• このエントリーをはてなブックマークに追加

  • 平本蓮、アメリカ武者修行生活を語る「次の試合はテイクダウンにいきますよ」

    2021-10-15 16:0113
    110pt
    1ddea2852c9ecb22fc200c6d839f7e1c7cefb1d1
    ウィスコンシン州ミルウォーキー「ルーファススポーツ」で修行中の平本蓮インタビュー!!(聞き手/ジャン斉藤)



    【1記事¥110から購入できるバックナンバー】

    【バッティング問題】平本蓮はなぜ皇治と魔裟斗が大嫌いなのか



    ――
    朝倉未来YouTubeのメンバーのひとりで、格闘家の佐々木大選手が平本選手に対戦要求したことが話題になってます。未来選手と出演したYouTubeでは「試合で勝ったら1000万円」という賞金もかけると。

    平本 こっち(アメリカ)は朝でいま起きたばっかりで、まだ見てないんですけど、なんかツイッターで騒ぎになってますね(笑)。知り合いから「こんなふうに言われてるよ」って LINEがあったすけど。内容はなんとなく想像できるなって。 

    ――
    平本選手はその動画がアップされる前に佐々木選手とツイッターで絡んでましたけど、平本選手としては試合はやる気はないという意味合いの投稿をされていて。

    平本
      まったくやる気はないです(笑)。

    ――
    1000万円もほしくはないと。

    平本
     ほしくないです。大金は大金ですけど、あれで試合を受ける奴っているんですかね(笑)。

    ――
    この試合を受けたくない一番の理由ってなんですか?

    平本
     いやあ、自分で言うのも変ですけど、こっちはマジメにMMAをやろうとしてるんですよね。アメリカに来て一日中格闘技のことを考えて練習してるんで。向こうは格闘技を真剣にやろうとしてないというか、自分の名前の前に朝倉未来で売れちゃったわけじゃないですか。変に名前がある、朝倉未来の取り巻きとして。それであんなにイキってるのはなんか気持ち悪いなーって。

    ――
    佐々木選手はキャリアが浅いので戦績的にやりやすくないですか?

    平本
     というか、まずこれって朝倉未来の挑発だと思うんですよ。

    ――挑発ですか。

    平本
     そうです。たぶん向こうはこっちがやるとは思ってないんじゃないですか。向こうも確実にやる気のない挑発ですよ。さすがにちょっとイラっときたので、いい挑発だなと思いましたけど(笑)。 うまく煽られましたね。

    ――
    平本選手からすれば、向こうは本当に戦うつもりはなく、単なる煽り行為じゃないかと。

    平本
      格闘家だったら朝倉未来のファンが一番多いじゃないですか。それをうまく使ったテロ行為ですよ(笑)。その構造を理解していれば、朝倉未来とSNS でバトルしていても楽しいんですよ。俺に何か文句を言ってくる奴がいても、それは格闘技好きだからっていうよりも、朝倉未来ファンだから攻撃してくるんだろうなって。そこは斎藤裕チャンピオンもハンパなかったと思うんすよね(笑)。

    ――斎藤チャンプの気持ちがわかるんですね(笑)。

    平本
     斎藤選手のほうがもっと攻撃されてるとは思うんですけどね。

    ――
    しかし、試合でもないのにこうやって話題になるのは平本選手らしいですね。

    平本
     「試合しろ」って言われ続けて、ボクも試合をしたいんですけどね。11月に沖縄大会があるという話は夏ぐらいに聞いていて、 そこに出るつもりでいたんですけど、シュウさんから「なくなった」と聞いて。 そうしたらまたやるんだって。

    ――
    コロナで状況が二転三転しましたからねぇ。

    平本
     なので、もうちょっと待ってくれっていうか、アメリカに来て本当に強くなってるので。もっと試合を積み重ねていけば強くなると思うんですけど、 とりあえずこの1年間はちょっと待ってくれよっていうか。修行期間だと思って楽しんでいただければいいかなって。『ドラゴンボール』で悟空が界王星を修行しているようなもんで(笑)。

