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  • 小飼弾の論弾 #139 「メッキが剥がれてきたギグエコノミーと、映画『ジョーカー』『HELLO WORLD』評」

    2019-11-16 07:00
    550pt

     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
     無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします!

     今回は、2019年10月8日(火)配信その2をお届けします。

     次回は、2019年11月26日(火)20:00の配信です。

     お楽しみに!

    2019/10/08配信のハイライト(その2)

    • 『ジョーカー』の気になったところと日本から見た「アメリカの豊かさ」
    • ビジュアルを頑張った『HELLO WORLD』と世界をスキャンするための壁
    • ギグエコノミーからわかる「レギュレーションの意味」と「法とアーキテクチャ」

    『ジョーカー』の気になったところと日本から見た「アメリカの豊かさ」

    【00:57:44】

    山路:映画『ジョーカー』、弾さんが昨日メッセージ送って来て『ジョーカー』できれば見ておいてと。私も見ようと思ってたんで行ってきたんですけど。これ凄いですね。

    小飼:いちおうちょっと聞いてみましょうか。『ジョーカー』を見た、あるいは見る予定という方、ノシして、もし『ダークナイト』をまだ見てない人は『ジョーカー』見てからにしてください。

    山路:あ? そう?

    小飼:時系列的に。

    山路:ああ、なるほどね。

    小飼:はいはい。ちょっと『スター・ウォーズ』みたいになってますね。4、5、6のほうが1、2、3よりも先に出たという。

    山路:『バットマン』って何回かリブートとかしてたりするから、直接の話がピタッと繋がっているわけではないんだけど、話的には上手く、結果的に繋がってますよね。

    小飼:だけれども、まあ21世紀の『バットマン』に直接繋がるのはこっち。

    山路:いわゆる『ダークナイト』3部作というのかな。

    小飼:そうそう。20世紀のやつっていうのは、それに比べると本当に何と言えばいいのかな、おこちゃま向けコミック。

    山路:1作目とかジャック・ニコルソンとか出てますが。

    小飼:あのね、でもやっぱりジャック・ニコルソンの無駄遣いとまでは言わないけども。

    山路:確かにな。

    小飼:やっぱり、じゃあどっちが映画史に残るって言ったら21世紀版のほうですよね。

    山路:昨日改めて『ダークナイト』見直したんですけども。

    小飼:いや、でも見たくなるよね。でも『ジョーカー』を見た後、立て続けに『ダークナイト』見たらかなり辛くなるよね。

    山路:なんか思想的に汚染されしまう感じが相当、この『ジョーカー』ってけっこう、映画の『ジョーカー』アメリカでも非常にこう作品の評価とは別に映画館で厳戒態勢が敷かれたりとか、映画館自体が子供にはもう見せないで下さい、絶対に見せないで下さいと言っている。

    小飼:21世紀の3部作の、3作目の『ダークナイト・ライジング』の時に映画館での乱射事件があったじゃないですか。

    山路:はいはい。ただこれ自分が見て思ったんですけど、そうですね、じゃあ簡単にストーリー言っておいたほうがいいのかな。これ、本当にストーリー自体は非常にじつはシンプルなんですよね。

    小飼:うんというのか、もうネタバレというよりも。

    山路:予告編である意味、全部語られているといえば語られているんですよね。

    小飼:うんうん。

    山路:一番有名な悪役のジョーカーが、一体どういう生い立ちで、どんなふうにその悪のカリスマみたいになってしまったかっていう。

    小飼:そう、アーサー君が母ちゃんを介護して、心優しいピエロのアーサー君がいかにしてジョーカーになるのかというそういうお話ですけど。

    山路:本当にもう話としては、それだけとも言える話なんだけれども。

    山路:いちおうじゃあこのネタバレ中……R-15指定じゃないと確かになんか描けないというのは暴力シーンが酷いとかっていうことではないんですよね。

    小飼:ない。

    山路:暴力シーンの酷さ自体は他の映画のほうが、もっとアクション映画だったりとかそんなんのほうが遥かに酷かったりする。むしろそのそういう暴力のシーンはあるんだけど、決してそれがメインではないんだけど、思想的にヤバい感じになる、非常にこうジョーカーの一人称に観客もついなってしまうような、そういう映画の作り方をしてて。

    小飼:ただ凄い上手いなと思ったのは、僕の最初の感想というのは『ダークナイト』ほどじゃないよね。

    山路:そうですか。

    小飼:うん、だからホアキン・フェニックスのジョーカー素晴らしかったけれども、ホアキン・フェニックスが道化師で、師は師匠の師で、道化師だとしたら、ヒース・レジャーのジョーカーはもう道化神だなと。

    山路:アハハ。神のほうの。

    小飼:なんだけども、これ続き物として見た場合というのは、ジョーカーの強さっていうのは、凄いピッタリと来るんですよ。だから自然とアーサーだったジョーカーが完全体になった頃というのが『ダークナイト』の頃で、その前のお話だっていうのが。

    山路:ああ、なるほどね。

    小飼:まだ人間の面影がある人間といっちゃああれだけども、残ってた頃だったんですよ。だからそうやって考えると、ヒース・レジャー以上のジョーカーを演じちゃったらおかしいよね、順番逆だよね。

    山路:パワーダウンしちゃうことになっちゃうからっていう。うんうん。

    小飼:だからジョーカー耄碌したなっていうことになっちゃうので。シリーズとしてのバランス、これでよく取れたなっていう。

    山路:うんうん。このジョーカーの主張っていうのが、けっこうその単純な悪役のつけたセリフというよりも、刺さってくるセリフ、首尾一貫してるんですよね。『ジョーカー』で言って語っていることと『ダークナイト』で言っていることっていうのが、ちょうど。

    小飼:うん、首尾一貫してないところでも、首尾一貫してるよね。あくまで誰をどう弾くというのは、アトランダムなので。だから皆殺しする人ではないよね。

    山路:これやっぱり重要なセリフっていうのは『ダークナイト』に出て来る「The thing about chaos」なのかなと。
     なんかカオス、「社会をカオスにするのは何だと思う?」っていうそのジョーカーの問いかけというのが、その『ジョーカー』でも『ダークナイト』でもけっこうでかいテーマになっているのかなと。

    小飼:いや、だけれども主義主張はないわけです。

    山路:ジョーカーは。

    小飼:本人が。

    山路:それに共感したまわりが、寄ってくるっていう?

    小飼:そうそう。だから『ジョーカー』何が怖いかっていったら、本人以上に狂気が伝染するところが怖いんですよね。

    山路:映画のジョーカーってまさに今弾さんが言ったように、怖いなと思ったのが『ジョーカー』の映画って、今回の今上映中の映画って、かなり暗い話なんですけど、見た後になんかカタルシスがあるんですよね。そのカタルシスを感じる自分が怖いなみたいな、そういうところがありますよね。「狂気、何するかわからない的な」(コメント)そうなんですよね。これはちょっと見ておく、これたぶんアカデミー賞とりますよね。

    小飼:まぁとるだろうね。

    山路:少なくとも主演男優賞は確実だなと思うし、これアメリカとかで非常に劇場とか警戒していることに関して、どう思います?

