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記事 25件
  • 新日本プロレスの上場とカミングアウト問題■「プロレス 点と線」

    2016-02-15 13:21  
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    事情通Zがプロレス業界のあらゆる情報を線に繋げて立体的に見せるコーナー「プロレス 点と線」。今回はのテーマは、ここ最近のプロレス格闘技あれこれです。――すでに報道されていますが、フリーエージェント宣言していた元UFCライト級チャンピオンのベン・ヘンダーソンがベラトールとの契約に合意しました。
    事情通Z あらまー。RIZINはダメだったんだね。
    ――名古屋は昔から競合1位で獲得した選手の育成は苦手だから、これでいいんですよ。
    Z 誰も中日ドラゴンズの話なんかしてないだろ。それに堂上直倫も高橋周平もこれからじゃないか。
    ――韓国のMMAイベントROAD FCは20万ドルでベンヘンの獲得を表明してましたが、ベラトールは22万5000ドルから30万ドルを提示したと囁かれています。金額もさることながら試合が全米地上波放送される影響力を考慮してるでしょうね。RIZINはそんな金額の時点でとても手が出せないですけど……。
    Z 凄く難しい判断だよね。格闘技が疎い俺でもベンヘンの名前くらいは聞いたことあるんですよ(笑)。UFCの元チャンピオンが来れば「お、ホンモノがくるのかな」っていう興味も沸いてくるんだけど、じゃあ20万ドル30万ドル払わないといけないのはね……。この記事の続きと、中村祥之、中井りん、光GENJI山本淳一、北岡悟、追悼ケビン・ランデルマン、大沢ケンジ×礒野元などが読めるお得な詰め合わせセットはコチラ 
  • ケビン・ランデルマンが生き抜いた時代■ジャン斉藤のMahjong Martial Artas

    2016-02-15 10:00  
    34pt
     宿泊先のホテルから試合会場へ移動するために、付近を走るタクシーを見つけ出し、猛ダッシュして確保する。ホテルのロビーからゆっくりと姿を現した藤原喜明を誘導しながら、自らもタクシーに乗り込む。ベテランと新人レスラーの巡業中のありふれた風景に、何か違和感があるとすれば、グリーンボーイにしては筋骨隆々すぎる肉体、髪の色は付き人には不相応な金髪。巡業中の集団の中で誰よりも強そうな風貌である。
    「センセー・フジワラは強い。そしてハードボイルドだ」
    そうニヤリと笑った彼は、ミルコ・クロコップを絶望の淵に突き落として、エメリヤーエンコ・ヒョードルを脳天からマットに叩きつけた元UFCヘビー級チャンピオンだった。かつてオクタゴンの頂点に立った男が、日本のサブミッションマスターから格闘技と人生の教えを請う。プロレスと格闘技がまだらに絡み合っていた時代だった。
    2016年2月12日、UFCやPRIDEで活躍したケビン・ランデルマンが心不全で亡くなった。44歳の早すぎる死だった。1996年にMMAデビューをはたしたランデルマンは、1999年にUFCヘビー級王座につく。日本デビュー戦はPRIDEのリングで相手は元・新日本プロレスの小原道由、2戦目は元UWFインターナショナルの山本喧一、3戦目のムリーロ・ニンジャを下して3連勝。
     しかし、PRIDEミドル級王者ヴァンダレイ・シウバへの挑戦者決定戦と位置づけられたランペイジ・ジャクソン戦では敗れてしまい、続いて桜庭和志から腕十字で一本を奪われると、ミドル級タイトル戦線から脱落していく。
     そうして迎えた2004年のPRIDEヘビー級GP開幕戦――PRIDEの頂きとヒョードルの首を狙ったミルコ・クロコップの最初の獲物として、そのランデルマンが選ばれた。同じハンマーハウス所属のマーク・コールマンは、優勝候補の大本命ヒョードルの対戦相手。コールマンとランデルマンはチーム同士揃って噛ませ犬の扱いだった。この記事の続きと、中村祥之、中井りん、光GENJI山本淳一、北岡悟、追悼ケビン・ランデルマン、大沢ケンジ×礒野元などが読めるお得な詰め合わせセットはコチラ 
  • 【フリー記事】元・光GENJI山本淳一、プロレスデビューを語る「昔、山本小鉄さんに指導を……」

    2016-02-13 20:19  
    伝説のアイドルグループ光GENJIのメンバーだった山本淳一がまさかプロレスデビュー! 2月14日「シアタープロレス花鳥風月」で初リングを踏むことになった(詳細はコチラ→http://tprowrestling.com/?page_id=2352)。デビュー戦を目前に控え、「花鳥風月」のメンバーである勝村周一朗らの指導を受けている山本淳一。勝村とともに意気込みを聞いた。
    【Dropkickベストインタビューセレクション】・木村浩一郎 90年代・灰色の狂気――「FMWとリングスで俺はこの業界をナメてしまったんですよ」 http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar569058・塩崎啓二 元レフェリーの衝撃告白「私はPRIDEで不正行為を指示されました……」http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar503790
    ・矢
  • 【桜庭vs秋山、Dynamite!! USAの舞台裏】大沢ケンジ×礒野元「格闘技とルール」

    2016-02-12 12:48  
    110pt
    和術慧舟會HEARTS大沢ケンジ師匠の格闘技談義! 今回はHERO'Sでルールディレクターを務めた礒野元氏をゲストに迎えて、ジャッジ、レフェリング、競技のあり方について18000字でお送りいたします! ・関連記事【特別企画】語ろう青春の和術慧舟會!〜ゼロゼロ年代格闘技界の裏側〜http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar868804■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! par24は大好評インタビュー12本、コラム11本、13万字で540円!!(税込み)  試し読みも可能です!http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar960181◉負けたら即引退試合SP、過激な舞台裏――!!
    中村祥之「新日本プロレスはあのとき橋本真也がいらなかったんです」
    90年代・新日本のエースだった男はどうして追いつめられていったのか? 禁断の小川直也戦の伏線はここにあった!
    ◉男たちのプロレス屋形船! 友情とカネが砕け散ったWJ
    髙田龍インタビュー
    WJの立ち上げに関わった男が語るマグマ団体と長州力
    「あのふたりはもう酒を飲めない関係になってしまったんですよ……」
    ◉「MMA?絶対に無理!!」未来へ飛んだRENA――!!
    シュートボクシング広報が語る大晦日出撃までの道のり!
    ◉恐怖のT寮長に震えろ! UWFインターナショナル地獄の寮生活■金原弘光のゼロゼロ年代クロニクル⑥
    ◉RIZINに燃えた川尻達也、興奮のあまりUFC緊急出撃! 
    故郷に想いを馳せる新年インタビュー
    ◉さらなる飛躍へ――堀口恭司、アメリカン・トップチームに移籍!! 師匠 KIDの男気も炸裂!
    ◉大沢ケンジ師匠の格闘談義は大晦日RIZIN! 「ロシアで最強幻想を取り戻せ!」
    ◉小佐野景浩のプロレス歴史発見、今回のテーマは秋山準!
    「全日本プロレスを二度は裏切れない……」大森隆男の取締役就任はジャイアント馬場が描いた未来予想図だった!?
    ◉好評連載!事情通Zの「プロレス 点と線」
    ・本当に怖いWWE――中邑真輔、電撃獲得か
    ・何をやってもズンドコだと思われるIGF大晦日
    ・【RIZIN来襲か】ヴァンダレイ・シウバの行方
    ・世IV虎、復帰の波紋
    ◉Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム「MMA Unleashed」
    ・米MMA記者が語るRIZIN観戦記:J-MMAの未来は見えたのか
    ・2015~2016年 UFCタイトル戦線総まくり!
