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先日、 ロケで訪れた 世田谷にある 「大宅壮一文庫」。
皆さんご存知でしょうか? ご存知ない方のために
「大宅壮一文庫」について ご説明いたします。
「大宅壮一文庫」は、 日本で 初めての雑誌図書館です。
評論家・大宅壮一氏(1900-1970)の雑誌コレクションを
引き継いで、 明治時代以降130年余の雑誌を所蔵しています。
雑誌記事索引データベースを作成しており、 主な所蔵雑誌の
記事を検索することができます。
また、 雑誌原本の閲覧や複写もできます。
大宅壮一氏は 「本は読むものではなく、 引くものだよ」と
言っています。 評論活動のかたわら、 執筆のために資料収集と
整理に力を尽くした 大宅壮一氏らしい言葉です。
生前、 大宅壮一氏は ことあるごとに古本市や古書店に通い、
約20万冊の蔵書を 遺しました。 そのコレクションのほとんどは
雑誌で占められており、 自ら〝雑草文庫〟と称して 知人に
惜しみなく 解放していました。
大宅壮一氏没後の1971年、 大宅壮一文庫は マスコミはじめ
各界の援助により設立されました。 「蔵書は多くの人が共有して
利用できるものにしたい」 という 故人の遺志により、 雑誌図書館
として一般に開放され、 現在では年間約10万人の利用者を数え、
多くの皆さまに活用されています。
(引用 大宅壮一文庫HPより )
私のオフィス デヴィ スカルノも 大宅壮一文庫には、 大変
お世話になりました。 或る事件、 又は 或る人について書く時、
昔 こんなこと書かれていたけれど その事実を確かめるべき、
または A氏、B嬢について 書かれていたことを 確かめに、
思い出せない時は 大宅壮一文庫に スタッフは幾度も情報を
得るために 足を運んだものです。 また、 記事を書くのに
大宅壮一文庫は莫大な資料の宝庫です!!
私と 大宅壮一氏とは 大変な因縁があります。 それは
1967年2月のこと、 大宅壮一氏との インタビュー対談です。
私は その時 出産のため日本に 帰っておりました。
当時 私はバッシングの 真っ只中にあり、メディアの威力は大きく、
私を 抹殺せんばかりの 書きようでした。 当時 大宅壮一氏は
評論家として マスコミに 絶大なる力を 発揮していました。
しかし 残念ながら 反スカルノ派の影響下にあった大宅氏と
その一派である 藤原弘達氏、 梶山季之氏 他
新潮・文春は 私を叩きのまさんとばかりに、 ねつ造、中傷、
非難し続けてきました。
当時のインドネシアは 1965年9月30日/10月1日未明 に
起きた クーデター未遂事件以後、 120万人ともいわれる
スカルノ・フォローが 虐殺され インドネシア情勢は 混とんと
していました。 そして スカルノ大統領の日本亡命説が流れ、
私は 注目の的となっていました。 そこに 文芸春秋(月刊)の
堤堯氏のアレンジで 大宅壮一氏と 私の対談が行われました。
私の家に来る途中、 大宅氏は 車中、 腕まくりをして 「あの女、
やっつけてやる」と、 勢いづいていらしたそうです。 対談は
ケンカ腰、 大宅氏は ツバを飛ばして激昂していました。
私はお腹の子が 飛び出してしまうのではないかと、家人が心配
する程でした。 しかし 対談を終えて 帰りの車の中で 腕を組み、
「彼女のことを誤解していたようだ、 頭が良くていい女だ」と。
おかげさまで この対談が出版されて以降、私に対する世の中の
既成観念は一変 致しました。
その20数年後に 大学卒業後、 私の娘 カリナが大宅壮一氏の
お嬢様である 大宅映子氏の所で 働くことになったのも 不思議な
縁でございますね。
時代の流れと言いますか、 IT時代の世の中 紙媒体が 減退して
いく昨今、 雑誌社だけではなく 大宅壮一文庫にも その影響は
拡がっています。 また、 利用者の減少、 年間契約の法人会員の
減少、 国立国会図書館との競合も 経営状況を悪化させている
原因となっているといわれています。
私は、 このような施設を もっと大事にしていかなくてはいけない
のでないかと思います。 雑誌は 時に時代の証人となります。
実際、 全ての雑誌が保存され それがどんどん増えていく
ばかりなわけです。 土地は 昔 雑木林で大宅氏の所有
だったため、 建て増しは いくらでも可能なのです。
しかし、 古い雑誌、 これからの雑誌 全てをマイクロフィルムに
するシステムを作るには 35億円かかるそうです。
そこには 日本で始めて発行された 江戸時代の雑誌「西洋雑誌」、
明治時代の 「會館雑誌」など 大変貴重なものもあります。
ゴシップ記事など エリート達が読まないところに その時代の
世情の真実、 事実があるものだと思っています。
非公立の図書館として 公立の図書館に勝つというのは
難しいことですが、 「大宅壮一文庫」 を 後世に残していくために
何とかしなければなりません。
皆さん どうしたら良いと思われますか。
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では 皆さま 次号をお楽しみに。
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