    小飼:いちおう『ジョーカー』というのが『バッドマン』という話舞台というのは、ゴッサムというあくまでも架空の都市です。ニューヨークがモデルだとされているけれども、あくまで架空の都市なんですけれども、じゃあどの国にあるかっていったらこれは、あのねU.S.A.以外にはありえないというのがわかる映画でもありますよね。

    山路:USAとは言ってないんでしたっけ?

    小飼:ぜんぜん言ってないんだけども、これまさにネタバレのところでいうと、ジョーカーの最初の殺人というのが、何でなされるかっていうと、同僚が普通にくれた拳銃なんですね。
     普通に拳銃をくれるというね、それこそクシャミをしたらクリネックスを出すようなそういう気軽な感じで、拳銃をあげてしまうという、これは他の国ではちょっと成り立たないだろうという。
     最初の下馬評見た時には、これ誰でもプリキュアになれる感覚で、誰もがジョーカーに慣れるっていう映画って聞いて、そうか、観客にも狂気が伝染するタイプの映画かなと思って見たんですけども、まあそうでもないというのか、確かにジョーカーになり得るんだけども、ジョーカーにやっぱり成り切るためには、ホアキン・フェニックスくらいの才能がいるというのも、だから誰でもジョーカーになれるわけではないという、だからそこのバランスも凄い絶妙だなと。

    山路:ああ、なるほどね。闇雲に見た人がそういうテロを起こすっていうことではなくて、ちゃんと選ばれた人っていう。

    小飼:そう、テロリズムを喚起する映画ではないですよね。そこはルワンダのラジオ局とはちょっと違いますよね。

    山路:ちょっと1、2年前かな、流行った言葉でインセルってあるじゃないですか。

    小飼:はいはい。

    山路:Involuntary celibate、非自発的禁欲を強いられている人々みたいな、要は非モテって言っちゃっていいのかな。

    小飼:もうキモくて、金のないオッサンという。

    山路:そうそう、彼らが自分達のことをそういうふうに言って、ある意味そういう主義者だみたいなことを言って、銃乱射事件を起こしたりとか、そういうのが話題になってたけど、彼らとかなんかに凄い、彼らのツボにハマる映画かなと思っちゃったんですけど、そんなことないですか?

    小飼:うん、だからツボにうんとハマりすぎて、本当に現実を動かす、現実に本当に動かすピエロの仮面を被った人たちが、現実に乱射事件を起こすタイプの映画かと思ったけれども、その辺のバランスは絶妙だったなと。

    山路:ああそうか、インセルの人が見てもそこまではならないんじゃないか。

    小飼:だから実際のインセルの皆さんの、どれくらいがホアキン・フェニックスばりに。

    山路:演じられるのかっていうことですよね。

    小飼:そうそう、自分をジョーカーに仕立てあげられるのかっていうことですよ。だからやっぱり、お前もホアキン・フェニックスになれるかっていったら、ほとんどの人はなれない筈です。そもそもあそこまで身体を絞ってない、ほとんどの人は。

    山路:アハハ、なるほどね。

    小飼:ホアキン・フェニックスとあとデ・ニーロ。ロバート・デ・ニーロの、だからこの2人の演技だけでも、役者好きの人というのは。

    山路:うんうん。堪能できますよね。

    小飼:堪能できるんですけど、だからこそ気になったのが、原作の荒っぽいところがそのままだったところ。

    山路:荒っぽいというのはつまり、よく出来てないという意味の荒っぽいという。

    小飼:よく出来てない、そう雑なところ。現代日本語でいうと雑なところ。

    山路:どの辺がですか?

    小飼:何がが雑かと言ったら、バットマンの話を皆知ってるのであれば、じゃあなんでブルース・ウェインがバットマンになったのかっていったら、大金持ちの両親が。

    山路:殺されちゃって。

    小飼:そうそう殺されちゃって、しかも街の観劇の後に、劇場を出てきたところを刺されて殺されちゃって、全権株をまだ子供のうちに相続したからっていうことになっているんですけれども、超大金持ちですよ、ウェインは。その頃から超有名な執事であるアルフレッドがそばにいるわけですよ。なのになんで殺された時にはボディガードがいないの?

    山路:まあね。

    小飼:凄い雑なの、だから、あんなあっさり殺される訳ないんだがなと。
     それこそジョーカー、本物のジョーカーが爆発するくらいでないと、そう簡単に殺されねえんじゃねえと。でも実際にはその辺のモブに殺されている訳ですよね。

    山路:まあな、そこはまあ確かに仰る通りではあるんだが、そこんところにちょっと尺を割けなかったのかなと、事情のほうをなんとなく慮っちゃったりしましたけどね、私は。

    小飼:でもジョーカーに関して一番の注意喚起というのは、Batmanは出てきませんというのは。

    山路:ああバットマンね。

    小飼:はい、あるんですけども、ブルース・ウェインは出てくるんですよ。これもネタバレっちゃあネタバレか。

    山路:それは大丈夫じゃないかな。ブルース・ウェインはいちおう出てはきますよね。

    小飼:そう、じつは裏ではジョーカー誕生の物語ではあるんですけども、ブルース・ウェインがBatmanになるきっかけが、ちゃんと映像として出て来る物語でもある。

    山路:そういう『バットマン』シリーズとして見た場合でも、カチッとハマる押さえるべきポイントというのは、かなり押さえてて良かったなと思いますけどね。

    小飼:いや、だからアルフレッド。

    山路:あれアルフレッドなのかな、本当に。

    小飼:いちおうあちこち調べてると、あれがアルフレッドだったというふうに出てます。

    山路:じゃあそうなのか。

    小飼:あのショボいおっさんがアルフレッドなのかという、そこはなんか一番あれだよな。

    山路:納得いかんところはあるけどな。あとこの『ジョーカー』でやっぱりズキッと来たのが、ちょっと同じ階に住む可愛い。

    小飼:はいはい。

    山路:黒人女性いるじゃないですか。あの辺りの話とかっていうのは相当。

    小飼:それもある。たぶんね日本の視聴者のかなりの割合が、アーサー恵まれてるじゃんって思うよ。

    山路:思いますよね、その後の、ああこれはちょっとネタバレになるから言わんとこうかな。

    小飼:実際にアーサーの住まいというのは薄汚れてますし、そこに要介護の母親と一緒に住んでるんで、悲惨に見える一方で、たぶん日本の基準からいくと、そんな悪い部屋じゃないんじゃねっていうふうに言えると思うんで、少なくともレオパレスよりは立派な部屋ですよね。これが一番のネタバレだったりして(笑)。
     デジタルデバイス以前の時代ではあるんですけども、留守電もあったでしょう。

     
  • 小飼弾の論弾 #138 「環境問題を解決する、たったひとつの冴えたやりかた」

    2019-11-09 07:00
    550pt

     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
     無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします!

     今回は、2019年10月8日(火)配信その1をお届けします。

     次回は、2019年11月12日(火)20:00の配信です。

     お楽しみに!