    ・今が旬!萌えるジャパニーズ・ディーバASUKA、WWEで大ブレイク中!
    ・ユニフォーム違反選手続出、遅れるカード発表
    ・MMAは本当にクリーンになったのか/UFCでも相次ぐタレントによる不可解な謝罪
    ◉日本格闘技界の礎を築いたレジェンド中井祐樹先生が日常を綴る連載! 
    「東奔西走日記」
    ・12月15日〜31日編
    ・1月1日〜14日編
    ◉暗黒時代から新日本プロレスを見続ける二階堂綾乃がお送りするイラストコラム「オールラウンダーAYANO」
    ・アメリカでも中邑真輔のクネクネは浸透してる!?
    ・体育の授業にコンディショニングを!
    ◉格闘技ブログ「MMA THE ORANGE」の管理人がお届けする「MMAオレンジ色の手帖」! 
    ・プロフェッショナル 速報の流儀
    ・格闘技ド素人の母親と格闘技マニアの祖母が見たRIZINhttp://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar960181
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    ――今回の大沢さんのインタビュー企画には、GCMのMMAイベントやHERO'Sでルールディレクターをされていた礒野さんにゲストとしてお越しいただきました。よろしくお願いします!
    礒野 どうも、よろしくお願いします。
    ――大沢さんに格闘技のお話を聞くと、けっこうな頻度で礒野さんの名前が出てくるんです。いまの日本格闘技界で競技統括やルールの認識に関して礒野さんの右に出る者はいないと言われる“法の番人”というか。
    礒野 ボクがルール至上主義なのはルールに頼ったほうが楽であるからなんですけどね。
    大沢 でも、なかなか感情を殺してルールに殉じるって難しいですよね。礒野さんが凄いのはどんなときでも冷静なんですよ。磯野さんがGCMのデモリッションやケージフォースのルールディレクターをやってたのは20代の頃ですよね?
    礒野 それくらいですね。
    大沢 あの時代にあの年齢で競技を取り仕切るって凄いですよ。HERO'Sのときなんか石井館長から判定に抗議されたときありましたよね?
    礒野 金泰泳選手と秋山(成勲)さんの試合ね。
    ――腕十字で秋山選手が勝利するも、金泰泳選手がタップしていないと猛抗議して無効試合になったやつですね。
    大沢 試合後の運営本部で石井館長から「金ちゃんはタップしてないぞ!?」と言われても、礒野さんはまったく動じずに「いや、それはこういう理由で……」って淡々と説明してたじゃないですか。あの若さで凄いなって(笑)。
    ――大抵の人間だと、とりあえず謝っちゃいそうですね(笑)。
    礒野 選手がタップしていなくてもレフェリーは試合をストップすることはできるので。そこは相手が誰であれ伝えておかないといけないことだし。
    大沢 秋山さんのヌルヌル事件のときも、礒野さんは審判団の代表として記者会見で淡々と解説してましたよね。
    礒野 そういったさまざまな経験を経てボクのルール至上主義が形成されてると思うんですよ。ルールはみんなの合意書ですよ。「こうしましょう」という共通認識がルールで、そこから外れないことが大事。でも、世の中はルールだけで動いてるわけじゃなくて、ルールを飛び越えた力というものも存在してて。それはたとえばK - 1 HERO’Sという世界の中では、テレビの要望はそれを飛び越えるときはあったし、その中で自分のやり方を曲げなきゃいけない瞬間もあったんですけどね。
    大沢 前から思ってたんですけど、礒野さんと話すと俺はジャッジに向いていない気がするんですよね。ジャッジをやるにしてもやっぱり自分の格闘技観が優先されちゃうというか、今回はこのルールだから「この選手につけました!」ってできない気がするんですよ。
    礒野 いや、そこはあくまで「ルール」でしょ。
    大沢 それができる人はいいけど。「ルールではBの勝ちだけど、客の大半はAの勝ちだと思ってそう……」とか考えちゃうんですよねぇ。
    礒野 ジャッジの数をやってると迷う試合は当然出てくるんだけど、そのときにルールじゃなくてお客さんの反応を気にしちゃうとますます迷うよ。でも、その大会のルールは一定だから。
    大沢 ルールはブレないってことですよね。
    礒野 だからルールでやったほうが楽。選手から「大沢さんは、なぜこっちにつけたんですか?」って聞かれたときに「いや、お客さんが……」とは言えないでしょう。
    大沢 そんなことは言えないですね(笑)。
    礒野 たしかにジャッジをやってると自分の格闘技の信念とはズレてくるところはあるけどね。ボク自身はどっちが勝ってるかを判断するのに、ひたすら攻防をメモしてるんですよ、自分なりの略字を作って。マウントポジションだったら「MT」、そこからパウンドを打ったら「MT P」。パウンドの回数によって「MT PPPPPP」とする。
    大沢 へえー(笑)。
    礒野 パウンドの数は正確な数字である必要がないんですよ。どっちの選手が試合を動かしてるかがわかればいい。やっぱり試合を動かしてる選手のほうが記号は多くなるから。テイクダウンしたら抑えこんでる時間も書くからストップウォッチも自分で用意する。
    大沢 そこまでやるんですか。凄いっすね。
    礒野 たとえばお互いの選手がテイクダウンを取り合ったとする。パウンドは1発も出ていない。A選手は5分のうち2分間、完全に固めていた。B選手は5分のうちの2分30秒固めていた。残りの30秒はスタンドでとくに攻防がない。そうしたときにどっちが勝ちかといえば、テイクダウンの時間を記録していなかったらジャッジはつけられない、少なくともボクは。
    大沢 たしかにねぇ。
    礒野 後半テイクダウンしたほうの印象が強くなってしまうかもしれないしね。
    大沢 ボクの場合は雑だから(笑)、攻防のポイントだけを大雑把に書いて「いまこうだからこっちが勝ってる」って頭の中で旗を上げ下げする感じですよね。
    礒野 ユニファイドの場合は「シーソーのように見ろ」と言われてて、昔はボクもそういう見方をしてたんですけど。いまはひたすらメモを書き込んでますよね。自分の能力だとそうしないとジャッジができないんですよね。
    大沢 でも、あらためて礒野さんの話を聞いたら、ジャッジってできないと思った(笑)。
    礒野 いや、これはジャッジ・レフェリー業界のいい考えであり悪い考えなのかもしれないけど、だからジャッジって3人いるんですよ。たとえば自分なりの格闘技観というものが確立されていて、たしかにルールはこうかもしれないけど、そのルールを考慮したうえで「それでもこっちの勝ちだ!」と自信を持ってジャッジするのもひとつのやり方。それがよくないやり方ならそのジャッジは淘汰されていくと思うんですね。
    大沢 俺の場合は、強く見えるほうにつけちゃうところはありますね。ルール云々は飛びがちというか。ケツのほうに何かやったほうが印象に残りますし。
    礒野 それはそれでひとつの価値観だよね。メモをつける理由としては自分の印象との乖離を防ぐこともあるんですけど。
    大沢 客観性の材料がメモなんですね。
    礒野 そこは自分が誰かのセコンドについたときに活かせるんですよ。「これ、足りないからもっと攻めないとダメだよ」とか。大沢さんのセコンドについたときもあったじゃないですか。
    大沢 ありましたよね。ラウンドインターバル中に礒野さんに「足りてないですよ」って言われて「いや、俺のほうが当ててるでしょ?」って(笑)。
    礒野 そこは客観的に見られるんですよ。
    ――時には「足りてない」ことがわかってないセコンドもいるわけですよね。
    大沢 それはたくさんいると思いますよ。感情的になっちゃってるセコンドとか。ボクもセコンドを頼まれてついていったときも、メインのセコンドの人が「このままいける、いける!!」って言うんですけど、「これ、判定になったらわかんないよなあ……」って思うときがありますし。
    ――そこはアドバイスできないんですか?
