• このエントリーをはてなブックマークに追加

今なら、継続入会で月額会員費が1ヶ月分無料!

  • 小飼弾の論弾 #200「日本経済に激震?東洋紡、京セラの不正問題と、アメリカが主導する資本主義の改革」

    2021-05-08 07:009時間前
    550pt

     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
     無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします!

     今回は、2021年04月13日(火)配信のテキストをお届けします。

     次回は、2021年05月11日(火)20:00の配信です。

     お楽しみに!

    新刊『小飼弾の超訳「お金」理論』

    「ブラック労働者」をやめましょう。「お金を増やさねばならない」思い込みを捨てましょう。働いたら負け。もう労働には価値はない。理想は、誰でも自由に生きて食べていける世の中。なのに、いつまでも「お金」に振り回されるのはなぜか―――。
    『小飼弾の超訳「お金」理論』では、世界を動かしているお金の仕組みと、お金との付き合い方をやさしく解き明かします。

    2021/04/13配信のハイライト

    • コロナ絡みの話とJTB「バーチャルジャパン」、ITリテラシーと事故
    • 京セラ東洋紡の偽装問題と「日本人経営者というリスク」
    • 「UNIXの権利」と著作権制度の問題
    • 「小泉純一郎のクビ(物理)」と「国債帳消し論」とは
    • 「オリンピックはもうやめよう」とモンテネグロの借金問題
    • 『進撃の巨人』完結の感想(ネタバレ一つ)

    コロナ絡みの話とJTB「バーチャルジャパン」、ITリテラシーと事故

    山路:今日はタイトルは固めの、そういうアメリカが再構築する資本主義とか何か

    小飼:確かにあれだよね、本当はお前、熱ない? ってやりそうなことを

    山路:アメリカ大統領の額に思わず手を当てたくなるような(笑)。なんか普通にアメリカ大統領、仕事してないですか。

    小飼:アメリカ合衆国を擬人化する時はよくアンクルサムっていう言い方するじゃないですか、だからアンクルサムのおでこに手を当ててって感じだけれど。

    山路:ずいぶんまともになったなって印象がするんだけど。

    小飼:前がちょっとまともでなさすぎたというのが、その反動は大きいよね

    山路:私が見かけたのは、共和党の議員の一人がバイデンはどうも全然仕事をしてないぞと。お前はツイートをしてないじゃないかみたいなことを(笑)、発言して話題になってるという(笑)

    小飼:まっとうに大統領の仕事をしてると、ツイートしてる暇ってないでしょう。で、一応大統領としてツイートってしてるんだけども、トランプの時にはrealDonaldTrumpという、今は亡き、もう今はもう全削された

    山路:banされた

    小飼:banされたアカウントでやってたんですけども、今は本当に米国大統領を意味する、POTUSポータス、President of United Statesのアカウントでやってますよね。たぶんあれはスタッフがやってると思いますよ。本人が操作するなんていうのは。仮に本人ができたとしても、やんないでしょうね。

    山路:Twitterで国家元首が口論するのが異常なんだっつーの、っていう話ですよね(笑)

    小飼:Stop the count! だめだ……

    山路:いやいや。なんかずいぶんなんかホッとした感じはありますけどね。あと軽い話題で言うと、コンテンツの話題、あれ『進撃の巨人』がついに完結した。

    小飼:え、ちょっと待て、軽いのか? それって軽いの? (笑)

    山路:もしかしたら限定のほうでちょっと『進撃の巨人』ネタ

    小飼:(コメントを見ながら)ハマコーは中の人だったんじゃないか「だう」。「だう」懐かしいな。

    山路:あれハマコーの時って、まだTwitter、

    小飼:ありました。本当に亡くなるちょい前ぐらいですかね。だから、語尾が「だう!」だったんです。

    山路:へーへーへーへー。なるほどね。まず最初、軽めの話題、こっちは軽めと言っていいんじゃないですか、本当に。

    小飼:いや、こんなに軽くていいのかって言ったらね、やっぱりうちわですかね。

    山路:うちわから? うちわ会食。

    小飼:あんまりに軽い。

    山路:なんというか、すごくないですか。

    「『政権の耐えられない軽さ』とでも言おうか」(コメント)

    山路:関西の人っていうのは何かボケをかまさないと死んじゃう病気にかかってるんかって言う

    小飼:えーとそれって関西のせいにするのか、いや、でも32万枚とかって、それボケの範疇なのか。まあでも雨合羽もボケでしたって言い出しかねないしね。

    山路:なんかこう、うちわ、これは兵庫県ですよね、言ったのは。吉村知事はうちわ会食には言及してないんじゃないのかな。私が見たニュースで、大阪はないとは、見てないんだけど。もしかしたらあるかもしんないですけども。ただ、それにしてもこうなんだろう、そこんとこで専門家に一言アドバイスを聞くということをしないのかと思うんですよ

    小飼:やっぱりその専門家のcredibilityっていうのは、ここでまたグラついた感があるからね。

    山路:それはどれに関して? 専門家の

    小飼:いや、だからあれよ、政府が雇ったオフィシャルな専門家もあれちょっと言ってることおかしいなっていうのは、まぁ特に例えばPCRの偽陽性の話とか

    山路:ああ、専門分科会のほうも

    小飼:そうです。PCRの何が素晴らしいかって言ったら、偽陽性はほとんど考えなくていいんです。で、仮に偽陽性というのは、もっとしょぼい検査でも再検査で潰せるものでもあるんですよね。だからPCRとかも割と関係なく。なんだけども偽陽性が出るからっていうのが、検査を抑える口実として使われたじゃないですか。

    山路:それを今でも言ってんのはどうなのよって言う

    小飼:そう。今でも言ってるのはどうなのよって言うのか、それでうちわで笑ってたけれど、マスク(付け外すジェスチャーをして)こうやって食ったらまたマスクしろっていうのは、尾身先生自身がやってたから、僕はこれで全く信用できなくなった。

    山路:あー。

    小飼:もうあれは本当に何て言えばいいのかな、百年の恋もでは、もともと別に恋をしていたわけではないけれども、でも少なくとも今まで世界的に高い実績があった人だけれども、あれでぶち壊しにした感がある。

    山路:これしかし、何て言うのかな、ワクチンが日本で打てるようになるまでの時間稼ぎをみんなやっとるんでしょうかって言うか

    小飼:いや、時間稼ぎであるのであれば、何でもっとPCRバンバンやらないの。だから、これが1年前だったら、いやPCRやりたくてもできませんって言ってるけどさ、今少なくともさ、たとえば金さえ払えばできるようになってるわけじゃん、日本も。金さえ払えば。だから金払わんでもできるようにするだけでいいじゃん。

    山路:そういや割と最近私PCR検査を受けたんですけど、それ自腹でしたからね(笑)

    小飼:はぁー

    山路:まだ自腹でしたからね(笑)。うーん。いや、そんな体たらくですもんね。なんか怖い怖い怖い。

    小飼:まあでもここに来てね、第4波が来てるわけじゃん。これどう見ても第4波です、ありがとうございました、なんだけどね。

    山路:ただ大阪のなんか増え方ってちょっと異常ですよね。

    小飼:異常というのか、増える時はこういうふうに増えるもんだというのは、あちこちであるわけじゃん。大阪だと本当に、このあと2000人3000人っていうふうに、このまま行ってもおかしくない感じですね。少なくともRtを見ると。

    山路:実効再生産数の話ですよね。

    小飼:でも東京も遅れてまた今年の初めの、いくつまで行った、3000近くまで行ったんだっけ、1日に。

    山路:それは行きましたね、確か。

    小飼:なんか大阪に負けてんの、おかしいと思うんだけどね(笑)、負けてるって言っていいのだろうか。

    「気温は上がっても増えるのかな」(コメント)

    小飼:でも確かにコロナって他の感染症に比べると、あったかい時にも強かったですよね。

    山路:気温の影響もありそうではあるけれど、他の風邪なんかに比べると、暑いところでも増えてたり、ブラジルもそうですよね。

    小飼:さすがに湿気はどうなのだろうか、でもブラジル見るとね、確かにあんまり助けにならなさそうな気がする。でもブラジルの人というのは、日本よりもはるかに人同士がいちゃいちゃべたべたとくっつくのは習慣化してるというのは、それは絶対見逃せないところでしょ。ファクターX云々って言ってるけどさ、日本人は握手あまりしない、ハグなんかましてやしない。

    山路:マスクは慣れてるし。それにしてもワクチン遅いっすよね、日本。高齢者が6月でようやく。

    小飼:まあ人口が多いというのはそりゃ確かにあって、イスラエルぐらいコンパクトだと倍出すから持って来いっつってパシパシッていうのができるんだけど、でも何と言えばいいのかな、日本の場合、ちょっとあまりにも眠たくないかというのか、アメもムチも全く持ってこなくって、交渉になってないじゃん。

    山路:なんかそんなところで出せない、少なくとも高齢者分だけとか、そのなところに限定するんだったら引っ張ってこれないわけないと思うですけどね。

    小飼:だから、もう高齢者向け始めちゃっていいのというのも、だって発熱外来の人でもいつ打てるかわかんないんですよって言って、けっこう医者がプチプチとキレ始めてるじゃないですか、SNSで。高齢者に摂取する医者がまだワクチン打ててないんですけどって。やっぱり医療関係者はそりゃ絶対優先なんじゃないのっていうのも、医療関係者から打つって言うのが一番ダメなわけで、一番ダメだけれども、一番確率は高いわけじゃん。

    山路:すぐクラスターになっちゃいますもんね。

    小飼:で、密を避けられない立場なわけですよね。患者さんに触れないわけにいかないわけですよね。

    山路:これしかし、年内にもワクチンなんか行き渡るんかどうかって怪しくなってきたような気も。

    小飼:と言うのか、今のペースだと大阪万博の頃にも終わらないんだろう、このペースだと

    山路:今のペースがずっと続くっていうことはさすがにないとは思うんですけどね(笑)

    小飼:だって100万打つのにひと月かかってるわけでしょ。かける125よ。125ヶ月よ。10年だぞ、これ! 今のペースだと。やべえ、10年だよ、2025年、ごめんなさい、10年だよ。

    山路:大阪万博終わってるっていう。これ本当に東京オリンピックできんのかねっていう。

    小飼:まぁでも、いちおう口約束ベースでは、今年中に一億doses用意するよう努力する、努力するだったっけ。確約じゃないんですよね。

    山路:なかったなかった。

    小飼:でもいくら、まだ200万行ってないんだよね、日本て。

    山路:先進国の中ではなんかめちゃめちゃ最下位レベルの

    小飼:アメリカって今1日400万行ってますよ。

    山路:なんかもうほんと人口の何割とかっていうレベル、3割とかそれぐらいじゃなかったでしたっけ。

    小飼:アメリカまだ打たないと、目に見える効果を、今は増えてないけども、ワクチンのおかげかどうかというのは微妙なんだよね。今のアメリカは。またあれじゃん、インドがぐんぐん伸びてて、インドがやばい話になってるじゃん。やっぱりこれ、ワクチンのおかげで抑えられましたって確実に言えるのはイスラエルとイギリス、今のところ。

    山路:イギリスなんかすごい効き目ありましたもんね。mRNAワクチンすごいっすな。

    小飼:イギリスはたぶん一番、どうなんだ、アストラゼネカがメインじゃなかったっけ。

    山路:ああそうかそうか、工場があるわけですもんね。EUからもよこせって言われたぐらいの。そうか、mRNAワクチンだけじゃないか、効いてんのは。

    小飼:まぁmRNAワクチンが一番効く、今のところは効いてるんだけども。あとアメリカだともうジョンソン&ジョンソンのも始まってて、あれは一発でいけるんだよ。だから、ワンショットでいいんだよね、分けて打たなくてもいいんです。

