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<無料公開記事>MMAファッション通信2016〜延長ラウンド〜■MMAオレンジ色の手帳
2016-06-15 18:18格闘技ブログ「MMA THE ORANGE」の管理人オレンジがディープなエピソードをお届けする「MMAオレンジ色の手帖」! 前回に引き続き……2016年新作格闘技Tシャツを紹介!今回の「MMAオレンジ色の手帖」も前回に引き続き格闘技系アパレルネタ。スペースの関係で紹介し切れなかったこの夏オススメのアイテムやイチオシのブランドをよりマニアックに絨毯爆撃していきます。題して「MMAファッション通信2016〜延長ラウンド〜」。なお、勝敗に優劣がつかなかった場合、延長ラウンドは無制限になる勢いなので、今宵も電波と充電の続く限りよろしくお願いします。<前回はコチラ>新作オススメTシャツはこれだ! 「MMAファッション通信2016」■MMAオレンジ色の手帳まず手始めに最近のTシャツ事情を少し。2015年は男女問わずにノームコア(究極にシンプルなファッション)が流行した影響で白い無地のTシャツがトレンド -
「世界柔術選手権2016」「シャチ横内」……中井祐樹の「東奔西走日記」6月1日〜14日編
2016-06-15 17:5281pt日本格闘技界の礎を築いたレジェンド、中井祐樹先生@yuki_nakai1970 が日常を綴る連載! 今回は6月1日〜14日まで!6月1日 水曜日 晴れ 遂に!
甲斐バンドで迎える朝。今ちょっとデビュー盤から一作一作聴きなおしている。洋楽やGSからの連なりもあるにはあるが吉田拓郎の影響も(あまり指摘する人はいないが)見逃せないと思う。とにかく聴きやすいな。
週に一度の図書館day。フリッパーズギターとかクリムゾン、O・ヘンリ短編集等々。ちょっとこれからは傾向違うのも読んでみようかなと決心。またいずれ。
昼練。ゼンコーさんこと吉田善行選手が初参加。一心柔術アカデミー代表の後藤悠司代表に自宅でなったという(!)枇杷をいただく。美味しゅうございました。
そして夜! なんとクロスポイント吉祥寺のT-98(タクヤ)選手がムエタイ500年の歴史を破りラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級王者に輝いたとの報が! 藤原敏男先生のファン世代だけにナカイ感激である。
パラエストラ吉祥寺の母体でもある同ジムから遂にムエタイ王者誕生、関係各位に敬意を表したい。
格闘技界最高の栄誉のひとつだが、たぶん、柔術クラスがあるジムからは初の二大スタジアムのタイトル獲得では?なんてね。たぶんだよ。
6月2日 木曜日 晴れ メンテナンスday
午前クラスをやり、午後は治療に埼玉に。静かにあいだの時間を大宮駅構内のカフェで過ごす。いろいろはかどる時間である。
身体は思ったより好調。ただし、な部分もあり気をつけようと思いました。油断大敵、40代。
6月3日 金曜日 晴れ 多種多様な経験を。
5日のグラスコ戦のメンバーの発表をする。柔道部以外で他にこの種の定期戦をやってる、って話は寡聞にして知らない。やっぱりルーツは北大なのだ。東北大学や小樽商大との定期戦のイメージで。もっとやろうよ皆さま!
月末からロシア入りしていた中島太一が試合だった。配信、見終わったのは2時過ぎてたのかな。対戦相手が急に変わったりハプニング続きだったようだがこれも経験だ。
6月4日 土曜日 曇り 三ヶ所ハシゴ
午前、体験の方を迎え。サブミッションを楽しんでいただいた。
リリオセントラルフィットネスクラブ・亀有キッズレスリングスクールへ。来るたびごとにマット運動ができるようになって、それが自信につながっているようです。未就学児は天候の変化からか少々疲れ気味(?)。小学生たちからはリクエストもありレスリングそのものに時間を多く割きました。かわいい。
町田支部。前田憲作先生と奥様が居られた。結婚披露宴以来。今後ともよろしくお願い致します。
奥様によるHPの写真撮影があったため道衣で開始。今週のテーマ「ハーフガードからの反撃」を解説するも月始めの中井担当土曜はノーギ、という不文律に従いやがてノーギver.へ。それに伴い技もガラリと変わるのが一興である。
ドリルはハーフから3本、以降インターハイ予選にあわせ3分刻みの自由稽古。今度こそ見に行きたいが…。成るか。
6月5日 日曜日 晴れ 団体戦の効能
世界柔術、湯浅麗歌子君が決勝進出。明日、二連覇の期待がかかる。
今日はいよいよグラスコ&パラエストラ定期戦。毎度ながら良い時を過ごせた。
公式戦でないからこそ出場するという人がいて、また試合に出してみてはじめてその資質に気づくことがある。これがやる意味なんだね。
よく考えてみたらこちらから声を掛ける機会はこれくらいしかない。たぶん他所だと試合は基本「出させる」ものなんだよね。僕はそれをほぼ排しているが、実際は背中を押して出させたほうが良いこともあるんだね。ハッと気づいたよ。かつて15人戦を東京・松戸・吉祥寺でやっていた時分を思い起こした。他にも何かに照準絞って出そうかな。
試合して、がっつり練習して、酒を酌み交わす(最後のは来年に持ち越しね)。これが定期戦の醍醐味なるかな。継続!
6月6日 月曜日 曇り 湯浅二連覇成る、に思う
世界柔術選手権2016、女子黒帯ルースター級で湯浅麗歌子(パラエストラ品川)が金メダルを獲得!
昨年のライトフェザー級優勝に続き今年は本来の階級で臨み、日本人では史上初となる世界二連覇を達成。準決勝、決勝とも一本勝ちの完全優勝であった。
2013年の世界銅メダリスト・佐々幸範の指導のもと、時には見ているこちらが心配になるほどの練習をこなしていた。出発する週の月曜には倒れて痙攣したしね……。
試合場に佐々が不在であることも含め何から何まで常識破りの師弟コンビの偉業は今年もスポーツ界・日本社会に一石を投じるものと思う。支えて下さったすべての方に感謝します。今日は飲もう。
しかし、だ。この日記だからこそ、敢えて言おう。女子だからなのか、やはり男子ほどには注目されていない。むしろ湯浅の二連覇にも当たり前ムードが漂っている(いた)のはある意味、恐ろしい。そんな簡単な事業ではなかったはずだ。
事前のレビューでも女子に言及した記事はゼロ。結果、優勝しても男子のベスト8のほうが見出しになるくらい。ミヤオやメンデスクラスが女子ルースター級には見当たらず、湯浅がそれに当たる存在だということなのか。そうであるならなおさら…。
自ら積極的に発信したり記事になりやすい発言をしたりしなければならないのかもしれないし、それらの不足は確かに我々サイドにはあるのだろう。が、しかし、だなあ。この続きと、保坂秀樹、橋本真也の不倫と死、クリス・ベンワー、BABYMETA×NXT、リコシェ vs. オスプレイ論争などの記事が読める「13万字・詰め合わせセット」はコチラ -
レスラーの野心が謎を生み出す……SWSに狂わされた男たち!■小佐野景浩のプロレス歴史発見
2016-06-13 10:4781ptプロレスラーの壮絶な生き様を語るコラムが大好評! 元『週刊ゴング』編集長小佐野景浩の「プロレス歴史発見」――。今回は「SWSに人生を狂わされた男たち」がテーマです!イラストレーター・アカツキ@buchosenさんによる昭和プロレスあるある4コマ漫画「味のプロレス」出張版付きでお届けします!<関連記事>嗚呼、阿修羅・原……修羅ごときそのレスラー人生!!■小佐野景浩のプロレス歴史発見http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar640699新倉史祐インタビュー「SWSの実態は全日本プロレスだった」
http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar628895“ケンドー・ナガサキ”桜田一男インタビュー「SWSは全部で99億円使った」http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar649182北原光騎インタビュー「俺にとって天龍さんは“神様”だよ」http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar739727天龍源一郎が生きた時代/安西伸一×小佐野景浩〜『週プロ』と『ゴング』の天龍番対談〜http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar752577
――SWSについては天龍(源一郎)さんを中心に語っていただいてますが、天龍さん以外にもSWSに関わったことでプロレスラー人生が大きく動いた選手は多かったですよね。
小佐野 SWS解散後はみんな苦労したよね、やっぱり。
――新日本プロレスからSWSに移った選手はジョージ高野選手、佐野(巧真)選手の2人だけでした。新日本でいえば、もともとは武藤(敬司)さんをエース候補として引き抜こうとしてましたね。
小佐野 WCWから帰ってきたばかりの武藤が、引退シリーズを控えた坂口(征二)さんにお別れの挨拶をしにいったんだけど。移籍のお別れだったという(笑)。
――慌てた坂口さんが引き止めたことで武藤さんはSWSには移りませんでしたけど(笑)。ジョージさんと佐野さんは新日本に不満があったということなんですか。
小佐野 彼らがなぜ移籍したのかは、いまだによくわからない。あの2人だったことも謎でしょ。佐野くんではなく、スーパー・ストロング・マシン、ヒロ斎藤ならカルガリー繋がりでまだわかるんですよ。SWSは若松(市政)さんが動いていたわけだし。
――若松さんは悪役マネージャーとしてカルガリーでも活躍してましたね。
小佐野 佐野くんの海外修行先はメキシコだし、接点が見えない。あの春に、佐野くんとメキシコに一緒に行っていた畑浩和が引退してるんですよ。そのときの畑の扱い方に許せないことがあって、佐野くんは新日本をやめたんじゃないか……なんて噂はあったけれども。移籍の真相はわからない。
――あの時期のプロレス界で、新日本・全日本をやめるというのは異例の判断ではあったんですか?