    2019/10/08配信のハイライト(その1)

    • 増税でわかった日本人の消費離れ
    • 「人がダメだったので原発はオワコン」でも「エネルギー不足は心配してない」
    • 系外惑星のノーベル物理学賞受賞とノーベル賞しょっぱい話
    • 環境問題にまつわる「何もしないのが一番」と「死ぬのが一番」とは
    • Microsoftの新製品とコンピューターのI/Oについて

    増税でわかった日本人の消費離れ

    山路:今日はタイトルで謳ったように映画『ジョーカー』の話であるとか、MicrosoftのSurface攻めますねえという話であるとか、まああとは……。

    小飼:ついさっきノーベル物理学賞が発表されて。これが系外惑星。

    山路:へえ。あれって確か最初の系外惑星って、96年位でしたっけ? ケプラー望遠鏡で。

    小飼:en.wikipediaによると、92年みたいだけど、正式に確認されたというのは。今はもうゾロゾロ見つかってますよ。

    山路:凄い勢いで毎年100とか1000とかのオーダーでどんどん上がっていくみたいな感じですけど、前なんかでもコメントでも、暗いニュースが多いよねみたいなことを言われたから、ちょっとノーベル物理学賞みたいな楽しいニュースが入るのは嬉しいですね。

    小飼:とてもいいニュースだと思いますよ。人類滅亡しても、宇宙から知的生命体がなくなったとは限らないという。

    山路:それはこれから暗いニュースをやる気満々ですよね、明らかに(笑)。

    小飼:え? 暗くないじゃん。

    山路:いやいや、でもノーベル賞以外のニュースでけっこう暗いニュースが多いということでもありますよね。

    小飼:ノーベル賞のニュース以外に明るいの、あるかな?

    山路:取り上げる映画も『ジョーカー』だからな、よりによって。

    小飼:よりによってね。

    山路:でも『ジョーカー』は暗いですけど、それ以外に『HELLO WORLD(ハローワールド)』これなんかはけっこう明るい。
     どっちもよかったですよ。映画関係はネタバレがちょっと入ってくるんで、限定のほうでやる予定なんですけれども、ちょっと最初はやな、やなというかまあロクでもないニュースのほうから。

    「ハローワーク」(コメント)

    小飼:いいコメントだな。

    山路:まずは消費税ですよね。10月1日から消費税増税したという。なんか……。

    小飼:どうなるってさ、これ良くなりようがないよね。要はどれくらい悪くなるか、あるいはどれくらい悪くならずにすむかでしょう。

    山路:今回かなりまあポイント還元やらなんやらおためごかしと言われつつも色んな施策は取られてて。

    小飼:でももう流石に何と言えばいいのかな、対応しなきゃいけない方っていうのも、疲れちゃってるっていうのあるよね。

    山路:対応っていうのは、小売店だったりとか。

    小飼:そうそう。だから、今までまがりなりにも間に合わなかったというのはないし、わりと盛大な駆け込み需要というのが、今回はあんまり、全くないわけではないですよ。何か買わなきゃいけないという時に、ついでみたいな駆け込み需要というのは、あちこちで散見されるんですけども。あるって、増税あるってわかっているにも関わらず、予めこれを買っておこう、あれを買っておこうというのは、ないでしょう。

    山路:あえてポジティブにいうならば、PayPayとかそういうペイ、色んなペイが出てきて、還元とかがバンバンやりましたから。

    小飼:ああ、これはですね、YAPCのTシャツなんですよ。YAPCのサイトに飛びます。どうぞスキャナで見て下さい。僕のビットコインアドレスとかいうわけでは。

    山路:これは最新、今年のやつなんだ。

    小飼:これはそうですね、今年。

    山路:あー本当だ。

    小飼:失礼。

    山路:いやいや、そういうポイント還元が多いから、つまり消費税増税してからでも、ポイント還元のやつを狙って、極端な事前の駆け込みに走らなかったのかもしれないじゃないですか。希望的。

    小飼:でも本来であれば自動車ですとか、高額なものっていうのに特に駆け込み需要来たんですよ。ぜんぜんないじゃん。

    山路:まあそうですね。それはなんかぜんぜん聞かないですよね。

    小飼:不動産はちょっと別物なところがあるんだよね。まず土地にはかからない。

    山路:うんうん、うわもの。

    小飼:ちなみにですね、家賃は消費税かかりませんからね。

    山路:消費税上がって。

    小飼:そうそう、便乗して家賃上げるとかいうのは、それはガセなので、皆さんいちおう注意を喚起しておきます。

    山路:うんうん、「そもそもそんな金がないけん」(コメント)だけどこの前ユニクロに行ったら、PayPayの20%還元の日で、凄い賑わってましたね。

    小飼:ああそう。

    山路:本当に皆ものすごい勢いで買って、私もちょっと、もうちょっと先に買おうと思ってた衣類とかをまとめて買って、なんか1万円分くらい買うと、それで千円2千円のポイントが還元されるのが、けっこうそれなりにインパクトがあったりする話なんで、こういう施策とかやるとクリスマス商戦過ぎくらいまではなんとなく皆、誤魔化されちゃうんじゃないかなとも思ったりしたんですけどね。そんなにもたない?

    小飼:いやそんなにもたないじゃなくって、もう何と言えばいいのかな、買うのやめっちゃってるの。

    山路:ああ、消費者がものを買うことに。

    小飼:本当に日本人の消費離れという。

    山路:まあ何というか。

    小飼:しかもね、政府の、政府のですよ、景気動向でも悪化になりましたからね、この度。

    山路:なんかいろいろ言葉を誤魔化して言ってきた政府の景気のやつが悪化というのは、本当は凄え悪いんじゃねえかっていう気がしてきますけどもね。

    小飼:それに千葉が台風でズタズタなところへ持って来て、またでかいの来てるよね。なんかコースがクリソツな上に、威力もっとでかいんだよ。

    山路:なんかそれでまた週末みんな家にいて、結局消費がまた減るみたいな、あるいは被害が出たりして、大変なことになるんですよね。

    小飼:だから本当にどこまで酷くなるかだよね、これは。

    山路:これ「じゃあ消費税でなかったら財源どうすりゃいいんだ」みたいなコメントが出てますけども。

    小飼:いやまぁ一番簡単なのは、所得税、法人税の減税をやめる。じつはこれ裏でそういうのがあるわけですよ。見てご覧の通り、消費税で浮いた分というのは、全部法人所得税と個人所得税の減税に回しているんですよ。

    山路:じゃあ結局、社会保障……。

    小飼:だからすみません、僕みたいなのにはとても有り難い時代だったんですよね。

    山路:羨ましい(笑)