    ――なるほど。界王星から現世まで帰ってくるのに時間がかかりますし(笑)。

    平本 大晦日で見せたいですよね、どれだけ生意気を言える実力があるのかってところ。なんかRIZINの大会が終わるたびに試合に出てないのにフォロワー数も増えるんですよね(笑)。

    ――
    ハハハハハハハ。

    平本
     RIZINと共にでかくなってるとこがあって(笑)。そういう意味でもRIZINには貢献しないといけないなって。

    ――
    戦いたい相手は弥益ドミネーター聡志選手なんですよね。

    平本
     ドミネーターとやりたいっすね。

    ――アメリカでお世話になっているルーファススポーツのデューク・ルーファス会長や、マネジメントのシュウ・ヒラタさんはキャリア差があるということで反対しそうですけど。

    平本
     どうなんですかね。 まだ対戦相手の話はしてないんですけど、やるんだったらちゃんとした総合の選手がいいのかなって思ってますね。そこはウソをつかずにやっていきたいなって。ちゃんと総合格闘家にリベンジをして、そこから総合格闘家としての道を切り開いていきたいなって思います。 キックボクサーとしてのプライドってまったくないので、総合格闘家として総合格闘技にリベンジしたいっていうのがあるっすね。

    ――
    最近のRIZINだと久保優太選手をはじめキックからの転向組が多いですけど、そういったカードはやりたくないんですか?

    平本
     そこは意味がないのかなと思ってて。ボクと久保優太が試合をしたらそれは面白いとは思うんですけど、いまやってももったいないのかなって思うんですよね。お互いにRIZINで2勝3勝して強くなった状態でバーンとやったほうがビックカードなのかなって。いま潰さなくてもいいカードなんじゃね?って向こうも同じように思ってるはずなんですよ。

    ――もっと輝けるカードになれるってことですね。

    平本
     そうです、そうです。いまやるんだったら「K-1ルールでやれよ」みたいな内容になっちゃうのかもしれないですね。

    ――
    そういえば皇治選手もMMAの練習風景をツイッターでアップしてましたけど。

    平本
     ……そうなんですか(笑)。でも皇治はもう時間がないから無理じゃないですか。いろいろと忙しそうじゃないですか、毎日。

    ――
    平本選手の場合はMMA 転向で、皇治選手がMMAをやるとなったら特別企画ということなんでしょうね。 

    平本
     “令和の格闘技”って感じですよね。エンターテイメント性があって現代の格闘技って感じで、皇治のMMA はちょっと見てみたいような気がしますけどね(笑)。

    ――
    平本選手にはあちこちから対戦要求の声があがっていて。レスリング五輪銀メダリストの太田忍選手からも。

    平本
     太田に関していえば、レスリングはめちゃくちゃ強いと思うんですよ。 太田忍クラスのタックルって見えないぐらい早いと思うんで。極める力や打撃、パウンドとかはそんなに威力はないのかなって思うんですけど、 寝かす部分では相当強いじゃないですか。その展開になったら強い選手だとは思うので、 大晦日にちゃんとした総合格闘技をやって、その次に太田とやるのは面白いのかなって。太田忍は世界レベルのレスラーで、ちゃんと強敵なので、そんな適当に扱いたくないなって思いますね。

    ――
    日本にはいつぐらいに帰ってくる予定なんですか。 

    平本
     本当は11月7日ぐらいに帰る予定だったんですけど。ボク的にはこっちでいいトレーニングができてるので、 ギリギリまでこっちにいようかなって。 年末の試合には会長が来てくれるんですよ。こっちは作戦が大事みたいなところがあるので、会長としては「早く相手を決めてくれ」っていう感じですね。