小佐野 あのときの新日本と全日本のあいだには引き抜き防止協定が結ばれているから、新日本をやめたら全日本には行けないし、逆もまた然り。新生UWFはあったけど、FMWは始まったばかりで電流爆破はやっていない。新日本や全日本を抜けたらプロレスラーとして生きていくのは難しかったわけですよね。
――FMWが大成功を収めるのは先の話ですから、団体を興すのも現実的ではなかったと。
小佐野 失礼ながらトップレスラーがやめるのはまだわかるじゃないですか。ジョージや佐野くんが新団体を作れるのか?……っていう話になってくる。
――よく言われるのは、SWSの破格のギャラにつられて移籍した……という話ですね。
小佐野 メガネスーパーという母体もしっかりした会社だし、そこには夢もあったんだと思うんだよね。SWSは道場制という新しいことをやろうとしてた。しかもジョージ高野で言えば、ひとつの部屋を任せされて道場主になれるということだったから。
――SWSには天龍さんのレボリューション、ジョージさんのパライストラ、若松さんの道場・激の3つの部屋が設立されましたね。
小佐野 ひとついえるのは、あの当時は団体を離れたらレスラーとしてやっていけないシステムになっていたわけだから、閉塞感はあったのかもしれない。「この世界でしか生きていないといけない……」と思っていたのが、SWSの登場でじつはそうじゃなくなった。しかもそこは待遇もいいときた。SWSはあの頃のレスラーにとっては理想郷に見えたわけですよね。
――全日本プロレスから続々と移籍した選手の中で「このレスラーが!?」と驚いたケースはありましたか?
小佐野 いや、とくには。誰が動いてもおかしくはなかったから。冬木(弘道)さん、北原(光駒)、カブキさんは全日本の中で天龍さん派だったでしょ。谷津(嘉章)さんとは高野俊二、仲野信市、高木功(嵐)の3人が仲が良かったから。
――その3人は決起軍ですね。馬場さんが「全然決起しないから……」という一言で解散させされた。
小佐野 いつも彼らはつるんでいた。谷津さんはどういうルートでSWSに移ったのかなあ。天龍さんに口を利いてもらうことはしていないんだけど。
――天龍さんは、SWSにあんなにレスラーが集まるとは思わなかったと振り返ってますね。
小佐野 というか、天龍さんに限らず、みんな「……なんでこんなに来るの?」と思ってたはず(笑)。
――あ、全員が(笑)。
小佐野 みんなSWSという新団体がどうなるかわからないまま集まってしまった。結局、天龍さんがエースになるわけだけど、「俺は天龍を担ぐために来たんじゃない!」と不満をもらす選手も出てくる。
――どう考えても天龍さんをエースに担ぐしかないんですけど、団体の成り立ちがそうじゃなかった、と。
小佐野 道場がいくつかあって、対抗戦をやるというコンセプトだったわけだから。それなのに誰かを担ぐとなったら「えっ?そんな話は聞いてない」となってしまう。ビジネスとして考えて誰を売っていくかといえば、天龍源一郎しかいないんだけど……。
――天龍派と反天龍派の争いがSWSという団体の崩壊を招くわけですね。
小佐野 反天龍派はレボリューション以外のレスラーたち。あまりにもまとまらないから、一時期は「だったら別々で興行をやろう」というところまで話は発展したんだよ。天龍さんは「レボリューションだけで興行をやるから」と。でも、反天龍派はそれは拒否した。自分たちだけでやってもお客さんは入らないから。
――じゃあ、どうしろっていうんですか!(笑)。
小佐野 92年の春に派閥争いが表面化して以降は、レボリューションとWWE勢が試合をして、あとは反天龍同士で試合をやることになったりね。反天龍派がレボリューションやWWEの選手たちとの試合を拒否したから仕方がない。でも、あのシリーズは面白かったんですよ。お互いがいい試合をしようと張り合っていたから。
――反天龍派のリーダーは、SWS解散のきっかけを作ったとされる谷津さんなんですか?
小佐野 リーダーというか谷津さんはSWSの選手会長だったからね。そこもまた捉え方が難しくて、新日本のクーデターのときもそうだったんだけど、反天龍派が一致団結して固まってるかといえばそうでもないんだよね。それぞれ思惑や不満があった。
――共通の敵が天龍さんだったというだけで。
小佐野 大きい理由としては、レボリューションがマッチメイクで優遇されている、と。マッチメイカーはレボリューションのカブキさんだったから「ふざけるな」となるんだけど、カブキさんはかなり気を遣ってたんだよね。みんな第1試合にすると嫌がるから、だったら自分が出ると。
――反天龍派は第1試合を嫌がったんですね。
小佐野 第1試合を任されるということは、興行として大事なことなんだけど、反天龍派からすれば「なぜ第1試合なんだ?」って不満になっちゃうんですよ。結局、カブキさん本人は「もう自分にはできない」ということで一介のレスラーに戻ってしまって、末期は反天龍派の鶴見(五郎)さんと、天龍派の石川(敬士)さんがカードを持ち寄って決めていた。
――反天龍派の不満はマッチメイクだけなんですか?
小佐野 あとWWEとの提携は必要ないと。
――必要ない!?
小佐野 WWEに大金を払う必要があるのか。WWEじゃなくたって外国レスラーは呼べるでしょ、と。SWSの旗揚げのときは桜田(一男)さんのルートで外国人選手を呼んでたんですよね。ジェフ・ジャレットとか。
――桜田さんは「道場・激」所属で反天龍派ですね。
小佐野 反天龍派の一番不満は、WWEとの提携だったと思う。天龍さんがアメリカに渡って、当時WWEのエージェントだった佐藤昭雄さんと会ってまとめた提携なんだけど。全日本にいた天龍さんとしては「いい外国人がいないと客が入らないでしょ?」という考えがある。メガネスーパーの田中社長は「そんなに高いお金じゃない」と判断してWWEとの提携を認めた。
――さすが田中社長!(笑)。
小佐野 でも、反天龍派はWWEとの提携によって、天龍、カブキ、佐藤昭雄の3人が「美味しい思いをしてるんじゃないの?」となる。
――なるほど。でも、どう考えてもWWEは必要ですよね……。
小佐野 SWSは90年10月に旗揚げして、翌年の4月には東京ドームで興行をやったけど、それはWWEとの提携がなかったら無理だよね。ホーガンやロード・ウォリアーズが呼べたからビッグマッチができたんですよ。
――反天龍派はWWEが必要なのは理解してるけど、政争の材料にしてたということですか?
