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東方海恵堂、番外編"宴の従者"下ノ三
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東方海恵堂、番外編"宴の従者"下ノ三

2015-08-10 19:00
    ニコニ・コモンズ連動
    道中(舞姫と乙姫の部屋 ~ 2)
    ボス(花錦十色華 ~ Submarine Benefit)

    「…弾幕は、全て撃ち果たしました。大丈夫ですか?」

    「風花、おつかれさん。お客様もほんにつかれましたやろ?」

    「なるほどねぇ、よくわかったよ」

     息を切らす自分と、それを気遣ってくれる風花さん。そしてその姿を満足げに見る少女ともう一人の女性。

    「どうやって勝ったのかと思ったけど、弾幕をすべてかわせば自然と終了するよね」

    「私らの妹を倒した言うからどんなもんかとおもたら、確かにこれなら疲れるだけで終わりますなぁ。もちろん、それだけで人間離れしてはおりますが」

     大小の二人が納得したように頷いて笑っている。

    「あの、怪我はありませんでしたか?」

     隣では、あれだけ豪華な着物を着て踊りまわっていたにも関わらず、汗一つかかずに私を気遣う風花さんがいる。ここまで来て初めて純粋な優しさを感じる。

    「風花にお客さん、改めて二人ともお疲れさまやね。そいで、お客さんはどないしてここまで来はったんどすか?」

     その質問は、もう何度目だろう。

    「いやぁ、誰に言っても聞いてくれないんですが、浜辺で助けた亀にですね…」

    「亀?乙姫様、亀なんて知っておますか?」
    「ううん、私は知らない。だって私は"この人がここにたどり着けるようにした"だけだし」

    「………ん!?」

     ただならぬ一言を聞いた。他の者が乙姫と称する少女が私をここまで連れてきた?今のは聞き間違いか?それとも…

    「聞き間違いじゃないよ。私があなたをここに連れてきた…正確に言えば"海恵堂にたどり着いた客はこの部屋にやって来る"ように因果を結んだんだよ。」

    「つまり、あなたが私をここに連れてきたと?あの亀も?」

    「少し正解。でも私はこの"海恵堂に来た人間をここに連れてきた"だけ。あなたが海恵堂に来るまでについては私は全く知らないよ」

     乙姫なる少女は無垢な顔でそう答えた。そして隣のお姉さまが言葉を付け足す。

    「つまり、私らはあんさんをこの部屋まで見えざる力で連れてきた、けれどあんさんをこの海恵堂に連れてきたんは私らとちゃう…私もここの従者をしとりますけど、亀はよう見まへんなぁ」

    「竜宮城みたいなのに貴方たち人魚や妖精以外はいないもんね」

     背の高い女性が、やはり今までと同じ返しをする。ただ、今までと一つ違うところがあった。その女性は思い返すように左下に目線をやっていたのだ。左下に何かがあるわけではない。壁の隅があるだけだ。ただしその眼はどこか鋭いようだったが。

    「ま、何はともあれここまでおめでとう。それで、あなたはこれからどうするの?」

     乙姫なる少女が私に質問を投げ掛ける。

    「出来ればすぐにでも地上に戻りたいんですが」

    「楽しくなかった?」

    「死にそうでした」

    「せやねぇ…何だかんだで私らがご迷惑をおかけしたようですさかい、その償いはさせていただきますわ」

    「じゃあ………!」

     これで、奇妙な旅は終わる………!?


    「あっ。せっかくだから最後に花錦も踊りを見せてあげなよ」

    「………へっ?」

     情けない声が漏れる。そして心底嫌な予感がする。

    「………せやな、お客さんもここまで来られてただ会話しただけで帰るのもつまらんやろし。私も少し身体動かしたいおもてたところですわ」

     充分です、堪能しました。妹だろう風花さんとても綺麗でした。ついでにお姉さますごく綺麗ですスレンダーで美しいですだからもう帰してください。

    「…お客さん?準備よろしゅうおすか?」

     楽しそうな笑みと、すくむことすら憚られるような威圧が一度に襲いかかる。今までの誰り強いその気配に、死の覚悟と、この騒動の終わりを見た。


    「宴の従者の次女、花錦(はなにしき)…推して参りますえ!


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