    ――
    ルーファススポーツのチームとして大晦日の試合に臨むってことですね。

    平本
     ボクも信頼しているというか。アメリカでも日本でも強くなる奴は強くなると思うんですけど、なんていうんですかね、トレーナーの凄さって選手の強さどこまで引き出せるかじゃないですか。 自分にムチを打つのは限界があるし、だったらムチを打ってくれるところに行ったほうが早いのかなって。 だから年末日本で試合をしたら、またこっちにも戻りたいなって。最初は時差ボケがめちゃくちゃキツくて、ずっと気持ち悪かったんですけど。そんな時差ボケの中、スパーとかにも参加してたから「……アメリカってこんなにレベルが高いんだ」ってテンション落ちたんですよ(苦笑)。

    ――ガハハハハハ!

    平本
     練習もキツすぎるみたいな。それでも頑張ろうって思ったんですけど、時差ボケが治った瞬間、全然普通で。次にアメリカに来るときは一週間休もうと思いましたね(笑)。練習内容はキツイはキツイんですけど、ここにいれば間違いなく強くなれるなっていう安心感。それがあるからこそ心地いいのかもしれないですね。 日本により充実してる感じがします、生活も練習も含めて。

    ――プロ連の参加メンバーってどれくらいいるんですか?

    平本
     日によりますけど、まだまだ多いんだろうなって思いますね。いつも20人弱くらい集まってますけど、他にもプロがたくさんいるんだろうなって。誰が誰だかわからないす(笑)。セルジオ(・ペティス)がちょうど時差ボケが治ったときぐらいに来てくれたんですよ。それでセルジオとMMAの打撃のスパーリングをしたら、ジムのみんなの反応が変わったというか。

    ――どういうことですか?

    平本
     ……これ、自分で言うのもなんかイヤなんですけど。UFCの(コーリー・)サンドヘイゲンがセルジオとスパーリングをやりに来てるんですけど、ジムの仲間に「キミはサンドヘイゲンよりセルジオといいスパーリングをできている」と言われて。

    ――
    そんなお褒めの言葉が!

    平本 その日からみんなボクに「打撃を教えてくれ」っていう感じで反応が変わって。「打撃のコーチをやらないのか」とも言われて。就労ビザを出してくれるんだったらいいのかなって(笑)。そこからセルジオも組みの練習をしてくれるようになって。 

    ――格闘技の世界はやっぱり腕が物を言うんですねぇ。だいぶ自信がついたんじゃないですか?

    平本
     だいぶつきましたね。まあセルジオはバンタム級なので……とはいっても、セルジオはめちゃくちゃデカイんですよ。ライトとフェザーどちらでも戦えますみたいなぐらい身体がデカくて。あんなゴリラ体型の人がバンタム級にいるんだってビックリでした。ボクもこの1年でだいぶデカくなりましたけど、もっと身体を大きくしなきゃって。

    e81f2a30ae1de1d8a9d79cc9c582d9e2655437de
    平本蓮ツイッターよりセルジオ・ペティスとのツーショット


    ――ベラトールバンタム級王者のセルジオは堀口恭司選手とのタイトルマッチが噂されてますね。

    平本 そうですね。それはこっち(アメリカ)でやるって感じなんですよね。

    ――
    日本の年末にやる動きもあったみたいですけど。

    平本
     ですよね。そういう話を若干聞いていたので、日本でやるとなったらチームのみんなも来日するので、ボクも助かるなあと思ってたんですけど。

    ――
    すっかりルーファススポーツの一員って感じですねぇ。

    平本蓮が語る「華とは何か?」 1万字インタビューは会員ページへ続く

    いま入会すれば読める10月更新記事

    マネジメント・シュウ・ヒラタが見たクレベル問題/朝倉未来はなぜ東三河弁を使ったのか/斎藤裕、「クレベル・コイケ戦消滅」「朝倉未来の挑発」を語る/“怪物くん”鈴木博昭インタビュー/瀧澤謙太「朝倉海くんには打撃で倒せるイメージしかない」……続々と更新!
     