小佐野 いや、本気でそう思ってたと思う。「WWEのレスラーはしょっぱいだろ」って。
――うーん(笑)。待遇面の不満もあったんですかね?
小佐野 天龍さんが社長として契約更改をやってましたけど、不満はなかった。最後の春だって誰一人ギャラを落としてない。それは田中八郎氏が「天龍さんが社長なんだから天龍さんがやってください。言うことを聞かない人間は切ってください」と言い渡して。全員との契約が無事に終わったので、田中氏が「じゃあ、落ち着いたらみんなでハワイ旅行でも行きましょう」といったところでドッカン。
――反天龍派の田中邸直訴事件が起きたんですね。そこで何が起きたのかは諸説ありますが……。その後、谷津さんが記者会見で天龍体制を批判。修復不可能となり、話し合いの結果SWSは解散。天龍派と反天龍派に分かれて団体を興すことになりますね。
小佐野 あのとき何があったとかといえば、いろんな説があるんだよね。田中氏が谷津さんにネジを巻いて、解散の方向性に仕向け、それを口実にメガネスーパーはプロレスから撤退したとか。
――そこは当時現場の最前線にいた小佐野さんでもわからないんですね。
小佐野 そこはプロレス界だけの話じゃなくて、やっぱり大企業の事情も関わってくるから。反天龍派がリング上で「バンザ~イ!」をやって結束をアピールしたり、どう見てもレボリューション側の形勢が不利になのかと思っていたら、シリーズ最終戦で谷津さんが仲野信市と共にSWSを退団、引退することになったり。もうわけがわからないんですよ。
――全体を把握してる人間は……。
小佐野 いないと思う。田中八郎氏くらいかな。天龍派も反天龍派も何かあれば、田中氏に話は通してるから。
――どちらにとってもメガネスーパーが命綱ですもんね。
小佐野 田中氏からSWSに関して何かしらの指示を受けているメガネスーパーの社員はいたんだろうけど、田中氏がすべてを話す必要はないでしょ。「◯◯さん、こうしてくてださい」って簡単な指示を出すだけ。SWSのレスラーたちも俯瞰して物を見ていないから、全体像は見えにくくなるよね。
――よく言われがちなのは、お金で揉めたということですよね。
小佐野 いや、金が原因だったら大人しくしていますよ。いい金をもらってるんだからね。そこでギャーギャー騒いだのは金じゃない何かがあったということですよね。やっぱりね、プロレスラーって譲れない何かがあるんだよね。
――天龍派と反天龍派の意見が一致した唯一の事例は、剛竜馬のSWS入りを反対したときだったそうですしね……。
小佐野 それで田中氏は剛さんにお金だけ出すことになったんですけどね。この続きと、保坂秀樹、橋本真也の不倫と死、クリス・ベンワー、BABYMETA×NXT、リコシェ vs. オスプレイ論争などの記事が読める「13万字・詰め合わせセット」はコチラ
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<無料公開>目指せTJディラショー! サウスポーとオーソドックスの両刀使いに挑戦!? ■二階堂綾乃
2016-06-13 10:24新日本プロレスの選手イラストを描いてキャッキャしていたプオタ女子・二階堂綾乃がいつのまにかMMAジムに通いだし、ついに格闘技デビューをしてしまったこのコーナー。今回はなんとサウスポーとオーソドックスの両刀使いに挑戦!? 川尻達也選手も苦労したと言われるシャッフルの道に踏み込んでしまった結果……
参考記事TJデラショー、ヘナン・バラオンをシャッフルで破る■大沢ケンジのUFC総括http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar543115
私は常々不思議に思っていたのです。格闘技をよくわかっていない頃からなんとなくサウスポーの方が強いイメージがあり、オーソドックスとサウスポー両方共に使えてスイッチできる人はより強く、さらにオーソドックスとサウスポーを混ぜに混ぜてシャッフルできる人は最強というイメージがあるのに、なぜオーソドックスの人が多いんだろう? 両方使え -
Dropkickメルマガ好評インタビュー一覧
2016-06-10 09:53
Dropkickメルマガロングインタビューの一覧表。試し読みもできます! 名前をクリックすると記事に飛びます!【昭和プロレス】桜田一男喧嘩日本一見参! ケンドー・ナガサキ「SWSは全部で99億円使った」 ミスター高橋with田山正雄レフェリーの魔術「試合はこうして壊れていく――」 平田淳嗣おまえ平田だろ!「スーパーストロングなプロレス人生」 新倉史祐道場破りから前田日明vsルスカまで……「俺が見た昭和・新日本プロレス伝説」 康芳夫世紀の呼び屋「猪木vs人喰い大統領アミンはぜひやりたかったね」 猪木快守猪木一族の事業欲とは何か? 【新日本プロレス系】草間政一私が戦った暗黒・新日本プロレス 永島勝司アントニオ猪木と北朝鮮 田中ケロケロちゃんの新日本プロレス伝説 西村修「独裁者・長州力に逆らうってエネルギーが必要なんです」 中村祥之インタビュー負けたら即引退試合SP、過激な舞台裏「新日本プロレ -
「リコシェ vs. オスプレイ」は”ストーリー”を語っていたか■MMA Unleashed
2016-06-09 21:1455ptOmasuki Fightの北米MMA抄訳コラム――今回は世界中で議論が巻き起こった「リコシェ vs. オスプレイ」について!
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「詰め合わせセット」記事内容一覧 http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1038978
■中村祥之が語るハッスル誕生と崩壊――
長州さん、高田さん、小川さん、橋本さんの巨頭会談。長州さんはハッスルの可能性を感じて「これ、天下取れるぞ!」と口にしたんです
■「斎藤文彦INTERVIEWS②」のテーマは「WWEに屈しなかった男」!
プロレスの歴史に舞い戻ったオペラ座の怪人スティング
「スティングとアルティメット・ウォリアー、2人の貧乏青年が出会い、別れ、そして2大メジャーでそれぞれ頂点に立つんです。できすぎでしょ?」
■金原弘光のゼロゼロ年代クロニクル⑩
PRIDE・1ヒクソングレイシー戦〜紫に消えた高田延彦〜
「ヒクソン戦当日、控室には祈祷師も出入りしていて……」
■【デビュー20周年と100戦目】KEI山宮ロングインタビュー――パンクラシストの憧れと死を見つめて
■小佐野景浩のプロレス歴史発見
猪木を超えられなかった藤波辰爾――プロレス職人と野心の時代
「猪木vs藤波最後のシングルマッチの数カ月前に起きた、あの出来事が……」
■アメリカントップチーム移籍初戦完勝!堀口恭司インタビュー
「いろいろと試せました。次はもっとやれます!」
■事情通Zの「プロレス点と線」
・禁断の帰還――さくらえみとアイスリボン
・どうなるUFC日本大会
・内藤哲也というヒール
■オマスキファイトのMMA Unleashed
・アメリカ主流メディアで語られ始めたジャパニーズ・プロレス
・UFC 200は僕らの期待に応えてくれるのか
・UFC売却? ダナ・ホワイトは中国人のボスとうまくやっていけるのか
・ロード・ブレアーズ 桃の缶詰の思い出
・ドキュメンタリー:UFCファイターの試合当日(後編)
■ジャン斉藤のMahjong Martial Artas
「高田延彦はロープ掴み禁止をなぜ知らなかったのか」
■中井祐樹の「東奔西走日記」
■二階堂綾乃のオールラウンダーAYANO
ゴールデンウィークはジムに行こう!
