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「十文字曳参のヲタコンテンツ批評」 critique.018「ガンダムビルドファイターズ・後編」
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「十文字曳参のヲタコンテンツ批評」 critique.018「ガンダムビルドファイターズ・後編」

2014-01-21 13:00


    「十文字曳参のヲタコンテンツ批評」
    http://ch.nicovideo.jp/contri/blomaga/tag/103

    【ヲタ評×ガンダムビルドファイターズ・後編】
    ガンプラを遠隔操作して戦わせるガンプラバトルの流行する世界。ガンプラ好きの少年イオリ・セイは天才的操縦技術を持つ謎の少年レイジと出会い、共にチャンピオンを目指して戦う。 アニメ、ガンダムビルドファイターズの魅力とは!


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    ガンプラはどんな自由な発想で作ってもいいんだ!

    というわけで第十八回、冬の大メカ物祭り以下略、
    アニメ『ガンダムビルドファイターズ』批評の後半戦。

    前回では既存のコンテンツを例に長寿作品が衰退する原因とその解決方を実際に現役で活躍する作品を例に考えてみました。

    今回はそれらの前提を踏まえてガンダムビルドファイターズの企画意図や成功理由を考えつつ批評していこうと思います。

    まずは問題提起。
    ガンダムシリーズが抱える時代性的な問題とは何か。
    答えは簡単、それは戦争です。

    ガンダムシリーズを語る上で欠かせないのが戦争。誤解を恐れずに言えば、MSやニュータイプなどの設定はあくまで物語を演出する為のガジェットであり、ガンダムシリーズの中核を成すのは様々な対立構造からなる戦争模様とそれが引き起こす葛藤やヒューマンドラマにある。

    戦争に翻弄される人、傷つく人、立ち向かう人や逃げる人、それらをガンダムやMS、ニュータイプや強化人間その他のガジェットでドラマティックに演出した物語がガンダムというわけだ。

    だから、ガンダムシリーズは時に辛く、時に悲しい。勧善懲悪である事は少なく、物語には多くの心理的、論理的矛盾が与えられ、視聴者の胸に様々な問を投げかける。

    しかし、今後ガンダムシリーズを十年、二十年と続けていく上で、戦争という要素が大きな足枷になるのは否めない。戦争という題材は面白い。間違いなく面白いが、それが持つシリアスさや現実世界と対応した悲劇を真正面から描くと作品が難解になり、大衆性から遠ざかる事になる。

    ガンダムビルドファイターズを語る上で特筆する点は、ガンダムという作品を作品内の劇中劇とし、戦争という要素を完全に排除してしまった所にある。
    これにより、戦いは政治的な思惑の渦巻くある種無粋とも言えるような骨肉の闘争ではなく、個人の誇りをぶつけ合う純粋な決闘として描かれ、その戦闘は勝敗に関わらずスポーツ的な清々しさがある。

    また、ガンダムを劇中劇とし、それを玩具化としたガンプラを題材にする事で、完全な新規作品でありながら、シリーズを超越して全てのMSを登場させる事が出来る構図になっている。

    各作品のスター選手と言える顔ガンダムが大盤振る舞いで登場する本作は旧作に馴染みの薄い新規層にも優しく、話の本筋もレッツ&ゴーを代表する玩具系スポコン物の文脈をとっている為、敷居が低く幅広い共感を得やすい形になっている。

    旧シリーズとのクロスオーバーは登場するガンプラだけに留まらず、過去作の登場人物と同じキャラデザのモブキャラや、別機体で再現する名シーン、名台詞のオマージュなど、ガンダムという作品を抜本的に見直しながら、これでもかというくらい旧ファンに優しい作りになっている。

    また、冒頭で引用した作中の台詞が意味する通り、本作には既存のMSの他にも、既存機を改造したオリジナル機体が多数登場している。

    ガンプラ屋の主人公とガンダムのガの字も知らない相棒。この二人だけでなく本作品には様々なガンダムヲタクと非ガンダムヲタクが登場し、そのどちらもが否定される事なく作品世界のなかで共存している。

    ガンプラはどんな自由な発想で作ってもいいんだ!

    ガンダムビルドファイターズはこの台詞を通して

    ガンダムは自由に楽しんでいいんだ!

    と語りかけている。
    ガンダムが好き、ガンプラが好き、作るのが好き、戦わせるのが好き、好きでなくてもいい、ガンダムは自由だ、自由に楽しんでいいんだ! と。

    ガンダムビルドファイターズは間違いなく、新旧の垣根を破壊し、全てのガンダムファンが(それどころか、ガンダムを知らない人間までも)一緒になって楽しめるように設計された作品である。
    そこに戦争という軸はなくなってしまったが、だからこそ、ガンダムとしての純粋さが強く残っている。

    ガンダムを知らない子供がガンダムヲタクの父と一緒になって楽しめ、なおかつ、ガンダムというコンテンツを延命し、さらにはガンダムが背負う様々な産業を活性化させる、それがガンダムビルドファイターズというアニメであり、今年三十五周年を迎えるガンダムという文化が、今後十年、二十年後も現役であり続ける為にサンライズが出した答えであり、世代を繋ぐ結節点となる作品だと言える。

    言いたい事は山ほどあるが、何時もの通り紙面がない。既にかなりオーバーしてるので、いつものアレで締める事にしよう。

    ガンダムコンテンツが今後十年二十年続くかは我々視聴者の財布にかかっている!
    ガンダムビルドファイターズは面白い! 
    そう思ったなら、DVDを買って愛すべきガンダム文化に貢献しようじゃないか!
    (ガンプラでもいいのよ!)




    十文字曳参103.jpg(じゅうもんじ えいさん)
    アニメ、マンガ、ノベル全般を愛する孤高の評論家。
    作家、文筆家としても活躍する。
    ぬこPの依頼で「ヲタクの評価」のコメンテーターに就任。
    「CoTri(当チャンネル)」と「ヲタクの評価」のコラボ企画として、
    不定期で色々な作品について語る予定。


    ヲタクの評価(テスト運営中)
    http://yuruwota.myplayers.jp/


    十文字曳参 著
    SDイラスト こたつねこ

    企画 こたつねこ(ぬこP)
    配信 みらい図書館/ゆるヲタ.jp



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