  • “怪物くん”鈴木博昭インタビュー「そういえば俺はMMAをやりたかったんだよなあ……」

    2021-10-14 11:371
    110pt
    db14b73da197019924124b9c6019fa4b2d432134
    RIZIN LANDMARKのMMAデビューをKO勝ちで飾った“怪物くん”鈴木博昭インタビュー。ONE離脱後、怪物くんはなぜMMAにチャレンジしたのか(聞き手/松下ミワ)



    【1記事¥110から購入できるバックナンバー】

    ・井上尚弥、那須川天心の拳を守る「バンテージ職人」永末ニック貴之インタビュー




    ――
    RIZIN LANDMARKで行われた奥田啓介戦は、鈴木選手にとってじつに2年ぶりの試合だったんですね。

    鈴木 そう、2年ぶりですね。これまで、ずっと気持ちにフタをしていた部分があったんですけど、ようやくそれが開いた瞬間だったというか。ボクはベルウッドジムを経営している身なので、やっぱり所属選手たちに試合を提供することが最優先だったんですけど、ここでようやく戦いの場に戻れたので、フタをしていたものが一気に堰を切って流れ出たのかなという感じです。

    ――
    奥田選手との対戦はRIZIN.30のリング上で発表されましたが、あのときからエンジンかかってましたもんね。

    鈴木
     自分としては普通でいたつもりだったんですけど……、そこは漏れちゃってたのかもしれないですねえ。

    ――入場シーンも含めて本当に鬼気迫るものがありました(笑)。

    鈴木
     ハハハハハ! 「また、ここに戻ってこれた」というのもあるし、もともとMMAをやりたかったのもあるし。なおかつ、その舞台がRIZINで凄く反響をもらえていたという燃える要因がいっぱいあったのでね。「俺はこれをやりたくて生きてるんだ!」という思いが爆発しちゃったかもしれないですねえ(笑)。

    ――鈴木選手には、前にRIZIN東京ドーム大会のクレベル・コイケvs朝倉未来や、ホベルト・サトシ・ソウザvsトフィック・ムサエフについてインタビューさせていただきましたが、そのときは参謀として凄く緻密な作戦を授けていたにもかかわらず、自分の試合は「脳みその判断に従う」と言われていたのが非常に面白かったです。

    鈴木
     そうですよね(笑)。まあ、選手によって性格は違いますから。それに、「脳みそが判断する」というのは、「脳みそが瞬時に判断できるまで作戦を擦り込んでいる」ということでもあるんですよ。

    ――
    ああ、なるほど! 単純なインスピレーションというわけではないんですね。

    鈴木
     オートマチックに身体が動くまで意識して練習して、その結果、考えなくても身体が動くということですから。目新しいものって、意外と簡単には染み込むもんじゃないんですよね。同じ仕事でも、1週間目、1年目、10年目の人ではまったく違う仕事になるのと一緒で。だから、緻密な作戦という作戦は、あの試合の中にもいっぱいあるんです。

    ――
    それ、もう少し具体的に教えてもらえますか?

    鈴木
     まあ、奥田選手はレスラーということで、もちろん一番はシンプルにタックルへの警戒ですよね。だから、それに対する対策をしっかりと擦り込んで、そこからどう仕留めるかを逆算して考えたという。つまり、警戒、対策、フィニッシュを計算して一直線に結んだら、出来上がるのはあの試合なのかな、と。

    ――
    タックルを切る練習というのも、練習相手がサトシやクレベルですもんね。

    1804c0188eb37b46c0d24628bdef294a4fa67e5d

    鈴木
     一線級どころか、超級ですから(笑)。そこは、彼らが一流だから絡んでいるという意識はまったくなくて。ボクが普段から言ってるのは、「いまいる仲間たちとやっていく」ということなんでね。仲間が増えたり減ったりすることもありますけど、どんな状況であれ、その仲間と一緒にやるのがボクのポリシーだから。ただ、いま持っている手札がちょっと特別すぎたという(笑)。