    「中国のワクチンの有効性50パーセントらしい」(コメント)

    小飼:いやまぁ、でもじつは普通のインフルエンザワクチンってそんなものですよ。

    山路:じゃあ中国製なら特別に悪いわけじゃないわけだ。

    小飼:けれども、やっぱりモノがモノだけにもっとよくあって欲しいっていうふうには思うね。あとスプートニク、どうなってんだ。

    山路:ロシア製の。ロシア製のはまぁ生産能力はそんなにないのかな、あんまり聞かないっすよね。

    小飼:いやロシアでは使ってるし、輸出もされてるはずだけれどもね。

    山路:それにしてもmRNAワクチンの有効性がちょっと飛び抜けてますよねっていう

    小飼:なんか「嘘だろ、おい」レベルだよね。たしか今のところ、コンベンショナルなワクチンの中で確か一番効くやつって麻疹のやつですけれども、と、だいたい同じぐらいだと。これ、とんでもなく効くよ。

    山路:95パーとかでしたかね。

    小飼:半端ない。そうだ、変異株にも強いんですよね、ありがたいことに。しかも変異しても、

    山路:コード化してやればいいという

    小飼:そう、ワクチンの再設計というのも格段に楽なわけで。

    山路:悪いところがないというのはすごい。冷やさなきゃいけないぐらいか。じゃあちょっとそのITっぽい話に行きますか。いくつか今日って割とでかいIT絡みの話があったんで、そこんところでは軽めのニュース

    小飼:イットの話、イットの話

    山路:あの(笑)、バーチャルジャパン、昔からよくあったそういうバーチャルジャパンを作ろうみたいな話があるんですけど、これがまた新しいのが出てきたという。JTBから。これも、

    小飼:もうもう、早くも

    山路:出す前から笑ってる(笑)

    小飼:早くも笑(ワラ)が出ている。

    山路:北海道のやつ、カニが出てるやつ、そうですよね。あれ、私もちょっと動画見たんですけど、何でこれを社長がドヤ顔してプレゼンできるんだっていう。

    小飼:なんかさ、セカンドライフを思い出したとかっていう人もいるんだけど

    山路:セカンドライフのほうがぜんぜん出来いいですよ(笑)

    小飼:だから、それもあって、さらに遡って、たぶん視聴者の皆さんの中には若すぎてご存じない方もいらっしゃると思うんですけど、かつてフランキーオンラインというサービスがございまして(笑)

    山路:高城剛さん

    小飼:高城剛さんがプロデュースしてたやつで(笑)、それぐらいまで遡るんじゃないかと、最初見たときに。

    山路:フランキーオンライン、あらためて画像検索してみたら、え、ぜんぜんおしゃれじゃないですか、このJTBのサービスより(笑)。このJTBのサービスで気になったのが、そのインタビュー記事で言ってるのが、もう明らかに自治体から金取ろうとしてるんですよね。自治体と一緒にやってくみたいな。

    小飼:でもさ、あの出来であれば全部自分でやるというよりも、Minecraftにワールド作るとかさ、確か国としてはデンマークだったっけな、全国土を

    山路:Minecraftで再現するみたいなの、ありましたね

    小飼:移植しましたっていうのがあって、それ借りてきてやればいいというわけにはいかないのかな。

    山路:Minecraftでああいう精密に作るのって、もしかしたらむしろそっちのほうが職人技いるのかもしれないですけどね。

    小飼:少なくともこの納期ではできんわな。デンマークの場合、かなり用意周到だったはずよ。しかも確かレゴって、デンマークじゃなかったっけ。

    山路:ああ、そうか、なんか北欧は北欧ですよね。

    小飼:だから、あれだもんね、Minecraftってすごい乱暴な言い方するとバーチャルレゴだもんね。世界がレゴで出来てるっていう。であれば、伝統があったという見方もできるわな。

    山路:それにしても、つまりここで怖いのが、その社長のドヤ顔で、つまりその社長っておそらくバーチャル、VRとかそういうことをたぶんぜんぜんやってないからわかんないってことですよね、これがいいものなのか悪いものなのか

    小飼:あ、あった、さらに遡ると『バーチャファイター』ってあったじゃん

    山路:『バーチャファイター』のほうがまだ全然いいですよ(笑)。『バーチャファイター』、今見てもなんかそれなりに新鮮な感じはあると思うんだけどもな。

    小飼:なんかすごいよ、本当に2021年なのか。

    山路:ちょっとね、日本のこれ、「世界よ、これが今の日本だ」みたいな感じなのかって感じですけど。あと、

    小飼:なんか天下一武道館にやってきたミスターサタンみたいな。

    山路:2021年ですからね。

    小飼:2021年だよね。

    山路:その文脈で言うと、最近またいくつか個人情報の流出みたいなのが話題になってて、Facebookがまた5億3300万人流出して、まぁ通常運転だからもういいとして(笑)

    小飼:いいのかー!

    山路:Facebookから流出してない情報があるのかって話なんですけど(笑)

    小飼:本当にあるのかしらね。さすがにログインのcredentialとか、そういうところまでは抜けてないよなとは思いたい。

    山路:それと同じような感じで報道されて気になったのが、TrelloっていうToDoサービスあるじゃないですか。

    小飼:はいはいはい。僕が関わってるところでもけっこう、あちこちで使ってますよ。

    山路:便利ですよね、すごい、こうボード作ってそこでカード移動してToDo管理できて、すごい私も使ってるんですけども、その公開範囲の設定を間違えて、

    小飼:あれですね、world readableにしちゃったって言う

    山路:そうそうそう。世界から読めるようになっちゃった。まぁいくつか言われてんのがあって、「チームに公開」と「公開」とあって、それを間違えちゃったんじゃないかみたいな報道してるのもあったりとか

    小飼:でも、デフォルトで公開ではないはずだよなぁ

    山路:デフォルトでは非公開ですね。

    小飼:でしょ?

    山路:チームどころか。

    小飼:だよね。

    山路:で、メディアとかがえらくTrelloが悪いっぽい感じで、

    小飼:メディアの中にやらかした人がいるんじゃね?

    山路:なるほどな。

    小飼:すごい下衆の勘ぐりではあるけれども、P2Pの、

    山路:あー、WinMXとか、えーとWinny

    小飼:そうそうそう、Winny。すいません、金子さんの名前はすぐ出てきたんだけど、Winnyが出てこなかった。結局、金子さんが難癖つけられたのも、警察の中で使ってた奴がいるんですよ。いて被害にあった奴がいるんですよ。

    山路:なるほどね、なるほどね。しかも今時、そういう公開機能持ったサービス、当たり前じゃないですか。

    小飼:だから、逆恨み、Trelloに関してはちょっと逆恨みっぽいよね。

    山路:ただそこであえて、問題提起と

    小飼:それ言えばさ、GitHubに間違ってあれだよね、

    山路:SMBCのソースコード?

    小飼:そうそうそう、あとAWSのキーとかを上げちゃう、やらかしっていうのはさ、何千の単位であるわけじゃん。だけどもさ、別にGitHubそれで責められるわけじゃないじゃん。

    山路:そこんとこでそれもちょっと思ったんですけど、GitHub使う人っておそらく普通のユーザーよりはずいぶんITリテラシーも高いっすよね。

    小飼:そうだね。

    山路:で、そこまでのこと、これからどんどん普通の人がもっと今までそういうことに詳しくなかった人も使っていく際の要求されるリテラシーって、一体どこまでが妥当なんだろうって、これをつまり、Trelloで公開しちゃった、に設定したやつのリテラシーがないと責めるだけでよいのだろうかという気もするんですけど

    小飼:よいのだろうか云々も、まぁしょうがないよね、やっぱり事故りながら大きくなってくんですよね。だから、事故がないと発達しないという、すいません、すごい投げやりな言い方になってはしまうんだけれども。でも、本当に事故のない交通機関っていうのはないわけじゃん。事故のたんびに安全になっては来てるけども、100パーセントにはいまだになってないわけだし。それを考えると、逆にまだこの程度で済んでるって言ってしまってはまずいかな(笑)。だってさ、ICBMのパスコードが0000だったっていうのもあったわけじゃん。だから、

    山路:そうなんすか(笑)

    小飼:いや、この番組でも取り上げたよ。

    山路:それICBMでしたっけ。そうかそうか。

    小飼:まだ当時はネットに繋がってなくてよかったなっていう

    山路:あーそうかそうかそうか。はいはいはい。ありましたね。

    小飼:いや本当に事故は起こす、なんですよね、もうトーマスじゃないですけれども。

    山路:そうか。もう最初からそういうことを、何かやたら安全策を張りまくってみたいなことって不可能なんだから

    小飼:それでちょっと話が飛んじゃうようなんですけれども、でも原子力に関しては、それが許されて、割と初めから許されてなかったですよ。

    山路:ああ、原発

    小飼:はい。だからね、結局原発が鳴かず飛ばずだってって言うのは、そこデカいんだよね。失敗がもう始めから許されなかったという。

    山路:なんかほんと、第二次世界大戦の日本軍みたいな感じで、最初から(笑)。それで結局改良されることもなく、何かまずいことがあると隠蔽してみたいな形で。

    小飼:そうなんです。で、困ったことに日本だけの話でもないんですよね。

    山路:原発に関してってこと?

    小飼:はい、アメリカでもシルクウッド事件っていうのがありましたしね。だから、およそ巨大産業には巨大事故と巨大隠蔽っていうのがつきものではあるんですよね。フォルクスワーゲンのディーゼルゲートにしても。

    京セラ東洋紡の偽装問題と「日本人経営者というリスク」

    山路:じゃあその文脈で、なんか事故と言うか隠蔽の話、行っときましょうか。最近の、あまりにも話題になってないことがちょっと気になってるんですけれども。

    小飼:そうなの。

    山路:この京セラと東洋紡の問題ですよね。これ、どこだ、これリンク。これ、本当にきちんと報道してるのが日経クロステックぐらいなんですよね。日経新聞もちょこちょこっと単発の記事ではいくつか出てるんですけれども、ほとんど言及がないのが非常に不気味なところなんですよ。何かって言うと、アメリカのほうでUL規格って言うんですかね。

    小飼:はい、あります。

    山路:そういう工業製品とかのデファクトスタンダードになってる、まあそう言う工業規格があって、そこんところの審査をいちおう通ったものが工業製品で使われてるんですけれども、京セラと東洋紡がやったのは、審査する時に出したサンプル品と顧客に売ってる物が違ったっていう

    小飼:実はディーゼルゲートと同じなんですよね。

    山路:ディーゼルゲート、フォルクスワーゲンの。

    小飼:フォルクスワーゲンのは、当局に出す、この場合はまあ当局といっても政府ではなくて。こういうのの嘘っていうのは、年々大きくなるんだよね。

    山路:しかもこの規模がまた半端ないと言うか、京セラとか東洋紡が出してるのって、自動車なんかで使われてる、そういう素材部品なんですよね。安全性にかなり関わってくる。それに関して

    小飼:そうなんです。タカタのエアバッグみたいなことにならないかな。あれは会社をすっ飛ばすぐらいのスキャンダルになりましたよね。

    山路:今回のその京セラとか東洋紡も、一回二回とかそういうんじゃなくって、なんか20年とか、それぐらいのスパンだったりとかするんですよね。これって懲罰的ななんか喰らったら、京セラとか東洋紡のクラスでも丸ごと飛ぶんじゃないかという話になりそうな気がするんですけど、いかがでしょうかと。

    小飼:いや、嘘というのはどれほどの罪なのかというのは、やっぱり時代によっても変わってるんですけれども、格段に重くなりましたね。

    山路:影響力が

    小飼:影響力がっていうことですね。

    山路:グローバリズムもあったりするし。

    小飼:というのもあるし、複雑な機械が増えたわけです。その機械の部品のスペックで嘘をつかれると、全部壊れるわけです。本当にただのOリングがぶっ壊れただけでもシャトルが吹っ飛んじゃったわけです。

    山路:あれ、ほんとそういうところにもしもこの素材とか使われたらどうすんだっていう話ですよね。

    小飼:で、ディーゼルゲートでは死者は出てないはずですね。フォルクスワーゲンは嘘をついてたわけですけれども、少なくともそれで人身事故が増えたとかっていうのはないわけです。それであれだけのペナルティを食らったわけです。そのおかげで一生懸命EVシフトしてますけれども。あれがなければ、もっともっと渋かったはずですけど、それはそれはおいといても。

    山路:これしかし、向こうのそういう弁護士とか、そういう事件を洗い始めてんじゃないかって気がするんですけど。死亡事故につながってるような。

    小飼:いや、向こうだけではなくて、これ日本国内だってそうですよ。スペックに嘘のある部品を入れてぶっ壊れたら、日本でだってそれは事故起きますからね。

    山路:日本とはその規格自体が、審査基準自体が違うから、それがどうなのかってはまだわかんないですけど。

    小飼:違うけれども。で、日本のそう言うとか製品表示とかっていうのは一般人レベルだとものすごい甘いですよね。

    山路:一般人レベル?

