各国の首脳らが集う国連総会で2009年9月24日、米国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長のジェフリー・ベーダー(当時)は一般討論演説を苦々しく見ていた。登壇していたのは、その日が外交デビューとなった日本の首相鳩山由紀夫。
鳩山は高揚感に満ちあふれた表情で「日本が懸け橋となって挑むべき5つの挑戦」を掲げた。最後の一つに挙げたのが「東アジア共同体の構築」だった。アジア太平洋各国にとって安全保障上の危険を減らし、「経済的なダイナミズムを共有し合う」ことは大きな利益になる、と訴えた。
ベーダーはその場で周辺に