    ――
    たしかに(笑)。試合展開としては、最初に奥田選手が詰めてきたとき、鈴木選手のヤバめのヒザが入ったシーンがありました。

    鈴木
     まあ、試合は全部が計算どおりにいくことはないんですけど、あれはタックルを想定しての動きでしたね。

    ――
    さらに、奥田選手をコーナーに追い詰めて打撃でたたみ掛けるシーンがありましたが、あそこもパンチとヒザとの絶妙なコンビネーションでしたよね。

    鈴木 あれこそ、「脳みそが判断」した結果です。だから、一番マズい展開というのは、やっぱりテイクダウンで。しかも、想定と違ったテイクダウンの取られ方をしたり、ボクのディフェンス力と奥田選手のテイクダウン能力に差があるとどうなるかな? と。まあ、そうなったときのことも考えて練習はしていたんですけど。

    ――
    となると、想定していた中でタックルは対処できたということですね。

    鈴木
     ただ、ボクはぜひ言いたいと思っていたことが一つあって。最初に対戦相手がプロレスラーと言われたときに「どんな選手かわからないなあ」と思っていたんですけど、フタを開けてみたら奥田選手は完全な総合格闘家だったな、と。結果だけを見ると、すぐに試合を終わらせたように見えますけど、ボクは奥田選手は強かったと思っています。「プロレスラーだから」というのでイメージを持つ人もおったんですけど、そこは声を大にして言いたい。あんまりナメたらあかんぞ、と。

    ――
    試合前後のパフォーマンスに惑わされがちですが、奥田選手もちゃんと準備をしてきていた。

    鈴木
     タックル、打撃のフェイント、目線、身体の動き……。だから、最初はもっとムチャクチャに「オラァ~~~」と向かってくるかなとも思っていたんですけど、確実にボクに勝つためのことをやってきてるなと感じました。だから「試合時間が短いから奥田選手は弱い」とか、そんなんではないという。「なんか思ったり手応えなかったわ」という感覚は全然ないし。ただ、ボクの攻撃が強かったから終わったんじゃないの? と(笑)。

    ――
    ハハハハハ! さすがです(笑)。というか、単純にMMAルールはどうでした?

    鈴木
     やっぱりね、MMAは充実感が抜群にありますねえ。

    ――
    おお! それって、キックルールとは何が違ったんでしょう?

    鈴木
     やってはいけないことが少ない、そこですよね。もちろんルールはあるんですけど、ボクのRIZINルールに対する見解としては、脊髄攻撃、目つぶし、金的が反則で、それ以外なら何やってもいいんでしょ? と。だから、いろんな展開が生まれるんですよ。ストライキング、テイクダウン、寝技というのがセオリーだと思うんですけど、ボクの中では「反則しなけりゃ何やってもいい」という。……言い方は悪いですけどね(苦笑)。

    ――
    つまり、鈴木選手の狂気性がより発動されやすいルールなんですかね。

    鈴木
     もちろんボク自身への危険もあるし、大ケガをする可能性もありますけど。でも、グラウンドのヒジ、ヒザ、サッカーボールキック、なんでもOKと言われたら、「え! なんでもやっていいの!」と(笑)。

    023141aae733d82babbedfebc76c5127accc9fdf

    ――そこで燃えられるというのは、もうMMA脳です! ちなみに、試合後インタビューで「パウンドは人生初めてですよね?」と言われたときに、「いや、初めてでは……」というやりとりがありましたが……。

    鈴木
     フフフフ……、そこはあんまりツッコまんといてください(笑)。

    ――
    つまり、鈴木選手にも路上の伝説があるということなんでしょうか(笑)。

    鈴木
     いやいやいや、路上の伝説というほどでもないですけど……まあ、路上の伝説にもいろいろあるじゃないですか。ボクはべつにヤンキーでもないし、めちゃくちゃ喧嘩をしていたとかそういうのではないんでね。ただ、そこで注目されるような状態をつくりたくなかったから、これまであんまり言ってこなかったですけど……まあ、いろいろありますわな(笑)。

