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北岡悟が語るクレベルvs朝倉未来、喧嘩論、ギロチンうまいマン……15000字で格闘技を語り尽くします!この原稿はニコ生、Youtubeメンバーシップで配信されたものを構成したものです(聞き手/ジャン斉藤)







──
みなさん聞こえますでしょうか。Dropkickのジャン斉藤です。今日は北岡悟さんをお呼びして、いろいろなお話を伺っていきたいと思います。

北岡 よろしくお願いします。

──
前回は漫画喫茶の非常階段からの配信という異常事態でしたけど(笑)、今日はどちらからでしょうか。

北岡
 今日は私のジム、パンクラスイズム横浜からやらせていただいてます。

──
前回との違いをいえば、北岡さんにはお子さんがお生まれになりました。おめでとうございます!

北岡
 ありがとうございます。いまジムにいますね(笑)。

──
かわいいなあ。いいんですか、こんな夜遅くまで起きてて。

北岡
 この時間まで自然に起きてることが多くて。

──
まだ1ヵ月経ってないですよね。

北岡
 3週間ちょいですね、あぁ、泣きそう泣きそう……。

──
パパが怖いんですか?(笑)。

北岡
 パパは怖くはないと思います。

──
失礼しました(笑)。もうかわいくてしょうがないんじゃないですか?

北岡
 そうですね。みんな自分の子をかわいがる理由は「こういうことか!」と。親になって知ることが多い3週間ですね。ジャンさんもたまにXで娘さんネタをちょっと投げたりしてるじゃないですか。「そういうことか!」と納得いくというか。

──
ボクも北岡さんも年齢的には遅めのお子さんですよね。

北岡
 世の中で言われるやつじゃないですか。「年を取ってからの子供はかわいい」みたいな。

──
ボクも45歳のときですからね。

北岡
 なるほど。自分と同じですね

──
子供が生まれて思ったことは、これが若いときだったら体力もあったし、もっといろんなことができたんじゃないかなと思ったんですけど。年を取ってると大人になってるんで、達観して子育てに取り組めてるかなって感じはありますね。

北岡
 おっしゃるとおりだと思います。男や雄っていうよりも、父としての立ち位置が大事になるのかなって思いますよね。

──
みんな格闘技の話を聞きに来てるのに、いきなり子供の話をしてもしょうがないので、そろそろ話題を変えたいと思います(笑)。

北岡
 ジャン斉藤と北岡悟の子供の話、誰が聞きたいねん(笑)。

──
超RIZIN4のクレベル・コイケvs朝倉未来の判定なんですけど、率直に思われました?

北岡
 その試合は寿司をつまみながら……。

──寿司をつまみながら?(笑)。

北岡
 はい、回転寿司屋さんで、寿司を食べながらスマホで見てたんですけど。ボクは朝倉未来選手の勝利だろうなと思ってたんですけど。判定だと最初の1人がクレベルに付けましたよね。「ああ、そう見えたんだ」「いまのMMAのジャッジでクレベルに入るかあ……」とは思いましたよね。で、もう1票入ってクレベルの判定勝ちになったら「まずくないかなあ」。この試合内容で朝倉未来選手が負けになるのは、よろしくないだろうって思いました。

──いまのMMAのジャッジの基準からすると、この内容で朝倉未来を負けにしちゃうのは、よろしくないと。

北岡
 「この試合内容で」ですね。それでいて朝倉未来が勝ったほうが業界的にもいいだろうし。

──
逆にクレベルについた理由はわかりますか?

北岡
 あらためて試合映像を見直したんですけど、クレベルのほうがアグレッシブはアグレッシブだったじゃないですか。アテンプト、チャレンジも全然多いし、仕掛けもクレベルから作ってる感は多いかなとは思いました。だからクレベル本人はこの判定に憤慨してるのかなと。そこまで客観視ができてるとは思わないし、人間は主観が強いとは思いましたけれど。

──
クレベルを評価するんだったらそこですよね。ただ、いまのMMAのジャッジの基準だと、クレベルにはポイントがつきにくい。

北岡
 そうなんですよ。レスリングコントロールできてないし、サブミッションも鋭いかたちになりましたか?見直したけどなってないですよね。それでもJMOCの中の1人がクレベルにつけてるっていうことだから、アグレッシブとアテンプトなのかなと。

──
ボクも断然、朝倉未来の判定勝ちなんですけど、クレベルについてもおかしくはないとは思ったんですよね。可能性の話です。

北岡
 でも、これでスプリット(2-1)ではないかなと。ユナニマス(3-0)でも、もっと微差の試合ってあるじゃないですか。 扇久保(博正)と(ホセ・)トーレスの試合もそうですよね。

──
北岡さんは扇久保博正vsホセ・トーレスをどう見ました?