「カチ上げラリアット」でおぼえるグラップリング!■MMAオレンジ色の手帳
新作オススメTシャツはこれだ! 「MMAファッション通信2016」
格ヲタとジャニヲタの小競り合いが勃発! 格闘技中継で何が起きたのか?
http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1038978
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5月27日(金)に後楽園ホールで行われた新日本プロレス、ベストオブザスーパージュニアのトーナメント戦「リコシェ vs. ウィル・オスプレイ」の最新式空中戦のハイライトを収録したGIFファイルが、ソーシャルメディアを通じて世界的に大きな話題を呼んだところ、これを目にしたビッグ・バン・ベイダー(61)がTwitterで次のように、この試合を批判するコメントを出した。
「見え透いたアクロバット。ストーリーが見えない。このビデオの中に、勝利につながる何かがあるのか。これなら高校生の体操選手を連れてくれば十分だ」
「プロレスの進化なら私にも分かっている。私も世界中で40年もやってきたんだ。勝ち負けにつながっている限り、私はプロレスの進化に賛成なんだ。ストーリーを見せてくれ」
このTweetをきっかけに、海のむこうでも時ならぬプロレス世代論がわき起こることとなった。オスプレイ(23)はベイダーに当てつけるように、「ベイダー!」と叫びながらのスプラッシュ技を使い始めたとも報じられている。そこで今回は、まずこの「ストーリーを見せてくれ」とするベイダーの真意を詳しく代弁しているかのような、英プロレス誌に掲載されたリッキー・スティームボート(63)のシュートインタビューをざっくりと紹介しよう。続けて、レスリングオブザーバーで語られた、ベイダー理論への反論の要旨を紹介する。
これを読めば、一体何を巡って論争が起きているのかが理解できるはずだ。あなたは、この試合を見て、どのように感じたであろうか?
●ある週末のインディーズ大会に立会人として招かれた。メインイベントはベビーフェイスがヒールにベルトを譲り渡すことになっていた。2人はとても優秀なワーカーだと聞いていた。試合前に私は彼らに、これはタイトルマッチなんだから、ちゃんとストーリーを語るように、とだけアドバイスをして送り出した。
試合が終わって彼らがコメントを求めてきた。私はこう言ってやったんだ。キミらは対戦相手にいろいろ仕掛けて、相手に大きなバンプも取らせていたのに、ウロウロ歩き回るばかりでカバーをしないんだな。2人とも、自分のキャラを立てようとするのには熱心だけれど、私の見たところ少なくとも10回は、本来ならカバーするべき機会があった。これはタイトルマッチなんだぞ。チャンピオンはベルトを防衛しようとする、挑戦者はベルトを取ろうとする。それがタイトルマッチのストーリーだろう。それなのに、DDTをやってもカバーもしないで、ジェイク・ロバーツみたいなポーズを取っている。見ていて、こいつはベルトを取ろうとしていないんじゃないのかな、と思ったよ。
まあ、キャラを立てたいというのは分かる。私なら、まずムーブをして、カバーをする。キックアウトされたら、その後でキャラを立てる。キャラを立てるポーズはあくまで、相手を倒そうとしているということをファンに分からせた後にやるべきことなんだ。
フェイスが攻撃をしてヒールを場外に放り出したシーンがあっただろう。で、フェイスが場外のヒールに向かってトペを飛んだ。しかし、その直後にはもう立ち上がって、拳を突き上げたりして怒ってみせて、客からの喚声をあおっていたけれど、そういうことはチープなんだよ。
そうしたらフェイスがこう聞いてきた。リッキー、あなたならどんなふうにしましたか。だからこう答えてやった。場外に飛びたいなら、まずリング内のビッグムーブで相手を弱らせろ。ヒールは自分から場外に逃げる。飛びたいだけのために相手を場外に放り出すんじゃないぞ。自分から場外に逃げさせて、セールをさせておけ。ヒールが、もうこりごりだ、ここから逃げ出したいと思っていることを客に分からせろ。そこでフェイスは、場外でセールをしているヒールに向かって、さらに追い打ちをかけてやるという姿勢を見せる。そうするとファンは「こいつは飛ぼうとしているぞ」と思ってくれる。そうしておいた上で、トペをするんだ。
で、そのトペをやりっ放しにしないで、私ならすぐに起き上がり、相手の髪を引っ張ってリング内に引きずりあげ、マット中央まで転がして、深い片エビにとってカバーをする。もちろん、カウント2で跳ね返されることはみんな分かってる。でも、せっかくの積み重ねを捨て去ることにはならない。トペなどのビッグムーブは、ちゃんと利用しないといけない。そのためには、相手のケツを蹴り上げてでもリングに戻して、これで勝てるのかどうか、まずはカバーをしてみないといけないんだ。この続きと、保坂秀樹、橋本真也の不倫と死、クリス・ベンワー、BABYMETA×NXTなどの記事が読める「13万字・詰め合わせセット」はコチラ
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ジム戦国時代! 格闘技ジムはどうあるべきか■大沢ケンジ
2016-06-09 18:4455pt和術慧舟會HEARTS大沢ケンジの格闘技談義! なんと! このたび駒沢にキックボクシングジムをオープンした大沢師匠。MMA、キック、柔術と格闘技ジムが乱立する昨今、生き残るためには何が必要なのか――? ――駒沢にキックボクシングジムを作るそうですね(5月23日にHEARTS KIXがオープン)。
大沢 来週オープン予定なんですよ。実際に会員がどれくらい集まるかはわからないですけど、ボクの肌感だと新宿にHEARTSを出したときよりも反響はありますね。
――駒沢周辺の格闘技ジム事情はどんな感じなんですか?
大沢 あの周辺にスポーツジムは少ないんですよ。近所だと都立大にあるHAYATO GIMがメチャクチャ流行ってるんですけど。◯◯◯人くらい会員がいて。
――そ、そ、そんなにいるんですか!? ひえ〜(笑)。
大沢 いつ行ってもジムの中は会員さんでパンパン。前にも言いましたけど、キックは女子がフィットネスとしてやりやすいし、間違いなく流行ってますね。
――それで大沢さんもキックジムに進出したわけですね。
大沢 キックだけじゃなくて柔術のジムも出しちゃおうかなって考えてるんですけど。柔術の熱って世間にはまだまだ届いてないですけど、それは地表上には出ていないだけで、地下でとんでもないことになっていて。
――競技人口もどんどん増えてますよね。
大沢 いつか世間にその熱が届くことってあると思うんですけど、海外ではサーファーで柔術家とか、ハリウッド俳優が柔術をやるとか、オシャレなものとして捉えられてる面もあるんですよね。
――セレブスポーツとしての柔術。
大沢 日本でもお医者さんとか社会的地位がある人がやってるケースが多くて。そこはインテリジェンススポーツの一面があるんですよ。キックやMMAはフィジカルスポーツですけど、柔術はトレーニングをやった時間だけ強くなるし、考えて強くなれる。どのスポーツも練習したほうが強いんですけど、柔術はより際立ってるんですよね。で、肝心なのは、柔術って会員の定着率がMMAやキックよりも高いんです。
――へえー!それはどうしてなんですかね。
大沢 キックとかは繰り返しの練習になるから、やっぱり飽きるんですよね。だからアマチュアの大会に出るとか目標を設定してあげるんですけど。柔術の場合は、やればやるほどハマっていく感じなんでしょうね。
――一度でも触れたら抜け出せない面白さがある。
大沢 柔術は2ヵ月間続いたらずっと続く。キックは2ヵ月やっても、半年でやめたりするんです。それに柔術は普通の格闘技ジムの料金より高いんですよね。東京都内の柔術ジムって13000円がスターンダートな金額。月15000円のところもけっこうありますし。
――それでいて定着率が高い。
大沢 さらに柔術のジムが面白いのは、ひとつの場所じゃなくて、掛け持ちで通うケースが多いんですよ。なぜかというと、柔術は人につく。この先生の技術を知りたいし、この先生の姿勢が好きだから通うと。
――そのジムでしか習えなかったり、そこでしか味わえない面白さもあるんですね。
大沢 だから遠くても通うし、掛け持ちをする。柔術は趣味の世界、キックはマラソンと同じでスポーツの一環なんです。だから身体を動かすならキックじゃなくてもよくて、フットサルでもいいはずなんです。
――それでキックは入れ替わりが激しい。
大沢 キックはある程度、入れ替えがあるもんだと思ってやろうかな、と。基本はフィットネス寄りですけど、状況を見ながらやろうかなって。
――新生K−1も好調ですし、キックのジムは増えてるんですかね。
大沢 ボクがキック方面は疎いこともあるんですけど、そこまでキックのジムが増えてる話は聞かないですよね。
――縄張りがあったりするんですかね。不可侵条約的なものがあったり。
大沢 あるかもしれないですねぇ。もしかしたら、もの凄く怒ってるかもしれない(笑)。
――ハハハハハハハハハハ!
