Matériaux du steak Hamburger ハンバーグの中身 ②
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Matériaux du steak Hamburger ハンバーグの中身 ②

2017-10-01 00:17

    2.invité 客人

    

    男は、二枚の皿の上に几帳面に並べられたハンバーグを眺めていた。
    誰に出すわけでもないし、男が食べるわけでもない。
    食べもしないものを作るなど、なんて無意味な事なんだろうと男は思ったが、彼女が
    存在するという事柄以外に、そもそも意味なんてあったのだろうか・・・とも思った。
    そして男はついさっきまでは居た筈の、彼女との会話を、思い出していた。
    つい数時間程前の会話だと言うのに、何故かとても懐かしく感じている。
    此処に彼女は居ないというのに、自分でも不思議な程、男の心は穏やかだった。
    彼女の望みを叶えてあげられたという達成感。
    しかし直ぐに、彼女が此処にはもう居ないということへの虚無感や絶望を感じるのだ。
    埋まったものと欠けたものとを足す引くしている間に、不意に店内の扉が開く音がする。
    扉に目をやると、其処には身なりのしっかりとした太った中年男と、身窄らしい痩せた若い青年が立っていた。
    二人とも雨に濡れていた。
    まったく対照的な男二人ではあるが、濡れれば皆同じ様なものだな・・・。
    男はタオルを二人に差し出す。
    「いらっしゃいませ。どうぞ、中でゆっくりしていってください」

                -続くー



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