    大沢 そこはメインセコンドの考えを優先しないといけないから。ジャッジやってるときも「このままでいい!」って叫んでるセコンドの声が聞こえるんだけど、心の中で「いやいや、このままだと負けるぞ!」って思うときもあるし(笑)。
    礒野 これ、名前は言えないんだけど、◯◯さんのセコンドが凄くうまい。ジャッジに自分の選手が勝ってる理由を教えながらセコンドしてるの(笑)。
    大沢 へえー(笑)。
    礒野 「コレコレこうでこうだから、ちゃんと取ってるから心配するな!」とかね。あれ、意識的にやってると思いますね。◯◯さんは選手としても長いし、ジャッジも長いことやってるから、ジャッジの心の中に迷いがあることを凄い理解してる。だからジャッジが自分の選手をつけるように誘導してるんだと思います。それに◯◯さんの声を聞くと、対戦相手も絶対にプレッシャーはかかってると思うんですよ。
    大沢 「え? これ、取られてるの?」とか。
    礒野 たいていのセコンドは「大丈夫だ!」と口にしがちだけど、その理由を言わないんですよ。でも、◯◯さんは必ず理由を足していく。「そこはこうだから大丈夫、心配するな、おまえが取ってるぞ!」って(笑)。
    大沢 今度意識して聞いてみよう(笑)。
    礒野 ビックリしますよ。だからボクは◯◯さんのセコンドの隣でジャッジをするのが凄く嫌ですもん(笑)。
    大沢 引っ張られます?
    礒野 そこまではいかないけど……。作戦を立てるときに対戦相手の映像を見るじゃないですか。そのときは音を消して見ますよね。音を消さないと、大したことのないパンチでも歓声で凄く見えちゃったりするから。そういう意味ではジャッジは耳栓をしたほうがいいんだけど。本当に強いパンチかどうかは音の要素も大きいし、お客さんの声援は無視して集中するしかないですよね。
    大沢 ボクはそのセコンドの声で選手が安心して攻めなくなるのがイヤなんですよね。だから微妙な内容だったら「取りに行け!」って言います。あと選手に何かを伝えるときは感情的にならずに起きてることだけを伝えようと。
    礒野 ボクも選手にできないことを指示して、無駄なエネルギーを使わせるのは嫌なんですよ。どうにもならないことってどうにもならないじゃないですか。そこをグルグルとキャッチボールしても意味がないなって。それにセコンドの指示が選手を勝たせることってあまりないと思ってるから。
    大沢 ああ、ボクもそう思ってます。「助ける」くらいはあると思いますけど。よくツイッターで「セコンドの指示のせいで負けた」とか書いてる人がいますけど、それはセコンドの力を過信しすぎだって思いますね。ボクが現役時代、セコンドに何を求めてたかといえば、視野を広げてもらいたいタイプだったんですよ。何かに意識しちゃっててガードが下がってるときに注意してもらうとか
    礒野 そうやって交通事故をなくせるとは思うんだよね、セコンドって。
    大沢 あとは気持ちの部分を前向きにさせてほしい。結局、勝負を左右するのは試合までの準備段階のほうが大きいから。テレビゲームじゃないんだからセコンドの指示で試合がどうなるわけでもないんですよ。
    礒野 梅木(よしのり)さんがとある試合で北岡(悟)さんのセコンドについてるときに出してた指示が精神論ばっかだったんですけど。「ここ頑張るところだぞ!」とか。でも、それで実際に北岡選手が凄く頑張れてるんですよね。
    大沢 ボクも精神面の指示が多いですね。技術的なことは言ってもできないことがあるから。逆に「あ、こうやるんだ」って気づくときもあるから一概には言えないですけど。自分が指導している選手ならどれくらいできるか知ってるから、選手によってのアドバイスになっちゃいますけど。
    ◯「誤審は覆られるか」
    ――ジャッジでいえば、女子バスケットボールの試合の裁定が納得行かないということで、企業チームがその試合の主審に3000万円の民事訴訟を起こした……というニュースがありましたね。
    大沢 ああ、ありましたねぇ。
    礒野 へえー。でも、やり方としては賢いですよね。リーグなりに提訴しても正直、結果は覆らない可能性が高いから。
    大沢 たしかにそうですよね。
    ――プロ野球でも後日誤審が発覚しても、謝罪はするけど結果はそのままというケースですね。
    大沢 金ちゃん(金原正徳)がコミッションに提訴した件(http://mkanehara.blog.jp/archives/52454570.html)、どう思いました? ボクは裁定は覆らないと思ったんですけど
    礒野 俺はね、難しいと思った。たしかに足の指が金網に引っかかってるけど、言葉の定義ってそもそも難しい。どこから掴んでるのか、押してるのかという話になるから。
    大沢 足の指で掴んでるとは言いにくいってことですよね。手でケージを掴むのとはちょっと違う。
    礒野 ただね、決定的なシーンの直前、マクドナルドがケージに足をかけたときにレフェリーが「ダメだよ」という感じの仕草を見せた。それはレフェリーに反則だという認識があったように見えたんです。それもあって金原選手陣営は提訴したんじゃないかって。でも、コミッションとしては結果を覆す前例を作りたくないって考えもあると思う。あの攻防を毎回レフェリーがリアルタイムで判断できるかといえば、絶対に無理だし。ここで前例を作っちゃうと、レフェリーに対する負担が大きすぎて、個人が裁ききれるものではなくなるから。
    大沢 たしかに。映像で振り返ってチェックはできるけど、リアルタイムで裁くのは難しいですね。
    礒野 基本的にルールの誤認があった場合の裁定の入れ替えは当然だと思うんですよ。これは日本の審判団も同じだと思うんですけど、ルールそのものを正しく解釈していて、そのうえで現場でルールに適合、不適合を判断する。そこで第三者からどう見えようが、レフェリー・ジャッジがその判断を下したら裁定を入れ替えないもんですね。
    大沢 その場で下した判断は基本は覆られない、と。
    礒野 提訴があること自体は悪いことではないと思うんだけどね。UFCが面白いのは、大きな大会なんかのときに実況席の隣にアスレチックコミッションを管轄する人間が座っていて。おかしな判定やあきらかにレフェリーのミスだなってときにジョー・ローガン(UFC解説者)がすぐにツッコミを入れるんですよ。「これ、おかしいんじゃないの?」って。そうするとコミッションの人間も「うん、おかしいね」って返すんです。
    大沢 へえー(笑)。
    礒野 それでも大会は普通に進んでいくし、選手も「あとからコミッションの人間もこう言ってる!」とか騒がないんですよ。もしかしたらネットではやりあってるのかもしれないけど、団体側にどうこう言うんじゃなくて、どちらかというとネタとして盛り上げて次のチャンスにつなげていく。立ち回り方がうまいんだよね。
    大沢 たしかにそっちのほうが健全ですよね。しかし、こういう話をしてるとますますジャッジがやりたくなくなるなあ(笑)。
    礒野 そう?(笑)。
    大沢 向いていない(笑)。細かい話になっちゃいますけど、いまの日本だと修斗だけいまだにイーブンがあるじゃないですか。ジャッジをやることになったときポッカリ忘れそうですよね、イーブンをつけていいって。
    礒野 テンポイントマストでいえば、べつに修斗以外でもイーブンをつけていいんですよ。
    大沢 そうなんですか?
    礒野 テンポイントマストってみんな誤解してるけど、必ず10をつけなきゃいけないだけで、「10-10」をつけてもいいいんですよ。
    大沢 なるほどなあ。修斗だけ「10-10」がメッチャ多いですよね?