大沢 これはあくまで個人的な考えですけど、キックの選手って社会性がある人が多い。逆に総合はキックと比べて社会性がない人が多いんですよ(笑)。
――そうなんですか?(笑)。
大沢 総合って打撃、寝技、柔術とやることが多いから、真面目に取り組むと、時間の融通が効くアルバイトを仕事に選んじゃうと思うんですね。定職についてないから、現役をやめたらジムを開くか、何も知らない仕事にイチから就くかになる。そうなったら前者を選びがちだと思うんですよ。それはボクがそうだったから!(笑)。
――なるほど(笑)。それで続々と総合の選手がジムが乱立してるところもある。
大沢 だって、ほかにやることないですもん!(笑)。キックもそのうち歯医者さんみたいに乱立すると思いますよ。この新宿だってたくさんジムがありますし、みんな「この場所ならいける!」と思ったら、近所にジムがあろうが出すと思うんです。
――コンビニも1軒繁盛したらその地域に続々と進出するみたいですよね。
大沢 そこは腹をくくらないといけないですね。昔だったら「ケンカを売ってるのか!?」ってトラブルになったし、恨みを買うようなやり方はよくないですけど、弱肉強食の時代に入ってると思いますね。駒沢にはライバルがいないと思っていても、すぐに近所にできると思うんですよ、もしウチのキックジムが流行ったら。
――これだけMMAジムが増えても、ちゃんとビジネスになってるところが多いですよね。
大沢 ボクの場合は、PRIDEやK−1がなくなったりして格闘技界がドン底のところを乗り切ったのはデカイですよ。
――暗黒時代を突破した地力がある(笑)。この続きと、保坂秀樹、橋本真也の不倫と死、クリス・ベンワー、BABYMETA×NXT、リコシェ vs. オスプレイ論争などの記事が読める「13万字・詰め合わせセット」はコチラ -
【アンコール掲載】マーク・ハントの壮絶人生「BORN TO FIGHT」■MMA Unleashed
2016-06-09 18:3355ptOmasuki Fightの北米MMA抄訳コラム――UFC200「ブロック・レスナーvsマーク・ハント」の怪獣大戦争決定を受けて、以前掲載されて話題を読んだ「マーク・ハントの壮絶人生」を再びお送りいたします!
暴力って、いったいなんのためにあるんだろう……僕はかつて、そんなことを長い時間をかけて考えていた。そんなことは自分とは特に関係がないんだ、ということに気がついたのは、わりに最近のことだ。ほかの何かのせいなんだ。僕が知ろうとしなかったほかの何かの。
父はほんの小さなことで僕らを殴った。やり方もいろいろだった。拳のこともあったし、足のことも、ほうきも、棒も、電線の場合もあった。水道と洗濯機を繋いでいるホースはひどかったな。あれは本当に重たくて、この世の物とは思えないほど痛かった。それに、父がどんなに本気で殴っても、あのホースだけはこわれないんだ。
だからあのホースがあれば、父は自分がヘトヘトになるまで、ずっと殴りつけることができた。それに父は本当に、そういうことにかけてはエネルギーに満ちあふれた人だった。あのホースが大好きだったんだろうな。
父が大好きだったことはほかにもある。兄弟一人一人を呼びつけては、全体重をかけて太ももを殴ってくるんだ。こちらは足が動かなくなって、その場に転がるしかない。走って逃げることもできない。ただその場に転がって、父のやりたい放題が済むまで待っているしかなかった。次はホースかなあ、いやほうきかな、ブーツだろうか。踏みつけかもしれないな、などと思いながら。
父は兄弟をお互いに戦わせるのも好きだった。で、もし誰かが泣いたりしたら、あの人は拳と蹴りで飛びかかってきた。殴られているときに泣いてはいけない。もっと殴られることになるからだ。最終的にはいつも連帯責任だった。僕らはたぶん、そこまでやられっぱなしでいるべきではなかったんだ。
―― マーク・ハントの自伝「Born to Fight」が出版された。著者のBen Mckelvey氏によると、取材を始めた頃のハントはひどく口数が少なかったという。父親について尋ねても、「あの人は悪い人だった。ただただ、悪い人だった」としか説明しなかった。ただハントは、姉のビクトリアの連絡先を教えてくれたのだという。ビクトリアとの対話がこの自伝の基礎となっており、そこからハントもいろいろな話をしてくれるようになっていったのだそうだ――
僕たちに比べれば、父は姉のビクトリアには優しかった。姉は僕ら兄弟の面倒を見てくれていて、僕らを清潔できちんとしておくのが役目で、それができていないときには姉もしこたま殴られていた。それでも、僕やスティーブ、ジョンに比べれば、姉への当たりはそんなに強くないと思っていた。
だれもが、父はビクトリアにだけは甘いと思っていた。父はよく、ビクトリアの部屋にいた。でも部屋からは、物が壊れる音や、殴られる音は聞こえてこなかったし、部屋から出てきた姉は血も出ていなかったしケガもなかった。なんだか不公平だなあと思っていたほどだ。部屋の中で何かおかしなことが起きているようには思っていたけれど、それがそこまで極悪で罪深いことだとは知らなかった。この続きと、保坂秀樹、橋本真也の不倫と死、クリス・ベンワー、BABYMETA×NXT、リコシェ vs. オスプレイ論争などの記事が読める「13万字・詰め合わせセット」はコチラ
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ブロック・レスナーUFC電撃参戦!■事情通Zの「プロレス 点と線」
2016-06-09 18:0355pt事情通Zがプロレス業界のあらゆる情報を線に繋げて立体的に見せるコーナー「プロレス 点と線」。今回は……事情通Z 「UFCボンヤリ層」の私でも、7月のUFC200が凄く楽しそうなことになってることは知っています(笑)。
――なんてたってブロック・レスナーの電撃参戦も決定ですからね。
Z レスナーの参戦は、UFC199の大会中に流れたUFC200のプロモーションビデオでサプライズ発表された。リアルタイムでは見られなかったんだけど。
――いやあ、この映像は本当に鳥肌モノですよ。UFCに興味がない方も騙されたと思って最後まで見てほしい(笑)。can you see me now !
http://jp.ufc.com/media/ufc-200-cormier-vs-jones-2-its-time
――UFC200出場予定だったコナー・マクレガーの欠場トラブルでドタバタしてましたけど、UFC200はカードがけっこう凄いんですよ。http://jp.ufc.com/event/UFC200#/fight
Z それもボンヤリわかります(笑)。五味(隆典)選手やゲガール・ムサシも出るし。
――オマスキさんとの対談で話題に上がりましたけど、PPV売り上げを狙った「スーパーファイト路線」な編成なんですよね。
Z そこにかつてのPPV男ブロック・レスナーが上乗せされれば、マクレガー不在が感じさせないPPV件数が出そう。私がもうひとつビックリしたのは、レスナーがWWEと契約中だということですよ。
――このニュースはなんとWWE公式も取り扱っていて「一度かぎりの参戦」ということらしいですね。格闘技とプロレスの横断って、90年代・ゼロゼロ年代の日本みたいですけど(笑)。
Z ……プロレス側からすれば、あまりいい思い出はない(苦笑)。
――永田(裕志)さんの01年大晦日はミルコ・クロコップ戦、イッテンヨン東京ドームは秋山準戦、03年大晦日は前日の12月30日に相手がヒョードルであることを知らされて、年明けのイッテンヨンにもあたりまえのように出てますからね(笑)。
Z 新日本プロレスのいまの繁栄があるのは、あのとき永田さんが支えてくれたおかげだよ……(しみじみと)。
――ちなみにヒョードル戦のファイトマネーは未払いに終わったんですよね。ちょっと長くなりますけど、永田さんの証言によれば……「あの猪木祭りの契約は主催者と新日本プロレスとの契約だったんですよ。その契約更改の場には、当時の副社長だった菅林さんと、いまはもう新日本を去った人間が数名いたんですよね。で、『未払いの件をなんとかしてくれませんか?』と聞いたら、みんなフッと目をそらすんですけど(苦笑)。そこで菅林さんだけは目をそらさず『それはやりましょう!』と即答してくれて。もともと新日本をやめようとは思わなかったし、経営状態は本当に厳しかったから、もらえるとは思ってなかったんですよ。でも、そうやって即答してくれた菅林さんの誠意に惹かれましたねぇ。猪木祭りはけっこうなファイトマネーでしたから。それでも3年ぐらいかけて毎月分割で払ってくれて。ちゃんと約束を守ってくれたことにも感激しました。だから、これはどんなことがあっても新日本のために頑張ろうと思いました」……ということです。いい話だ!