    ――
    ハハハハハ! あと、凄くいい勝ち方して最後のマイクも「また会おう! フハハハハハ!」と怪物くんっぽく締めたのに、「……では、お話をうかがいましょう!」と非常に間の悪い実況席インタビューが始まるシーンもあって(笑)。

    鈴木
     いやあ、完全にボクをコントにしてくれましたよねえ。「まだあんのかーい!」と(苦笑)。でも、ボクは逆に「そういうオチをつくってくれてありがとう!」と言いたいです。なんか急に笑いが起きたような、なんなら座っていたお客さんがズッコケるレベルでしたから。

    ――
    それも含めて、今回はいいMMAデビュー戦だったんですかね。

    鈴木
     いや、本当にいい時間でしたよ!

    ――
    それにしても、今回のRIZIN参戦はいつぐらいにお話が来ていたんですか?

    鈴木
     ええっと、いつなんだろう? まあ、ボクはもちろんずっとONEとの契約があって、ONEでチャンピオンになることを目標にやってた人間なんでね。ただ、どうしてもコロナの状況で海外に……行ったとしても「隔離でまた待つのか」とかそういう感じだったんで。それで悩んでいるときに、クレベルたちの東京ドームでの試合があって。やっぱりあれで鳥肌が立つようなものを感じたし、「いいなあ。そういえば俺はMMAをやりたかったんだよなあ」と。

    ――触発されたわけですね。

    鈴木
     そんなときに、朝倉兄弟のマネジャーの宮島(翔)くんが……まあ、もともと宮島くんとは前にそんな話をしていたことがあったんですよ。ボクがONEに出始める前、ちょうど朝倉くんたちがRIZINに出始める頃に、「鈴木さん、RIZINで一緒にやりましょうよ」と。

    ――
    朝倉兄弟がRIZINに出始めた頃というと3~4年前ですよね。

    鈴木
     あれは2018年の頃ですかね。でも、いろいろあってボクはもう世界で勝負かけようと思ってたし、「退路なんかねえんだよ」ということで、英語が飛び交うような周りに誰も知り合いがいない状況で実力だけでのし上がっていくのに魅力を感じていて。だから、今回はそれが巡り巡っていろんな状況がリンクしたという状態なんですけども。それもあって、彼にマネジメントを任せてRIZINに上がったということなんです。

    ――
    宮島さんは朝倉兄弟のマネジャーだから、クレベルや(アラン・ヒロ・)ハマニハと練習している鈴木選手がマネジメントを任せるというのは不思議な部分でもあったんですけど、じつは以前からそういうつながりがあったわけなんですね。

    鈴木
     宮島くんとは、クレベルやサトシたちとの前に関係性があったから。まあ、彼らとは独立する前のジムでもつながりはあったんですけど、当時はコーチという立場でもなかったし。だから「なんでボンサイ側の人間が、朝倉兄弟のマネジャーと契約するの?」とよく言われるんですけど、個人的なつながりの中でのことですね。まあ、地元が一緒なのもありますし。

    ――
    ……ええっと、そこは蒸し返すようで申し訳ないんですけど、宮島さんもかなり昔は“やんちゃ”だったという話で。つまり、そういう中でのつながりだったんでしょう?(笑)。

    鈴木
     ああ、彼は昔そういう感じでしたけど、そのつながりではないですね。ボクがいた格闘技ジムに彼が来て、というつながりです。それに、やんちゃのジャンルでいうと、宮島くんとボクはちょっと違いますから。

    ――
    いや、“やんちゃ”にジャンルがあるとは初めて知りました(笑)。でも、ONEで試合ができなかったのは、やはりコロナの影響が大きかった、と。

    鈴木
     コロナで難しくなったのと……、と言っても、ボクはオファーはもらっていたんですよ。言っちゃえば2020年は試合のオファーは4回はもらってますから。

    ――え! そうだったんですか?