    小飼:はい。

    山路:あと「国債発行もある」ってコメントで「財政出動してよ」って。うーん、財政出動してよ。

    小飼:一番効果がありそうなのは、要は税金と名前がついてないけれども、実際は、実際に国に召し上げられるものとしては。

    山路:年金、保健とか。

    小飼:そう、保健と年金があるでしょう。あれってじつは青天井なの。だから、年収2千万の人も年収1億円の人も変わんないのよ、払う金額がね。

    山路:それをもっと取れって? 金持ちから。

    小飼:もっと取れというよりも、税金と1本化しちゃう。税金と1本化しちゃうと、少なくともフラットレートでも、少なくとも収入にプロポーショナルになるでしょう。

    山路:これってなんか野党とかでそういう主張ってもっとしたらいいのに、聞かないですよね、ぜんぜん。野党側のそういう税の一本化。

    小飼:そうなんだよね。

    山路:なぜなのかなと思って、野党はそれを言わない理由は何なんだろうと思うんですけどもね。

    小飼:いや、だからわかっている奴がいないのかなという。消費増税に関しては、旧民主党も1枚咬んでますからね。

    山路:そこのところから、やつから抜け出せないわけだ、なかなか。

    小飼:だから民主党が決めたわけじゃないです。そこはあれです。でも三党合意の時に、民主党も乗っちゃってたわけですから。

    山路:ああ責任は免れないというか。

    小飼:うんうん。

    山路:ああ「旧民主の人たち、政権取る気なさそう」(コメント)それは何となく感じますよね。そうか、じゃあ、ちょっとじゃあ。

    小飼:いや、だから本当政権を取る気があったら、まず野田を潰すでしょう。ツ・ブ・ス、でしょう。

    山路:潰す、また激しい言葉出ましたね。

    小飼:うんうん。

    山路:「三党合意する程度には無知」(コメント)「令和新選組に頑張って欲しい」(コメント)なんか令和、次はどう出るんですかね。野党とかの人間とかも引き抜いて、どんどん取り込もうとしてんじゃないかみたいな観測記事も出てましたけど。

    小飼:あるいは面白、でも令和で一番感心したのは、凄い面白い候補を引っ張ってくるなと。
     どっちかというと面白い候補引っ張ってくるにしても、NHKから国民を守る党よりも、はどっちかというともう明らかにダメダメになった議員というのをリサイクルしてますよね。

    山路:しかしN国も某(笑)ホリエモンさんなんかも、候補にみたいなことを言ってたりもしますけど、どうなんだろうな。

    小飼:要は比例代表で名義だけ貸して。

    山路:令和と同じやり方っていう、ある意味、令和に習ったようなやり方っていう。

    小飼:いや、それは違う。それは違う。同じ、本人は当選しなくてもいいからっていうのとは違って、ちゃんと候補者に個人名を載せて、だから当選した人が議員にならないという。だから堀江さんのやつというのは。

    山路:ああ、違うわけだ、スキームが。

    小飼:うん、だから令和の山本の場合というのは、ちゃんと名簿で後ろにした、自分を後ろにしたので、それはぜんぜん違うんですよ。

    「人がダメだったので原発はオワコン」でも「エネルギー不足は心配してない」

    山路:なるほどね、しかしそこんところ実際はどうなるのかっていうのはまだ、ぜんぜん確固としたニュースがその後出てないんで何とも、憶測では言えないんですけれどもね。じゃあ、ちょっとじゃあその金の話が出たついでに、あのタイトルにもなっている関電の話、先にやっちゃいましょうかね。
     なんか嫌な話チャッチャと片付けていきますかみたいな、凄いこのアナクロニズムな、これって。

    小飼:これってもう本当にステレオティピカルな贈収賄だよね。

    山路:これってもう、そういう事件として見ればいい話なんですかっていう。

    小飼:だからもう淡々と、検察が贈収賄事件として取り上げるか、それをしてくれないというのであれば、株主が株主代表訴訟をするか。

    山路:これ、株主とかも、株を持ち上がったりしたりすることが、そういう株主訴訟とかを行いにくいとかに繋がってたりするんですか。

    小飼:いや持ち上がるんじゃなくて、これ電力会社だから、電力会社の株って誰が一番持っているかっていったら、その地域の自治体だから。だから、この場合は具体的に大阪府であったり、市か、大阪市か。

    山路:そこが動かないのが問題なのかもしれないですよね、結局。

    小飼:でも動くと言ってるね、流石に。

    山路:ああそうですか、それはなんかポジティブなニュースですよね。

    小飼:でも、どの程度ちゃんと動くかだよ。

    山路:あとこれ不思議に思ったのが、金品を受け取って、それを返そうとしても、返させてくれなかったからみたいなことを言ってるじゃないですか。

    小飼:いや、だからそんなヘタレなやつが、なんであれなわけ?

    山路:社長とか出来るんだって。

    小飼:そうじゃなくて、居座ってるの?

    山路:ああ、はい。これって何で続けられるのかな? っていろいろ罪に問われることでもあるわけですよね。下手すると特別背任罪云々かんぬんとか。

    小飼:もう明らかな刑法犯だよね。監査役は何をしているのかっていう。

    山路:そうなんですよ、それにあと弁護士とかも、顧問弁護士とかもいる筈じゃないですか。こういう時にそのままにしておいたら、受け取ったらいいじゃないですかって言うのかっていう。

    小飼:いや、でも顧問弁護士がいる意味ってあれですよ。

    山路:誰なんですか? 顧問弁護士とかの。

    小飼:あのフロッピー偽造事件があったじゃないですか。

    山路:はいはい、あの村……女性の方がそういうふうに冤罪で捕まってみたいな話が。

    小飼:そうそう。その時のトップだったというね。

    山路:検事の。

    小飼:うん、検事正。

    山路:それがこの関電に関わっている。本当に凄いな。

    小飼:だからたぶん純技術的には、原子力発電所というのはちゃんと安全に運転できる筈なんですけれども、資格ないよ。
     だから、本当に日本人には100年早いっていうふうに言われちゃって、返す言葉がないですね。

    山路:なんかこれで完全に原発っていうのが、もうそのイメージとして、普通の人の持っているイメージとして。

    小飼:逆になんとしても原発を続けたいというふうに言ったら、粛清しないとダメだよね。
     でも原発に関しても、もう現政権やる気ないのかもしれないね。

    山路:そうなんですか?