    礒野 だから修斗のジャッジはやりやすいんですよね。ドローをつけられるから。
    大沢 たしかに楽な感じでジャッジできそうですよ。
    礒野 修斗ってルールブックを厳密に読むと、点数差をつけやすいルール。だってわずかな差があったら「10-9」、明確な差があったら「10-8」、KO・TKO寸前まで追い込んだら「10-7」までつけられるのかな。
    大沢 「10-7」までつけられると、ジャッジがしやすいですね。
    礒野 たとえば大沢さんと俺が試合をして、1ラウンドは俺の「10-9」だとする。
    大沢 礒野さんが優勢。
    礒野 2ラウンドは大沢さんが優勢なんだけど、同じ「10-9」をつけるには内容が違うときってあるでしょ。
    大沢 ああ、ありますね。UFCでも「10-9」の質が違うときってある。「10-8」までの差はないから結局どっちも「10-9」にしちゃうパターン。
    礒野 そのとき修斗は「10-8」をつけることができるんだよね。そういう意味で修斗って文章の上では優劣がつけやすいルールだと思いますね。
    ◯「Dynamite!! USA――消えたユン・ドンシク」
    大沢 礒野さんがGCMのイベントとかのルールディレクターをやってたのは10年以上も前ですけど、MMAが整備されていないから大変だったんじゃなかったですか?
    礒野 いまは楽しい思い出しかないけど、当時は大変でしたよね。そもそもボクが和術慧舟會に入ったのは、『魁!男塾』みたいな理不尽な体育会の世界に憧れたからなんですよ。そういう意味ではひょっとしたら一般社会からすればボクが身を置いていた環境は「え?」と驚かれるものかもしれないですけど。ボク自身は10年後20年後に笑い話になればいいやくらいだったので、精神的肉体的につらさはあったけど、楽しかったですよね。それに久保(豊喜)社長に守ってもらっていたから。感謝しかない。
    大沢 守ってくれた?
    礒野 大きな組織の中で何かをやるときに他人との折衝とか、お金の心配をしなくちゃいけないとかあるじゃないですか。現実的な問題は久保社長が処理してくれて、ボクがルールのことだけを考えられるような環境を作ってくれた。梯子を外されたことがなかったかといえば、いっぱいありましたよ(笑)。だけど、いま思うとボクのほうがもっと外部のことを考えなきゃいけなかったんだなって。
    大沢 K−1絡みだと規模が大きくなりますしね。
    礒野 中でもロサンゼルスの『Dynamite!! USA』のときは大変でしたね。凄いプレッシャーでパニック症候群になりましたよ。
    大沢 礒野さん、ロサンゼルスにしばらく住んで準備してましたよね?
    礒野 あれは大会2、3ヵ月前だったのかなあ。ある日の深夜、谷川(貞治)さんから電話がかかってきて。「明日か明後日くらいからアメリカに行ってくれない? どう?」って。
    大沢 突然ですね(笑)。
    礒野 なんか面白いことが始まりそうだったから「大丈夫です」って即答して。会場はロサンゼルスのメモリアル・コロシアム、当時のカルフォルニアにはアスレチックコミッションができたばっかで。MMAがようやくできることになった場所で、コミッションから許可が取れる競技環境を作ってほしいと。同じタイミングでアメリカに渡ったFEGの社員2人と大会直前までいろいろと準備をしてたんですけど。
    ――PRIDEがラスベガス大会をやったときも社員が数ヵ月前から前乗りして動いてたみたいですね。
    礒野 ラスベガスはまして大変じゃないですか。あそこはヨソ者が中でビジネスをすることは許されないですから。そういう意味ではロサンゼルスでイベントをやるという着眼点は面白いなって。会場付近の人に「ここで数ヵ月後に10万人集めて格闘技イベントをやるんだよ」って言ったら「絶対に無理」って笑われましたけど(笑)。
    大沢 お客さんは入ったんですか? 
    礒野 いやもう全然(笑)。チラシを撒かなきゃいけないんだけど、闇雲にやっても仕方ないから、リストアップした現地の格闘技ジムを回って。それはボクの仕事でもなんでもないですよ。でも、なんかあのときはもう常に携帯電話が鳴ってる感覚に襲われてて。そんな精神状態だからひとりでも多くお客さんに来てもらいたいじゃないですか(笑)。
    大沢 義務感が生まれたんですかね(笑)。
    礒野 日本食レストランとかも回って大会ポスターを貼らせてもらって。実際の仕事は、日本からリングを持っていくのは難しいから、現地でリングを作ったりとかね。
    大沢 リングをイチから作ったんですか(笑)。
    礒野 まず「リングってどうやって作るの?」って話じゃないですか(笑)。
    大沢 金網よりは楽じゃないですか?
    礒野 いや、金網のほうが簡単だと思う。金網は構成してる素材の種類が少ないから鉄工所だけで済むじゃない。リングはロープやコーナーパットとか鉄工所だけでは無理。リングの図面も引いたんですよ、自分で。
    大沢 そういえば、GCMのケージも礒野さんが作ったんですよね。
    礒野 だからリングも作れるだろうなって。ただし、コミッションには凄く厳密な決まりがあるんですよ。床からリングまでの高さはこうじゃなきゃいけないとか、いろいろと細かいんです。ホント大変でしたね。
    ――あの大会で桜庭和志vsホイス・グレイシーの再戦が行われましたが、メディカルチェックに桜庭選手が引っかかったので出場が危ぶまれて、代役として急遽田村潔司がアメリカに呼ばれてましたよね? 結局、桜庭選手がそのまま出場しましたけど。
    礒野 そこはテーピング絡みの話だと思うんですけど。州によって違うんですけど、向こうはテーピングって巻けないんですよ。だから桜庭選手もヒザのテーピングがNGで出場できないという話になったのかも。ボクはメディカルの書類を完成させるまでが仕事で、あとのことはノータッチなんですが……。
    ――メインイベントでブロック・レスナーと闘うはずだったチェ・ホンマンもメディカルチェックでアウトになって。
    礒野 ホンマン選手のことをMRIに連れて行くのは凄く大変だったんですよ。普通のMRIじゃ撮れないから、あの巨体が入るMRIを探して。移動で使う車が小さくてあの大きな身体を折りたたんで乗ってもらって。
    ――韓国人柔道家ユン・ドンシクもテーピングが撒けない理由で試合当日に出場キャンセル寸前になったんですよね。
    礒野 ユンさんは足の親指がゆるくて普段はテーピングを巻いて試合をしてるんだけど、コミッションから「テーピングはダメだ」って言われて。そうしたらユンさんが「だったら試合に出ません」と。
    大沢 試合当日に?(笑)。
    礒野 そう(笑)。当日のボクはもう仕事がなかったので、インカムをつけて全体の流れを聞いてるだけだったんですけど。そろそろユンさんの試合の出番なのに「ユン選手、見かけませんでしたか?」と慌てて聞いてくるスタッフがいて。そうしたら誰かが「駐車場で見ましたよ」って。
    大沢 帰ろうとしてる(笑)。
    礒野 「車に乗ろうとしてますけど」「いますぐ止めてください!」というやり取りがあって。谷川さんはテレビの解説中だったんだけど「この試合が終わったら休憩になので、それまでユンさんが帰らないように止めてくださ〜い」と。で、谷川さん、ユンさんの説得に行かれて、なんとか試合に出てもらって、ユンさんはメルヴィン・マヌーフに一本勝ちしたんですけど。
    大沢 谷川さんが凄いなあ(笑)。
    礒野 谷川さんは凄い人ですよね(笑)。人に何かを訴えかける力がある。うまいなあと思ったのは所(英男)選手とホイス選手が試合をしたときなんですけど。試合ミーティングが終わったとき、まだ所選手陣営が部屋に残ってるのにホイス側に「体格差があるからさ、そのへんはうまくさ〜」なんて話をしてるんですよ。
    大沢 えええええ?(笑)。
    礒野 あれ、わざと所選手たちに聞こえるように言ってるんですよ。所選手陣営の顔はみるみるうちに険しくなって。それでホイスは体格差があるからナメたムードで試合に臨んだところに所選手が突っかけていったからスイングしちゃって。
    大沢 そこは谷川さんがうまく誘導したんですかね。
    礒野 結果的にね。谷川さんは日本のお客さんが何を見たいか、テレビ局が何を見せたいのかを明確にわかっててやってるんだなって。そこはボクが考えるスポーツとは違うんだけど(笑)。
    ◯「桜庭和志vs秋山成勲、グローブは甘い匂いではなく――」
    大沢 秋山vs桜庭のヌルヌル騒動のときはどうだったんですか? 磯野さんは審判団の代表として調査されたんですよね。
    礒野 あの試合は、記者会見で審判団として説明した以上のものはないんだけど。この事件に関わった人たちがいろいろと証言してますけど、当事者のひとりとして思うのは、私の立場から見たり聞いたりしたものとは違う話になってることもあるなということなんですね。そもそもの発端は、大会が終わった翌日、東京に帰ろうとして新大阪駅で新幹線に乗ろうとしたときに谷川さんから電話があって。「礒野さん、いまどこですか?」「いまから新幹線に乗るところです」「そうですか。どこでもいいので、スポーツ新聞を買ってください」と。それでスポーツ新聞を買って谷川さんに電話したら「秋山くんのグローブにロゴがないですよね?」と。
    ――大会スポンサーだったエドウィンのロゴが秋山選手のグローブになかった。
    礒野 これは審判団の見落としなんですが、谷川さんに指摘されるまでロゴの件は気が付かなかった。スポンサー筋から「なんでロゴが入ってないんですか?」という問い合わせがあったのかもしれませんけど。谷川さんから「この件をすぐに調べてみてください」と言われて。ローション塗布の発覚はそこから始まったんですよね。
    ――桜庭さんは試合中や試合直後に「滑る!」とアピールしてましたよね?