    鈴木
     なので、「ONEが鈴木博昭を飼い殺しにした」というのは違っていて。ボクはONEに対してイヤな思いは一切なくて、感謝しかないんですよ。2020年は、まず3月にオファーもらったんですけど、そのときはジムの子たちの試合が9週連続であって。

    ――9週連続! それは長としては自分の試合はできないですね……。<1万字インタビューはまだまだ続く>


    いま入会すれば読める10月更新記事

    マネジメント・シュウ・ヒラタが見たクレベル問題/朝倉未来はなぜ東三河弁を使ったのか/斎藤裕、「クレベル・コイケ戦消滅」「朝倉未来の挑発」を語る/瀧澤謙太「朝倉海くんには打撃で倒せるイメージしかない」……続々と更新!
     
  • 女子プロレス団体の再始動と人種差別発言

    2021-10-14 11:131
    110pt
    アメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマは「女子プロレス団体の再始動と人種差別発言」です!


    <1記事から買えるバックナンバー>

    【1・4事変】小川直也は“真相”を明かしたのか
     


    夫CMパンクの復帰に続いて、妻であるAJリーもプロレス界に復帰する。WWEの女子王座を三度獲得したAJは、2015年に首の怪我もあってプロレスを引退。その後、夫と同様、プロレス界からは距離を置いていた。

    公開記者会見で久々に公の場に姿を現したAJ。人気選手だった彼女の突然の復帰を喜ぶ声がSNSで多く上がる中、その場に同席した1人の女性を、キャンセル・カルチャーの嵐が襲う。


    AJリーの復帰の舞台となったのは、女子プロレス団体のWOW(Women Of Wrestling)だ。米プロバスケットボールNBAの人気チーム、ロサンゼルス・レイカーズを所有する女性実業家ジーニー・バスがオーナーを務めているプロレス団体である。

    そのWOWは10月7日、米国4大放送ネットワークの一つCBS局を傘下に持つ巨大メディアコングロマリット、バイアコムCBSとテレビ番組製作放送の複数年契約を結ぶ記者会見を開いた。その席上で、来年2022年秋から始まる女子プロレス番組のコメンテーター、ならびにエグゼクティブ・プロデューサーとして、AJリー改め、AJメンデスが就任したことを発表した。

    プロレスラーとしてではなく、裏方としての復帰となり、番組制作の主要部門をオーナーのバス氏らと共に携わっていくことになる。

    日本と違い、女子専門団体がほとんどないアメリカにあって、WOWは女子団体として、その草分けとも言える存在である。

    アメリカにおける女子団体は、1986年にデビッド・マクレーンが創設したアメリカ初の女子団体GLOWから始まる。GLOWは、近年Netflixでも放送され、人気があった連続ドラマ「GLOW:ゴージャス・レディ・オブ・レスリング」の元ネタとなった団体である。テレビ放送もあり、カルト的な人気を博していた。

    2000年にデビッド・マクレーンは、ジーニー・バスと共にWOWを設立する。ローカル局の深夜帯での放送ながら、テレビ番組としては人気があり、特にニューヨークやロサンゼルスなどの都市部での男性視聴者の視聴率が高かったそうだ。その後、紆余曲折を経て、テレビ放送の契約が終わり、インターネットの配信を試みる。2019年秋からはケーブル局AXSでのテレビ放送も始まったが、コロナウイルス禍の昨年、AXSとの契約も切れ、活動休止となっていた。

    ロサンゼルス・レイカーズのオーナーでもあるやり手のジーニー・バスが単独オーナーとなり、心機一転、再浮上を狙うWOWは、バイアコムCBSとの契約を締結するに至り、今回のAJ復活を企てた。<会員ページへ続く>