    小飼:要するに、メーカー、ベンダーに対してすごい甘い。

     
  • 小飼弾の論弾 #199「LINEのデータ保管問題に見るインターネットの国境と、スエズ運河事故の本当の損害額は?」

    2021-05-01 07:00
    550pt

     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
     無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします!

     今回は、2021年03月30日(火)配信のテキストをお届けします。

     次回は、2021年05月11日(火)20:00の配信です。

     お楽しみに!

    新刊『小飼弾の超訳「お金」理論』

    「ブラック労働者」をやめましょう。「お金を増やさねばならない」思い込みを捨てましょう。働いたら負け。もう労働には価値はない。理想は、誰でも自由に生きて食べていける世の中。なのに、いつまでも「お金」に振り回されるのはなぜか―――。
    『小飼弾の超訳「お金」理論』では、世界を動かしているお金の仕組みと、お金との付き合い方をやさしく解き明かします。

    2021/03/30配信のハイライト

    • 『るるぶ』宇宙特集から深海探査の話題
    • 『庵野秀明スペシャル』の失敗とIntelの迷走
    • LINE個人情報問題とIT業界の温度差
    • ダークパターンとこれからの広告、『ザンボット3』を見ましょう
    • 視聴者質問「IT業界志望の文系大学生にアドバイス」「生命保険に入る意味」
    • 遺伝子解析でわかったことと「アスパラ臭」
    • スエズ運河についてコンテナとコンテナ船、海事法から考える

    『るるぶ』宇宙特集から深海探査の話題

    山路:最初は軽いところから行きますか。

    小飼:さすがに20万トンの話というのは、

    山路:重いですからね、いろいろな意味で(笑)

    小飼:物理的に(笑)

    山路:弾さんの横にあるこのこれ、雑誌

    小飼:これ、はい、『るるぶ』です。『るるぶ』なんだけども、場所がすごい、これ。

    山路:これ、マジで作ってるやつなんですか。

    小飼:たぶんマジでしょう、というのも、宇宙であれば、確か2週間の隔離とかもないですからね。

    山路:そうなん? そうなん? いやもっと違う、いろいろ(笑)

    小飼:たぶんそういうことなんじゃないの? そういうことなんじゃないの?

    山路:これって一般書店で売ってるって事ですよね。

    小飼:なんかナオヤさんが

    山路:ヨドバシで買ったとか言ってたけど。ただこう、ものすごくうがった見方をするならば、国内外の旅行が全部駄目になってるから、とりあえずどんな企画でも通るんじゃないかっていう(笑)

    小飼:そうそうそう、もう宇宙しかないというね。

    山路:ギャラクティック、ヴァージンとかのやつも載ってるんですか?

    小飼:今のところはやってそうなところはほぼほぼ全部網羅してると言うのか、なかなかきちんと作られてます。

    山路:レイアウトは『るるぶ』のままっていうのがなんかこう

    小飼:いや、だから『るるぶ』なんです。だからマジに宇宙に送り込もうという。だから割引クーポンとか探してるんだけどな……

    山路:10パー割引とかあったとしてもけっこう高い

    小飼:クーポンがないなー。

    山路:これ後、観光スポットは載ってないんですか(笑)

    小飼:もちろん『るるぶ』だけあって、そこが一番充実してる。

    山路:ほうほうほう。宇宙の観光スポット。

    小飼:たとえば天王星とかね、どうやって行くんだっていう(笑)。天王星海王星も載ってるから、なかなかですよ、これは。まぁでも、まず太陽系止まりですね。Alpha Centauriというのは載ってないですね。

    スタッフ:なんかちょっとちらっと出せるところがあったら

    小飼:そうですね。えーとね。これでわりと一番遠くに行けるスポットとか

    スタッフ:海王星(笑)

    小飼:1番遠い惑星ですね。

    山路:今、冥王星が内側に。ああそうか、冥王星は準惑星だから

    小飼:もう冥王星は惑星じゃなくて準惑星だから。

    山路:そらそうだった、そうだった。

    小飼:格落ちしたんですよ。

    山路:しかし頑張っていろいろなんとかしようとはしてますね、旅行関係のそういうムックも。

    小飼:なかなか面白いです。

    山路:いやいや、なかなか頑張っているじゃないですかと。ちょっと後でしっかり見よう。

    小飼:でもなー、でもそうやって言われると、とりあえずパンデミック抜きで有人宇宙旅行ってかなり遠くなっちゃいましたよね。たぶん一番近かった頃というのは、まだシャトルが健在で、もうロシアの経済がガタガタで、たかだか20億円ぐらいでソユーズに乗せてもらえた頃ですね。あのUbuntuのマーク・シャトルワースとかがもう本当に金出して

    山路:だけどアルテミス計画も動き出してるし、それにスペースXなんかもロケットバンバン打ち上げてるじゃないですか。ずいぶん、そういう意味では近くなってるとも

    小飼:打ち上げはカジュアルになってきます、でも有人宇宙旅行って言うのはやっぱり別問題なんですよね。

    山路:月に行かなくっても

    小飼:人間ってかなり高価なペイロードなので。今のところはISSと天宮に人を送り込む、本来の意味での渡し、シャトルですね、しか需要ないんですよね、有人旅行って。

    山路:まぁ安くなりようがない

    小飼:なのにクルードラゴン開発したっていうのは偉いよな、スペースX。

    山路:なんかね、宇宙旅行とかそのISSとか、あるいは月とかに、もうちょっと安くなったら、行けそうになったら行くかって妻に言っても、絶対に行かないって言うんですよね。本当観光スポットがない(笑)

    小飼:やっぱり重要な問題なんだよね。だからね、何で行くんだ、だからそこに空があるからって言うだけでは、たくさんの人は送り込めないんですね。せいぜいISSで研究ぐらいで。で、そっちは今のところ採算度外視なわけじゃないですか。ある程度採算ラインに乗ると、宇宙に人を送り込むことにある程度のご利益がなければいけない。たとえば量子コンピューターの素子を作るのに、長い無重力状態が必要だとかっていうのがわかったら、急に需要が出るでしょう。宇宙で作ったものであれば、100キュビットぐらい実現できるぞ、要はquantum superiorityを理論ではなくて、実際に実現できるんだぞっていうふうになったら、急に需要が出るでしょ。

    山路:まだそういうキラーアプリみたいなものは見つかってないわけですよね

    小飼:いや、そういうのでいいんですよ、そういうのでいいんです、ハゲが治るとか。

    山路:あっはっは。なるほどね、それウケそうだ。

    小飼:薬飲まなくてもバイアグラと同様の効果があるとか。そうすると、金持ちの老人が行きたがるわけですよ。今のところ本当に、そこに空があるから、な需要だけなんですよね。

    「宇宙空間は退屈すぎるのかなー」(コメント)

    小飼:退屈すぎでなくって、ただ単にそこに人をいさせるだけで膨大なコストがかかる。で、似たような状況って言うのは深海にもあります。深海はもっとすごいですよ。

    山路:深海のほうが大変って意味で、コスト的な

    小飼:だから本当に宇宙よりも遠い場所というのか、少なくとも、だからお金は突っ込まれてない、より我々にとって身近で、実際に行くことでよりご利益があるのにも関わらず。

    山路:そういうことか

    小飼:日本が世界に誇る、しんかい6500って1986年ですよ。何回も中身を入れ替えてるんですけど。

    山路:そうなんですか、そんなに作られてないんだ。

    小飼:そんなに作られてない。あのクラスの潜水艇で一番新しいのが中国のやつで、2000いくつだっけ、それ以外のものっていうのは全部まだ冷戦が終わってなかった。

    山路:へええ。しかもしんかい6500とかって3人ぐらいでしたっけ、あれ乗れるのって

    小飼:そうです。

    山路:そんなもんですよね。それから大型化も、そんなには進んでないってことですよね。

    小飼:あれでもずいぶん大きくなったんですよ。なんだけども、でもあの頃のままなんですよね。で、あの手の深海探査艇の先鞭になったのはアルビンっていうアメリカのやつなんですけど、それに至っては1960年代ですよ、できたは、最初に。何度も改造して大事に使ってるんですけどね。

    山路:海底って、それこそメタンハイドレートとか

    小飼:そう、宇宙よりはもう明らかに我々にとっても身近で、調査するだけの価値があるにも関わらず、そんなもんなんですよ。

    山路:へええ。なんかそれ聞くと本当にびっくりだなあ。

    小飼:まだ恒久的な基地をISSの形で持ってるだけ、宇宙のほうが近いとすら言えるでしょうね。

    山路:なんと言うか、比べるもんではないのかもしれないけど、アルテミス計画なんかやるよりも深海のほうに全部突っ込んだほうが

    小飼:深海のほうに「も」ですね。でも深海はもっと調査すべきですけれども、革命的な技術がない。今の、単に行くって言うだけでは、それよりも前に地球で一番深い海の底まで行くには行ったというのがあるんですね、トリエステ号が。

    山路:マリアナ海溝

    小飼:1960何年だっけ。それは本当にただ行って帰ってきただけっていうので、これがアルビンとかになると、中にちゃんと科学の、研究者が乗って、単に潜航するだけではなくて、マニピュレータとかがついていてサンプルとかっていうの取ったりもできてっていうので。一つ革命的だったのは、人を入れるカプセルがチタニウムで作れるようになった。

    山路:めちゃめちゃ丈夫になった。

    小飼:あと浮力材がいるんですけれども、トリエステ号っていうのは浮力材、中にガソリンを詰めてたんです。普通の潜水艦という浮力材とかは空気なんですよね。だから、バラストタンクに入れた水を圧縮空気でパージして、それで容積増やして持ち上がってるんですけども、それはまだ浅い海だから、せいぜい数百メーターの単位だからできるのであって、何千メーターの深海だからなると、それ効かないわけですよ。
     だから、もう始めから水よりも軽いマテリアル持ってって、沈む時にはただ重いものを抱いて、バラストを抱いて、終わったら浮上する時はそれをパッと海の底に捨てっていうやり方でないと安全に往復できないんです。話がちょっと戻ると、トリエステ号の頃にはガソリンを積んでたんです。で、比重0.8ぐらいですから、Δは0.2ぐらいしかないんですよね。だから1リッターの浮力剤に対して200グラムぐらいしか浮力がないんです。

