Matériaux du steak Hamburger ハンバーグの中身
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Matériaux du steak Hamburger ハンバーグの中身

2017-09-30 22:57
    

    1.Un homme 男

    記憶というものは実に曖昧だ。

    其れとは逆に記録というものは確かなものである。

    記憶という不確かなものを記録している記憶修理人という不確かな存在と、記憶を消された男のお話。



    夜の闇が訪れる。

    暗い空に浮かぶものは何もない。

    寒々しい暗闇の中でぽつりぽつりと立っている街灯の柔らかい明かりだけが、まるで別の場所であるかのように温かく感じられる。

    こんなにも静かで残酷な夜は、男を絶望させる。


    男以外、誰も居ない(筈の)店からは、玉葱を刻んでいる音だけが響いている。

    ほんの数時間前まで、店内は客人で溢れ、騒がしい音が店中響いていたと言うのに、今は男の心音が聞こえてきそうなほどの静寂。

    男は、床に置いてある、白いシーツに包まれた<れ>に目線を落とす。

    は、薄暗い厨房の灯りに照らされて、シーツの上からでも<れ>の美しい曲線を妙に生々しく感じとることができた。


    「雨・・・?」

    店の外の窓を叩く音が少しずつ激しさを増していく。

    頬につたう雨。

    きっと玉葱のせいなのだろうと男は思った。


    白いシーツの中の<れ>は確かに、ほんの何時間か前までは、私と話をしていたのだ。

               

               -続くー



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