Z あのときに永田さんの横断は、当時・新日本のオーナーだった猪木さんの命令だよね。
――今回はレスナー本人のやる気がまず前提にあるんでしょうけど、世界最強のプロレス団体と、世界最強のMMA団体が手を組んだわけですからねぇ。楽しみであると同時に、なんか恐ろしい(笑)。
Z 実際に行われたかどうかは知らないけど、ビンス・マクマホンとダナ・ホワイトのミーティング光景はロマンある(笑)。WWEがUFCにレスナーを貸し出すメリットは、以前からWWE再登場が噂されているロンダ・ラウジー?
――フォーホースメン大好きのロンダ様でしょうね。これによってUFCとWWEの行き来が活発になるんですかね。ようやくCMパンクがUFCデビューするみたいですし、WWEにはシュートレスラー、シンスケ・ナカムラだって控えてるわけですよ? イヤァオ!
Z 妄想しすぎだ(笑)。この続きと、保坂秀樹、橋本真也の不倫と死、クリス・ベンワー、BABYMETA×NXT、リコシェ vs. オスプレイ論争などの記事が読める「13万字・詰め合わせセット」はコチラ
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【W☆ING! PWC! FMW!】保坂秀樹インタビュー「朝4時にジョージさんと空き地で極めっこをやらされるんです」
2016-06-06 23:30110pt知ってるようで知らない保坂秀樹の謎に迫るインタビュー。なぜリングス旗揚げ戦に出たのか。なぜそこからW☆INGなのか。高野兄弟のPWCとはなんだったのか。そしてポーゴ軍なのにミスター・ポーゴと仲が良くなかった!? 天龍源一郎の昭和スタイルな付き人エピソードもたっぷり16000字で語ります!■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
「詰め合わせセット」記事内容一覧 http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1038978■中村祥之が語るハッスル誕生と崩壊――
長州さん、高田さん、小川さん、橋本さんの巨頭会談。長州さんはハッスルの可能性を感じて「これ、天下取れるぞ!」と口にしたんです
■「斎藤文彦INTERVIEWS②」のテーマは「WWEに屈しなかった男」!
プロレスの歴史に舞い戻ったオペラ座の怪人スティング
「スティングとアルティメット・ウォリアー、2人の貧乏青年が出会い、別れ、そして2大メジャーでそれぞれ頂点に立つんです。できすぎでしょ?」
■金原弘光のゼロゼロ年代クロニクル⑩
PRIDE・1ヒクソングレイシー戦〜紫に消えた高田延彦〜
「ヒクソン戦当日、控室には祈祷師も出入りしていて……」
■【デビュー20周年と100戦目】KEI山宮ロングインタビュー――パンクラシストの憧れと死を見つめて
■小佐野景浩のプロレス歴史発見
猪木を超えられなかった藤波辰爾――プロレス職人と野心の時代
「猪木vs藤波最後のシングルマッチの数カ月前に起きた、あの出来事が……」
■アメリカントップチーム移籍初戦完勝!堀口恭司インタビュー
「いろいろと試せました。次はもっとやれます!」
■事情通Zの「プロレス点と線」
・禁断の帰還――さくらえみとアイスリボン
・どうなるUFC日本大会
・内藤哲也というヒール
■オマスキファイトのMMA Unleashed
・アメリカ主流メディアで語られ始めたジャパニーズ・プロレス
・UFC 200は僕らの期待に応えてくれるのか
・UFC売却? ダナ・ホワイトは中国人のボスとうまくやっていけるのか
・ロード・ブレアーズ 桃の缶詰の思い出
・ドキュメンタリー:UFCファイターの試合当日(後編)
■ジャン斉藤のMahjong Martial Artas
「高田延彦はロープ掴み禁止をなぜ知らなかったのか」
■中井祐樹の「東奔西走日記」
■二階堂綾乃のオールラウンダーAYANO
ゴールデンウィークはジムに行こう!
「カチ上げラリアット」でおぼえるグラップリング!■MMAオレンジ色の手帳
新作オススメTシャツはこれだ! 「MMAファッション通信2016」
格ヲタとジャニヲタの小競り合いが勃発! 格闘技中継で何が起きたのか?
http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1038978■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
――いまプロレス界で最も熱い抗争・FMW軍vsUWF軍で保坂さんはFMW軍の一員ですけど、麻生(秀孝)さんのサブミッションアーツレスリング所属としてリングスの旗揚げ戦に出ていたり、キャリアのスタートは格闘技からだったんですよね。
保坂 いや、ボクはもともと格闘技志向ではなかったんですよ。たしかにアマチュアレスリングはやっていて、それで東京農大にも進んだんですけど。もともとプロレスが大好きで。数十年前に大仁田さんが新生UWFの神(新二)社長から「チケットを持ってますか?」って言われたときもプロレスファンでしたから。
――大仁田さんとUWFのあいだに起きた有名な事件ですね(笑)。
保坂 プロレスラーにもなりたくて、そういった機会もなくはなかったんですよ。ボクが大学生のときSWSができるかできないかくらいの時期だったんですけど。東京農大の合宿の近くに、全日本プロレスとUWFの道場があったんですよね。だからUWFの選手たちが坂道ダッシュしてる姿を見てたりもして。で、高校の先輩だった折原(昌夫)さんが全日本にいて、天龍さんの付き人をやってたんですよ。
――折原さんが付き人ということは、天龍さんが全日本を離脱する直前ですね。
保坂 近所だから折原さんが合宿所にいつも遊びに来るんですよ。「これ、洗濯しといてくれ!」って全部天龍さんの洗濯物なんですけど(笑)。
――後輩に押し付けてましたか(笑)。
保坂 プロレスファンだから「お、天龍さんのだ!」って喜んで洗濯してたんですけど。そのときに天龍さんが一度だけ合宿所に中華の差し入れをしてくださったんです。「すいません、ありがとうございます」ってお礼したんですけど、のちにボクが天龍さんの付き人をしてるときにそのことを言ったら「おぼえてるよ!」って(笑)。
――のちに付き人をやるんですから不思議な縁ですね。
保坂 で、折原さんから「SWSという新しいプロレス団体ができる」という話を雑誌に載る前から聞いていて。折原さんが「どうしても天龍さんに付いていきたい!」って電話している姿も見ていて。きっと天龍さんから「おまえは全日本に残れ」って言われてたんですかね。
――結局、折原さんもSWSに移りますね。
保坂 ボクも折原さんから「大学なんかやめてSWSに来いよ!入門テストを受けろよ!」と誘われて。バカだからその足で大学をやめようと実家に帰っちゃったんですよ。でも、そんなに簡単に大学はやめられなくて、SWSの入門テストも受けられず。結局1年間経ってから大学をやめて「これからどうしようかな……?」ってときに、高校の先輩だった木村浩一郎さんに出会ったんですよね。あの人は当時サブミッションアーツレスリングという格闘技をやってたんです。
――木村さんはサブミッションアーツレスリングの代表選手でしたね。◉木村浩一郎インタビュー「FMWとリングスで俺はこの業界をナメてしまったんですよ」http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar569058◉【関節技の帝王】サブミッションアーツレスリング総帥・麻生秀孝インタビューhttp://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar690764保坂 木村さんに「なんにもしてないならトレーニングに来いよ」って誘ってもらって、それで工場仕事をしながら1年くらい道場に通ったんですけどね。
――保坂さんが通っていた頃のサブミッションアーツレスリングとはどんな格闘技だったんですか?
保坂 結局いまでいう総合格闘技ですよね。あの頃は総合はなかったですけど、空手、ボクシング、サブミッションがミックスしたのがサブミッションアーツレスリング。その頃に出会ったのが鶴巻(伸洋)なんですよ。◉W☆ING発、リングス行き! 「足首鳴ってんどー!!」鶴巻伸洋の怪しい格闘家人生http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar576792
――そのときまだプロレスラーの夢は抱いてたんですか?