    山路:けっこうかさばるというか、

    小飼:これがですね、syntactic foamって言って、中が真空のガラス玉を、ちっちゃいガラスビーズをいっぱい作っておいて、それを樹脂で固めたというのができたんです。これだと浮力が0.6を切るんです。
     容積当たりで倍の浮力があるわけです。そうすると、潜水艇そのものをずっと小型にできますよね。

    山路:今使われてるのも、それなんですか。

    小飼:今使われてるのがそれで、それが1980年代から90年代の技術。Syntactic foamも良くなってるので、じつは最初のアルビンに乗ってたやつと今のアルビンに乗ってるやつじゃ、しんかい6500の中身っていうのもちゃんと入れ替わってます。
     よりいいのに入れ替わってます。進んではいるけれども、まるっと新しいのを作るには至ってないし、今のところ、あくまでも沈降なんです、潜航する時っていうのは。バラストを積んでおいて、それで惰性でずーっと沈んでいくんです。動力で行くわけではないんですよね。

    山路:それこそなんていうか、ある程度の深さのところまで海中基地を作って、そこんとこからちょっとずつエレベーターをやってみたいな

    小飼:ことはしないんです。しんかい6500が一番深いところに行く時とかって言うのは、片道6時間とかそんな感じじゃなかった?
     何時間もかかるんです。だから、そういう時にはオムツして行くんですよね。

    山路:それきついな。しかも3人。3人ギリギリ。

    小飼:そうでなくって、そうやってやると動力潜航したくなりますよね。

    山路:あるんですか、動力潜航

    小飼:無人船はもう実現してます。

    山路:これって

    小飼:やっぱり人の場合は戻って来られなくなるというのが一番でかいんで。

    山路:スクリューでこう回して

    小飼:そうそうそう。

    山路:下向きに推進力作って

    小飼:下向きに推進力を作ってっていうのは無人船では実現してます。

    山路:まだ安全性がまだ十分じゃないってことなんですかね。

    小飼:人が乗ってるやつと言うと戻って来れないことには話にならないんで。だから、錘を持って、バラストを持って潜航して、終わったらそれを切り離してなんだけれども、そこもやっぱりちょっと変わったみたいで、前は鉄のつぶつぶだったんですけど、今は鉄板をガシャッと切り離す方式にしてるみたい。

    山路:なんか比べるのも変だけど、半導体とかの世界ってガーンって伸びていくじゃないですか、性能とかが。ほんと、こういう深海だったりとか宇宙って、すごいステップアップは行かなくて、じりじりじりじりとか進化していきますよね。

    小飼:だからやっぱり、文字通りお宝がないと。浅いほうの海というのは海底油田のおかげでだいぶ進んだ。だいぶ犠牲も出てます。掘削プラットホームが一個事故を起こすと、何十人単位でプロが死にますから。実際、北海油田じゃそういう事故があったじゃないですか。

    山路:そうかそうか、それか。そういうやつか。

    小飼:年の半分は休みだし、それで今だと20万ドルは下らないんで、とてもいい仕事ですよ。

    山路:しかしリスクも相当でかいと言うね

    小飼:だから一挙に貯金したい人とかっていうのは検討してみては

    山路:それって専門家じゃないとできないんじゃないんですか。

    小飼:まぁでも専門家といっても、いろんな専門家がいるから。意外と入り込みやすいのは船医かもしれない。産業医の資格を取れば、意外と行きやすいんじゃないかと

    山路:なんか稼ぎたい、短期間でガッツリ稼ぎたい人にはお勧めということで。

    小飼:なんだけれども、本当に我々にとって身近な海でこの体たらくで、ましてや宇宙はという感じはあるけれども。やっぱり飢えた連中の目の色が変わるようなお宝が見つかったら、そこは変わるのかもしれないですね。

    『庵野秀明スペシャル』の失敗とIntelの迷走

    山路:わかりました。ちょっとまたこれも軽い話題

    小飼:意外と軽くもなかった、この話題(笑)

    山路:コメントで「シン・エヴァをやった?」みたいなコメントがあったんで、それ前回やったんですけれども

    小飼:実は前回やったんだけれども

    山路:その後、NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』で庵野秀明スペシャルというのがありまして

    小飼:全否定されたけどね、プロフェッショナルって名前が気に食わないって(笑)。

    山路:あの番組(笑)、制作側の立場で見ると胃が痛くなるような感じの番組ですよね。あれ、番組見てどうでした、弾さん?

    小飼:と言うのか、ぼくの妻が見てたのを横目で見てたって感じなんですけど。

    山路:面白かったのは面白かったじゃないですか

    小飼:けっこうなネタバレになったというのか、あれを見たおかげで『シン・エヴァ』を見たいっていうことになってたから、今度は妻と行ったんですけども。

    山路:なんというか、かなり創作に関する、何ていうか、悪戦苦闘みたいなやつはかなり良く描かれてた

    小飼:でも、ある意味『シン・エヴァ』の一番すごいところというのは『シン・エヴァ』が作られたことそのものじゃない?

    山路:そうすね(笑)。みんなできると思ってなかった(笑)

    小飼:しかも単に作るというのではなくって、版権とかをもともと作った会社ガイナックスから全部ひっぺがして、カラーという別の会社を作った上で、そこで引き取った上で

    山路:ちゃんと会社利益出して

    小飼:しかも4作作って、前作の『Q』と今作の『シン・エヴァ』って何年空いてた、8年だっけ?

    山路:8年ですね。

    小飼:8年間、カラーの社員を食わせ、他の外注業者にお金を出しっていうのをやってて、どこから金出してたんだよって、そっちのほうが、そっちはまさにプロの仕事じゃないですか。

    山路:そういう経済ニュースサイトなんかでそういう記事に出てましたね。

    小飼:そういうところが一切出てなかったので、その意味でも失敗でしたね。

    山路:手厳しいな(笑)

    小飼:番組としてはもう、まさに失敗作なんだけれども、その失敗作であるがゆえに面白い番組になってたっていうのが、すごい面白くて、これあれじゃん、テレビ版の『エヴァ』と同じ構図だ、みたいな(笑)。作品は失敗作なの、でも失敗作であるがゆえに面白かったという。

    山路:ちょっとリアリティショー的な、怖いもの見たさもありましたよね。

    小飼:いや実際、怖いものではあったと思いますよ。だから、何を追っかけてただけではなくって、何が全く映らなかったっていうところまで含めてね。

    山路:最初のほうとか、すごいインタビューアがビビってましたしね。あの辺のところも含めて、なかなか臨場感が。

    小飼:いやでもあれだよ、モヨコさんの鳩ビームが見れただけでも、あ、別の番組と混じってるかもしれない(笑)

    山路:じゃあ、次ですね。そうですね、IT関係でIntelの話いっておきましょうか。Intel生き残れるのか、Intel、いろんな話が

    小飼:Intel入れさせてという(笑)、Appleに

    山路:そうそう(笑)。まずIntel、けっこう心配なのは新しく出したCPU、それがよく最近Appleで使われてるCPUなんかだと5ナノメートルのプロセスルールで作られてたりするじゃないですか、Intel、それに追いつこうとしてるみたい話があったんですけど

    小飼:そうなんです、周回遅れ状態になっちゃってるんですよね。

    山路:さらに新しく出したCPUで10ナノメートルのやつの他の次に14ナノメートル、プロセスルールはもうちょっと前の世代に戻ったやつをなんか新製品として出すみたい状況にもなってたり

    小飼:だからそこ痛いよなーっていうね。

    山路:それと同時にこう他のメーカーからの

    小飼:座布団10ナノメーター(笑)。要するにファブをやりますって言うんだけれども、でもなー、TSMCとサムスンよりも、やっぱりごん太な線になっちゃってるわけでしょ、なんだかんだ言って

    山路:ごん太な線って(笑)、プロセスルールの話ね。

    小飼:もちろんIntelのやつっていうのは、けっこう違うテクノロジーを使うというのか、使おうとしてて、銅の代わりに何を使うって、コバルト使うっていうふうに言ってるのかな、で、それに失敗したおかげで足が止まっちゃったという。でも、そういういきさつは置いといても。そこ競争力があるのかって言うね。

    山路:なんか最近、Intel

    小飼:コバルトでいいんだよね。

    山路:Mac、Macのちょっと比較広告って言うんですか、MacやめてIntelのCPUの入ってるパソコン買おうぜみたいな広告を出してたんですけど。翌週にはうちもAppleシリコン作りたいと言い出したという、この(笑)

    小飼:でも、それはさ、15年前はまさに立場が逆で、本当にI’m PC, I’m Macって言ってた頃にはこっそりIntelと密約を結んだ上で、一斉のせでパワーPCからIntelに変えたわけじゃん。

    山路:だけどさあ、今回の場合、ちょっとディスる広告やった一週間後に言うってそれダサくないですかっていう(笑)

    小飼:まあ、ダサいはダサいけど、Intelって別にAppleと違ってスタイリッシュだから売れるというタイプの会社ではないじゃん。
     そのわりにはスタイリッシュにしようとして滑っているところは(笑)

    山路:ウルトラPCなんかのコンセプトっていうのも、けっこうIntel、提唱してたりしたじゃないですか、ウルトラPCじゃなくてUMPCか

    小飼:UMPCね、要するにこれくらいの大きさでPCでやるというね。

    山路:あの辺もいまいちパッとしなかったっすよね。一週間後に尻尾振るスタイル

    小飼:やっぱりPCから離れられなかったんだよね。でも、それ言ったらさ、もともとIntelの石って電卓のためのものだったわけだしさ。

    山路:嶋さんの作った

    小飼:裏を返すと、いかにPCというフォームファクターがIntelと相性が良かったかだよね。

    山路:ビジネスモデル的に

    小飼:そもそもPCというのが、一般の名詞というよりはいちアーキテクチャの名前になって、と思ったら、一般人の使うコンピューターの再び一般名詞になったっていうのも、本当にIntelと共に歩んできたわけじゃん。でも、そのPCっていうのを固有名詞にしたIBMはもうPCやってなくって。今IBMに話を持っていくと、Mac勧めてくるんだよね(笑)

    山路:そうだよな(笑)

    小飼:中の人、Mac使ってるし(笑)

    山路:IBMは、Macを全社で使おうとしてますもんね(笑)

    小飼:ほんとハラホロヒレハラなんだよね。でも、確かに本当に今や、Mac、ちょっとここまでありふれた存在になるかなっていうぐらいにありふれるようになってきたからね。

    「Mac強すぎる」(コメント)

    小飼:強すぎる。特に利益の点ではそうで。たぶんMac単体で挙げてる利益っていうのはPC全部出したやつの8倍ぐらいあるんじゃないか、10倍はさすがにいってないのかな。

    山路:8倍でもびっくりですけどね(笑)

    小飼:マージンがぜんぜん違うんだもん。

    山路:OSも自前だし。

    小飼:かつては、今のApple程度のマージンは取ってたんですよね、CompaqとかDELLとか。

    山路:それがどんどん安くなってっちゃった

    小飼:そうそう、コンテナ船の輸送料みたいな話になっちゃって、これはあとの話題で。

    山路:なんか1000ドルPCとか言うようになってから、なんかいろいろそっちの方向に進んでったっていうの、あんのかもしれないですけどもね。

    小飼:本当に

    山路:この短い間にこんなに変わるかと。

    小飼:Chromebookとか、ほんと数百ドルですからね。本当にブラウザ見れて、キーボードも意外、けっこうまっとうなと言うのであれば、Chromebookという選択肢があるわけですからね。

    「ChromebookのCPUはIntel?」(コメント)

    小飼:えーと、どっちでもいいんです。どっちもある。

    山路:Armのもある?

