / 柳(ミスイ) / AKIRA(Z CLEAR)」 / DOG inThePWO
1月23日(金)18:00 HAKUEI(PENICILLIN / machine) x 苑(摩天楼オペラ)対談 / 未散(MASK / LOOP ASH)
1月26日(月)18:00 MAMA. / まみれた / JACK+MW
1月27日(火)18:00 KISAKI