保坂 いや、何も考えてなかったですね。当時ってプロレスラーになる方法って限られてたじゃないですか。
――団体も数えるくらいしかなかったですし。
保坂 そうしたらリングスから麻生さんに「サブミッションアーツレスリングで何かできないか」って話があって。それでボクが木村さんとの試合でリングスに出ることになったんですよ。
――それが横浜アリーナのリングス旗揚げ戦ですよね。一番最初の試合は保坂さんだったという。
保坂 いまでいう「第0試合」ですよね(笑)。で、しばらくして今度はW☆INGの話があったんですよ。
――リングスからW☆ING!(笑)。麻生さんは弟子たちをリングスやFMW、W☆INGに送り込んでいたんですよね。
保坂 そういうことですね。今度できるW☆INGという団体は格闘技路線だと。でも、ミスター・ポーゴがトップなんですよね(笑)。
――ハハハハハハハハハハ! 明らかにあやしいですね(笑)。
保坂 麻生さんはボクがプロレスが好きなことを知ってるので「おまえもどうだ?」と。ボクとしては願ったり叶ったりなんですけど。
――鶴巻さんはW☆INGを格闘技団体だと思って参戦したんですよね。
保坂 彼は格闘技だと思ってましたね。のちにバトラーツに行った臼田勝美さん、FWMで初代ザ・シューターをやってた猿川さんもみんなW☆INGは格闘技だと思ってたんですけど。ボクはプロレスデビューの手段になればいいなくらいの感じで参加したんです。
――W☆ING旗揚げ前に合宿を張ったんですよね。木村浩一郎さん、斎藤彰俊さんらも参加して。
保坂 ああ、やりました! たしか全女からリングを借りてやったんですよ。その合宿にはポーゴさんは来てないし、格闘技の練習しかしてないんですけど。
――その中で三宅綾さんは唯一のアメプロ志望だったから浮いていたとか。
保坂 だからみんな考え方がバラバラで違うんですよ。プロレスをやりたい人間、プロレスをやってきた人間、格闘技をやりたい人間……と。結局、フタを開けたらデスマッチ路線ですからね(笑)。
――ハハハハハハハハハ! そうなると納得がいかない人間が出てくるわけですよね。
保坂 鶴巻や猿川さん、臼田さんは「話が違うじゃないか!」と。鶴巻とボクは方向性は違いますけど、同じ新潟出身で同学年だから話が合ったし、当時一緒に住んでいたんです。渋谷にあったW☆INGの事務所に寝泊まりしてたんですけどね(笑)。
――保坂さんのデビュー戦はグレート・ウォージョ。「ローラン・ボックの再来」という触れ込みで格闘技路線っぽい感じではありましたよね。
保坂 ウォージョはアマチュアレスリングでもの凄い実績があって、ボクもレスリングをやっていたことで当てられたんだと思うんですけど。振り返ってみると……あの過去は消したいくらいです(苦笑)。プロレスというものが何もわからないまま、プロレスを何も教わってない状態でリングに上がらされて。いま考えると失礼な話ですよね。
――固い試合だったと聞いてます。
保坂 固い試合でしたね。ウォージョは力はあるし、凄い身体をしてて。
――道場マッチというか。
保坂 だから思い出したくもない(笑)。人前で見せるようもんじゃないですよね。そのときW☆INGに参戦していたトム・プリチャードやダニー・デービス、アイスマンをやってたリッキー・サンタナにプロレスを教わったんです。巡業中に彼らのトレーニングに参加して。そのとき初めてプロレスに触ったといえるんですね。
――でも、そのW☆INGはすぐに離脱しちゃいますね。
保坂 なんかバカらしくなったんですよね。まずお客さんに失礼ですよね、プロレスを教わってないボクらのような人間がリングに上がってるわけですから。あと内部もメチャクチャだったんで。茨城(清志)さんとかデタラメじゃないですか(笑)。
――旧W☆INGで外国人招聘に携わっていた茨城さん。ギャラ未払い等、デタラメな逸話には事欠かないですね(笑)。
保坂 ボクの場合、ギャラは問題なかったんですけど。
――W☆INGというと、格闘三兄弟の徳田(光輝)さんがいろいろと評判が……。
保坂 ああ、のちのち徳田さんがいろいろとバカにされたりしてるんですけど、当時はなんとも思ってなかったんですよ。たしかに徳田さんはプロレスの練習はしてなかったんですけど。
――徳田さんはあることないこと吹き込んで他人を貶めることが多かったという話ですよね。
保坂 ああ、それはあるみたいです。表と裏では言うことが違うことで、人間としてダメな部分はあったらしいですけど。ボクは直接何かされたわけじゃいし、結局W☆INGには2シリーズしかいなかったので。
――W☆INGは、茨城さんのデスマッチ(新生W☆ING)派と、社長の大迫さんのWMA派の二派に割れますが、保坂さんは鶴巻さんと一緒にWMAに残留したと言われてますよね。
保坂 いや、べつにWMAに所属したわけじゃないんですよ。結局大迫さんは団体をやりませんでしたし。
――鶴巻さんいわく、事務所に寝泊まりしてたから大迫派に思われていたとか。
保坂 そうなんですよ。具体的な話も何も聞いてなくて。三宅さんのブログを読むと、あの人はずっと大迫さんのところにいてWMAの旗揚げの準備をしていたとか書いてるんですよね。そんなことボクは全然知らなくて(笑)。
――せっかくプロレスデビューできたのに、その後のことはどう考えていたんですか?
保坂 プロレスの夢をあきらめられないですから、なんとかしようと考えていたんですけど。そんなときにPWCが旗揚げしたんですよ。
――ジョージ高野と高野拳磁(当時・俊二)の!
保坂 PWCが旗揚げして新弟子を募集してる。『週刊プロレス』に載ってる住所に行ったんですよ。東大和だから遠かったんですけど(笑)。道場に着いて「……どうしよう」って戸惑ってるときに、建物の中からジョージさんが出てきたんですよね。その場で「すいません、弟子にしてください!」ってお願いしたら話を聞いてくれて。すんなりそこに寝泊まりできるようになって。2階が合宿所で、1階が練習する場所で、のちにリングを置くんですけど、最初は何もなかったですね。
――ほかに新弟子は誰がいたんですか?
保坂 最初はボクだけですね。あとから黒田(哲広)、南条隼人が加わって。その前にも2〜3人新弟子がいたんですけど、高野俊二に毎日殴られていなくなっちゃいました(笑)。
――毎日殴られる!
保坂 酔っ払ってボコボコに殴ってくるんですよ。あと意味がわからないんですけど、高野俊二と1対1で殴りあいをさせられて(笑)。
――なんですか、それ(笑)。
保坂 酔っ払ってお互いに一発づつ殴りあうんですよ。
――前田日明と武藤敬司に似たようなエピソードがありましたけど。新日本の伝統なのかな(笑)。
保坂 でも、こっちは新弟子だから殴れないじゃないですか。そうすると「なんで殴らないんだよ違!」って殴られるんです。殴るぶんには怒られないんですよ。まあ、結局、殴り返されるんですけど(笑)。
――ハハハハハハハハハハ! 殴っても殴らなくても地獄(笑)。
保坂 俊二さんはひとことでいえばデタラメな人なので。たまにみんなで六本木とかで飲むじゃないですか。俊二さんがレジのほうに行くから会計するのかと思ったら、店員に向かって「じゃあ!」って大声で挨拶して店を出るんですよね。
――ええええええ!? お会計は……。
保坂 わからないです。でも、俊二さんしか支払いはできないんですけどね(笑)。やっぱり2メートル120キロくらいあって怖いから、店員も何も言えないんですよね。
――高野拳磁、さすが強烈ですね(笑)。
保坂 凄いですよ。あるときなんて飲んでる最中にビール瓶で殴られましたからね(笑)。
――何か怒らせたんですか?(笑)。
保坂 理由なんかないですよ!
――ハハハハハハハハハハ!