    小飼:だって結局、輸出は全滅でしょう。

    山路:ああ、はいはい。

    小飼:1件も取れなかったわけじゃん。

    山路:なんかG2Gの取引でも。

    小飼:そう、受注したはずのところももう手を引いちゃって、全滅じゃん

    山路:へえ、じゃあもう暫くは化石、石炭石油のあとはLNGか、のほうなんかがまあ短期的には増えるみたいな。

    小飼:うん、原発はなぜオワコンになったかって言ったら、もう人がダメだったからだという結論になっちゃうので。

    山路:なんか勿体ないですよね。たとえばちょっと前なんかに、ビル・ゲイツとかも安全な原発とか作ろうとしてたじゃないですか。何でしたっけ、なんちゃらキャンドル方式みたいなそんなような名前つけてた。

    小飼:燃料をツッコミっぱなしにしておいて、動かしっぱなしにしておいて、要は炉の寿命までいじらない。

    山路:あれなんかは結局、その米中の関係が悪化して今事業、頓挫してるらしいですけどね。

    小飼:核融合、いつ出来るんだろうね。とりあえず今フランスで作っているITERが計画通りだと2026年に最初に点火だから、その後にさらにずっと時間がかかるはずで。そもそももう核融合炉って火がつくところまでは来てるんですよね。火がつくというのか、はい。要は核融合を起こすところまでは来ているんですけれども、でもそれだけではダメで、ちゃんと発電しないと、エネルギーを取り出せないとダメなわけですよね。その部分というのが、まるっと空いているわけですよ。

    山路:しかしこれ、弾さんも前言ってたけど、世界の人口って21世紀の半ば過ぎたらやっぱり減少に向かうんじゃないかと言われている。

    小飼:向かうはず、うんうん。

    山路:そうしたら核融合を使う程の、もしかしたらエネルギー需要いらないということにもなりかねなくないですか。

    小飼:それはイエスでもあり、ノーでもあり。

    山路:太陽光の発電の効率とか、そういうふうなところも。

    小飼:いや結局、太陽系というくらいなので、質量の99.8%が太陽にある以上は、太陽エネルギー以上に絶対量があるエネルギーというのは存在しないんですね。ボトムラインとして。

    山路:太陽系においては。

    小飼:だけれども、地球上でそれを利用する時というのは、そんなに強くはないわけですよね。

    山路:薄くなっているやつを苦労して、なんか上手く低いコストでゲットしなきゃいけないっていうことですよね。

    小飼:そうそう。なんだけれども、高密度のエネルギーというのは、やっぱり必要な分野とかっていうのはあるんですよね。

    山路:まあ製鉄とか? 製鉄とかあの辺のやつっていうのは、そういうのに入ってくるでしょうね。

    小飼:まあ確かに直接精錬が出来るようになりますよね。

    山路:ああ。

    小飼:もし核融合というよりも。

    山路:高密度のエネルギーをそのまま打ち込むことが出来たら。

    小飼:そうそう、打ち込むことが出来たら。だから、その辺の石からでも、いくらでも必要な元素を。

    山路:ああ、そういうレベルでの、製鉄というよりはそれのもっと上の。

    小飼:だから全部プラズマしちゃえば、あとは電磁的に分離できるわけですよ。

    山路:ああそうか、ぜんぜん新しい産業というか、ものの作り方が生まれる可能性はあるわけだ、核融合で。なるほどね。「錬金術だ」(コメント)。まぁそれはそういうことですね。

    小飼:まさしくそうなんですけれども、単純に核融合が出来ないと、人類がエネルギー危機に陥るんじゃないと言ったら、それはない。
     もう風力ともう太陽光で、間に合っちゃうというのがわかっちゃったから。

    山路:あとはその気になったら、アンモニアの低コスト製造みたいなことの研究とか進んでるから、それでエネルギー消費は数%下げたら、新エネルギー見つけたのと同じことになるんじゃないかみたいな。

    小飼:だからエネルギーが足りないというのは、もうぜんぜん心配してないよ。核融合があろうがなかろうが。

    山路:食糧危機も起こらなければ、エネルギー危機も起こらない。

    小飼:だから原発を動かそうが動かすまいが。足りなくなるというのは。

    山路:快適に暮らせるかどうかみたいな、気持ちよく、人の幸せ度が下がるかどうかの問題かもしれない。

    小飼:それすらあんまり変わんないかもね。日本の場合は。

    山路:ああ、そうですか。

    小飼:日本はお蔭で電気をいっぱい使う産業が、原子炉を止めたお蔭で停滞しちゃったじゃないかっていう意見もあって、それは事実でもあるんですけれども、でも原発が動いていようがなかろうが、日本の電気というのは高すぎて、一番電気を使いたい産業には使えないんですよね、原子炉があろうがなかろうが。

    山路:一番電気を使いたいっていうのは。

    小飼:たとえばアルミの精錬。だから、もしアルミの精錬を原発動かすことによって復活するというのであれば、それだったらそういうことを言ってもいいよ。

    山路:なるほどな。なんか新しい面白そうなことも起こらないのに、なんというか、ただ原発っていっても説得力がないよねっていう。

    小飼:説得力がなくなっちゃった。

    系外惑星のノーベル物理学賞受賞とノーベル賞しょっぱい話

    山路:じゃあ、ちょっと科学の話がせっかく出たところで、もうちょい明るい科学の話で、ノーベル物理学賞のほう、そろそろ行きますか。

    小飼:はいはい、行きましょう。

    山路:あれノーベル物理学賞、今日だったんですね。

    小飼:今日の日本時間だと18時頃かな。

    山路:そうか、だからチェック仕損ったわけだ。

    小飼:そうです、僕もここへ来る途中で。

    山路:系外惑星、しかもそれが物理学賞なんですね。これはつまり観測のための技術というか理論というか、に対して賞が与えられた。

    小飼:まあそういうことですよね。ノーベル賞というのは見えなかったことが見えるようになった、見えなかったものを見えるようにしたというものに対しては、凄い優先順位高いですよね。

    山路:ブラックホールの、あれ? ああそうか、ホーキング博士はまだ取ってないのか。

    小飼:いや、まぁ結局取れなかった。蒸発するブラックホールが見つかれば取ってた筈なんだけども。

    山路:うんうん。へえ、でもなんか系外惑星とかそういうふうなところで、あれこそまさに、すぐに直接役に立つわけではないけど、人間の知見を広めるみたいな意味で、まさに科学の楽しいところかもしれない。

    小飼:系外惑星に関してはもう、ずーっとないわけない、だったわけですよ。もうニュートンの頃から系外惑星がないわけないんじゃん、だった。もしあったとしたら、それが本当にあるっていうことをどうやって見つければいいかというところで止まってたんですけどね。

    山路:恒星を観測することですら大変だったわけだから。

    小飼:たとえばこの太陽系を、太陽系の外から見た場合というのは、太陽も何かにぶん回されているというのが、よく観察すればわかるんです。太陽系の中心というのは、太陽の中心よりもちょっとズレてるんですね。ちょうど太陽の表面よりちょっとズレたくらいに、そこを太陽、回っているように見えるんですよね。
     だから太陽を回しているのはなんなんだ、そう太陽系の質量というのは殆どというのは太陽にあるんですけども、角運動量に関してはそういう比率ではないんですね。惑星のほうが比較的持っている。だから木星、結論からいうと主に木星が太陽を振り回している。

    山路:じゃあ、その太陽を。

    小飼:そう、だから太陽の振り回されぶりを見ると、木星は見つけられるんです。木星自体を直接見えなくても。

    山路:へえ、でもそれ以降。

    小飼:その方法で最初は系外惑星がいることが間接的な観測で証明されました。

    山路:でもその後、地球型惑星なんかの、エクソプラネットなんかもどんどん見つかっていってますよね。それは木星的な太陽をぶん回すみたなやつでは解決できないですよね。

    小飼:たとえば別の見方でいくと、食、要は太陽の前を自分では光を出さない惑星だから、横切るとその分、暗くなりますよね。

    山路:昔だったら、その僅かな光量の差というかが観測出来なかったのが、やっぱり技術の進歩でそれが観測できるようになったという。

    小飼:そうですね、はい。

    山路:これってちょっと私、系外惑星のやつが賞を受賞したというニュース確認してなかったんですけど、受賞したのは最初のそういう木星型のでかい質量の惑星をみつける手法を発見した人なんですか?