    礒野 はい。現場で桜庭さんから「滑る!」と指摘があったので、秋山さんがリングを降りてきたときに「相手側からクレームが入ってるので身体を調べさせてください」とそのまま控室に戻ることを止めたんです。桜庭さんのセコンドにも確認してもらうために「ここでお待ちください」とバックステージで待機してもらって。――バックステージで確認したんですね。この記事の続きと、中村祥之、中井りん、光GENJI山本淳一、北岡悟、追悼ケビン・ランデルマン、大沢ケンジ×礒野元などが読めるお得な詰め合わせセットはコチラ 
  • ベンソン・ヘンダーソン、ベラトール移籍 フリーエージェントそれぞれの事情■MMA Unleashed

    2016-02-12 12:43  
    33pt
    Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム――今回のテーマは、ベンヘンのベラトール移籍から見るフリーエージェント事情です!
    ベンソン・ヘンダーソン(32)が、ベラトールに移籍することが明らかになった。ヘンダーソンは元WEC、UFCライト級チャンピオン、UFCでは10大会でメインイベントを飾り、過去2戦ではウエルター級に転向し2連勝を果たしていた。ヘンダーソンの最後の公式ランキングは、ウエルター級13位、ライト級15位。2階級に登場する唯一の選手だった。結果的にラストマッチとなった昨年11月のUFCファイトナイト・ソウル大会のメインイベントでホルヘ・マスビダルを下したヘンダーソンは、今後を象徴するかのように、自らグローブを外してマットに置き、オクタゴンから立ち去っていた。
    「ベラトールからのオファーはノーとはいえない素晴らしい内容だった。悩む必要すらなかった。まさしくレッド・カーペットを敷いて迎え入れてくれたんだ」とヘンダーソンは語っている。「それと、リーボックに縛られるのではなく、自分で契約したスポンサーから収入が得られることは、とても大きな要因だった。それが主たる要因ではなかったと言えばウソになる。もう1つは、僕は選手の待遇改善の開拓者になりたいんだ。ベラトールは、選手の労働組合結成を容認すると言っている。こんなことは他の団体では口にすらできないことだ。これは選手にとってとてもよいことだと思う」。
    UFCとの契約を終了し、フリーエージェントとなっていたヘンダーソンのもとに届いたUFCからのオファーの金額は、ベラトール、ONEに次いで3位だったという。この記事の続きと、中村祥之、中井りん、光GENJI山本淳一、北岡悟、追悼ケビン・ランデルマン、大沢ケンジ×礒野元などが読めるお得な詰め合わせセットはコチラ
     
  • レスリングをやろう!■二階堂綾乃のオールラウンダーAYANO

    2016-02-08 09:00  
    33pt
    新日本プロレスの選手イラストを描いてキャッキャしていたプオタ女子・二階堂綾乃がいつのまにかMMAジムに通いだし、ついに格闘技デビューをしてしまったこのコーナー。今回は「レスリングをやってみよう!」です。前回「学校の体育でコンディショニングの授業をすべき!」というお話をしましたが、もう一つ学校の体育でやってほしい種目があります。それは、レスリングです。
    レスリングには大きく分けると腰から下を攻防に使えないグレコローマンスタイル(永田裕志選手がやってるやつ)とタックル中心のフリースタイルがありますが、ここではとりあえずタックルしたりテイクダウンするレスリングと考えてください。
    私がレスリング推しな理由は3つあります。
    その1 日本はレスリングが強いのにレスリング人口が少ないのはもったいない。
    女子小学生が「私、空手教室に通ってるのー」と言ってもあまり驚きませんが、「私レスリングやってるのー」と言われたらどう思いますか?
    「立派な浜口京子になれよー^^」と思う人と、「女の子が?しかも小学生が!!?」と、たまげる人と、だいたいツーパターンに分かれるでしょう。でも不思議じゃありませんか?  伊調姉妹や浜口京子、吉田沙保里など、日本にはレスリングで活躍する強い選手がたくさんいるのに、レスリングをしている人はとっても少ないのです。しかもみんなレスリング自体が好きなわけではないようで、吉田選手など強い選手に興味があるからレスリングを見ているのだと思います。きっと強い選手がいなければレスリングにこんなに注目が集まることもないんじゃないでしょうか。
    いまでも特に女子は強い選手がたくさんいるので、もっとレスリングする人が増えれば強い選手がもっと育つだろうに……もったいない。この記事の続きと、中村祥之、中井りん、光GENJI山本淳一、北岡悟、追悼ケビン・ランデルマン、大沢ケンジ×礒野元などが読めるお得な詰め合わせセットはコチラ
     
  • 2016年のプロレスラー育成方法とは?■「プロレス 点と線」

    2016-02-08 09:00  
    33pt
    事情通Zがプロレス業界のあらゆる情報を線に繋げて立体的に見せるコーナー「プロレス 点と線」。今回はのテーマは、いまこそ問われるプロレスラー育成について!――中邑真輔のWWE移籍により、日本のプロレス団体の選手育成の議論が深まりつつありそうですね。
    事情通Z プロレス団体が手塩にかけて育成しても、上のステージに進んでしまうんじゃないかということだね。NOAHからWWE入りしたKENTA(伊丹英雄)や今回の中邑選手にかぎらず、外国人レスラーは常に“引き抜き”の可能性ははらんでいるからねぇ。条件のいいところ、魅力的なリングに向かうのは仕方のないことだとはいえね。
    ――日本人レスラーも持っていかれるケースが出てきた。一般的な定年年齢である60〜65歳まで団体が面倒を見きれるかといえば難しいですし、であるならば、ひとつの団体にこだわらずより大きなチャンスに……という話にもなっちゃいますよね。
    Z 新日本も中邑選手の件を受けて複数年契約なり、育成方針のあり方も変えてくるでしょう。
    ――今回ヤングライオンの小松洋平選手と田中翔選手が海外修行に出るじゃないですか。あの2選手を見て思ったんですけど、海外に行く前からかなり垢抜けてますよね(笑)。
    Z いまのヤングライオンはトーク番組に出ても普通に喋れるし、ビジュアルもいいし、身体もキッレキレですよ。かつてのヤングライオンっぽさが残ってるのは黒パンツくらい(笑)。この記事の続きと、中村祥之、中井りん、光GENJI山本淳一、北岡悟、追悼ケビン・ランデルマン、大沢ケンジ×礒野元などが読めるお得な詰め合わせセットはコチラ 
  • 馬場死去、三沢離脱……その後の全日本プロレス■小佐野景浩のプロレス歴史発見

    2016-02-05 13:18  
    55pt
    プロレスラーの壮絶な生き様を語るコラムが大好評! 元『週刊ゴング』編集長小佐野景浩の「プロレス歴史発見」――。今回のテーマはジャイアント馬場が亡くなり、三沢光晴らが離脱したあとの全日本プロレスになります。イラストレーター・アカツキ@buchosenさんによる昭和プロレスあるある4コマ漫画「味のプロレス」出張版付きでお届けします!
