メガネの紹介シリーズ~其の3 レトロメガネと金の表記について
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

メガネの紹介シリーズ~其の3 レトロメガネと金の表記について

2020-05-14 21:30
  • 1
いきなりですが、端午の節句である5月5日の『こどもの日』は子供の人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとゝもに、母に感謝する」ことが趣旨なのだそうです←wiki参照

 こどもの日と言えば鯉のぼりを連想する訳ですが、今と昔では唄う歌も違うようです。今の子たちは、♪屋根より高い鯉のぼり~♪と、童謡『こいのぼり』を歌うそうですね。とは言え、鯉のぼりをあげる家は少なくなりました
 しかしながら私世代は、♪甍(いらか)の波と雲の波~♪と、童謡『鯉のぼり』を唄っていました。いやはや世代の波は大きかったと実感させられます。

 因みに昨年のこどもの日ですが、我が愚弟は自分の所のオチビ達に鯉のぼりの歌と称して、♪さかな・サカナ・さかな~サカナーを食べると~♪と、『おさかな天国』を歌っていましたので、嘘を教えてはいけないと諫めておきました。

 前振りが長くなりましたが、様々なものが時代と共に大なり小なり変わるものでして、それは眼鏡も同じです。今回はレトロメガネに焦点を当てゝ紹介していきます。


【日本に於けるメガネの歴史をサラッと】

 世界に目をやると13世紀には既に存在していたと言われるメガネですが、日本に於いては16世紀にフランシスコ・ザビエルによって持ち込まれました。昔の偉人の中で、眼鏡をしていたことで有名な人を挙げる際に、私が真っ先に思い付くのは徳川家康です。
 その頃は『メガネ』とは呼ばず、『目器』と呼んでいたそうです。因みに家康の目器は鼈甲製だったとか。
 因みにその時代の眼鏡はテンプル(意味はシリーズ其の1を参照)が無く、鼻に乗せるか、手で持ちながら使っていたんだそうです。


16世紀ごろの目器(現代で言うところのメガネ)白黒画像

 その後紐で顔に固定するタイプ(スパニッシュイタリアン型)の眼鏡が西洋で17世紀ごろに登場すると日本でも徐々に広まっていったそうです。
 時代が随分経過した19世紀になると、今にも通じる『巻きつるテンプル眼鏡』が登場します(今回の記事で後程紹介するメガネもこれになります)


【丸メガネ・牛乳瓶の底が当たり前だった!? 昔の眼鏡】␣


 これはメガネのレンズに原因があると踏んでいるのですが、日本では昭和40年代に大手のレンズメーカー達が研究に取り組み始めるまでメガネと言えばガラス製レンズの時代でした。

 ガラスレンズ表面の球面曲率(ここで言うところのメガネの度数)の加工を行うにあたっては、球面の方が他の形状より容易で高精度なものが出来るとの理由で採用され、今でも削り出しやすさから円形で作られています。

 球面レンズは非球面レンズよりも薄型加工が難しく、レンズの外側にいくほど歪みが大きくなるのですが、wikiによると昭和7年時点では、非球面レンズは望遠鏡の様なかなり遠くを見渡す物に使う代物との固定概念があったそうで、まだ眼鏡用に製品化はされていなかったそうです。

 加えて大正時代や昭和前期当時のガラスは現代の工業用ガラスのような強度は無く割れやすい物で、今でこそプラスチックレンズより薄く出来るガラスレンズですが、当時は技術的にも容易に加工が出来る代物ではありませんでした。

 そもそも論としてメガネは低下した視力を補う補助具であり、オシャレの一環で使用する概念が無かったという事もあって、自然と丸メガネ一色になった訳です。



  ␣␣␣␣␣【大正ロマン、今回紹介するレトロメガネ】

 今回のメガネは未使用の状態で保管され続けていた大正時代の丸眼鏡ですが、大切に使うので譲って頂きたいとお願いして、数年前に購入させて頂いた物になります。



 k20を素材として使っている巻つるテンプルの丸眼鏡画像(レンズは現代の物でガラス製)


 現代の眼鏡には当たり前にある鼻パッド(鼻当て)がなく、巻つる状になっているテンプルにメガネの重さが掛かるので、主には耳で支えることになります。こういった鼻パッド(鼻当て)の無い眼鏡の事を、一山(いちやま)眼鏡と呼びます。



               折り畳んで内側から見た画像


 一山眼鏡の特徴として、鼻パッド(鼻当て)が無いので鼻跡が残りにくい反面、耳への負担が大きいので、メガネが重いと長時間使用時には痛みを感じる事があります。
 他にはレンズと眼の距離が近いので、レンズが小さくても案外視界が広く感じます。
 
 ロイド眼鏡と呼ばれるセルロイドを素材にしたメガネや、鼈甲を使ったメガネが多かった大正時代ですが、今回ご紹介するメガネは素材にk20(20金)を使っています。当時は黒色の眼鏡が多かった事もあってか、鼻を置くブリッジ部分以外は黒く色塗られています。
 そして当時の使用状態を再現しようとした私はガラスレンズを挿入しました。