    小飼:Armのもある。でも、今普通に売れてるのはIntelのやつが多いのかな?

    山路:Chromebook、なんか最近めちゃめちゃシェア伸びてるみたいですよね。

    小飼:だけども、もちろんぜんぜん儲かってない。

    山路:でしょうね。でしょうねっていう(笑)

    小飼:Googleですら儲かってないわけね。Chromebook直にはね。

    山路:なんかGoogleのビジネスって、本当にGoogle以外の誰が得すんねんみたいな感じのビジネスが多いような気がするんだけどなぁ。じゃあIT絡みでもう一つ、Microsoft、今度は。MicrosoftがDiscordを買収かみたいな話が

    小飼:これなー。GitHubになるのか、Skypeになるのかっていう、もうほぼ買収された前提で考える、いやSkypeとかになったら、うーん。あとよく考えたら、LinkedInも今Microsoftだよね。

    山路:LinkedIn、SNSの。

    小飼:後、SlideShareもMicrosoftだよね、よく考えたら。

    山路:SlideShareって?

    小飼:スライドを共有する

    山路:えっ、あっそうなんですか。

    小飼:SlideShareもMicrosoft。

    山路:わざわざ買うほどの必要があったのかなとか思って

    小飼:って思うよね。でも、どこか買ってくれなければ資金ショートで潰れてたんじゃないかな。LinkedInはとにかく、SlideShareは。

    山路:これ、私そんなに、ちょっと1回Discord使ったことありますけど、そんなゲームしないから、あんまりDiscordのありがたみわかってないですけど、これってMicrosoftが買収しなきゃいけないものなんですか

    小飼:それむしろ逆だろ、それむしろ逆だろ

    山路:Windowsの認証にSkypeのID使えますよって

    小飼:SkypeのID使えますよっていうのは。どっちかって言うとMicrosoftIDでWindows認証して、それをSkypeIDにしてくれというメッセージだと思ってたんですけど。

    山路:Discord、そんなに買収しなきゃいけないような重要なものなんですか?

    小飼:どうなんでしょうね。というのか、Teamsでダメだったのかな。でも、今Discordってユーザベースどれくらいいるんだろうな。まぁでも、買うのだとしたやっぱユーザベースを買うっていうだろうね。

    山路:技術的になんかMicrosoftで実現できないようなもんでもないわけですよね

    小飼:でもそれはGoogleがYouTubeを買った時だって、Google Videoというのがちゃんとあったわけです。だからユーザーベースとか、あるいはもう文化、カルチャーだとかって言うのが主な売りの、だから一番の売り物はユーザーですよ。

    山路:まぁ後はブランドとかね。

    スタッフ:えっと去年の12月のテックニュースですね、ユーザーベース、月間アクティブユーザー数は1.4億人ってなってます

    小飼:それはまあを売れるでしょう、というのか、じつはGAFAM以外のテックのスタートアップっていうのは、もう自分らのビジネスそのものでは黒を出すっていうことはほぼぜんぜん考えてなくて、要はいつかGAFAMに買ってもらうという

    山路:exitが

    小飼:exitが。ただやっぱりそうでない例外というのはなかなかしたたかで、たとえばDropboxとか、AWSとかAzureとかも使ってないんですよね。

    山路:独自で、なんかすごい規模のやつ作りましたもんね。

    小飼:ちゃんと自分の売上で生計立ててるんですね。だからそれは偉い。

    山路:しかもサービスとしても、私はGoogleドライブよりもDropboxのほうが使いやすいから好きで。

    「ドワンゴはどこか買ってくれないのか」(コメント)

    小飼:ちょっと待て、ちょっと待て、カドカワどうなってるんだ一体! 一体、どうなってるんだー。

    スタッフ:ドワンゴはカドカワが(笑)

    小飼:しかも今、カドカワの社長ってね(笑)

    山路:夏野さんになったんだっけ

    小飼:そう、夏野さんになるのか、なったのか。

    スタッフ:夏野さんですね。

    小飼:だからドワンゴ経由ででしょ。

    山路:じゃあドワンゴを重視してる、そっちのビジネスを重視してるということの表れではあるわけ

    小飼:どうなんだろうね

    山路:なんかよくわかんないすよね

    小飼:よくわかんない。

    山路:何をするつもりなのか

    小飼:そもそもカワンゴは駄目だって言うのであれなわけでしょ、クビにし、クビにってどの程度、要は経営から外したわけでしょ。夏野さんならいいの? そこわかんないな。はははは

    「『テクテクテクテク』の改正(コメント)」

    山路:いちおう、『テクテクライフ』として蘇りはしましたけど。

    スタッフ:あ、カドカワ本体の社長になるってのは、本当に近日ニュースになったやつで、6月22日付で代表取締役社長になるそうなんですよ。あ、ニュース出しときます。

    「ビリビリ動画に買ってもらえば」(コメント)

    山路:いや、ほんとそういう世界なんだよなー。だから、ニコニコ、本当なんか天下、もしかしたら取れたかもしれないのに、やり方では

    小飼:やっぱり経営ってことになるのかなあ。本当に技術って氷山の一角だもんなぁ。何で氷山の一角って言い切れるかって言うと、たいていあるサービスが勃興した時には、他の連中もいるわけよ、DropboxにはBoxという会社もあったし、で、他のAppleやMicrosoftやGoogleも同様のサービスというのを持ってたし、持ってるわけじゃん。本当にどうやってユーザー集めるか、だよね。

    LINE個人情報問題とIT業界の温度差

    山路:じゃあちょっとIT繋がりで、次LINEの話、行きますか。

    小飼:あ、なるほどいちおう今日のタイトルですね。

    山路:メインの。このLINEの情報問題。要はデータが

    小飼:個人情報であるはずの、たとえば添付ファイルとかが、メッセージそのものは暗号化されてたとしても、そうでないものというのはもう全部筒抜けになって、それで中国子会社が見れるようになってたじゃないかという。子会社だっけ、それとも外注だっけ? どうだったっけ?

    山路:ちょっとどうだったかな

    小飼:まあ、とにもかくにも国外で、プライベートのはずの情報が見れるようになっていたと。

    山路:プライバシーポリシーなんかも、いちおう第三国のとこにデータを移すこともあり得るよとは書いてあったんだけれども、そこの技術者が自由に見られるってところまでは別に書いてはなかっただけで。これ、なんかLINEって弾さんもまんざら縁がないわけでもないじゃないですか。

    小飼:まぁもちろんそうですよね。だからずーっと大昔に、僕が上場を手伝った会社がNAVERという会社に買われて、そこが始めたサービスがむしろ本家よりも大きくなって、さらにそれが巡り巡ってYahoo!だったGホールディングスに買われたというね。まぁ何と言えばいいのか、もういかにもこの業界らしい。買ったところに買われてみたいな

    山路:へえ、弾さんが作ったエンジニアチームとか、そのへんの事って関係あるんですか

    小飼:あんまりLINEには絡んでないはずですね。

    山路:中国の

    小飼:他にもNAVERっていろんなサービスやってたけれども、わりと日本でNAVERが設立されてから集まった日本のエンジニアチームが作ったのがLINEだというふうに、元ライブドアの人が、nipotanが言ってたので、それは間違いないのでしょう。

    山路:じゃあ直接の繋がりがあるわけではないんですね。

    小飼:まぁゼロとは言えないけどね、かなりの遠縁ですね。かなりの遠縁。

    山路:ほんとなんか、大叔父の大叔父みたいな(笑)

    小飼:まぁそんな感じですね。

    山路:いちおう家系的にはつながってなくもないみたいなところですよね(笑)。今回の問題って、LINEがもうしでかしたということになるんでしょうか

    小飼:まあ僕はやっぱりだと思ってたけどね。

    山路:やっぱりってのは、LINEの個人情報の扱いのスタンスみたいなことについてっていうこと?

    小飼:というのか、それはLINEだけではなくてYahoo!もぜんぜん褒められたものではないし。

    山路:そういうのなんか個人データを他の第三者に使う、カルチャーコンビニエンスクラブ、Tカードなんかとも連携してましたもんね。

    小飼:そうそうそう。

    山路:今はそうでもないのかな。それで勝手に使われたみたいなことからクレームが

    小飼:単にそれが国外だっていうので今回は大きな問題になったというのが、だからこれじゃあ政府とか使えないよねっていう話になったんです。なってる。というふうに僕は見てるんですけどね。「まさか」じゃなくて「やっぱり」「やはり」なので。

    山路:インターネットのサービスって、タイトルにも「インターネットの国境」って書いたんですけど、ネットサービスのデータがどの国のサーバに物理的に記録されてるかって、そんなに重要なことだったりするのかと

    小飼:それはそれぞれの国の政府からは重要なんですよね。もちろん、サーファーにもクライアント、端末にも、技術的には国境なんてないわけですよね。なんだけれども、ありもしない国境っていうのを無理矢理ソフトウェアで再設定してるって言うのが現状なんですよね。

     
  • 小飼弾の論弾 #198「ブロックチェーンの本命NFTと、呪縛からの解放『シン・エヴァ』感想」

    2021-04-24 07:00
    550pt

     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
     無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします!

     今回は、2021年03月16日(火)配信のテキストをお届けします。

     次回は、2021年04月27日(火)20:00の配信です。

     お楽しみに!

    新刊『小飼弾の超訳「お金」理論』

    「ブラック労働者」をやめましょう。「お金を増やさねばならない」思い込みを捨てましょう。働いたら負け。もう労働には価値はない。理想は、誰でも自由に生きて食べていける世の中。なのに、いつまでも「お金」に振り回されるのはなぜか―――。
    『小飼弾の超訳「お金」理論』では、世界を動かしているお金の仕組みと、お金との付き合い方をやさしく解き明かします。

    2021/03/16配信のハイライト

    • 『ウマ娘』の人権と加熱化するNFTについての解説
    • プラ製スプーン廃止を巡ってエコの話題と「みずほのやらかし」
    • 視聴者の質問「子育てストレスと読書について」
    • 『シン・エヴァ』語り、「ゲンドウは詫びたのか?」
    • 『シン・エヴァ』でも残った謎と「SF映画の補完」
    • 「エヴァンゲリオンは一番いいガンダム」?