    小飼:ですよね、これって。

    「木星や土星のお蔭で」(コメント)

    山路:じゃあなんか本当に系外惑星というのが、凄いコモンというか、当たり前のものになったというのは、この20年くらいのびっくりする変化ですけれどもね。

    小飼:まあびっくりというよりも、まずはおかしい、で、やっぱりあった、で、やっぱりもうゾロゾロあったと。そうそう、まっとうな恒星系であれば、惑星を従えているのが当たり前だろうと。実際当たり前でしたと。

    山路:そうかそうか、まだ知的生命体みたいなものは見つかってないですけど、この前地球に、太陽系に飛来してきた。

    小飼:だから地球っぽいやつもいっぱい。それはちょっと別ですね。

    山路:地球っぽいやつも、まぁスーパーアースとか、それこそ地球と同じサイズのやつとかも見つかってたりするので、なかなか凄い話ではありますよね。

    小飼:凄いというのか、普通そうだろう、というのが、やっぱりそれが普通でしたというのがわかった。

    山路:うんうん、「ノーベル物理学賞、宇宙の理解を前へ進めた」って「前進させた3氏に」ってうん。

    小飼:だから「まさか」でなくて「やはり」という意味で、でもわりと時間かかったよな、だって。

    山路:賞を貰うまでに?

    小飼:うん、マイヨールの観測、確か95年だよね、これ。わりと待ったほう。

    山路:もう20年以上、ぜんぜん経ってるんですね。

    小飼:でも今ノーベル賞ってそうだから。

    山路:もうつかえているくらいに。

    小飼:だからもうノーベル賞という賞自体がもう。

    山路:世の中こんなIT企業で、超お金持ちいっぱいいるんだから、そういう科学の賞とか増やしてもいいんじゃないかっていう気がするですけど。

    小飼:歴史があるっていうことと、受賞者がとても少ないという希少価値で、むしろ外で賞を作れば作るほど、ノーベル賞に箔がついちゃうというのはある程度、仕方のないことではある。

    山路:まあ確かに一線の科学者だったら金銭的にも困っているわけでもないから、それがインセンティブになるとは限らないだろうしな。

    小飼:金銭的にもショボいしね、今どき。しかもリーマンショックのお蔭で少し賞金減っちゃったしね。

    山路:なんかしょっぱい話が、ノーベル賞なのに。

    小飼:もうノーベルの頃には考えられない程、でかい実験装置とかも出来るようになっちゃいましたからね。だから、その場合というのは本当にはした金にすらならないわけですよね。

    山路:なんか1兆円かかるやつに、1億円とかの賞金貰ってもしょうがないですもんね。

    小飼:そういうことなんです。

    山路:なんか1日の電気代かよみたいな話ですもんね。本当に名誉の賞、まぁでもいいニュースではありますよね。じゃあちょっと科学絡みの。

    小飼:これで安心して人類滅亡できるな、みたいな。

     
  • 小飼弾の論弾 #137 「年金問題と、なぜ官公庁はブラック労働になるのか?」

    2019-11-02 07:00
    550pt

     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
     無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします!

     今回は、2019年9月3日(火)配信その2をお届けします。

     次回は、2019年11月12日(火)20:00の配信です。

     お楽しみに!

    2019/09/03配信のハイライト(その2)

    • 韓国の政治と「ロクでもないイギリス」のブレグジット
    • メディアラボ問題とキャンベル賞・ノーベル賞
    • アメリカや中国との比較で見る「年金問題」と「仕事を増やすのが役人の仕事」
    • 全国共通ポイントとよくわからない軽減税率
    • 終了後、雑談

    韓国の政治と「ロクでもないイギリス」のブレグジット

    山路:じゃあ引き続きどうぞよろしくお願い致します。 

    小飼:よろしくお願いします。

    山路:じゃあどうします? 韓国絡みの話の続きというか、まぁそういう「いらない」という、その週刊ポストの発言自体マズイにしても、今の韓国の在り方ってちょっと異常な感じはしますけどもね。

    小飼:ちょっとあれですね、北に対する。

    山路:親和性がハンパないっていうか。

    小飼:ちょっとびっくり。

    山路:前のめり過ぎやしませんか?

    小飼:前のめり過ぎというのか、いや、ただ今のムン大統領の立場だとこうなるのかなとは思います、というのも、まだ韓国が今ほど民主的でなくって、実質軍事政権だった頃というのは、北というのは普通に敵だったわけですよね。例え元同胞と言っても、敵だったわけですよね。
     今も韓半島の南北というのは、あくまで休戦しているだけであって、戦争状態なんですね。

    山路:そうですよね。まだ停戦とかしてないわけですもんね。しかしなんかそれにしても、極端にその北寄りを示した政権というのは、ちょっと今までにないんじゃないかなと。

    小飼:うん雪解けとかというレベルではなくって、いや、だから半島統一すれば、日本も凌駕するって、おいおい。

    山路:そんなに北側と上手くいっているというわけでもないのに、なんか韓国側がのめり込んでる。前のめりになっている感じがして。

    小飼:いや、いったん別れてしまった国がもう1度元の1つの国になるっていう例ではドイツがありますよね。東西に別れてたわけですけれども、でもあの時の東西ドイツというのは、まず国力差というのがずーっと少なかったですよね。

    山路:ああ、相当低いとはいえ、西に比べて低かったとはいえ、それでもって。

    小飼:人口で半分で、更に1人頭のGDPで大目に見て半分で、まぁ4分の1だったかな。

    山路:今の韓国と北朝鮮の差は、そんなものじゃないのという。

    小飼:50対1くらいの。

    山路:50対1(笑)。それは統一したら、韓国キツいことになるな。。

    小飼:いや、だからよく安い労働力がとかいうじゃないですか。いや安いだけですぐ労働力になると思っている人というのは、あまりに労働を知らなさ過ぎる。

    山路:教育コストもかかるのにと。

    小飼:中国だって凄い時間がかかっているわけですよ。だから改革開放って言い出してから、ちょうど日本ではバブルが崩壊した頃ですけれども。中国がここまで日本を抜くのにだって、改革開放って言い始めてから30年近くかかっているわけですよ。

    山路:しかも今の中国ってまだ安いけど、安いだけでもないですもんね。

    小飼:ドイツも東西が本当に統一されたっていうのには、やっぱり20年くらいかかっているわけですよね。

    山路:いやあそれ考えると1対50のところで。

    小飼:うん、だからそれだけの時間をどうやって捻出するんだろうかと。しかも隣が中国で。しかも海の向こうは日本で(笑)