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    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! par24は大好評インタビュー12本、コラム11本、13万字で540円!!(税込み)  試し読みも可能です!http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar960181◉負けたら即引退試合SP、過激な舞台裏――!!
    中村祥之「新日本プロレスはあのとき橋本真也がいらなかったんです」
    90年代・新日本のエースだった男はどうして追いつめられていったのか? 禁断の小川直也戦の伏線はここにあった!
    ◉男たちのプロレス屋形船! 友情とカネが砕け散ったWJ
    髙田龍インタビュー
    WJの立ち上げに関わった男が語るマグマ団体と長州力
    「あのふたりはもう酒を飲めない関係になってしまったんですよ……」
    ◉「MMA?絶対に無理!!」未来へ飛んだRENA――!!
    シュートボクシング広報が語る大晦日出撃までの道のり!
    ◉恐怖のT寮長に震えろ! UWFインターナショナル地獄の寮生活■金原弘光のゼロゼロ年代クロニクル⑥
    ◉RIZINに燃えた川尻達也、興奮のあまりUFC緊急出撃! 
    故郷に想いを馳せる新年インタビュー
    ◉さらなる飛躍へ――堀口恭司、アメリカン・トップチームに移籍!! 師匠 KIDの男気も炸裂!
    ◉大沢ケンジ師匠の格闘談義は大晦日RIZIN! 「ロシアで最強幻想を取り戻せ!」
    ◉小佐野景浩のプロレス歴史発見、今回のテーマは秋山準!
    「全日本プロレスを二度は裏切れない……」大森隆男の取締役就任はジャイアント馬場が描いた未来予想図だった!?
    ◉好評連載!事情通Zの「プロレス 点と線」
    ・本当に怖いWWE――中邑真輔、電撃獲得か
    ・何をやってもズンドコだと思われるIGF大晦日
    ・【RIZIN来襲か】ヴァンダレイ・シウバの行方
    ・世IV虎、復帰の波紋
    ◉Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム「MMA Unleashed」
    ・米MMA記者が語るRIZIN観戦記:J-MMAの未来は見えたのか
    ・2015~2016年 UFCタイトル戦線総まくり!
    ・今が旬!萌えるジャパニーズ・ディーバASUKA、WWEで大ブレイク中!
    ・ユニフォーム違反選手続出、遅れるカード発表
    ・MMAは本当にクリーンになったのか/UFCでも相次ぐタレントによる不可解な謝罪
    ◉日本格闘技界の礎を築いたレジェンド中井祐樹先生が日常を綴る連載! 
    「東奔西走日記」
    ・12月15日〜31日編
    ・1月1日〜14日編
    ◉暗黒時代から新日本プロレスを見続ける二階堂綾乃がお送りするイラストコラム「オールラウンダーAYANO」
    ・アメリカでも中邑真輔のクネクネは浸透してる!?
    ・体育の授業にコンディショニングを!
    ◉格闘技ブログ「MMA THE ORANGE」の管理人がお届けする「MMAオレンジ色の手帖」! 
    ・プロフェッショナル 速報の流儀
    ・格闘技ド素人の母親と格闘技マニアの祖母が見たRIZINhttp://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar960181
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    ――今回の取材場所は水道橋の喫茶店なんですが、本日は中邑真輔の新日本プロレスラストマッチ。先ほど後楽園ホールの当日券目当ての行列を見てきたんですけど、ざっと200人近く並んでましたね。
    小佐野 やっぱり凄いなあ、真輔は。こないだのルチャの大会(『NJPW PRESENTS CMLL FANTASTICA MANIA 2016』)も、後楽園ホール3日間満員札止めになったのは、真輔効果もあったんでしょうね。
    ――後楽園ホールに徹夜組が出たケースって記憶にありますか?
    小佐野 そうだねぇ……。新生UWFの旗揚げ戦のときかなあ。
    ――前田日明が徹夜組に缶コーヒーの差し入れをしたという(笑)。
    小佐野 そうそう(笑)。後楽園ホールの徹夜組ってあまり聞かないよね。聞いたら今回の後楽園はもともとチケットが売れていて手に入りにくいところに真輔のラストマッチだったから。
    ――ただでさえプレミアなのに。
    小佐野 いまの後楽園大会は新日本のスタッフでもチケットが取りづらいみたいだからね。あの坂口(征二)さんが「切符が取れないだよぉ」と言ってた(笑)。最近の新日本プロレスの好調ぶりは、棚橋(弘至)、真輔、オカダ・カズチカの存在が大きかった。これで真輔が抜けたことで誰が代わりに上がってくるのか……そこは楽しみですね。
    ――主力選手が抜けた団体はどうなっていくのか。ケースはかなり異なりますが、今日は「三沢光晴離脱後の全日本プロレス」をテーマにうかがいます。小佐野さんは三沢さんたちが全日本を離脱したときにどう思われました?