 なんとなくお気付きになられた方もおられると思いますが、金含有量75%の18金よりも含有量が多い20金を素材に使い、レンズにガラスを用いた事で、イイ感じに重い眼鏡になってしまいました。

 幸いズリ落ちる事は無いのですが、長時間使用をすると耳が痛くなります。フレームが細いので、薄く加工できるガラスレンズにして瓶底回避を狙ったのですが裏目に出ました。
 フレームが重いのを考慮して、せめてレンズはプラスチック製にすれば良かったと後悔中です。

 少し話は逸れますが、私のメガネ紹介シリーズでは今後も貴金属が登場して来ますので、最後に金の表記について要点だけですがサラッと触れておきまして締めくゝらせて頂きます。


 【前置き】 金は純度を24分率で表しています。つまり、24金(k24)が純金(純度99,99~100%)となります。kはkarat(純度を表す)の略です。宝石に使われているcarat(重さを表す)とは別物ですのでご注意下さい。
 ですから、k24(24金)を純度の最高点とし、数字が下がるにつれて金の含有量が減っていきます。例えばk18(18金)表示は、18という数字は24の0,75倍(4分の3)ですから、金の含有量は75%という意味になります。


 【要点①】 金の表記ですが『k○○』とkが前につく物と、それとは別に『○○k』とkが後につく物があります。製造国によってkが前後どちらにつくか変わるのですが、日本では数字の前にkを付けなくてはいけないと決まっていますから、国産品は数字の前にkが付きます。ですから、kが数字の後に付いているものは大抵外国産だと御認識頂ければ大丈夫です。
 大事なことは外国産の表記は大雑把であったり、偽った物があり、表記通りの含有量ではないことが珍しくありません。例えば18kと表記があるのに、実はk9だった等があります。
この点は十分ご留意ください。

 【要点②】 金の表記にはメッキ(金属や非金属の外側を、違う金属の膜で覆う事)を表すものがあり、数字の後にゴールド/メッキの略である『GP』と付きます。よくある18金のメッキですと『k18GP』となります。メガネの場合は、銀等の地金表面を金で覆った物が多い印象です。
 余談ですが『PG』ピンク/ゴールドの略ですから、正真正銘の金です。『GP』『PG』は似て非なる物なので御注意下さい。18金の場合の表記は『k18PG』となります。

 他にも地金表面に金の板を張り付けた『金張り』といわれる手法で作られた物もあり、こちらはGold Filledの略である『GF』で表されます。18金で例に挙げると『k18GF』となります。
 金張りの中でも更にややこしい表記が『k○○』や『○○k』の前後に『1/10』や『1/20』の様な『○/○○』とつくものです。
 
同じく18金で例に挙げると『k18 1/10』や『1/10 k18』等があります。
 これの意味は、k18(純度75%)の金の膜で地金を覆い、地金と金の膜の合計1グラム中に、金の膜が10分の1(g)あるという意味です。
 大事なことは、金張りでありながらGF表記が無いということです。金製品の購入を検討されている方がおられましたら、表記にはくれぐれもお気を付けください。


                 【締め括り】

 今回は時代の過程でメガネがどのように変遷してきたかの一端に触れたに過ぎませんが、その一端にも奥深さがあるという事が少しでも伝われば幸いです。
 私は着物姿になる事が月に1回以上あるので、今回ご紹介した丸眼鏡と合わせると調和がとれていると思うのですが、先程書きました通り如何せん重たく仕上がりましたので、次回レンズの入れ替えをする時にはプラスチック製にしようと固く誓うた次第です。

 
金に関してですが、特に表記はキッチリと理解した上で品定めをしないと火傷をすることになり兼ねませんから、分からない間は手を出さない事をオススメします。
 なお余談ですが、メッキ眼鏡や金張り眼鏡の特徴として、各パーツを繋ぐ金具やネジにはメッキや金張りをしないのが主流です。他人に見えない内側にまで金を使うのが勿体ないからなのかは分かりませんが、表記以外で判断する一つの材料にはなると思います。
 以前白黒テレビをオークションサイトで購入した際に、試しに18金のメガネを検索してみたのですが、18kの刻印が見えますと言ったり(あえて18金の眼鏡とは言わない)、ネジだけは新品(合金)に替えてありますと言って金張り眼鏡を出品している悪徳出品者も見受けられましたので、十分ご注意頂ければと思います。

 次回は白金ことプラチナ(pt)のメガネ紹介と、フレームの形状に関する内容を書きたいと思います。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーおわりーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 


広告
×
 一山眼鏡に関してゝ゛すが、現代ではプラスチック製フレームが多く出ていますから、レンズもプラスチックにすれば相当軽量化したものが作れると思います。
 昨今はレトロ調フレームが流行っている事ですし、丸眼鏡は着物にもスーツにも合うと思いますので、興味を持たれた方がおられましたら御作りになられると良いのではないかと思います。
1ヶ月前
コメントを書く
コメントをするには、
ログインして下さい。