    山路:アハハ、かなり四面楚歌というのか、なんか打つ手がどうなんでしょう、そんなにいい手とは思えないんですけどもね。北と親密になってるというのが。

    小飼:北が本当に、核ミサイルしか賭けるものがないんだよ。

    山路:資源があるという話もありますけどね。

    小飼:いやだって資源があったって、それを掘るためには資本も技術もいるわけですけども、それを置いといても。

    山路:いやいやどうなることやらっていうのが、韓国の場合って政権が変わるとまたコロッと方針というのが変わったりとかするから、よくわかないんですけどね。

    小飼:ちょっとあのガラガラドッシャーンというのは、世界的に見ても凄いものがある。

    山路:本当に勝算があって彼らはやっているのだろうかみたいなところは、なんか心配になってくるところはありますけどね。

    小飼:いや、だから他国の資源を加工して貿易するというのが、今の韓国のビジネスモデルですよね。

    山路:じゃあ国際絡みで、韓国とはまた別の国のところでも、ちょっと大きな問題になっているイギリスのほうでも、これもけっこうでかいかなというニュース、イギリスの今ジョンソン政権が議会を警戒して、言ってみたらブレグジットを無理矢理、合意なき離脱を、あんまり議論しないうちに進めようとしているというのは。

    小飼:これは確かにイギリスのParliament(議会)にとっては事件ですよね。

    小飼:議会ですね、はい。いちおうあれだね、イギリスの王室もキチッとお飾りになってたというのは、もうその……。

    山路:エリザベス女王が認めているという。

    小飼:そう、ブレグジットの要請をそのまま無批判に。無批判にというわけでもないかもしれないですけど。でもよく考えても見て下さい。まぁジョンソンが何をしたいかと言ったら、議会が休んでいる間にもう、ブレグジットを止めるには遅すぎるという状態にして、要するにだから無理矢理自己承諾に持っていこうということなんですけれども、よく考えてみて下さい。議会を止めているというのであれば、日本はもっと長いあいだ止めてるんですよ。

    山路:ああ(笑)

    小飼:はい、予算委員会止まって、あと何日経ってるのかな?
     与党が委員会止めて、だからどれくらいになるの? だからイギリスのことを笑う資格というのは全くないですよね、日本には。

    山路:ああそうか、やり方の目立つ具合が違うだけで(笑)やってることは別に同じだっていう。

    小飼:いや日本のほうが酷いですよ、それははっきり言って。しかも予算委員会なしで、税率って変えていいのか?

    山路:なんかそれができるんだったら、そもそも本来はこんなふうになってた筈じゃないんじゃないかと。

    小飼:そう非道理に慣れてきたと言ったらあれです、少なくとも日本は英米を笑える状況では全くないですよね。

    山路:今までにもブレグジットってこの論弾で何回か取り上げてきたじゃないですか。弾さんが言ったのが、言ってみたら再起動が、OSの再起動が上手くいかなくて、再起動したらまたこうブルースクリーンになってまた再起動しちゃって、みたいな延々と繰り返してるよなみたいなことを言ってて、これどうやったら止められるのかね? みたいなことを話してたじゃないですか。
     パソコンの場合、設定再起動しても止まんなくなったら、それこそ電源もうケーブル抜いちゃうとか、あるいはもう蓋開けて、それこそハードディスク入れ替えちゃうとか、そのOSの範囲内で、範疇とはもう違うレベルで修理しなきゃならなかったりもするわけじゃないですか。

    小飼:1番簡単なのは、かつてキチッと動いている状態のハードディスクのインスタンスがあったら、それを使ってあげることですよね。別の言い方をすると、なかったことにする。

    山路:しかしこれ、パソコンのハードディスクだったらそういきますけども、イギリスのそういう政治みたいなものっていうのは、そんなふうにいい感じでインスタンスってあるんでしょうか?

    小飼:たぶん1番優しいやり方というのは、ノーブレグジットにしちゃうことでしょうね。

    山路:要するにもう1回やり直すというか、その国民投票からやり直すみたいな。

    小飼:国民投票からやり直すでいいんじゃないでしょうかね。

    山路:これしかし国民投票……。

    小飼:だからハードでもやりたいと言っているので、でも本当どうなる……そう、じつはブレグジットを非常に難しくしている1番の理由というのは、UKにあって日本にないもの。陸の国境。

    山路:アイルランド。

    小飼:はい。

    山路:ああ。アイルランドが別の国っていうのが、痛いというか、厄介というか。

    小飼:いやアイルランドが別の国ではなくて、北アイルランドがあるということがですね。だから、もしアイルランド島が100パーセント、アイルランド国であったらブレグジットずっと楽なものになったでしょうね。

    山路:IRAとかの内戦とかって、凄い、あれ3、40年くらい続いたんでしたっけ? そういう……。

    小飼:もっと。

    山路:かなり長かったですよね。

    小飼:うん、かなり痛い歴史でしたよ。

    山路:終わんないんじゃないかみたいな感じのやつが延々と続いてて、それをまたやるのかみたいな話になって。

    小飼:で、あれですよ。欧州でも今では信じられないですけども、アイルランドというところはそう、1、2を争う貧乏国だったんですよね。ところがあれですよ。もう1人頭のGDPではイギリスを抜く所まで来たわけです。
     なんかダブリンってけっこう、金融のとこでも栄えていたような。

    小飼:はい。英語が通じて税金が安いっていうことで。

    山路:グローバル企業が本社置いたりみたいなあったりしますよね。

    小飼:そうです。

    山路:けっこう上手いことやる。

    小飼:はい、だから脱税スキームの片棒を担いでいるという意見もあるんですけど、でもそれはさておきEUのメンバーになったことで、1番利益を得ている国の1つなんですよね。アイルランドというのは。
     ブレグジットというのは、それをグチャグチャにする可能性を大いに秘めているわけじゃないですか。そういった国というのが陸を接しているというのは、これはかなり怖い状況ですよね。

    山路:これ、ジョンソンが言うみたいな合意なき離脱って、本当に可能なんですかね? っていう、やっちゃえばいいんじゃねえのみたいな感じでやっちゃっても、本当にそれでイギリスってまともな国でいられるかなみたいな。

    小飼:いや、待って、それイギリスってまともな国だったって言わんがばかり、まともな国だったことがあるの?
     アヘン戦争を起こした国よ。

    山路:だいたい今の世界史の酷いことの原因はイギリスだったりしますけどね。

    小飼:そうなんですよ。ただこれ、どういうふうに酷いかというのはあって、その意味では覇権国というのは、歴史のどれを見ても本当ロクでもないんですけども、でも面白い方向にロクでもない国ではありましたよね。次の覇権国の元にもなったということで、じつは覇権国が変わったのに言語が変わらなかったというのは、あんまりないんですよね。

    山路:なんかアメリカに変わっても、アメリカと仲いいからまだイギリスってこう存在感がそれなりにあるみたいなところもあるような気はしますけどね。

    小飼:まぁそうなんですよね。昔取った杵柄で食ってますというところは大いにありますよね。

    山路:ジョンソン政権の今だったら、弾さんの言うようにイギリスって何となくずーと衰退していく国になるのんですかね? みたいな、衰退していくんじゃないかっていうことは言ってましたよね。