北岡
 ボクは扇久保だと思いました。

──
この試合とクレベルvs未来の判定を混ぜて語ってる人もいますけど、これはまったく違う試合ですよね。

北岡
 違うと思いますけどね。扇久保選手が組みのアテンプトを混ぜているから同じように扱ってるのかもしれないけど、扇久保の打撃がきれいにヒットしてるし、それでいて混ぜてるし。ボクは格闘技選手であり、指導者であり、識者としてこうやって場を設けてもらってるわけですけど、ジャッジがお仕事でもなんでもないし、試合を見ながら有効打をチェックしてるわけではないんですけど。扇久保の打撃が有効に見えました。

──
後半トーレスが戻してる印象が強いけども、オギちゃんも打撃を当ててるし、なおかつアタックしてるから、クレベルvs未来とはちょっと違いますよね。

北岡
 そうなんですよ。でも、それこそ扇久保の試合も「わかんないな」ってジャンさんも思いましたよね?

──
はい。わかんないなと思いました。扇久保選手の試合もクレベルの試合も、反対につける人がいてもおかしくないなというか。それは可能性の話ですね。

北岡
 「10人中何人つけたのか」ってことですよね。扇久保vsトーレスだったら、トーレスにつける人が10人いたら3人いるとするじゃないですか。クレベルと朝倉未来だったら、クレベルは1人か2人だと思うんですよ。

──
その差はありますよね。

北岡
 で、クレベルの試合のジャッジ3人の中に、その1人がいたみたいな感じじゃないですか。だからこそ、朝倉未来が負けにならなくてよかったなって思います。ちなみにボクは、キャリアの中でスプリットで負けてる試合、けっこう多いんですよ。この5年間だけでもスプリットで負けたのは3試合。DEEPの泉(武志)戦、上迫(博仁)戦、RIZINの久米(鷹介)戦、この5年間で3試合。スプリットで3つ負けてる。

──判定を告げられるときに「相手につくかもな」っていう予感はありました?

北岡 泉戦のときは厳しいかもしれないけど、「俺の勝ちでもいいよね」ぐらいは思ってて。上迫のときは「俺の勝ちでいいじゃん」。久米に関しては、「俺、勝ったでしょ」と思った。

──
久米戦はそういう声が多かったですよね。

北岡
 だけど、負けといわれたら負けというのもわかってます。

──
この10年くらいでジャッジの評価も変わりましたよね。組んでいるだけではポイントにならない。

北岡
 変わりましたね。イメージとしてはキックボクシング、打撃の競技にグラップリングがついているというもんですからね。

──
組みの競技に打撃がついてるわけではないと。前回はクレベルが三角で仕留めたんですけども、今回は朝倉未来選手の組みに対するディフェンス力が上がってるってことでよろしいんですか?

北岡
 うーん。

──
違うんですか?(笑)。

北岡
 一応、前の試合も見ました。なんだろう、前の試合より知識は入ったのかもしれないですよね。「手の位置ここがいい」「こういう姿勢がいい」という知識が入ったのは間違いないんじゃないですか。だから組手ができあがった。それをいうと、2人ともやっぱり変わったんですよね、この4年間の間で。いろいろな経験を積んで、知識も入って、選手としてレベルが上がったともいえるし、ある種、大人しくなったともいえる。

――あー、大人しくなった……。

北岡 キレや殺気が落ちたともいえるかもしれないですね。荒々しさがなくなった。選手として精度が上がったけど、その代わり失ったものがあるという話。

──
やっぱり若いときは怖いものなしで荒々しく前に出れるけど、負けの経験を積んでいくと、ギャンブルしなくなるわけですね。

北岡
 朝倉未来選手の打撃の鋭さは4年前のほうがあったんじゃないかなと思いましたね。パッと見た感じ、4年前のほうが痛そう。失ったものがあるけど、得てるものがあるという、ありがちな話ですよね。たとえば、打撃の選手は組み技を覚えすぎると打撃のキレが落ちることがよくあるんですよ。逆にボク自身が経験してることだけど、打撃のことをいろいろ覚えすぎると、組みで飲み込む力が弱くなる。

──
北岡さんも打撃をやることで組みにも影響することを痛感してきてたんですね。

北岡 はい、そこは間違いなくあると思います。

──
すごく難しいですね、MMAって。何かを補っても何か確実に失われていくものがある。

北岡
 それでいて、やっぱり総合力も大事っていう話だし。答えはないというか、その場で勝利が出たら、その場の正解ではあるわけじゃないですか。スプリットだろうといったん勝ちになっちゃえば、その場では正解。でも、時間が経って、その場で正解が出たせいで、あとでいっぱい負けることもあったりすると思うし。

──
あー、なるほど。微差の判定で勝ったけども、勝ったおかげで何かが狂っていく可能性もある。変な話ですけど、勝たなきゃよかった試合もあったかもしれないですね。

北岡
 極端なことをいうと。

──今回の試合は、クレベルも未来選手も「大人になった2人」が戦った試合と言えるわけですね。

北岡
 そうですね、間違いなく。それをすぐ「衰えた」とか「落ちた」という意味では言ってないんですよ。変化です。成長って安易に言うことではないけれど。


・打撃の競技だけど、グラップリングが強くなければいけない。
・ピットブルvs野村駿太は組みができてこその打撃戦
・格闘技の喧嘩とは?
・金ちゃんの引退の仕方は幸せだと思う
・北岡悟のギロチンチョーク論……15000字インタビューはまだまだ続く

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https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2220414

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