    『ウマ娘』の人権と加熱化するNFTについての解説

    山路:今日、タイトルで『シン・エヴァ』感想戦とか書いて急いでコメントにも『シン・エヴァ』見てきましたって人と、まだ見てない人といるんですけど、さてどれぐらいネタバレをしていいものやら。

    小飼:というのか、俺もよくわかってないところがあるかもしれないのに、逆に見た人に質問するかもしんない。

    山路:まあでもちょっとメインは限定でやったほうが安心は安心ですかね。

    「まだ見てないけどネタバレしてもええで」(コメント)

    小飼:まぁこれはメタネタバレかもしれないですけれども、わりとネタバレ耐性の高い作品だと思います。

    山路:私も本当にそう思った。

    小飼:どういうことかって言うと、絵があるものっていうのは、そのものは簡単にネタバレできないじゃないですか。こういう絵だっていうふうに言っても、じゃあ例えば「泣く女」っていうのはあれですよ、ピカソの有名な絵のタイトルですけど、「泣く女」って言ったらその絵のネタバレになるかって言ったら、全くならないでしょ。あの絵を見ない限りは見たことにはならないわけじゃないですか。

    山路:まあ逆に、シャマラン監督の映画みたいなんだと、ちょっとまずいかもしれないですけどね、『シックスセンス』とか。

    小飼:そういう意味ではとってもネタバレ耐性の高い作品だと思いますよ。

    山路:一応安全策を取って、多少のネタバレは限定のほうでしようかなと思ってますけれども。

    「『ウマ娘』で忙しい」(コメント)

    山路:『ウマ娘』、流行ってるらしいですよね。

    小飼:いや、だからその辺の感覚がね、ちょっと、僕はわかんない、擬人化と言うか、美少女化ね、だから『艦これ』も『ウマ娘』も、こういうのもなんだけども、必ず何にされるかつったら美少女にされるわけだよね。美少女には、うん、まぁ美少女だね。

    山路:あれは何か思うんですけど、美少女って別に言ってみたら性的対象とかそういうんじゃなくて、もうなんか今の時代の美少女ってすごくニュートラルなものとして

    「基本的馬権」(コメント)

    小飼:(笑)。いや、でもニュートラルなのかな。でも別の言い方をするとさ、『艦これ』にしても『艦これ』で艦娘にしてもさ、『ウマ娘』にしてもさ、人が使役する対象じゃん。モルカーと一緒じゃん。
     そう、だからまず道具なのよ。道具なのよ。だからそこは譲れないでしょ。

    山路:まぁそうですわな。

    小飼:そう、だから戦闘のできない艦娘とか、艦娘じゃないし、レースができないウマ娘とかウマ娘じゃないし。だから、まずもって人間が使役する対象じゃん。でもそこがすごいdisparityがあるんじゃないかな。

    山路:ただ奴隷状態にあるわけじゃなくて、本人の意思でやってるってところはあるのでは? 使役とはいっても。

    小飼:うん、でもあれよ、本人の意思で奴隷をやってる人たちというのは古今東西少なくはないよ。

    山路:ううむ(笑)、人権問題に踏み込んできたな(笑)。

    小飼:あれですよ、暗殺されたカエサルと一緒に戦ったカエサルの奴隷もいたわけです。これはまさに好き好んでやってた例でしょ。

    山路:『ウマ娘』を語る際にその立論か(笑)

    小飼:自分の意思があるということは、それは奴隷であることを肯定するのだから、こう言うのもなんだけれども、奴隷とは言っても実は人の奴隷というのは、なんでもかんでも主人はできたわけではないんだよね。

    山路:ああ、主人が奴隷に対して?

    小飼:そうそうそう。だから、フルスペックではないけれども、人権ぽいものはあったの。

    山路:何か、傷つけちゃいけない的な

    小飼:そうそうそう。で、美少女化された道具っていうのはどうなんだ?

    山路:人権はあるのかという意味で? フルスペックで。

    小飼:やっぱり、いくら人の形をしてたとしても、人と見做すのは間違ってるんじゃねって思うんだけどね。やっぱ特攻しろっつって言ったら特攻するんじゃないか、艦娘も。って言うのがさ、これ『エヴァ』のネタバレいっちゃうというのか、これ前回の、『Q』の時に出てきたから言うけれども、ヴィレの人たちが乗ってるヴンダーの盾になってたり鉾になってたりしましたよね、海にいた、今までの。

    山路:艦船が

    小飼:艦船が。だからそういう存在になるんじゃないの。

    山路:艦娘たちはという。ほぉー。

    小飼:で、そうやって扱うのが正しい扱いなんじゃないかな。そういう作品はないの? だから、じつは戦闘艦に見せかけてミサイルでしたみたいな。だから、敵のところまで行って自爆するみたいなの、ないの。

    山路:この『艦これ』の文脈で? ああ、どうなんだろう、私は『艦これ』あまりにも詳しくなさすぎるから(笑)

    スタッフ:すいません、なんか『ウマ娘』、最近俺ハマってやってるんで、ずんずん来てます(笑)

    山路:それちなみに『ウマ娘』、どの辺にくるわけ?

    小飼:で、やっぱり故障したら射殺とかすんの?

    スタッフ:いや、各世代、要はまんべんなくっていうか、最近はともかくとして

    「今日は画質がいい」(コメント)

    スタッフ:まんべんなく知ってる馬がやっぱり出てるって言うか、私の場合トウカイテイオーとか、そこら辺は子供の頃、実況すごい好きだったんだ見てたりしてたんで。

    山路:へええ。

    小飼:だから、擬人化っていうのはそういうことでもあるんじゃないのって、僕は思うのね。そう、だから姿形は人でも、なお人ではないから、人ではない扱いが必要であれば、それはしていいんじゃないのっていうメッセージなんじゃないかと。それが絶対やだったら、むしろ金輪際、擬人化は避けるのでは。

    山路:ナオヤさん的には擬人化したほうが入れ込める感じ? 元の馬よりも。

    スタッフ:ああ、ウイニングポストの時はぜんぜんワクワクしなかった、たぶんこれ、『艦これ』からの流れなんですよね。『艦これ』で要は大分馴らされたっていうか、馴れたところで、

    小飼:それでいろんなものを、だって人物の擬人化ってわけがわかんないけどさ、今や、

    山路:戦国武将とかでも(笑)

    小飼:ソシャゲーではそれ普通だもん。これ普通だもんね。

    山路:擬人化、しかしそこまでみんな、そういうことを考えながらやってるというより、文化的に当たり前になっちゃって、もうそこのとこも考えなくなってるような気もするんだけどなぁ。

    小飼:だから、全世界的にというわけではないよね。しかも日本、日本のこれメインカルチャーとまで言っていいのか、かなりあの大きな方面だけど、それでもたとえば全プレイ、FGOや『艦これ』や、擬人化というのか美少女化が売りのコンテンツを買ってる人たちというのを全部足して、それマジョリティになる?

    山路:ああ、なるほどね。まだ、あくまでもマイナーな

    小飼:その意味ではマイナーでしょ。っていうのも、それはもう女性がプレイヤーもいないわけはないけれども、マジョリティだというのはもっと考え難いよね。

    山路:いやいや、「『ウマ娘』やってる人の意見も聞きたい」あ、コメント見られなくなっちゃった。

    スタッフ:大丈夫ですか?

    山路:Wi-Fiが落ちてるかな。

    「そこまで考えてない」(コメント)

    小飼:(笑)。こっちは来てるけれど、あ、でもコメントは来てないかな。

    スタッフ:それ大丈夫なはずなんだけどな

    小飼:少なくともちゃんと映像も動いてるから、来てるはずなんだけど。リロードしてみた?

    スタッフ:わたしもそれ使ってる

    山路:あれ、そうなんだ。ちょっと分かりました。じゃあとりあえず続けましょうか。じゃあもう一つ、軽めの話題行ってきますかね、もう一つぐらい。

    小飼:テスト、テスト、ちゃんと来てますね、はい。テストテスト見えますよ。

    山路:こっちだけ? なんでだ。

    スタッフ:これ、有線つなげられます?

    山路:えーっと。ないな。USB-Cっすか。

    小飼:USB-Cです。

    山路:どもども、ありがとうございます。

    小飼:こっちで接続テスト済んでるから、それでも普通にいくんじゃないかな

    山路:すいません、なんかちょっとぜんぜん

    小飼:はい、なんか山路さんコメント見れないみたいで、山路さんのMacだけなんかおかしいみたいで。

    山路:これで行くかな。

    小飼:で、差しただけじゃちょっと、念のためにそれ、ネットワークコントロールパネル出して。

    山路:ネットワークでイーサネットでいいのかな、これを。これで。

    小飼:未接続になってるけれども、

    山路:来たかな、なんか。

    小飼:来たね

    山路:あ、行った行った。ちょっと時間かかったけど

    小飼:それでいいです。

    山路:ああ、どもども、助かりました。

    小飼:こんなこともあろうかと。

    山路:やっぱLANアダプタ付いたやつにしとかないとあかんなあ。

    小飼:すいません、もう少し、時間をかけるべきだったかな。山路さんの悪口を書けるってコメントで言ってたから(笑)

    山路:じゃあ、軽いネタのもう一つ。

    小飼:軽いネタの割にけっこう、面白い論考になったよね。僕はいい悪いとかって言ってるのではないけれども、意外と風当たりも少ない、もっと来てもいいと思うんだけどね。そう、だから人でないものを擬人化してっていうのは。

    スタッフ:意外と、日本の名城を擬人化したりとか、まあそういうブームが『艦これ』がポンと来て

    山路:名城もあるんか。

    スタッフ:『御城これくしょん』だったか

    小飼:『艦これ』のうまい所っていうのは、確かに艦船は伝統的には女性なんですね。

    山路:はいはいはい。sheなんですもんね。

    小飼:sheなんですよ。船は女性なんですよ。そうだ、美少年は『刀剣乱舞』があったね、数少ない例じゃないかな。

    山路:あとはなんか美少年の首をした馬のゲームもあった(笑)

    小飼:ああ!

    山路:なんだっけ(笑)、名前ど忘れしちゃったんだけど、その馬の育成ゲームとかありましたね。

    スタッフ:ただ私がはっきり覚えてるのは、『けもフレ』がヒットした後に『ウマ娘』って発表されてる記憶があるんですよ。なんで、俺がその時、第一印象として「あっ『けもフレ』ブームに乗っかったのかな」なんて思っちゃったんですよね。その記憶としてちょっと残ってて、大分発表されてから今回公開されるまで時間が経ってるんで、最初の印象はそれでした。

    山路:なるほどなー。この獣擬人化的な文脈なところっていうのは俺よく理解できてないところがあるからな(笑)。あんまり深く語れないな(笑)。
     これ、ちょっとだいぶ系統の違う話なんですけど、ディープフェイク。流行りのディープフェイク、身近になったディープフェイク。この娘がチアリーディングをやってるんだと。チアリーダーをやってるんだと。その娘のライバルを蹴落とすために、ライバルの女の子たちの裸の姿とかをディープフェイクを使って作成して、それを流布した母親が捕まったという(笑)。すごいディープフェイク、AI技術、身近になってんなーみたいな。

    小飼:そのうち、(iPhoneを示しながら)これくらいの端末でもリアルタイムでディープフェイクできちゃうんではないかと。実は我々もディープフェイクされて、ここにいるという(笑)

    山路:そんなに悪い事言ってますかね、元の人間の評判を落とすほどの(笑)

    小飼:だからディープフェイクしてたら、「あれWi-Fiがおかしい」とかってあまりにも(笑)。かえってそういうどうしようもないところが、何て言えばいいのかな、リアリティの証明というのか傍証というのかになる時代が来るかもしれないよ。

    山路:ボケにこそリアルの価値があるという。いやいやどうも失礼しました。

    「同人誌みたいだな」(コメント)

    山路:あともう一つ、これなんかトホホな感じのするニュースなんですけど、じつは大きな話にもつながってんじゃないかという。イーロン・マスクがテクノキングを名乗り始めたという。

    小飼:本当に、でもすごいよな、S&P500の企業のCEOですよ、あれで。

    山路:なんか、すごい香ばしい中二臭が(笑)。すごいっすよね。それでこのテスラのCFOはマスターオブコインを名乗ったっていう(笑)。で、これSECとかに書類を提出っていうのは、アメリカの会社って肩書きとかそういうふざけたやつをそういうのに出す必要ってあるの?