    小飼:いや、というのか、ずっと衰退過程にあるじゃないですか。そもそも覇権国の地位を譲った時点で、衰退はずっと続いてはいるんですよ。

    山路:それにある意味とどめを差すみたいな。

    小飼:まぁでも衰退の仕方がなかなか面白かったわけですよね。だから軍事力と経済力で覇権を取られても、言葉が同じだったお蔭で文化的なおこぼれというのはかなり大きかったわけですよね。

    山路:ビートルズみたいなものとか、世界的な文化の発信地になったりとかしてましたよね。そういやARMとかDeepMindとかもイギリスの会社だったりしますよね。

    小飼:だけど普通の産業の足腰というのは、本当にヘロヘロになりましたよね。もうイギリスには自国の自動車会社っていうのがないんですよね。みんな海外の。

    山路:ASTON MARTINってイギリス、かつては。

    小飼:だから日独に占領された状態にあるんですね。ちょびっとFordがあるけれども。「ブレグジットしたら、うちも出ていく」ってHONDAが言って、出ていかないでっていうのが。

    メディアラボ問題とキャンベル賞・ノーベル賞

    山路:本当ちょっとイギリス、そろそろ本当に10月正念場来そうな感じがありますね。またこれもちょっとどうなることやら、論弾のほうでも取り上げたいと思いますが。じゃあもう1つ、ああそうだ、でかいニュースでやっておかないといけないな、アメリカの大富豪の話。これ何気にショックだったんですよね。

    小飼:何がショックだったかと言ったら、マービン・ミンスキーが。

    山路:人工知能の父と言われるんでしたっけ? 数学者で、コンピューターサイエンティストの。

    小飼:コンピューターサイエンスではかなりの大物ですね。故人ではあるんですけども。

    山路:でも最近ですよね。そういうアメリカの大富豪、これ名前なんていったっけ?

    小飼:エプスタイン。

    山路:エプスタインが、そういう人身売買というかそういうなんというか少女の人身売買的な行動に関わってたという。その被害者だったという女性が、マービン・ミンスキーと無理矢理セックスさせられたっていうようなことを訴えて。

    小飼:そうそう。

    山路:これがまだ本当かどうかっていうことはわからないみたいですけども、確定しているわけではないですけども、なんかただあまりにも有名な人だから、ショック、かなりのショックだなあというのがありまして。

    小飼:まぁでもそれを言ったらなぁ、マーティン・ルーサー・キング牧師もね。

    山路:品行方正とは言い難いみたいな(笑)

    小飼:うん。

    山路:これ、あとこの事件で話題になったのが、MITの研究所にもそのエプスタインが資金を提供してて。

    小飼:はいはい。

    山路:今のMITの。

    小飼:ジョーイ・イトウが。

    山路:メディアラボ研究所が、ジョーイさんが謝罪はしているんですけれども、そういう研究所の教授とかが抗議の辞職とかしたりして、凄いいろいろ問題になってるんですけど、ただ思うんですけども、何というんですか、篤志家というかそういう研究なんかに寄付してまわるような人とかの場合、そこまで金の出し手が犯罪に関わっているとか、そんなのってその場ではわかんないことっていっぱいあるじゃないですか。

    小飼:まぁでもわかった時にどうするのか。わかった時に、もう本当に是々非々、それはそれ、これはこれでいくのか、やはり犯罪者である以上は名誉も剥奪すべきなのかっていうのは、かなりケースバイケースなことになってますよね。
     人によってはたとえば、当時の道徳は今と違うのだし、今の倫理を当時に当てはめるっていうのは、それはやり過ぎなんじゃないかという意見もある一方、でもやっぱりダメなものはダメです、ダメなものはダメですの一例というのは、サイエンスフィクションにはキャンベル賞という有名な、たぶんヒューゴ、ネビュラの次くらいに有名な。

    山路:編集者の名前ですよね。キャンベルって。

    小飼:です、はい、名前変わることになりました。

    山路:キャンベルが人種差別的な発言というのを散々してきたからっていう。

    小飼:はいはい、女性差別、人種差別という。でも1番ショックだったのは『冷たい方程式』という有名な作品があるんですけども、『冷たい方程式』の結末というのはキャンベルがああさせたのだと。

    山路:へえ。

    小飼:それはけっこうショックだったな。

    山路:キャンベル賞って名前、何に変わるかまだ決まってない?

    小飼:まだ決まってない。でも少なくとも変わることは決まっている。

    山路:にしも、そうかけっこうそんなストーリーまで関わってたのか。

    小飼:また藤井先生呼んで、お話聴きたいところですよね。

    山路:へえ。でも本当そういうことを偉いさんでも身綺麗にしておかないと、後で名誉を剥奪されるっていうことがちゃんとそういうふうに実例として出てくると、まぁみんな。

    小飼:あとグッゲンハイムミュージアムに寄付してた富豪のあの一家がじつは、オピオイドで。

    山路:さんざん儲けた会社の、創業一族でしたっけ?

    小飼:はいはい。

    山路:しかも中毒性、依存症があるみたいなデータを隠してたとかそういうことでしたかね? なんか。

    小飼:そういうことですね。はい。

    山路:ものすごい、ものすごい確か罰金、食らってましたよね。何千億円とかそういう。

    小飼:でも本当、それを言い出すとノーベル賞とかどうよ。
     ノーベル賞ってさ、本当にあれだよね、ねえ、血まみれの金がタネ銭になってるじゃないですか。だから、もしキャンベル賞のキャンベルを取り上げるのであれば、ノーベル賞のノーベルも取り上げて然るべきということに……。

    山路:まぁノーベル自身はそれのある意味、懺悔みたいなところもあるんじゃないかというのはありますけどね、その賞自体が。

    小飼:1つやっぱり違うのは、死んでからなったからね。だから本人はこれ以上いいことは、とにかく悪いことは出来なくなってから出来たものであるっていうのは。

    山路:これ、エプスタインの事件に関して伊藤ジョーイさんに関しての支援の運動みたいなことも起こっているらしいですけどね。ジョーイに流石にそれは責任じゃないんじゃないかみたいな、そういう支援の動きも広がっているそうですけども、そこんとこで人望のあるなしっていうのは、けっこうでかいですねっていう。

    アメリカや中国との比較で見る「年金問題」と「仕事を増やすのが役人の仕事」

    山路:あとタイトルにもなってた年金の話ちょっと行きますかね。

    小飼:南方熊楠が(笑)。

    山路:アハハ、ネバネバした菌の話は楽しそうなんだけれども、まぁ嫌な話をせざるを得ないですよね、これって参院選の前にちゃんと出しておくべき話じゃないんですかっていう。

    小飼:いつもの手口じゃん。

    山路:これってもう参院選の時に散々、何で年金のこの報告のやつをやらねえんだ、やらねえんだっていうのを出さなかったですよね、本当に。これどうです? 今の20歳くらいが今と同じような年金の水準で貰おうとすると、68歳くらいまで就労しなきゃいけないというのは。

    小飼:いや、そんな甘いわけないじゃん。