    小佐野 変な話ね、あの年の初めから「三沢たちが全日本から独立するんだろうなあ」とは感じてて。それはどこのマスコミも感じていたと思うんだけど。記事にしたのは『週刊ファイト』だけだった。ほかはどこも書かなかった。
    ――それほど事態は風雲急を告げていたんですか。
    小佐野 オーナーの馬場元子さんと三沢の仲がどうにもならないというよりも、あのときは三沢が社長としてやろうとすること、やったことに対して、元子さんはすべて否定する立場にあったから。「このままでは一緒にはやっていけないだろう」とみんな感じていたんです。
    ――元子さんは三沢さんの方針に否定的だったんですね。
    小佐野 その伏線は馬場さんが生きていたときから張られてたんです。馬場さんが亡くなったのは99年1月だけど、98年5月2日に全日本が初めて東京ドームをやったんです。あの大会直後、長年の激闘により身体がボロボロだった三沢は長期欠場してるんだけど。8月に復帰するときに現場の全権を馬場さんから譲ってもらってるんですよ。というか、「ください」という話を馬場さんにしたんです。
    ――それは勇気のいる申し入れですね。
    小佐野 馬場さんもやむを得ず三沢に譲った経緯があったんだけど。馬場さんが亡くなったのはそれから何ヵ月もなかった。そうなると元子さんには「あのときに三沢くんが全権を奪ったから、お父さんが気落ちして亡くなった」という感情が出てきてもおかしくないと思うんだよねぇ。
    ――変な話ですけど、もう少しだけ時が経つのを待てば……。
    小佐野 馬場さんが亡くなってから三沢光晴が全権を握っていれば、元子さんとの仲はあそこまでこじれなかったかもしれない。だって三沢が全日本の社長に就いたとき、元子さんは社長室から馬場さんの持ち物をすべて出したはず。三沢には何一つ使わせていない。
    ――うわあ……元子さんはそういった感情ありきで三沢政権を見ちゃうんですねぇ。
    小佐野 あくまで推測だけどね。三沢のやることなすこと気に食わなくなくて「それは馬場さんのやり方とは違う」となる。馬場さんがまだ生きていたときでも、三沢がトップになってからは選手の自己主張がオッケーになって、それまでとは違った流れが全日本に生まれたから。その時点で元子さんからすれば「三沢くんのやり方はおかしい」と思ったんじゃないかな。
    ――いま話を聞いて思ったのはSMAPの独立騒動なんですね。事務所のトップであるジャニー喜多川さんやメリー喜多川さんはかなりの高齢だから、もうちょっと待ってから独立に動けばこんな騒ぎには……という。
    小佐野 その頃の私は『週刊ゴング』には籍を置いてなかったし、取材記者の立場ではなかったけど。元子さん、三沢、どちらとも仲が良かったので非常に複雑でしたねぇ。独立する三沢のことは応援したいし、かといって全日本が潰れてしまうのは困る。
    ――小佐野さんはどんなかたちで分裂すると想像してましたか?
    小佐野 これは想像つかなかった。川田(利明)、渕(正信)さんの2人だけが残るなんて絵もね。分裂を回避するには、現場でやることに関しては三沢の思うようにすれば丸く収まったんだろうけど。
    ――元子さんからすると、そうはいかなかったということですね。
    小佐野 ただ、全日本の内部にはそれ以外の問題も積み重なっていて「もう全日本にはいたくない」というスタッフや選手がいたんです。レフェリーの和田京平さんなんかに言わせると、東京ドームのあと休んでいた三沢のところにいろんな人が全日本のことで相談にくる。そこで三沢は義侠心にかられてしまって「馬場さんに言えるのは俺しかいない」となってしまったんじゃないか、と。
    ――三沢さんに野望があったわけじゃないと。
    小佐野 三沢は決して自分がトップに立ちたくて動いたんじゃなくて、みんなの意見を聞き入れて馬場さんに物を言ってしまった。
    ――その京平さんを含めて川田さん、渕さんの3人は全日本に残留しましたね。
    小佐野 京平さんはやっぱり「馬場さん!」の人だもん。渕さん、川田の場合は残留した本当の理由はわからない。
    ――彼らが三沢さんたちが出て行くことを知らなかったわけではないですよね。
    小佐野 さすがに知ってるでしょ。業界でも三沢独立の噂はあったわけだからね。これは私の推測だけど、川田、渕さんの2人には新日本から声がかかっていたんだと思う。
    ――あー、なるほど。残留要請があったと。
    小佐野 その後、全日本と新日本が対抗戦をやることになるでしょ。三沢独立の噂を聞きつけた新日本があらかじめ渕さんや川田にアプローチしてたんじゃないかな。2人になろうが全日本プロレスは全日本プロレスに変わりはない。新日本からすれば全日本の看板がほしかったんだと思う。誰か残っていれば、あとはどうにでもテコ入れはできるわけだから。
    ――三沢独立の情報が出回っているのであれば、そんな画策をしても不思議じゃないですね。
    小佐野 分裂騒動が起きてすぐ川田と渕さんが記者会見をやったときに、新日本との対抗戦を口にしていたから。何日かではまとまる話ではないでしょ。実際どうかはわからないけど、普通に考えればそうだよね。
    作/アカツキ――三沢さんとの決別やむなしとはいえ、全日本に選手が残らなかったら元子さんはどうするつもりだったんでしょうね。
    小佐野 選手が残らなかったら団体を畳んでもいいと思ってたかもしれないね。あるいは意地で続けたかな。あのときは日本テレビも全日本中継を打ち切っちゃったし。
    ――あの打ち切りは日本テレビは三沢派に鞍替えしたということなんですか?
    小佐野 あのときの日テレのプロデューサーは三沢派だったから。あとは百田兄弟が三沢についた。やっぱり力道山家の存在は日テレの中では大きいんですよ。
    ――開局当時の日本テレビを支えたのが力道山でしたね。
    小佐野 全日本中継が終わってNOAH中継に切り替えるまでに空白期間はあったけど。NOAHが放映に値する番組かどうかのジャッジはされたんでしょう。一方、全日本の大きなサプライズは天龍さんの復帰。元子さんが竹内(宏介、当時『週刊ゴング』編集顧問)さんに相談したんです。「残った全日本の社員にどうしたらいいかと希望を聞いたら、天龍さんを復帰させてほしいという声があがった」と。それで竹内さんから私に電話があって、桜新町の喫茶店に天龍さんと、まき代夫人に来てもらったんです。そして「じつは全日本からこういう話があるんです」と。
    ――天龍さんの全日本復帰は『週刊ゴング』のラインがあったんですね。
    小佐野 結果的に元子さんの加勢をしちゃうわけだけど、三沢が離脱する前、私には増刊号でやりたい企画に三沢と天龍さんの対談があったんです。その話を三沢にしたら「天龍さんがいいんであればいいよ。ただ、やるのはもうちょっと待ってね」とニヤリと笑ってね。
    ――意味深(笑)。
    小佐野 つまり「全日本をやめたあとならいいよ」ってことなんだけど。そのあとで三沢は全日本をやめたんだけど、天龍さんが入れ替わりで全日本に戻っちゃたから、対談ができなくなっちゃった(笑)。
    ――企画した小佐野さんが企画を潰すことをしてしまった!(笑)。
    小佐野 そうなんだよね(笑)。私は三沢にも全日本にも頑張ってほしくて、どちらかに肩入れするつもりはないんだけど。そこは天龍さんも同じでね。三沢の敵に回るつもりはないけど、全日本が必要としてくれるなら……と。ただ、まき代さんは全日本復帰をイヤがったけどね。また揉めたらイヤだ、いまは全日本に関わらないで生きているんだから、戻らなくてもいいじゃない、と。
    ――かつてのトラブルがトラウマになっていたんでしょうね。
    小佐野 やっぱりSWS騒動のことが脳裏をよぎっただろうし。だから天龍さんだけじゃなくて、まき代さんにも話し合いに来てもらったんですよ。天龍さんが勝手に決めたら恨まれると思ったしね(笑)。ましてや天龍さんは50歳でしょ。嶋田家の問題だと思ったから。
    ――最終的にまき代さんも納得されたんですか?
    小佐野 まき代さんはあのとき桜新町でお寿司屋さんをやっていたので、元子さんに「いまは全日本にいなくてもちゃんとやってます」ということをわかってもらうためにお寿司屋さんに来てもらいましょう、と。
    ――そんな会談が実現したんですか!
