【ヲタ評×メガネブ!】
男なら、誰もが夢見るスケベメガネ。非生命体透視メガネ製作に青春を燃やすメガネ部の活躍を描いたメガネティックコメディーの魅力は・・・・・・あるの?
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これは誰得ですか?
という事で第十一回のテーマはアニメ『メガネブ!』
はい、今回は辛口です。かーなーり辛く行きます。
本作ははっきり言ってつまらない。異論は認める! アニメの好き好きは人それぞれだから!
だけどね、これはちょっとあんまりじゃない? 本作は非生命体透視メガネ(通称スケスケメガネ)製作に青春を燃やすコメディーアニメって事になってるけど・・・・・・
ぶっちゃけこれ、メガネあんま関係なくない?
部活物かつメガネ物、テイストは腐女子向けかつ乙女向けで、コンセプトとしてはニッチな需要をピンポイントで突いた面白い企画と言えるんだけど、いかんせんつまらない。キャラクターはこの手の乙女向きの要素を外枠だけ取り込んでいるが、それぞれの関係性が希薄でとってつけた感が否めない。
肝心の本編も最初からしてファンタジーで、メガネ萌えの多様性を見出す事は難しい。まったく感情移入出来ない身勝手な科学部の寄せ集めがただメガネをかけてテンションに任せてわけのわからない活動に必死になっているようにしか見えないのだ。
一言で言うと、メガネ部である事必要性や面白さ、メガネ推しの部分が全く感じられない。何もかもが浮ついたとってつけたような作品である。
と、酷評した後で申し訳ないが、本作の趣旨を今更ながら説明する。詳細はWIKIを見て貰えると手っ取り早いのだが、実は本作、メガネフレームのシェア日本一を誇る福井県鯖江市の地域活性を目的としたアニメなのだ。
そういうわけで製作には鯖江市も協力しており、背景には鯖江市の実写も取り入れられている。聖地巡礼ブームに乗っかった観光誘致目的のアニメという発想は非常に面白く、安易なメディアミックスや人気作品をとりあえずアニメ化しておけという風潮から考えると非常に好感が持てる。
監督である山本 蒼美は自主制作アニメクリエイター出身のうら若き二十三歳。予算の関係もあるだろうが思い切った起用にはやはり好感が持てる。また、内容に関しては酷評にならざるを得ないが、本作の色彩センスや絵作り、音選びのセンスは非常に面白く、その点に関しては非常に評価でき、全くの見所なしというわけでもない。
本作を地域振興作品にするのであれば、スケスケメガネなどというファンタジーは捨て置いて、実際の鯖江市の商店街などを舞台にし、眼鏡屋の子供達がメガネブームを起こす為に奮起する青春物路線を狙った方がよかったのではと思えてならない。
とは言え、新人クリエイターに一都市が地域活性の望みを託してアニメを作るというのはこれこそがクールジャパンと言えるような夢のある企画だ。既存の出版、アニメ製作会社とは関係ない所からアニメが発信されれば、それだけ新しく面白い物が出来き、アニメ業界の活性にも繋がるだろう。
本作に関してはあまりお勧め出来ないが、裏側にあるコンセプトと熱意にグッと来た人は是非円盤を購入し、若き監督と鯖江市を応援してほしい。
いや本当、アニメがヲタクの趣向品を越えて世の中の役に立つなら、それはとっても嬉しいなって・・・・・・・思うわけですよ!
十文字曳参(じゅうもんじ えいさん)
アニメ、マンガ、ノベル全般を愛する孤高の評論家。
作家、文筆家としても活躍する。
ぬこPの依頼で「ヲタクの評価」のコメンテーターに就任。
「CoTri(当チャンネル)」と「ヲタクの評価」のコラボ企画として、
不定期で色々な作品について語る予定。
ヲタクの評価(テスト運営中)
http://yuruwota.myplayers.jp/
十文字曳参 著
SDイラスト こたつねこ
企画 こたつねこ(ぬこP)
配信 みらい図書館/ゆるヲタ.jp
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