    小飼:日本と同様だと思いますよ。要は定款で決めちゃえば何とでもできるはずです。

    山路:だから、なんか自分で名乗れば、ある意味いい

    小飼:そう、だから代表取締役部長って会社も確か日本にあったはず。株式会社総務部だかなんだか

    山路:で、このテクノキング名乗ったってこと自体はお笑いネタなんだけれども、なんでテクノキングを名乗ったかっていうところに、今後ビットコインみたいなブロックチェーン、クリプト通貨なんかをガンガンやってこうっていうことが表れてるという話で、なおかつNFTにすごい興味があるという話なんですよね。

    小飼:また変な映像をツイートしてたよなあ。

    山路:そのNFTっていうのが最近、そういうテック業界なんかでは非常に興味をもたれる、注目を集めるようになっていると。弾さんも仮想通貨、一時期けっこうビジネスにも関わってやってたと思うんですけれども

    小飼:今でも帳簿にはちゃんと載ってますよ。ちゃんと載っけましたよ、今年の確定申告にもって言っても、あれですけどね、処分してないので、まだ当時の購入価格そのままで載ってるんですけれども。

    山路:そういう通貨としての使い方だけじゃなくて、ブロックチェーン技術をそういう、お金みたいに代替可能な別の、たとえば一円だったら別の一円玉に交換しても同じように扱えるけれども、唯一無二のID、取引の証明として使うノンファンジブルトークン、NFTとして使うことが盛り上がってきていると。たとえば、アートをNFTで流通させるとか、そういうことが行われてると言うんですけれども。これって弾さん的に見てどうですか、NFT。

    小飼:普通の使い方、暗号通貨の正体は分散台帳だっていうのはこの放送でも何度か言いましたよね。要するに、何がどこにあるのかと言う全記録が残ってると。だから、べつに通貨に使う必要はないんですよね。

    山路:なにに使ってもいい。

    小飼:そう、だからこれは誰々のものです、それを誰々に譲渡しましたっていう記録を載せたっていいわけですよね。だから仮想通貨以外の、実際の分散台帳の使い方としては極めて普通。

    山路:で、特に不動産とか、リアルのアート作品とかって一つしか、リアルだと唯一無二のものだったりするから、それの権利とかをみんなでこう、そのNFTとか使うことである意味、分散して持てたりとか、コンテンツを発表して、それを、その権利みたいなものっていうのをきちんと保証されて収益が入ってくる、そういう使い方はなんか私も理解できるんですよ。

    小飼:まさにそういう使い方なんですけれども、でも、盛大な技術の無駄遣い感っていうのもやっぱりあって。で、実際、台帳を分散させるためにはけっこうなコストを支払ってるわけじゃないですか。

    山路:電力、ですよね、主に。

    小飼:はい。ちなみに一番高い例としては、NFTの、違う、ビット当たりの価格が一番高いんじゃないかなという例は、ある前衛芸術家が、今年の話ですね、1透明ピクセルを

    山路:なんかWebビーコンみたいな

    小飼:で、それに1ETHの価格を、EthereumのETH(イーサ)ですね。

    山路:今いくらぐらいなんですか?

    小飼:今いくらぐらいだろうかね。10万円のオーダーだと思ったけどね。今1ETHっていくらだ? ざっくりと、えーと1800ドルちょっと切るぐらいです。

    山路:でも、そんな透明1ピクセル

    小飼:まぁでもよくあるじゃないですか、4分何秒だっけ、

    山路:あーあの無音の

    小飼:とっても前衛芸術っぽいじゃないですか。なんですけど、まあそれはいいわ。結局、前にも言った通り、これ、1BTCであろうが1ETHであろうが1USDであろうが1JPYであろうが、思い込みは思い込みだと。ただし、それを実際に固定化するために使った費用っていうのはリアルなわけですよね。むしろ、今の暗号通貨の場合は、ほとんどのやつがプルーフ・オブ・ワークなので、実際に電力を食うわけですよね。で、どれくらい電力を食ったかって言うと、CO₂換算で125キロ。

    山路:はっはっはっは

    小飼:全然、無視できないですよね、これ。

    山路:別の人なんかもクリプトアート出して、その10秒間の処理のためにスタジオ2年間分の電力を食ったみたいな、まぁスタジオがどれぐらい食ったかってことが書いてないんで何とも比べられないんですけども、そういうことを言ってる芸術家もいたりとかして。それって、その価値を担保するためにそれをやるのって、そんなことがみんなやるようになったら大変じゃないのって思ったりもするんですけど。

    小飼:だから、みんながやる必要があるのかと。これはCrypto対Fiat、暗号通貨対法定通貨の文脈でも言えるところですけれども、これは特定の団体がアーカイブ、それもデジタルデータ全体ではなく、そのハッシュだけアーカイブするなんていうのは、もうなんてことはないわけですね、簡単にできるわけですよね。例えばナショナルアーカイブデジタルデータみたいなものっていうのは考えられるわけですよね。

    山路:そこがお墨付きを与えればいいんじゃねって話ですよね、結局

    小飼:そうそうそう、そこがやったらもっと安上がりじゃないのっていう見方はできますね。

    山路:べつにそんなブロックチェーン技術で電力使わないでも

    小飼:ただ今誰が持ってるかとかって言う、そういうところまで公立の施設で管理するっていうは、それはそぐわないかもしれない。だから、そこの部分で棲み分けっていうのはできるかもしれない。ちゃんと公的に税金を使って登記するというのは、作品と作品のハッシュの対応表ぐらいでよくて、実際にそれがどういう風に取引されたのかっていうのは別のNFTでやってもいいんじゃないかなという風には思いますね。

    山路:あとさっき、そのプルーフ・オブ・ワークがすごい電力食うっていう話でしたけど、プルーフ・オブ・ワークの代わりにプルーフ・オブ・ステークとかいろんな

    小飼:なんでもいいですよ、もう合意さえ取れれば何でもいいの。でも、単に合意を取れるだけじゃなくって、裏切り者が出た場合というのは、それをちゃんと摘発できるのかとか、そういった要素もあるわけですよね。

    山路:プルーフ・オブ・ステークはそれにはちょっと弱いっていう面がある?

    小飼:プルーフ・オブ・ステークというのは、でも要はassetを買い占められるわけじゃないですか。

    山路:結局、金持ちはより発言権が強くなるのにちょっと近い?

    小飼:そういう事になりますね。まあでも失うものも大きいので、それだけ大きなリスクも、まさにステークを抱えてるから。だからステークに応じて、マイニング権を配分してもいいんじゃないかと言う。で、Nem(ネム)みたいにプルーフ・オブ・コントリビューションっていう考えもあります。だから実際に手間暇をかけてる人に、手間暇に応じたっていうの。でもその手間隙っていうのはどうやって按分するんだよっていう問題がまた出て来はしますね。

    山路:それって結局CPUパワー使うとか、そういう話になってきたり

    小飼:その意味ではプルーフ・オブ・ワークっていうのは、一番野蛮であるが故に、一番公平と、一番疑いにくいよなと。かけたエネルギーは本物だというので。

    山路:なるほど。これ、ちなみに後の方でまたエコの話にも行くんですけど、電力を再生エネルギーとかで全部賄えるんだったらプルーフ・オブ・ワークっていうのもありなのか、それではぜんぜん賄えないほどのエネルギー消費になってったりするんでしょうかという。

    小飼:それもまた約束事なんですよ。結局、約束事ベースなので、今度の規約改定には耐えられないわっていうふうに出てくる人もいて、だからそれがまさにフォークなんですよね。BTCとBCHみたいにね。ビットコインキャッシュみたいにね。
     でもフォークした時に、フォークしたの後の変遷を見ると、元祖のほうがやっぱりより値上がりしてるんですよね。より野蛮な方法でより素朴な方法でブロックを繋げてるほうが。新参者よりも受けてはいるんですよね。

    山路:これNFTのトークンとか、今Ethereum上とかで実装されてるんでしたっけ。多くのやつが。で、それとかが、このフォークしたりとかそうなった時に、最初のNFTのトークンみたいなもんっていうのは依然として、何というのかな、ずっと永続的に有効であると保証されるんでしょうか。

    小飼:それは意味があります。でもフォークのフォークたる所以っていうのは、実際に或るトークンを持ってる人というのは、それフォークした場合にも両方を持ってるんです、オーナー変わらないんです。
     だから、たとえば1BTCを持ってる人というのは、BCHがフォークした時は1BCHというのは自動的に与えられるわけですね。だからどっちのオーナーシップがあると、ある意味、意味がないんですけどね、この場合。結局、同じところをポイントしてるので、同じ人物をポイントしてるので。

    山路:NFTでも同じことが

    小飼:だから真のフォークというのは、たとえばチェーンAとチェーンBに両方名前が載ってて、チェーンBだけ名義が書き変わってた場合というのはどうなるのかという。ただその場合も、やっぱりまた取り決めでできるんですよ。こっちだけを、このassetに関してはこのチェーンだけを本物と見做すっていう宣言というのはできます。結局のところ、約束事なんですよ。だから、元のデジタルデータっていうのはもう複製できるわけじゃないですか。
     で、複製された物って言うのは同じハッシュ値がつくわけですよね。たまたま同じハッシュ値がついたときに、誰の記録があるって言う時に、NFTの持ち主っていうのは、持ち主というよりもこのチェーンに俺の持ち主であるということは書いてあるよっていう、それが主張できるだけといえば主張できるだけなんですけどね。

    山路:なるほどなー。

    小飼:もしパクられた場合というのは、おまえパクったじゃないか、俺は権利者であって、権利者であるということだとこういうふうに保証できるけども。何もNFTだけが権利の保障というわけでもないですよね。たとえばこれがトレードマーク、商標とかの場合というのは、これはまさに公に登記されてるわけですよね。

    山路:いろんな手段がある中で、ここまでNFTに注目が集まりすぎてる過熱感がちょっと気になったんですけどもね。

    小飼:まぁチューリップの球根じゃんって言ってる人たちというのも少なくはないですよね。

    山路:あとNFTに関して言うと、Twitterのジャック・ドーシーが、そういうNFTとかかなり積極的に推しとるということだったりするんですけど、これってそれこそTwitterなんかがNFTのプラットフォームになってくるみたいなことってあるんですかねっていう。そういうこと考えてんのかな。

    小飼:まぁ、無駄っちゃ無駄というのだけれども、それこそナタで髭剃り的なところはあるけれども

    プラ製スプーン廃止を巡ってエコの話題と「みずほのやらかし」

    山路:ナタで髭剃りね(笑)。ちょっとNFT、なんか流行ってるもんだから気になったんで、今後どうなるのかっていうことはちょっと注視していきたいと思いますが。あと、じゃあもうちょっと身近なと言うか、プラ製スプーン有料化。

    小飼:はぁー……。

    山路:あっはっはっは。疲れてる(笑)。疲れてますね、だいぶ。

    小飼:それは、疲れるよな(笑)

    山路:すごい、あれですけど

    小飼:少なくともこれ、長期的には進次郎を政治の世界から叩き出すしかないのかもしれんけれども、短期的には衛生的でないからって言うので、断っちゃえばいいと思います。本当はレジ袋だって、そうなんですよ。使い捨ての最高の利点って言うのは衛生ですから。

    山路:なるほどね。特にコロナ禍でみんな神経質になってたところでそういうのも

    小飼:スターバックスもプラスチックやめるっていうふうに、パンデミックの前は言ってたじゃないですか。しれっと撤回したじゃないですか。衛生を確保するためにはプラスチックやむなしって、ちゃんと言って戻したじゃないですか。

    山路:環境を守るのにプラ製スプーンを使わないようにするって、私はあんまり有効な手段とは思えない。

    小飼:今のところは衛生が優先でいいんですよ。

    山路:あとその環境への影響みたいなことをこの進次郎さんとかも言ってるわけだけど、これってあんまり意味がないような気がするんですけど、環境政策として。

    小飼:「意味があるとは意味がある」ぐらい、意味があるぐらい意味がないですね。

    山路:進次郎話法で返してきたな(笑)

    小飼:進次郎話法ぐらい意味がある。進次郎話法ぐらい情報が詰まってますよね。

    山路:これ、それこそプラスチックって、別に作る際にすごいエネルギーが投入されてるわけではないですよね。

    小飼:ないんですね。

    山路:で、そもそも言ってしまえば、そんなプラスチック自体がまだそのエネルギーを持った状態なわけだから、燃やせばいいんじゃねーのっていうふうに私は思うんですけど

    小飼:わりと日本はプラスチックはかなりまともな方法で対処してきたんですよね。で、スーパーで買ってきた袋というのは今度はゴミ袋になるじゃないですか。ゴミ袋にしてない、ゴミ袋にしてなかったという人いらっしゃいますか?