保坂 理由があるならまだいいんですけど。そういえば、道場で飲みの席があって、そこに仲野(信市)さんもいらしたんですよ。「今日は無礼講だ!」ってことで始まったんですけど、ある新弟子が本当に無礼講だと思っちゃったんですよね。大騒ぎしていたら、仲野さんに非常階段に連れて行かれてボコボコにされて(笑)。
――ハハハハハハハハハハハハ!
保坂 ボクは「無礼講は無礼講じゃない」ってことは知ってたんですけど(笑)。翌日、朝起きたらその新弟子がいなくなってましたね。
――ジョージさんはどんな人間だったんですか?
保坂 ジョージさんは基礎練習が凄く好きなんですよ。朝4時くらいに道場に現れて練習するんですけど。
――朝4時から練習!(笑)。
保坂 まだ道場で練習するならわかるんですけど、道場の前に空き地があって、石とかでボコボコなんですよね。そこにビニールシートを広げて「極め合いするぞ!」と。
――朝っぱらから空き地で極めっこ!(笑)。
保坂 石でボコボコでヒザもつけないようなところでやるんですけど。道場にリングがあるんですよ?(笑)。たぶんですけど、あの頃はU系全盛だったから、ジョージさん、UWFに憧れていたと思うんですよ。
――そのあとのジョージさんって格闘技の試合をけっこうやってるんですよね。上田勝次さんとキックをやったり、一般人と格闘技戦をやって判定で負けたり。
保坂 ジョージさん、格闘技系のスタイルが好きだったんですよね。だからって空き地で練習する意味がわからないですけど(笑)。
――大男2人が空き地で早朝スパーをやっていたら通報されかねないですよ(笑)。
保坂 まあ静かな街だったので。そのまま「走りに行くぞ!」って延々とランニングを始めて。ジョージさんとはぐれちゃうし、道がわからなくなっちゃって電車で帰ってきましたけど(笑)。
――ジョージさんは「宇宙人」と呼ばれるだけのことはありますね(笑)。
保坂 ジョージさんは「霊が見える!」「これは何か取り憑かれてる……」とか真顔で言いだしたりしますから。あと俊二さんといつもケンカするんですよ。
――どういう理由で兄弟ケンカするんですか?
保坂 なんなんですかね。考え方の違いなんですかね。ボクが知るかぎり兄弟の仲は良くなかったですね。最後は安達さん(ミスター・ヒト)が包丁を持ち出して「ケンカはやめろ!」って止めるのがいつもの光景で。
――ハハハハハハハハハハ! どんな日常なんですか!(笑)。
保坂 みんなで集まってちゃんこを食べてると、いつのまにかケンカしてるんですよね。
――で、安達さんが包丁を持ち出す、と(笑)。
保坂 そうそう(笑)。ジョージさんは純粋な人なので視野が狭くなっちゃんですよね。俊二さんはデタラメというか……付き人をやってましたけど、本当に大変でした。理由なく殴られる日のほうが多くて。
――イヤになりませんでした?
保坂 イヤになりましたけど、ここを逃げ出したらプロレスはあきらめないといけないので。1回だけ荷物をまとめたことがあるんです。もうひとりの新弟子と「一緒に逃げよう!」と。そのときはリングが道場に置いてなくてプロレスの練習もやらせてもらえないし、ここにいる意味がないなって。いざ逃げようとしたら、けっこうな田舎で夜中だったから、タクシーが捕まらなかったんですよ(笑)。もうひとりは反対車線にタクシーが来たからそのまま消えたんですけど。
――そこも運命だったんですねぇ。
保坂 そのあと安達さんが道場に来てからは、やめようと思ったことはないですね。安達さんと一緒に寝泊まりして、朝と夕方に一緒に練習して。1日中、安達さんのレスリング教室です。安達さんが言っていたのは「いつでもリングにいなさい、リングに慣れなさい」と。遊びながらでもリングに触れることが大事だと。夜はかならず道場の前にある居酒屋に安達さんと高木(功)さんと一緒に飲みに行くという毎日で。そこで初めてプロレスラーになれた感じはしましたね。
――遠回りしましたねぇ。
保坂 しましたね。直接、どこかの団体に入門できればよかったんですけど。流されるままサブミッションアーツレスリングに通って、流されるままリングスやW☆INGに出て。PWC自体にはそんなに長くはいなかったんですけど。
――高野兄弟はケンカ別れしちゃいますよね。ジョージさんが出て行って。
保坂 旗揚げしてまもなく割れましたね。で、ボクら若手にはFMWからオファーがあったんですよ。「若手だけで来ないか」って。あのときはボク、戸井(克成)さん、大矢(剛功)さん、黒田、南条隼人がFMWに移って。
――そのときは若松(市政)さんはPWCに参戦されてたんですか?
保坂 若松さんがギリギリいましたね。若松さんはいい人だったんですよ。ボクにも敬語で喋ってくれて。
――高野拳磁さんの野良犬路線は……。
保坂 そのときボクはいなかったです。ジョージさんがいなくなり、安達さんいなくなり、高木さんがいなくなり、ボクら若手が抜けてから野良犬路線が始まって。
――最後の拳磁さんに会ったのはいつですか?
保坂 それから会ってないです。日本にいないらしいですよね。
――ロサンゼルスにいるみたいですね。プール付きの豪邸に住んでいて、海で溺れた人を助けて表彰されたことがニュースになってましたけど。
保坂 ホントですか? メチャクチャ酒を飲ませて溺れさせたんじゃないですか?(笑)。
――ハハハハハハハハハハ!
保坂 それくらいの人ですよ(笑)。
――移籍先のFMWの居心地はどうでしたか?
保坂 黒田は新弟子として入ったんですけど、ボクは大矢さんと一緒にポーゴ軍に入れられて。ポーゴさんとはW☆ING以来なんですけど、まあポーゴさんとはウマが合わなかったですねぇ。
――保坂さんといえば、ポーゴ軍の印象が強いですけど……絆はなかった(笑)。
保坂 簡単に言うと、ボクがポーゴさんを嫌いだったんでしょうね。ポーゴさんってかなりいい加減なんですよね。ボクがいい加減じゃないと言ってるわけじゃないですけど。ポーゴ軍は一時期、ボクとグラジエーターとポーゴさんの3人しかいないときがあったんですけど。グラジは毎日ポーゴさんに怒ってましたからね。ポーゴさんの動きがいつもデタラメなんで。
――ポーゴ軍として毎日試合をしてるのに息が合わないと?
保坂 そうなんですよ。ボクとグラジは阿吽の呼吸なんですけど。毎日やっていれば、次の日のほうがよくなっていくもんですけど、ポーゴさんは全然よくならない(笑)。
――逆・四天王プロレスというか(笑)。
保坂 あと、しょーもない嫌がらせをしてきたり。それがイヤでイヤで。有刺鉄線を腕にぐるぐる巻きにして顔を狙ってラリアットをやってくるんです。
――うわあ……。それ、わざとなんですか?
保坂 わざとだってわかるんですよ。しょうもなって思いながら試合をやるんですけどね。ポーゴさんもボクのことが嫌いだったと思います。ポーゴさんが群馬でやってる興行に呼ばれたことないですもん。呼ばれるとすれば、大仁田さんが「保坂も入れなきゃダメだよ」ってことで。まあまあ大人の関係なので「鎌を出せ!」「バットを持って来い!」と命令されたら「自分でやれや!」と思いながら、しぶしぶ用意してましたね(笑)。
――ハハハハハハハハハハ! FWM正規軍とはどんな関係だったんですか?
保坂 大仁田さんやターザン後藤さん、FWMの選手とはリング上でしか会わないんですよ。控室は別、バスも別。ボクらは外国人バスに乗ってたんで。
――FMWが巨大インディ化していた頃なんですね。
保坂 そうです。創成期じゃなくてガーッと上がっていくときのFMWだったんで。あの頃の巡業の移動は日本人バス、外国人バスがあって、大仁田さんは田中(将斗)が運転するキャンピングカー。ECWが来たときは外国人バスに乗りきれなくて、サンドマンなんて酒を飲んでベロベロになって床に寝てましたからね(笑)。この続きと、橋本真也の不倫と死、クリス・ベンワー、BABYMETA×NXT、リコシェ vs. オスプレイ論争などの記事が読める「13万字・詰め合わせセット」はコチラ
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