    小佐野 私はその現場には立ち会っていないけど、京平さんがビックリしてましたね。「京平、ここに行ってちょうだい」と渡された地図が「鮨處 しま田」だったから(笑)。
    ――天龍さん、まき代さん、元子さんの三者会談は凄いなあ。
    小佐野 京平さんは車の中に残っていたのかな。店内の様子は聞いたことはない。全日本は新日本との対抗戦も話題になったけど、天龍さんが戻ってきたことも大きかった。天龍さんに「馬場・全日本プロレス」を見るファンも多かっただろうし。7月2日の後楽園ホール、元子さんに呼び込まれるかたちで「サンダーストーム」が鳴って、天龍さんが姿を現したときの会場のあの盛り上がり。信じられないことだもん、SWS騒動のことを考えたら。
    ――その後、全日本プロレスの社長に武藤(敬司)さんが就くというサプライズも起きましたね。 
    小佐野 もともとは武藤は新日本から参戦していたんだけど。武藤が初めて全日本に上がったのは2001年1月28日の東京ドーム。00年の暮れにWCWから帰ってきた武藤は、全日本の事情は何もわかってない。
    ――WCW末期にグレート・ムタとして参戦して日本を離れてましたね。
    小佐野 全日本のドームで太陽ケアとやってくれ、と。気乗りはしなかったようなんだけど、試合をしてみたら、ことのほか全日本のリングでのプロレスが面白かったみたいで。
    ――当時の新日本が猪木さんの介入によって格闘技路線に染まっていたらから、全日本のほうが心地よかったんでしょうね。
    小佐野 格闘技路線の新日本だと「自分のキャリアが消されてしまう」という強い危機感を武藤は持っていて。全日本のビッグマッチに呼ばれて出ると、外様の立場なのにファンが喜んでくれる。元子さんも、武藤のアメリカンスタイルは、タイプは違うんだけど、馬場さんの面影を見たんじゃないかな。それで「武藤さん、武藤さん」と頼りにするようになっていった。
    ――新日本の窓口は永島(勝司)さんでしたよね? 永島さんが全日本の社長になるなんていう噂もありましたが……。
    小佐野 元子さんが冗談で「永島さん、社長になる?」なんて言ってたけど、元子さんは永島さんのことは眼中になくて、武藤と話をしてたんだと思う。
    ――なるほど(笑)。
    小佐野 永島さんにその気はあったかもしれないけど。でも、社長は元子さんのままで、武藤が来ればいいだけでしょ。元子さんが武藤に頼りだしたのは、天龍さんと川田の仲がうまくいってなかったということもある。天龍さんが言うには「あのとき川田、渕とお互いに腹を割って話をして仲良くやっていれば……」と。
    ――何かあったんですか?この記事の続きと、中村祥之、中井りん、光GENJI山本淳一、北岡悟、追悼ケビン・ランデルマン、大沢ケンジ×礒野元などが読めるお得な詰め合わせセットはコチラ
     
  • LINE LIVEが格闘技観戦ライフを変える?■「MMAオレンジ色の手帖」

    2016-02-05 10:25  
    33pt
    格闘技ブログ「MMA THE ORANGE」の管理人オレンジがディープなエピソードをお届けする「MMAオレンジ色の手帖」! 今回のテーマはパンクラスが「LINE LIVE」で見られる!2016年も怒涛の勢いで新機軸を打ち出すパンクラス。勝敗を予想して楽天スーパーポイントが当たる「パンクラスダービー」やハードロックカフェでの公開計量開催など、既成の格闘技イベントにとらわれないユニークな企画を連発していますが、その中でも特にファンへの影響が大きいのが「LINE LIVE」での生中継の開始でしょう。先週末に開催された「PANCRASE275」を皮切りに全9大会を網羅。希少価値の高い大阪、札幌、ハワイでの大会も生で視聴出来る可能性があるというからファンにとってはたまりません。そもそも「LINE LIVE」とは、LINEが2015年12月に開始した無料の動画配信サービス。LIVEの公式アカウントをLINEで「友だち登録」しておくと、配信の開始が通知され、LIVE専用アプリを通じて視聴するというもの。番組に対するコメントもリアルタイムに書き込みと閲覧が出来る仕組みになっています。この手の動画配信サービスはYouTubeやニコニコ動画、ツイキャスなど既に出尽くした感はありますが、サービス開始5日間で累計1000万が視聴。特に1月30日に放送された「きゃりーぱみゅぱみゅ緊急手術!?」では70万人が視聴してヤフーニュースにも取り上げられて大きな話題となりました。国内に5800万とも言われるLINEの会員数を考えると、マーケティングやテレビ関係者が脅威として捉えているというのも頷けます。これまでにLINE LIVEに参加している芸能人一覧を見ると、既出のきゃりーぱみゅぱみゅや三戸なつめ、柴田紗希、ペコ&りゅうちぇるなど、ティーンに人気のアーティストやタレントばかり。その中に混ざって突然のパンクラス(笑)。正直違和感はありますが、ティーンに対してパンクラスの認知度を上げるという意味ではこの仕掛けは実に面白い。UFCのブレイクを思い返してみても、若い世代への浸透は必要不可欠。いつまでもPRIDE時代のオールドファンにすがるわけにはいきませんからね。LINE LIVEがキッカケで若い世代にパンクラスブームが押し寄せたらこれ以上の事はないでしょう。この記事の続きと、中村祥之、中井りん、光GENJI山本淳一、北岡悟、追悼ケビン・ランデルマン、大沢ケンジ×礒野元などが読めるお得な詰め合わせセットはコチラ 
  • 痛ましい事故を繰り返さないように……MMAの新しい体重管理制度、静かなるスタート■MMA Unleashed

    2016-02-05 10:14  
    33pt
    Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム――今回のテーマは、先日のイベント前に死亡事故が起きたOne Championshipが取り組む体重管理制度です痛ましい事故を繰り返さないように……
    One Championshipの新しい体重管理制度、静かなるスタート

    昨年12月11日、One Championship所属の中国人ファイター、ヤン・ジエンビン選手が減量の合併症による心臓発作で死去した。21歳だった。この痛ましい事故を踏まえて、Oneでは新たに、選手の減量そのものを禁じるという新たな体重管理システムを導入し、1月23日の中国・長沙大会から運用を開始した。この大会のメインイベントはバンタム級タイトルマッチ、「ビビアーノ・フェルナンデス vs. ケビン・ベリンゴン」であった。
    発表された仕組みは次の通りだ。所属全選手は毎日自分で体重測定を行い、その結果をOneのデータベースに入力する。団体はそのデータを使って、選手の適正階級を決定し、マッチメイクを行う。この際、意図的な虚偽報告などが行われないように、随時抜き打ちの体重測定も行われることとされた。
    試合を控えた選手の場合、試合の1週間前から3時間前まで、連日にわたって体重測定と尿の比重検査(脱水状態を確認するもの)が行われる。規定体重をクリアし、脱水状態ではないことが確認できないと、試合に出場することはできない。点滴の使用は禁止されている。
    また選手は、試合の7週間前には自分の体重を契約体重の6%オーバー以内に収めなければならないこととされた。さらに6週間前には4.5%オーバー以内、5週間前には3%オーバー以内、4週間前には1.5%オーバー以内、3週間前には契約体重以内に収めなければならない。
    階級を変更したい選手は、試合の8週間前までに団体に申し出ることとされた。申し出の段階で、新しい階級の体重になっていることが条件とされた。申し出を行った選手に対しては、8週間にわたり抜き打ち検査を行い、本当にそれがナチュラルな体重であるのかを確認することとされている。
    この発表からひとつ抜け落ちていたことは、現在のチャンピオンがいきなり減量を禁じられるとなると、タイトルは一体どうなるのかという点である。この新制度について十分説明を受けていなかった様子の135パウンド級のチャンピオン、ビビアーノ・フェルナンデスは1月6日付けのMMA Fightingのインタビューで、次のように不安をぶちまけていた。この記事の続きと、中村祥之、中井りん、光GENJI山本淳一、北岡悟、追悼ケビン・ランデルマン、大沢ケンジ×礒野元などが読めるお得な詰め合わせセットはコチラ