    山路:そんな人いないんじゃないですか、さすがにそれは

    小飼:ちゃんと正しく第二の人生を送るわけですよね。

    山路:このプラスチックのスプーンを使わんようにしたら、なんか環境負荷が低いとか、そういうのって、それを言い出すのってどうなのよみたいなところがどうも気になってしょうがないんですけどもね。もっと有効な政策って他にあんじゃないのっていう気がするけど、それこそエネルギー政策なんかの部分で。こんなプラのスプーンとかを禁止とかやってる場合じゃないんじゃないのかと思いましたけれどもね。

    小飼:ポリ袋も復活させるべきだと思うんだけどね。

    山路:あれを、プラスチックのものを燃やしたらいけないみたいなものとかっていうのも、それずいぶん昔の話のような気がするんですけれどね。今の高温のそういう焼却炉だったら別に

    小飼:というよりも、ちゃんと燃やしてくださいっていうのが施策だったのにね。

    山路:何と言うのか、やってる感だけがどんどん増えてることをやってる気がするんですけどもね。

    小飼:本当、銀の匙ならいいのかい、プラスチックがダメでも。

    山路:「プラスチックの匙くわえて生まれてきた」みたいな(笑)。

    小飼:何と言えばいいのかな、やっぱりスプーンっていうのは割り箸に比べるとすごい侘しく感じるんだよね。あれ不思議でさ。

    山路:割り箸だと木の味わいがあるからなのかな。

    小飼:木の味わいとかそういうことでなくて、どうしてだろうなあ。

    山路:慣れかもしれないですけどね。

    小飼:単なる慣れなのかなあ。やっぱり金属じゃ、単に重さの問題なのかな。箸は割と、割り箸でない普通の木の箸とかでも割と重さ近いじゃないですか。韓国とかだと金属の箸とかも使うけど、たぶんそれだと日本の食事とかっていうのは重く感じすぎですよね。たぶん、単純に重さだとは思うんだよね。たとえば同じやつを木で作っても、やっぱ軽く感じると思う。侘しく感じると思うんだけどね。

    山路:なんかちょっとその、こういうものの代わりに、あのこれ、弾さんがブックマークしてた記事で

    小飼:紙のお皿もそうだね。侘しく感じるね。そう、割り箸があんまり侘しく感じないほうが不思議といえば不思議かもしれない。

    山路:これ、こういうの技術なんかのほうをもうちょっとやったほうがいいんじゃないと今リンク出したんですけど。希薄なCO₂を

    小飼:これ、これはちょっとびっくり、なかなか凄いニュースだなと。

    山路:これ希薄って言っても、そもそも大気中の二酸化炭素濃度って0.03とか0.04

    小飼:0.04ですね。

    山路:それよりも希薄なCO₂を吸着できるという。そこからメタンを合成したりとかできる。

    小飼:そう、だからいずれは大気から直接CO₂を汲み上げるっていうのも、本気で減らしたかったら必要なはずなんだよね。そうでなくって、人が出すやつを大気に放出する前に未然に吸着しておいて、後は植物に頑張ってもらうという手もあるんですけど、じつはこの放送でも何度か言ったように、植物の立場からすると今の大気のCO₂濃度というのはめっちゃくちゃ低くて苦しいんですよね。

    山路:人間で言えば酸欠的な

    小飼:そうそうそう。だから本当はもっともっと濃いCO₂が欲しくて、昔はビニールハウスとかは重油炊いて吹き込んでましたよね。今でも一部やってるところがあるかもしれない、高級な食材とかは。だから、それを考えてみると、今の大気からもう直にCO₂を吸着する技術っていうのもやっぱ絶対必要になってきて、それがもうこの段階であるって言うのはなかなか素晴らしいことではないかと

    山路:ただ思ったんですけど、それだけの、そのそもそも少ないわけじゃないですか、大気中のCO₂って。それを吸着しようと思ったら、すごい面積のものが要りますよね。それは折り畳んでてもいいのかもしれないけども

    小飼:この場合は折り畳みでいいと思う

    山路:膜みたいなもの

    小飼:そうそうそう。だから、この場合は別に太陽光に晒さなきゃいけないとか、そういうことはないので、だから折り畳んでいいはずですね。

    山路:その製造コストのほうが

    小飼:あと触媒の材質ですね。ここで貴金属を使わなければいけないとかって言ったら、そこでコスト割れしちゃうというのか、そもそもまだこの技術が採算に乗るかどうかよりもはるかに手前だとは思いますけれども。でも薄くても回収出来るっていうのは本当に、本当にポイントで、これは。

    山路:コメントでもあったけど、火力発電から回収するやつって、これは工場なんかにやってって言うのは前からあったんですけど。

    小飼:そうなんですよ。そうやって普通の燃焼の結果出るCO₂を燃焼したすぐ後の段階で吸着するっていうのは、こういうので比較的楽なんですよ。たとえば人間の吐く息とかっていうのも、15パーセントぐらい? だいたい普通に、何かを綺麗に燃焼させて大気中にある酸素を全部変えるとだいたいそれくらいの濃度になるんですよ。それに1000分の1とかっていうオーダーですからね。これが吸着できるのは。

    山路:けっこう、じゃあそういう意味でもすごいわけなんですね。

    小飼:すごいです。

    山路:あと、最近エコの文脈で言うと、アンモニア発電とかがチラホラ話題になり始めてるという。これ、ただアンモニアって火力発電の燃料にすること自体ってどうなのみたいな。

    小飼:今だとあまりにもったいないですよねっていうのも、今はアンモニア作るのにかなりのエネルギーを投じてますからね。

    山路:ハーバーボッシュ法で

    小飼:そう、ハーバーボッシュ法に人類が投じるエネルギーって言うのは1パーセントちょい超えるぐらい

    山路:もうちょいあったんじゃないかな

    小飼:あったかな。

    山路:説によれば、2、3パーっていうのもあったりもする。

    小飼:で、もっと低温で作るような技術っていうの登場しつつありますからね。そうやって簡単にアンモニア作れるようになると、これ、水素とかを液化するよりもはるかに簡単なので、ずっと運びやすいですし、普通に燃やしちゃってもこれ窒素が出るきりなので。ただ、NOxはどうなんだろうな、あまり高温でなければそんなに出ないのかな。

    山路:なんかそれ、アンモニアの燃料として使う研究のところではやってた、チャレンジはしてたはずですけどね。その結果のところまだどうなのかなという

    小飼:あと燃料電池でもいいんだよね。

    山路:燃料電池あるんだったら、そっちでもいいんじゃねえのっていう気がする。

    小飼:さっきのCO₂をメタンに変えると言うのであれば、そうそう、メタンでもいいんじゃね、しかもメタンって今も天然ガスというのはまさに、少なくとも9割はメタンで。で、CO₂よりもさらに温室効果ガスとしては強いわけじゃないですか。だから、CO₂にしちゃったほうがまだマシなんだよね。だからわざわざアンモニア作るまでもないんじゃねーという意見もあるんだけど、どうなんでしょうかね。そういうのっていうのは、本当に定性的にこれができるではなくって実際になんぼだっていうのはやっぱ大事になってくるわけじゃないですか。
     だから、やっぱりいろんなところがやって、いろんなところでソロバンを弾いてほしいですよっていうふうには思います。ただ普通にリチウムイオン電池は強いというのか、強かったというのか。どうも燃料電池の時代というのはあんま来ないんじゃないかなという観測ではありますね。

    山路:初め思ってたのは、リチウムイオン電池ってけっこう複雑な構造じゃないですか。

    小飼:はい。

    山路:そんなに安くならないだろうとか思ってたんですよね。それは何かどんどん安くなっていって、意外なほど。

    小飼:そう、コバルト使わないのも出てきましたしね。ちなみに名前にもなっている、リチウムが枯渇するというのはもうほぼ考えなくていいみたいですね。最悪、海水からいくらでも取れると。今世界中の塩湖にある分だけでも十二分な需要に

    山路:あの塩湖だけでも十分

    小飼:ウユニ塩湖だけでも足りる。でもウユニ塩湖を開発するというのは猛反対されるでしょうね(笑)。あの抜群の景色を。だから、今でも普通に塩は採取してるんですけど。

    山路:これ、後、それこそこれもどんどん勘定、なんぼでやるっていうデータをもっととっていかないとあれですけども、脱炭素の動き自体に関してはどう思ってます?

    小飼:もう決まったね。変曲点を超えたというのか、他にいろいろ問題があって、そのついでにみたいのではなくって、制作の主眼、少なくとも柱の一本っていう捉え方をされてますよね。それは単に実際に地球の気象が荒っぽくなってるっていう、だから今そこにある、将来こうなるではなくてもう今、既に被害があちこち出てるんじゃねーよって言う現象もあるし、その一方でこうすれば解決できるんじゃねって言う施策のほう、両方が揃ったっていうところが大きいですよね。目処が立ったと。

    山路:再生エネルギーなんかで言うと、日本だとたとえば風力発電、あんまり洋上風力発電、立地条件良くないみたいな意見も

    小飼:そうなんですよ。一定の強さの風が吹くというのが風力にとって一番おいしいんですけど、日本の場合、強い時は強すぎる、で、普段はそんなに強くない。

    山路:遠浅のところもあんまりないみたいな。あと太陽電池も、効率は上がってますけど、日本って別に太陽光発電に適したところではないですよね。

    小飼:いや、でもドイツとかもっと適してないよ。そう、もっと高緯度だし。天気いいかって言ったらそんなことないし。

    山路:ドイツってフランスの原発とか使えたりするじゃないですか。

    小飼:だけれども、それを勘定に入れてももう黒字が出るぐらいなんです。

    山路:そうか。とにかく、どういうふうなとこ、細部でどうするかはともかくとしても、流れとしては

    小飼:ちょっとずるいなと思うのは、今の産油国というのは太陽光発電にも絶好調、絶好の場所にあるんですね(笑)。

    山路:確かにね。『超訳「お金」理論』でも、あれ、太陽光の換算の時に使ったのはサハラ砂漠に置いたらみたいな話ですもんね。

    小飼:でも、こう言っちゃなんですけども、一般家庭の南側の屋根を半分拭くだけでも、ネットでイーブンにはなるんですよね。だから、夜間どうするか、天気が悪い時にどうするかっていう問題はあるんですけれども。そうでない天気がいい時というのはエアコンブンブン回して、さらにお釣りがくると。ほんとはそっちの方に助成するべきだったのにメガソーラーとか行きやがって。

    山路:メガソーラーうまくいかなかったわけですよね。

    小飼:うまくいかなかったというよりも、エコとはまるで反対の連中に濫用されまくりましたよね。だから、まずは一般家庭の屋根で、次に休耕田とか、要は今は農業に使ってない土地で、メガソーラーと言うのであればその後だったはずなのに。

    山路:なるほどね。

    小飼:地方の土建屋さんの小遣い稼ぎになっちゃったんですよ。

    山路:弾さん的には日本でも太陽光発電なんかのやつ、効率も上がっていくし、もうそれはこの動きは大丈夫やろうと、基本的には、日本であっても?

    小飼:こう言っちゃなんですけど、休耕田で足りるんですよね、日本の場合は。