藤原定家が京都・小倉山の山荘で選んだとされる小倉百人一首。
これまで多くの解釈がなされ、様々な解説が存在していましたが、
そのどれもが正解でないことが今回の『ドラゴゲリオンZ』で判明しました。
文字には収まりきらない雅のニュアンスが二人の画力によって
余すところなく表現されました。
真の訳を胸に刻みつつ、心ゆくまでお楽しみください。
■在原業平朝臣
ちはやぶる 神代もきかず 竜田川
からくれなゐに 水くくるとは
≪誤訳≫
川面に紅葉が流れていますが神代の時代にさえこんなことは聞いたことがありません。
竜田川一面に紅葉が散りしいて、流れる水を鮮やかな紅の色に染めあげるなどということは。
≪R藤本 新訳画≫
≪稲垣早希 新訳画≫
■紀友則
久方の 光のどけき 春の日に
しづ心なく 花の散るらむ
≪誤訳≫
こんなにも日の光が降りそそいでいるのどかな春の日であるというのに、
どうして落着いた心もなく、花は散っていくのだろうか。
≪R藤本 新訳画≫
≪稲垣早希 新訳画≫
■僧正遍昭
天つ風 雲のかよひ路 吹きとぢよ
乙女の姿 しばしとどめむ
≪誤訳≫
空吹く風よ、雲の中にあるという天に通じる道を吹いて閉じてくれないか。
天に帰っていく乙女たちの姿を、しばらくここに引き留めておきたいものだから。
≪R藤本 新訳画≫
≪稲垣早希 新訳画≫
■周防内侍
春の夜の 夢ばかりなる 手枕に
かひなく立たむ 名こそをしけれ
≪誤訳≫
春の夜のはかない夢のようにあなたの腕を枕にしたりして、
それでつまらない噂が立つことにでもなれば、それがまことに残念なのです。
≪R藤本 新訳画≫
≪稲垣早希 新訳画≫
それぞれの新説の詳細は『新生紀ドラゴゲリオンZ 第25話』にてお楽しみください。